パエトーン図鑑

Last-modified: 2026-05-06 (水) 21:19:10

作業台:(協力者ファイル | プロキシノート | パエトーン図鑑 | 情報 | ホロウ見聞)


概要

いわゆるエネミー図鑑。
ここではエネミーに関するストーリー・文面のみをまとめているため、攻略に関してはエネミーを参照してください。

一覧

エーテルの異形

Ver2.5では42項目。

ニネヴェ

「極めて危険」な「相利共生型エーテリアス群」に分類されているとはいえ、「ニネヴェ」の非常に特徴的で美しい姿を見て、警戒を抱けというのは難しい話だ。
わずかに残されている調査記録では、「ニネヴェ」が体を伸ばすことで高濃度烈性エーテルテルが「根茎」を通って自身のコアに集まり、絶え間なくエネルギーが供給されるようになっていると説明されている。ある学者は、「ニネヴェ」のこの行動は植物の光合成に似た原理だと推測した。
体が揺れるたびに、活性が高まりすきた一部のエーテルエネルギーが絶えず流れ落ち、その蓄積された烈性エーテルが溢れんばかりになると…「ニネヴェ」は姿を変え、本当の意味で「満開」の姿となる。
そして輝きと共に花開く瞬間、死もまた訪れるのだ。
「良い知らせは、やつに悪意はなく、光合成のために養分を吸収しているだけだということ。悪い知らせは…その養分が我々だということだ」

──防衛軍、零号ホロウに関する調査行動記録(記録番号「K-411 」)

ミアズマの司祭

新エリー都にとって、ホロウは絶望そのものの災厄だ。ホロウが拡大するたびに、恐怖、死、痛み…あらゆる絶望が人の理性を蝕み、何千、何万もの運命を狂わせる。
その兆しはホロウの奥深くから始まるが、そこから奇妙な呼び声が聞こえた者もいた。絶望の中に一筋の…希望と救いの光を垣間見たのだ。
以来、彼らは神秘の意思に導かれ、秘密組織を結成する。ミアズマの司祭はエリー都の影に潜み、道に迷った者たちへとその祝福を広めていく。
「ミアズマの司祭」にとって、ホロウの拡大はただの天災ではない。代々の「司祭」は、その背後に潜む真実を求めて飽くなき探求を続けてきた。渇望する真理…ホロウの中に宿る意志は、やがて現実となる。
その過程で犠牲は避けられない上、些細な厄介事も当然のように発生する。虚狩りに狙われ、各組織から追われようとも、それは真理に至る道の上の、取るに足らない障害に過ぎない。
長年の準備の末、「ミアズマの司祭」はついに完璧に近い姿で、万全の備えをもって、ホロウからその意志を現世に召喚することに成功した。「ミアズマの司祭」の身にまとわりつくミアズマ、他者にとって触れることすらできない侵蝕物質は、彼にとっては眩く燃える武器であり、鎧なのだ。
これこそが、「ミアズマの司祭」が祝福されたことの何よりの証である。
「その意志は…いずれ世に降臨する」
「汝らがすべきことはただ一つ…」
「耳を傾け、従い、そして…祝福を受け入れるのだ!」

――ミアズマの司祭が儀式を執り行っている

ジェペット

零号ホロウで最も恐ろしいエーテリアス共生体の一つ、「ジェペット」。その奇抜な姿は、初見者から「あまりにも不気味だ」と思われてしまうことが多い。
その恐ろしい巨体は、荒れ狂うエーテルエネルギーを内に秘めているものの、まるで操り人形のように不規則で予測不可能な動き方をする。零号ホロウでは、観測資料が不十分な状態で「ジェペット」と遭遇した調査員を待ち受けるのは、終わりのない恐怖と避けられない死のみ。
巨大で不気味な外見は偽装に過ぎず、体の主導権を握っているのは体内にある超臨界状態の烈性エーテルコアだと、「片利共生型工ーテリアス群」の関連記録をもとに推測する学者がいる。
しかし残念なことに、その謎のコアに関する調査記録は未だにない。
「死神は実際に見たことないが、其の操り人形がどんな姿なのか知ってるんだ……」

──『ホロウ茶会』の特集、とあるエリート調査員のインタビューより)

マリオネット・ツインズ

ずっと昔、天才的なダンサーの姉妹かいた。彼女たちは彗星の如くデビューし瞬く間に人気をさらうと、賑わう「バレエツインズ」で華々しいショーを開催した。
栄光のカーテンコールまでまもなくというそのとき、突如ホロウ災害が発生。
バレエツインズはホロウに呑まれ、ダンサー姉妹もその闇に落ちることとなった。当時そのニュースを聞いた人々は誰もがやるせない思いでため息をついたという。
そして現在、多くの人々は、残された映像や書籍等の資料からでしか、当時の彼女たちの生き生きとしたダンスについて知る術はない。
しかし、バレエツインズに潜り込んだごく一部のホロウレイダーは知っている。忘れられた舞曲が再びビルの中に鳴り響くと、「マリオネット」たちのおぼろげだか躍動的な影が、約東通り現れることを。
彼らの多くは、それが当時の双子ダンサーに関係あるものであり、彼女たちの代わりに、あの時の「カーテンコール」を迎えようとしているのだと信じている。
「あの奇妙な音楽が終わると、2体のマリオネットが暗がりから出てきて、俺たちに一礼したんだ…」
「え?つまり、そいつらはショーの始まりを伝えたかったのか?」
「いや、あれは…『逃げようとしてももう遅い、すべては終わりだ』って意味だと思う」

『ホロウインタビュー』第251期、生き残りホロウ調査員に関するインタビュー

デッドエンドブッチャー

ほかの高危険度エーテリアスとは異なり、「デッドエンドブッチャー」は見る者を驚愕させる巨大な体躯にも関わらず、体内のエーテルはつねに活性の低い休止状態にある。
とはいえ依然としてあらゆる障害物を打ち砕く暴虐的なパワーを持っており、辺り一面がねじれ、打ち壊された地下鉄エリアは、全てがヤツの「禁断の厨房」だ。
そして、脅威を感じさせるターゲットが「デッドエンドブッチャー」の強烈な関心を掻き立てたその瞬間にのみ、恐るべき変化が生じる──
体内に蓄積された高濃度エーテルがものの数ミリ秒で尽く烈性化し、指数関数的に膨張するエネルギーがその体を急速にひずませ、ねじまげ、より凶暴で貪欲な「食事形態」へと変える。
これは「前菜」が終わり、他に類を見ない「暴食の宴」が本当の意味で始まったことを意味する。
この「宴席」の一部になりたくない?誤ってこの場に迷い込んだホロウレイダーよ、ならばとにかく慎重にルートを選び、ヤツの「厨房」からできるだけ離れることだ…
[このホロウは複雑だが、ひとつシンプルに確かなことは…「ヤツ」が現れたら、その道は「デッドエンド」だってことだ]*1

