雪にぼだよ~

Last-modified: 2017-07-20 (木) 08:35:15

「ただいまー…っていうのもなんか変だなぁ」
ぼやきながら合い鍵で扉を開ける。
「おかえりー…91、92…」
家主の夏凜の声。
「またトレーニング?好きだよねー夏凜」
鞄を置いて、スーパーで買ってきた食材を冷蔵庫にしまう。
「95…日課よ、日課…96。雪花もやったら?」
「うーん、とりあえずパスしとこうかな。
もう晩御飯食べた?」
賞味期限が近い食材をチェック。
もやしがそろそろか。
漬け込んでおいた味玉はそろそろ食べ頃かな?
「100、と…。まだ食べてない」
「それじゃ、夏凜の分も作るわ。ラーメンで良いよね?
先にお風呂入ってきなよ」
鍋を取り出しながら声をかける。
調理器具の場所もいつの間にかバッチリ覚えてしまった。
「ホント、ラーメン好きよねー。ま、確かに雪花のは美味しいけど。
じゃあお風呂貰うから、よろしく」
うどんが至高、なんて言ってた夏凜が嬉しいことを言ってくれる。
布教は順調のようだ。
「ハイハイ、腕によりをかけて作っておきますよーっと」
押しが強過ぎる勇者部の皆に少し疲れていた私に、合い鍵を渡してくれた夏凜。
最初は戸惑ったけど有り難く使わせて貰っている。
気づけば入り浸って、ほぼルームシェアになってしまっているけれど…。
「ま、こういうのも有りかな、うん。
さてさて、もやしと、秘蔵の味玉に…さっき買ってきたチャーシューも付けてあげますか!」