──ホロウ調査協会、「デッドエンドホロウ」に関する調査記録第17号

ミアズマラヴェジャー・アヴァルス

ホロウ調査協会の報告では、アヴァルスはしばしば「暴食の罪」の化身と揶揄されている――その腹が突き出た体型は、いつ寝てもおかしくない怠け者にしか見えない。だが、侮ってはいけない。観測記録によると、アヴァルスはその巨体を球のように丸め、驚異的な速度でターゲットに突進してくるのだ。
それほどの運動量を誇りながら、なぜあれほど丸々とした体型を維持しているのか?この謎については、協会でもいまだに解明できていない。

「転がってる姿がうちのハムスターを思い出させるんだよな。ちょっとデカいけど」
「ちょっとどころじゃないでしょ…」

――ホロウ調査員の観測日誌より、2名の観測員の雑談から抜粋

ツェペシュ

長きに渡る歪んだ愛と言う名の束縛のもと、親族の関心と愛情を獲得するため、少女はホロウで肉親を失った被害者を騙すことさえ厭わなかった。
彼女は、親族の「祝福」の薬の秘密の隠蔽を手伝いさえすれば、侵蝕された人々の苦痛の慟哭さえ耳にしなければ、この卑劣な実験が明るみにさえ出なければ、親族との紐帯は絶えることはないと信じていた。
しかし最終的に彼女はその目で、血溜まりの中に横たわる親族が息絶える姿を見ることとなった。

それ以降、怨恨と嫉妬が棘のように彼女の心に突き刺さり、一瞬たりともその苦しみから解放されることはなかった。
復讐の歯車が理性の隅々まで蝕んでゆくなか、彼女は親族の残した手記から、歪んだ生きる意味を改めて拾い集めたのだった。
彼女の生命の奇跡は執念に囚われた寓話のようだった。

かつての同胞が彼女に救いの手を差し伸べても、少女にはもう後戻りできなかった。というのも、彼女を光のもとへ導く言葉の数々は、骨の髄まで刻まれた嫉妬、執念、怨恨によって、ことごとく木端微塵に打ち砕かれてしまった。
ついに、日が暮れようとするその時、無数の針がひしめき、その体を破って現れた。尖った骨の一本一本が見放された者の悲鳴のようだった。
ツェペシュ――鋭い棘に貫かれた哀れな者よ、恨みをその身に宿し、更なる深淵へと征け。
「夜になると特に、その声は他のエーテリアスよりも凄惨だった。よく聞くと、その声は女性の咽び泣く声に似ていた…」

──ホワイトスター学会の学者が注意深く録音を聞き、残した記録

パリクス

いつもペアで現れる凶悪なエーテリアス、特殊な身体的特徴で知られている。二つの個体の間には絆が存在している。

「さっきの危なかったぜ!片方にばかり気取られないで、彼女らの挾み撃ちにちゃんと用心しろ!」
「『彼女』ら?おいおいお前、ホロウに長居しすきて頭イカレちまったんだろ。まさかエーテリアスがべっぴんさんにでも見えたのか?」
「馬鹿言え。エーテリアスと女の違いぐらい分かってるさ。でも、これだけは断言できる。『パリクス』は、どっちも『女』なんだ。」
「マジで言ってんのかよ。」
「大マジだ。見ろ!あの長い髪にあの太もも、妹の言葉を借りりゃ、まさに『量産型女子』だろ?」
「…そういえば、妹さんの容体は?」
「おかげで回復中だ。でも来月の医療費は…目の前の美女2人にかかってんだ。」
「お兄ちゃんって大変だな。んじゃ決まりだ!俺が『パリクス』を引き付ける。お礼に妹さんの電話番号を教えてくれ!」
「ったく、勝手に決めんなって!」

──2人の若きホロウレイダーの遺言

トラキアン

古代文明より伝わる、ある民族の戦士に由来する名を持つ凶悪なエーテリアス。最も勇敢な英雄、あるいは最も狂気的な悪党だけが、エーテルの腐食からこのような異形に変り果てると言われている。
──しかし、それは事実ではない、ジムとホロウ通いで鍛え上げられた美しい肉体、末期の瞬間に過剰放出されたアドレナリンが、かつてのあなたの仲間たちに大いなる迷惑を与えるかもしれないが、死者に鞭打つ真似はしないはずだ。
ハンサムな顔が不気味な暗黒の球体になってしまった以上、顔向けできないなんて言っても仕方ないですよね?
「さすがはボス、エーテリアスになってもパワフルだぜ!」
「ボスがジム通いを始めた時から、いやな予感がしてたんだ…!」

──逮捕されたホロウレイダーによる騒々しい供述

ミアズミック・トラキアン
すでに撃退されたと思われていた造物。不潔な闇の中で新しく再創された形態。

古文明の伝承に登場する戦士の民族にちなんで名付けられた凶悪なエーテリアス。その姿へと変貌できるのは、もっとも勇猛な英雄か、あるいは狂気の極みに至った悪党だけ。
――そう語られているが、ホロウとジムで鍛え上げた筋骨隆々の肉体と、死の間際に放出された過剰なアドレナリンが、かつての仲間たちにとって、厄介この上ないトラブルの元になるかもしれないってだけのこと。とはいえ、彼らだってもう、きれいさっぱり死んだ旧友に文句を言う気なんてないだろ?
気にするだけ無駄さ。イケメンだった顔が、いまや黒くて怪しいエネルギーボールに変わってしまったら、世間体なんて気にしてる場合じゃないだろ?

「さすがボス、エーテリアスになってもバリバリ戦えるなんて!」
「ジムに入り浸ってたときから、まずいと思ってたんだよね!」
――捕らえられたホロウレイダーによる、大声で叫びながらの供述

マリオネット・グレイベール

ホロウに完全に呑み込まれた無人の地で、それは安らかに眠っていた――「あの力」が降臨するまでは。
その極めて侵略的で汚染性の高い力は、さながら腕利きだが悪意に満ちた職人のようにより純粋な闇のエネルギーでそれを満たし、現在の「ミアズミック・ムクロサソリ」へと変貌させた。
やがてそれは、模倣の中で「存在」という手品を会得したようだ。自身のミアズマエネルギーを分裂させ、真偽の見分けがつかない「ミメティックス」を複数生み出すことができる。
これらの擬態は本体とほぼ変わらない攻撃性を持ち、目も眩むような猛攻を仕掛けてくる。様々な角度から繰り出されるその攻撃は、唯一の致命的な「真実」を覆い隠すためのものだ。
その猛攻に直面した時は、心に刻んでおきたまえ。汝が目にするものは、全て虚妄。汝が感じるものは、全て罠。
「あらゆる妨害を排除し、唯一の『真実』を見抜いてこそ、この死の幻舞の中から、一筋の活路を見いだせるだろう」

――勇敢なる探索者

マリオネット・グレイベール

ずっと昔、天才的なダンサーの姉妹がいた。彼女たちは彗星の如くデビューし瞬く間に人気をさらうと、賑わう「バレエツインズ」で華々しいショーを開催した。
栄光のカーテンコールまでまもなくというそのとき、突如ホロウ災害が発生。
バレエツインズはホロウに呑まれ、ダンサー姉妹もその闇に落ちることとなった。当時そのニュースを聞いた人々は誰もがやるせない思いでため息をついたという。
しかしショーの当日、実は姉妹は死神からの警告である三度の「凶兆」を感じていたという。
姉妹がある勢力の恨みを買い、「ホロウ災害」による混乱に乗じて残忍な口封じが行われたのではと考える者もいる。もしかしたら、「凶兆」は心優しき人からの遠回しな警告だったのかもしれない。
今となっては事の真相を知る術はなく、人々は残された映像資料の中で、妹「オデット」が舞う生き生きとした姿を見ることで偲ぶほかない。
忘れ去られた舞曲が再びバレエツインズに鳴り響くとき、儚げに舞う「マリオネット・グレイベール」が約束通り現れることを知るのは、ごくわずかなエリートホロウレイダーのみだ。
彼らはそれが当時のダンサー「オデット」と何らかの関係があり、どういうわけか彼女の代わりに叶わなかった「カーテンコール」を迎えようとしているのではないかと考えている。
ただし、今回に限っては優雅なステップが観客に与えるのは愛ではなく、果てしない死と絶望である。
「出会ったマリオネットが演じているのが、姉なのか妹なのか分からない…」
「あああっ!俺に教養がないんじゃなく、マジで分からないんだ!」

──「インターノット」より、とあるホロウレイダーのスレッド

ミミック蟹

「新米調査員」、「ひよっこホロウレイダー」、そして「欲張りで無鉄砲なルーキー冒険者」を主食とする、
愚か者を獲物とする漁夫、ホロウの中で最も忍耐強いハンター――それが、「ミミック蟹」。
「ホロウ物資コンテナ」に飛びかかる前に、これだけは常に念頭に置いておこう:
今夜の飲み会で同僚たちが盛り上がる笑い種、あるいは翌朝全員に送信される訃報が弔う対象になってはならない、と。

「宝箱にモンスターが?テーブルトークRPGのやりすぎでは?」

――物資回収係の新人調査員が、労災保険の請求で提供した音声記録。

バニーレック

ホロウ調査協会の報告書によれば、バニーレックは何度も「危険」指定を受けている、主な理由は――あまりにも跳ねるからである。
もしホロウでエーテリアス運動会が開催されるなら、高跳びも幅跳びも、優勝は間違いなくバニーレックのものだろう。観測記録によると、バニーレックは数時間にわたって連続ジャンプを続けても疲れを見せることはなく、空中と地面の間がまるで自分のトラックかのように跳ね回るという。
ある研究員は冗談交じりにこう言った、「もしバニーレックを新エリー都の市街地に放ったら、1日も経たずに西端から東端まで跳ね回るんじゃないか?」
「いっそ乗り物として調教してみたらどう?」
「やめとけよ。あいつの爆発的な運動エネルギー、むしろ発電に使ったほうがコスパいいって」

――バニーレックに正面から遭遇し、汗だくでホロウから逃げ出したホロウレイダーの雑談

マリオネット・ブラックベール

ずっと昔、天才的なダンサーの姉妹がいた。
彼女たちは彗星の如くデビューし瞬く間に人気をさらうと、賑わう「バレエツインズ」で華々しいショーを開催した。
栄光のカーテンコールまでまもなくというそのとき、突如ホロウ災害が発生。
バレエツインズはホロウに呑まれ、ダンサー姉妹もその闇に落ちることとなった。当時そのニュースを聞いた人々は誰もがやるせない思いでため息をついたという。
しかしショーの当日、実は姉妹は三度の「凶兆」を感じていたという。
ステージと拍手と栄誉に憑りつかれていた二人はあえてショーを続け、死神からの最終警告をあえて無視した。
今となっては姉の映像はほとんど残っておらず、雑誌の色あせた写真を除けば「オディール」として舞う感動的な姿をうかがい知る術はない。
バレエツインズの砕け散ったスポットライトが再び舞台を照らすとき、優雅でミステリアスな「マリオネット・ブラックベール」が影の中に現れることを知るのは、ごくわずかなエリートホロウレイダーのみだ。
彼らはそれが当時のダンサー「オディール」と何らかの関係があり、どういうわけか彼女の代わりにあの時叶わなかった「カーテンコール」を迎えようとしているのではないかと考えている。
長い時を経て、「カーテンコール」を目撃することが出来た哀れにも幸運な観客は、生涯忘れられない悪夢を抱えることになるだろう。
「バレエツインズでマリオネットに出会ったら、逃げようとしないことだ」
「おとなしくカーテンコールを見届けよう!」
「そうすれば少なくとも優雅で美しい死を迎えられる…」

──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

タナトス

ホロウ探索には極めて大きな精神的プレッシャーがかかるものだ。加えて、タナトスはその奇怪な瞬間移動能力と、捉えがたい斬撃パターンを持つことから、ホロウレイダーたち共通のトラウマとなっていた。
それどころか、独りホロウの中でナタトスと出くわした後、ホロウに入る勇気を完全に喪失し、若くして引退を選んだ者も少なくない。
こうしたイメージも含め、もはやホラー映画ではおなじみの存在だ。
「細長い影が目の前から消えたと思ったら…突然、すっと背後に合わられるんだよな…」
「どうしよう?俺、もう一人でションベン行けねぇよ…」

──ホラー映画『エーテリアスの襲来』公開当夜、
映画評論サイト「カッパープラム」の人気討論スレにあった書き込み

デュラハン

強力な人型の活動エーテル体であり、レイクタウン・ホロウで初めて目撃された。このことは、ホロウ調査協会の第三期調査隊が記録に残している。この活動エーテル体の誕生と、ブレイズとしてしられた湖畔の町の陥落にどのような因果関係があるのか、まだはっきりとは分かっていない。
強大なパワーと知性に溢れる戦い方を鑑み、ホロウ調査協会はその活動エーテル体に「比較的危険」との評価を与え、新米調査員は直接の対峙を避けるよう指示した。
「やつの剣を光らせるな。もう光ってたら…真っ二つにされないよう気を付けろ」

──バラエティ番組『教えてセンパイ!』より、調査員インタビュー特集の抜粋

電離体・プグヌス

ホロウにいる電離体のすべてが身を隠したがるわけではない。特に「プグヌス」は、全身の棘で威嚇を表現している。鎧を纏い、背中と尾には鋭い棘が並び、両腕は重々しい巨大なハサミになっている――それは武器であるのみならず、大地を打ち鳴らし、縄張りを宣言するための戦鼓でもある。プグヌスは影に潜んで力を蓄えるが、一瞬で飛び上がり、その全体重を乗せた両腕のハサミをターゲットに叩きつけることができる。その衝撃波は、経験の浅い者ならバランスを崩してしまうほどで、巻き上げられた砕石が周囲の退路を塞いでしまう。地面の振動を頼りに獲物を捕え、突然の奇襲で戦闘に終止符を打つかのような攻撃パターンだ。興味深いことに、長年プグヌスと渡り合ってきたホロウレイダーの中には、逆に独自の「つま先ホロウ探索術」を身につけた者もいる。「昔はあいつの衝撃波でいつもふらついてたんだが、つま先で地面を軽く踏んで素早く移動する方法を覚えたら…今じゃ祭りの竹馬レースで優勝できるくらいさ」

──自称「つま先ホロウ探索術」の後継者による『ホロウで踏み外す物語集』より抜粋

タラスクミキサー

ホロウ調査協会はこれまでの調査から、「タラスクミキサー」が体内に様々な種類、純度の液化エーテルを蓄えていると推測している。
「タラスクミキサー」は体内のエーテルを混合することで複雑な連鎖反応を発生させ、あらゆるものを破壊する暴力的エネルギーを瞬時に放出する。その威力は防衛軍が配備している大型火砲と比べても遜色ないものだ。
この「巨砲」の直撃をなるべく貰わないためにも、経験豊富な調査員ほど慎重であることの重要性を理解している。
「出くわすなり、ヤツは土下座するみたく地に伏した。初対面であいさつなんて殊勝なことだと思ったが…ヤツの砲身が光った瞬間、悟ったよ。『はじめまして』じゃない、『さようなら』だ…ってな」

──『ホロウ茶会』でのインタビュー、とある大物調査員の回顧談

アルラウネ

初めてアルラウネを見た新人ホロウレイダーの多くは、その外見に騙され無害な植物だと思い込んでしまいがちだ。
ところがどっこい、これは近づく者がいると突然震え出し、高濃度のエーテル物質を発射しながら襲い掛かってくるのである。
「おいおい!水をあげようとしたのに、なんでこっちがツバを吐きかけられてんだ!?」

──ホロウ内、アルラウネの奇襲を受けた新米調査員たち

メトロゴブリン

メトロゴブリンに関する論争はいまだ終わりが見えない。一部の学者が、その特異な外見はある種のカモフラージュだという見解を示した一方、侵蝕によって古い地下鉄の設備が、エーテリアスと一体化したに過ぎないと主張する学者もいる。
いずれにせよ、メトロゴブリンはいつだって、ホロウの旧地下鉄工リアに入る新人調査員を心の底から震え上がらせる存在だ。
何の変哲もない「道路標識」がいきなり震え始め、荒々しくおぞましいエーテリアスが地面を割って出現、ものすごいスピードでこちらに突っ込んでくるかもしれないのだから。
「あら?この標識、ちょっと前にも見たわね。ひょっとして私たち…同じところをぐるぐる回ってた?」
「い、いや違う『あれ』がずっと…俺たちの後ろをつけていたんだ!」

──ホラー映画『エンドレス・ロスト』より、
ホロウから脱出する道を探す主人公たち

アーマーハティ

経験を重ねたホロウ調査員の多くが、アーマー形態のハティを手強いエーテリアスの一つに数えている。
分厚いアーマーの外殻は動きやすさを代償に、打撃に対する強靭な防御力をもたらした。
また、体表の侵蝕物質は鋭利で固い突起となっており、高速で相手にぶつかることで、単なる接触事故をはるかに超えたダメージを負わせることが可能だ。
動きが俊敏で、耐久性も高いとくれば上から下まで隙が無く、そのスピードと防御力、どちらか一方だけでも熟練の腕利きがあえて迂回路を取るには十分な理由たりえる。
にも関わらず常識に欠けた新米ホロウレイダーは、持っていたドッグフードを使ってハティをよそへ誘導し、その隙に離脱しようと試みた。
そして当然のように無駄に終わった。
「に、逃げるぞ!この味はお気に召さないとさ!」

──ホロウ内、慌てて「ハティ」から逃げる新米ホロウレイダーたち

ゴブリン

初めてこの種の特殊なエーテリアスと遭遇した際、ホロウ調査員は彼らがある程度の知性を備えており、人類の真似をしてこん棒のような武器さえ使いこなしていると誤解した。「ゴブリン」という命名にはそうした背景がある。
しかしその後の研究で、「こん棒」と思われていたものは異化・変形してねじ曲がつた腕にすぎず、人類を真似る能力などないことが実証されたのだった。
だからといって、ゴブリンが相当に始末の悪い相手であることに変わりはない。たくましい体と暴虐的な腕力は、最も粗野な一撃すら極めて高い殺傷力を発揮する。
いちど縄張りに踏み込まれると、それがいかなる相手であろうとたちまち激怒し、いかなる代償を払おうともぶちのめす。
「うん?ゴプリンが入って来てるぞ。鉄くずの山を叩いてるぜ」
「なんだか、妙にリズミカルだなあ。チンドンチンドン…太鼓ばやしみたいだ…」
「おいおいボケたこと言ってる場合か!?ありゃ鉄くずじゃねえ、俺たちのトラックだ!」

──ホロウ内、ギャングの仮設拠点。闖入してきた1匹の「ゴブリン」に対して

ハティ

四足獸の姿をしていながら、顕著な知性も示す活動エーテル体。非常に危険であり、ホロウ調査協会の第一期調査隊が正式な記録に残している。
初めて目撃されたのはネストホロウの中とされ、付近の荒野をうろついていた浮浪者たちが「すさまじい咆哮を聞いた」、「野獣が吠えているようだった」と方々に言いふらして回ったのだ。
「待てよ…?棒やらボールやら投げてみたら、取りに走ってくんじゃねえか!?」
「試してみたら?入院することになったって、1ディニーも出さないわよ」

──ビリーとニコ、ある日の雑談

ファールバウティ

絶対的なパワーを持つうえ常に暴走状態のファールバウティは、ホロウレイダーたちを最も悩ませる脅臧の一つだ。丸太のように太くたくましい腕はいかなるダメージも通さず、嵐のような連続攻撃は目の前の全てを軽々と粉砕する。
あるホロウレイダーが、ファールバウティがその挙を地面に叩きつけるさまは、極めてリズミカル且つテンポが良いと気付いた。ひょっとしてファールバウティは、ただ異常なまでにドラムが好きなだけなのでは、とも?
ホロウ調査学会は真偽が不確かであるとして警告したが、それでも多くのホロウレイダーが小型スピーカーを持ってホロウへと入った。ファールバウティに遭遇したら音楽で注意をそらし、その隙に逃げ出そうというわけだ。
しかし今のところ、この方法で脱出に成功したというものはいない。
「わかりきったことだろ。音楽性の違いだよ!」

──フォーラム『ブラック・ブルーム・ロック』より、ユーザー「スパイクフィンガ
ー」の書き込み*2

ミアズマの歩者・アカヴォル

アカヴォルのサンゴのように輝く頭部は、いつも真っ先に新米ホロウレイダーたちの視線を奪う。多くの者が知らず知らずのうちにその魅力に引き込まれ、呆然と見とれてしまうのだ。だが、彼らは知らない、本当の危険はそこから始まるのだと。
相手が油断したその瞬間、アカヴォルは優雅にすらりとした脚を持ち上げ、まるで曲芸のような幾何学的ポーズをとる――ホロウ調査協会の資料では、この構えを氷上を舞うバレリーナとまで表現している。
ただし、協会の警告も忘れてはならない、その姿勢を見たら、すぐに回避・ジャンプ・後退!なぜなぜ*3ら、アカヴォルは今、狙いを定めて、命取りの一撃を放とうとしているのだから。

「マジでさ、こいつ職業間違えてない?ダンサーとかアクロバット芸人とか、フィギュアスケーターにでもなってたら今ごろ超人気だったのに。なんでホロウで人殴ってんの…」

――『今日のアンラッキー』掲示板に投稿された、「芸術的打撃」を受けたホロウレイダーのコメント

ハスクロン

孵化前後で二つの形態を持つハスクロンは、新人からベテランのホロウ調査員まで悩ませる存在だ。ホロウ調査協会は以下のような注意喚起を発している、「足元のミアズマ物質には常にご注意を。もし岩のような球体が確認された場合、即座に攻撃してください!迷わずに!迷わずに!」
内部情報によると、この「迷わずに!」の繰り返しは当初含まれていなかったらしい。だが、ある調査員たちがこの忠告を読みながらもハスクロンの横をそっと通り抜けようとしたため、現在の形に書き直されたという。まるで深夜、家の犬を起こさないように冷蔵庫を静かに開けようとするが、結局気付かれるのと同じくらい意味がないらしい。

「孵化前の姿の方が好きなんだよな。まるくて、ころころ転がるし」
「…で、それがあいつへの先制攻撃をやめた理由かい?」

――ホロウから生還した見習い調査員アンネとベサの会話

電離体・ドッペルゲンガー

奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディテールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことに、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」

──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

ヒッチスパイカー

貪欲な毒虫、悪意に満ちた寄生体、新鮮な命を蝕むもの、それがエーテル。ヒッチスパイカーはその権化にしてさらに悪質だ。残忍な「同僚」たち、「ティルヴィング」と「アルペ力」に寄生し狂暴化させると、貪欲なホロウの食欲を満たす。

「顔から離れろおお!」

──よく跳ねる虫だと気付いたエーテリアス生態学者

電離体・ナセリア

ホロウには多種多様なエーテル異形がいて、それぞれがまったく違う戦い方をする。冷酷な奴もいれば、狡猾な奴もいるし、中には正々堂々と言える戦いを好む奴もいる。そんな中で「ナセリア」は極めて特殊な部類に属する。
奴らは衆目の前で堂々と自らの強烈なエーテルを凝縮すると、
高濃度の破壊エネルギーを利用して、周囲のエーテリアスたちのために
目の前の邪魔者を徹底排除する。
それと同時に、周囲のエーテリアスたちは激しい攻撃で
ナセリアのチャージ攻撃のための時間稼ぎをするのだ。
「さあ、奴の邪魔をするんだ。待ってやるお約束は必要ない!」
「奴の攻撃が命中したら、まるで俺たちが悪役みたいじゃないか!」

──ホロウの奥、数名の調査員がナセリアを包囲攻撃中

電離体・セトリア

ホロウレイダーたちの噂によると、「セトリア」の行動パターンは
鮫と酷似しているらしい。物陰を漂い、地下に潜んでいたかと思うと、
突如地上に姿を現し容赦なく獲物に喰らいつくのだ。
分析によれば、地表からの震動で獲物の位置を探っている可能性が高い。
べテランホロウレイダーの中には、わざと跳ね回るように歩くことで
出来るだけ彼らの注意を引かないようにすることが出来る者もいるらしい。
「俺は昔、調査員をやっていたんたが、担当エリアにはよくセトリアが出没していた」
「奴らの不意打ちをかわすために、しょっちゅう跳ね回る必要があった…」
「今思えば、それがタップダンスを始めたきっかけだな…」

──「ホロウお茶会」第131回、タップダンスマスター、アンソルのインタビュー

ホーネット

ホーネットはニネヴェに常時まとわりついている。
一部の学者によると、ホーネットとニネヴェの間には一種の相利共生的な関係が形成され、ある意味で群れとしての協同性を有している。
ニネヴェの活性が高まり、体を揺らして「満開」の姿を見せる時、ホーネットも狂暴状態に入り、周囲の動くものを無差別に攻撃するようになる。
「おい!あの『花』から何か飛び出してきたぞ!」
「あれは…スズメバチの、群れ?」

──零号ホロウ第KU241号調査ファイル、第一次ホーネット遭遇時の音声記録

ソルデドゥス

郊外のホロウには数々の奇妙なエーテリアスが潜んでいるが、「ソルデドゥス」はその典型的代表である。
特殊な身体構造を持つ伸縮自在に発達した肢体は、重油と活性エーテルが未知の反応を起こした後の産物のようだ。
目標に標準を定めると手足を振り回して熟練した曲芸師のように凶悪な攻撃をはじめる。
「く…こいつ、ムチでひっぱたいてきやがる!」
「まさか、自分は調教師で俺たちが猛默だとでも思ってるのか?」

──ホロウの中で、新米ホロウレイダーたちが「ソルデドゥス」に相対している

フォッソル

ホワイトスター学会の最新の研究によると、一部のエーテリアスの肢体は周辺環境の顕著な影響を受けることが明らかになった。「フォッソル」は典型的代表である──
その奇怪な前肢は、旧油田エリアの採掘設備に酷使している。
敵を惑わすための擬態だと考える人もいるが、「フォッソル」の戦い方は大胆かつ勢い任せで、待ち伏せから奇襲するのは苦手だろうと指摘する声もある。
一部の想像力豊かなホロウレイダーたちは、あいつはただ採掘がしたくてあんな姿になったのだと考えている…
「遠くから見かけた時、あいつは頭を下げて嬉しそうにアスファルトを掘っているように見えたんだが…」
「俺を見つけるとまっすぐ突進してきて、必死に追い出そうとしてきた…」
「俺はただの通りすがりで。あいつのガラクタを取ろうなんざ思ってなかったのに!」

──ホロウの外で、新米ホロウレイダーが仲間に遭遇したものの話をしている

エンジンビホルダー

ホロウ調査協会の資料によると、「エンジンビホルダー」は近距離で接触した場合にのみある程度の脅威が生じるエーテリアスとされている。たが、実際にホロウを調査中に遭遇すると、想定外の脅威をもたらすことがよくあった。
暗闇の奥に目玉が浮かび上がり、こちらをじっと見つめながら少しずつ近づいてくる様子は、例え経験豊富な調査員でも筆舌に尽くしがたい恐怖に襲われるのである。
ホロウにおいて恐怖心は本人が受けるエーテル侵蝕を劇化*4させ、それがさらなる災禍を招く。
「恐怖を打ち破る唯一の方法は…決して目をそらさず、見つめ返して、相手が下がるまでそのままでいることだ」

──フォーラム『今日のアンラッキー』より、とあるべテラン調査員の心得まとめ

スペクター

バレエツインズ内部のユニークなインテリアに影響を受けたのか、「スペクター」はアーティスティックなオブジェのごとく奇妙に曲がりくねった体をしている。
一部の調査員は、その特殊な体型が自身のエーテルコアをより確実に守るためのものだと考えているが、大多数は敵の注意力を奪うための小細工に過ぎないと固く信じている。敵が自分の奇怪な姿に戸惑った瞬間、「スペクター」はためらうことなく濃縮エーテルを使った遠隔攻撃を仕掛けるのだ。
「あんまり妙な見た目なもんだから、しばらく呆気にとられちまったよ。てめえの生首で、ボウリングでもしたがってるのか?ってな…」
「まあ…状況を理解できたのは、やつの『ボール』が俺の顔面にストライクした後だったが」

──フォーラム『インターノット』より、匿名ユーザーの書き込み

アフリマン

その独特で怪しい見た目のせいで、静止状態の「アフリマン」はバレエツインズでありがちなオブジェとよく間違えられる。
このためかなりの数の新米調査員が、「アフリマン」との初遭遇で一生もののトラウマを負う。「オブジェ」だと思っていたもののそばを通り過ぎたとたん、そいつが突然動き出すのだから…
「アフリマン」にとって相手が恐怖で固まった瞬間は、鋭い突きを繰り出す絶好のタイミングなのだ。
「よいですか、カリン。仮面に惑わされてはなりません…それは値打ちのある芸術品などではないのですから」
「さて、『お掃除』を始めましょうか」

──「お掃除」についてカリンに指導するライカン

マンドレイク

マンドレイクの名称は、とある有毒の草本植物が由来になっている。最初にこの名をエーテリアスに付けた学者は、その見た目が似通っていたというだけで、両者にはある種の類似性があると考えた。
マンドレイクが「花開く」時、熱エネルギーを帯びた光線を放射し、周囲のターゲットを攻撃する。硬い「葉」は、引っこ抜かれるのを嫌がるように地面にへばりつく。
その「葉」は自らを守るため、周囲の敵を攻撃するのに使われることさえある。
伝説の植物マンドラゴラと同じく、その「絶叫」は致命的だ。
「待て、行くんじゃない!もうすぐ『花』が咲くぞ!」

──映画『ディープ・ホラー』より、マンドレイクが開花するシーンより

ブラストスパイダー

ホロウ調査協会による研究レポートでは、移動速度が遅く、小規模な爆発を起こすことしかできないブラストスパイダーは「脅威の少ない」、「注目に値しない」低級エーテリアスと定義づけられている。
しかし先見の明ある一部の企業は、そのまるまるとした体形と短い脚に商機を見出した。
映画『転がれ、ブラちゃん』の大ヒットに伴い、ぬいぐるみや抱き枕といった関連グッズがほとんど品切れとなったのである。
「本体より、ぬいぐるみのほうが手強いなんて…ビリー、私は来月、カップ麺しか食べられそうにない…」

──商店街、UFOキャッチャー前で財布の中身を確認しているアンビー

ホプリタイ

ホロウ調査協会はホプリタイを「脅威度の低い」エーテリアスと分類しているが、新人のホロウレイダーや調査員にとっては、相当厄介な相手だ。
前脚が分厚い不活性エーテル物質で覆われており、これは堅牢な盾にも、恐るべき矛にもなる。
唯一の欠点は…脚に比べると明らかに大きな頭部だ。あまり賢そうには見えない。
「みなさんご覧ください…こちらの可哀そうなエーテリアスが、ホプリタイです」
「エーテリアス同士でジャンケンする時も、このバカはパーしかだせないな!」

──『ホロウ動物園』、ホプリタイ特集より

サテュロス

新エリー都地下鉄に存在するホロウの中で、初めて人型の活動エーテル体が目撃され、その性質について調査協会では一時論争が巻き起こった。ある者は侵蝕体が大幅に異化した後に転換を遂げた活動エーテル体だと信じていたし、またある者はホロウ環境の影響を強く受けただけの純粋な活動エーテル体だと主張した。何にせよ、脅威となるような行動をとるには知性が足りていないように見えたため、協会が設定した危険レベルは決して高いものではなかった。だからといって、このエーテル体を軽んじていいということにはならない。なぜなら彼らは頻繁に徒党を組んで現れるからである。
「赤信号にひっかかったせいで遅刻したり、罰金を取られたりしたことはないか?最悪だよな?」
「今こそ、うっぷんを晴らすチャンスだぞ!」

──フォーラム『今日のアンラッキー』より、ユーザー「ボンプの値下げを待ちわび
て」のコメント*5

アルペカ

ホロウ調査協会のアルペカに対する研究成果はそれほど多くない。液状のエーテルを吐き出すというアルぺカの行動モデルをいい加減に解析したのち、脅威は少ないとして調査を打ち切ってしまったからだ。
以前、彼らがどのように液化エーテルを吐き出しているのか、強い関心を持った研究者が、アルペカを間近で観察するという調査依頼を出したことがあった。
しかしどんな理由からか、ベテランの調査員たちは全員この依頼をやんわり断ったという。
「逃げろ!やつら、またツバを吐き出したぞ!…クソっ、新品のスーツが!」

──ホロウの深部にて、撤退を試みる新人調査員・レイフェル=ベルテ

ティルヴィング

ホロウ調査協会は今日にいたるまで、ティルヴィングの行動モデルをずっと研究してきた。ゆらゆらと体を傾けるような一見アンバランスなポーズは、実はどのタイミングでも連続した斬撃を放てるうえ、力を溜めるのにも効率の良い姿勢だということが分かっている。
出現頻度と攻撃性の高さから、ティルヴィングはホロウ内で最も死傷者を出しているエーテリアスの一角と評されている。ホロウで勤務する一部の者にとっては特に。
盾を持った相手に相対すると、ティルヴィングはひどく苛立った様子で休みなく攻撃を仕掛けるようになり、これは敵か自分のどちらかが倒れるまで続く。
「ひょっとして…連中は我々が嫌いなわけじゃなく、練習用のサンドバッグか何かだと思っているだけなのでは?」

──深夜のインタビュー番組『ホロウ茶会』第165回より、負傷で退職した元機動警
備員・ノービ・キャリーアン*6

暴徒

Ver2.8では14項目。

レプリカ・血狩りの掃除屋

朽峰グループがロームルの外観と訓練データをベースに制作した戦闘ロボット。
量産型とはいえ、単体での戦闘力はオリジナルに引けを取らない。複数体の同型ロボットが協同戦闘を行う際は、まるで獲物を包囲した群狼のように、手に負えないような猛烈な攻撃をしかけてくる。
TOPSによって急遽郊外へ投入された後、Youkaiが一時的にその制御権を奪取し、鋼の群狼を以てラミルを捜索する者たちの歩みを止めようと試みた。

「チッ、役立たずめ。どれどれ、次のおもちゃはどこかなっと…」

──倒されたあと、機械ロームルはぶつぶつと呟く。
その瞳には、紫色の光が一瞬きらめいて、また消え去った

血狩りの掃除屋

精神鑑定結果「異常、矯正不可能」――いかに頭を垂れようとも、涙を流し痛哭しようとも、死刑判決書に記された結末は覆せない。
旧都陥落、ホロウが都市を呑みこみ、秩序をも踏みにじるまでは。
ルールが沈黙、善悪が逆転。混乱の最中、彼は脱獄を果たし、名前も身分も捨て去り、血色の夜明けの中心で高らかに叫んだ――
「礼を言うぞ、ホロウ!」と。
ホロウは怪物を生み出すだけでなく、「恐怖」を解き放ち、それが身を隠す必要をなくす。彼はこれで法の裁きが届かぬところで生きられると思い込んだが、新エリー都もまた、名もなき殺人鬼を歓迎しなかった。
彼は郊外へと流れ着き、「掃除屋」として各ギャングに雇われ、悪名を轟かせることとなった。彼は命を握る快感を享受し、血肉の苦痛という瞬間に溺れていた。それゆえ、彼は頻繁に最も汚れた任務を引き受け、ギャングの抗争にすら身を投じて、鮮血の、鉄錆のような甘さをすすった。
虐殺への欲望が満たされることはなく、「掃除屋」という身分でもその渇きを埋めることは難しい。
かくして、彼はTOPSとの契約を快諾し、人間の「命を片付ける」特権を手に入れた。名前は記録せず、記憶にも留めない。彼にとっての真実は血痕だけであり、それ以外はどうでもいいことなのだ。
「あいつ、仕事を受ける時はひどく無口なのに、勘定の時になるといつも笑みを浮かべるんだ」「あれは任務完了の笑みなんかじゃない、まだ食い足りないっていう笑みさ」

──数年前の郊外にある酒場にて、新人を脅していたギャングの幹部

伐採機

ホロウレイダーの中には、「発明の天才」を自称する者も少なくない。彼らの得意な技術は、治安局がホロウに捨てた廃棄された作戦用機械を「正範囲」の二次工業資材を使って改造し、「あまり正範囲ではない」個人作品にしていくことだ。
高速チェーンソー、歯車型の円鋸、液圧型工業用アーム…これらの一般的な素材は簡単な組み立てと焼き付けで、最終的には珍しい造形の危険な機械になる。
それを順調に起動させるため、改造者は機械の安全運転制限を解除し、その粗雑な外見から「伐採機」と名付けた。
「伐採機」がいつまで安定して稼働できるかは誰にもわからない。
もしかしたら、次の瞬間には暴走し、圧倒的な馬力で高速チェーンソーと鋭い針を振り回し、誰も止められない「伐採作業」を始めるかもしれない。
しかし…この狂気に近い戦闘モードは、改造者が望んでいる最高の改造効果かもしれない。
「なんで『伐採機』なんだ?ホロウに木はないだろ?」
「そうだよ。だからこんなに怒って、命知らずになってるんだ…」

──ホロウの中で、数人のホロウレイダーが「伐採機」の原理について議論している。

剛力横暴者

ホロウの中では様々なホロウ荒らしの集団が混在している。彼らがたむろする理由は一つ、エーテル資源を略奪し、莫大な利益を得るためだ。
烏合の衆には、もともと「ルール」が存在しなかった。
すべての「ルール」を定める絶対的な暴力の象徴、「剛力横暴者」が現れるまでは。
「剛力横暴者」は改造が施された施工補助動力システムを装備し、道端で拾った建築廃材を使い捨ての武器として使う。
大男をも消せそうな装備だが、彼らが身に着けるとサイズがピッタリなジムウェアに見えなくもない。
ありきたりな格闘技も、使い手が「剛力横暴者」となれば、致命的な一撃へと変わる。強打、粉砕、衝撃…その一挙手一投足から、比類なき破壊力を感じられるはずだ。
治安局の調査によれば、「剛力横暴者」が率いるホロウ荒らしの集団の中には、往々にして独特なストリート・ワークアウトの文化が生まれ、団結力を高めていくのだとか。
「はぁ?ジムトレーナーの方が強いだと?」
「ハハハ、オマエはなんも分かっちゃいねぇな!」
「強くなりてぇなら俺らんとこに入りな!ボスの下で3周期ほど筋トレすりゃ、カンペキな上腕二頭筋が出来上がるぜ!」

────*7新エリー都某所にて、何人かのホロウ荒らしが新人勧誘をしている

ベルラム

かってアリーナの連勝チャンピオンだったベルラムは、長きにわたり郊外最強の名をほしいままにした――彼の連勝が止められるまでは。
さらにムカつくことに、その傲慢な野郎は、自身の名前すら覚えてはいなかった。
怒りに燃えるべルラムは再び郊外に名を馳せるべく、そしていつかあの傲慢な野郎に報復したい一心で、一から戦聞技術を磨き始めた。
目標達成のために、彼はトライアンフに加入し、ポンペイのもとで幾度となく難敵を撃退して行った。
彼は前線に躍り出ると巧みに改造した火炎放射器を操って、目の前の敵を焼き払った。戦闘部隊の隊員を手足のように指揮すれば、怒涛の勢いの戦団へと変貌させた。
彼の座する戦いに形勢不利の言葉は皆無であった。今やベルラムは、わざわざ自らの名声を広める必要はない――
郊外では誰もがギャングと戦争の恐怖を経験しているが、「トライアンフ」の隊長の一人である彼は「戦争」そのものだった。
「なにぃ雑用は嫌だって?俺らの隊長も昔は雑用係だったんだぞ!」
「いいからさっさと便所を掃除してこい!」

──「トライアンフ」の野営地で、べテランがサボっている新人に説教している

電離体・ドッペルゲンガー・ベルラム
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」
──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

プルクラ

プルクラの出自を知る者はいない。それでも彼女がかって情勢を見極める「カメレオン」と呼ばれ、郊外で一二を争うほどの傭兵だったのは確かだ。
前回のツール・ド・インフェルノでポンペイの再任が決まって程なくして、いくつかの勢力が裏で結託し、トライアンフへの襲撃を企てた。たがその抗争はあまりにもあっけなく、まるですべての作戦が最初から筒抜けだったかのように、トライアンフの勝利で締めくくられた。
敗者はもれなく旧油田エリアから追放されたが、彼らと明確に関わりを持っていたプルクラはなぜか事なきを得た。そういった疑惑から、トライアンフの勝利は裏切りの上に成り立ったものだと多くの人々は推測した。
プルクラへのスカウトは後を絶たないが、彼女はどのチームにも属そうとしない。
郊外の紛争や陰謀など、いつでも降りられるゲームくらいにしか思っていないのだろう。金さえ積めば、仕事が面白ければ、対価のある限り、彼女は雇い主の素行にも目をつむる。敵を精巧な罠にはめて、死の淵に滑り落ちていく様をゆっくり拝める仕事であれば、この上ない――
おびき寄せ、欺き、滅亡へといざなう…美しい花には棘がある、というのが彼女の生存哲学だ。
「なに、プルクラ様の部下になりたいだって?」「はあ…また一人、あいつにたぶらかされてやがる…」

──「トライアンフ」の野営地で、新人が古参にいじられている

電離体・ドッペルゲンガー・プルクラ
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」
──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

モルス

モルスはかつて郊外の最も恐ろしい「賞金稼き」だった。彼は偏執的に狩りへの欲望を抱いていた。来る日も来る日も賞金首の痕跡を追跡しては、ひとたび目標を定めると相手を死に追いやるまで病的なまでに没頭する。
「一匹狼モルス」は決してしくじらない――これは郊外の各勢力の共通認識だった。
しかし、ある「狩猟」の最中のことだ。モルスは三日三晩、不眠不休で目標を追跡したものの、ついにモルスの体力が尽きても目標を「狩る」には至らなかった。
あのポンペイという奴は、気に留める様子もなく一一それところか敗れたモルスを自身が創立した組織に勧誘すらした。
それ以降、悪名高い「狩人」モルスは消えて、「トライアンフ」の中に寡黙で独立独歩な隊長が一人増えた。
今日に至るまで、モルスは相変わらす人前に姿を見せることはない。心の底から興味を持てる相手に出会った時だけ、彼は姿を現して戦いに参加する。
隊長の役目を果たすためではない、むしろ一切を顧みす、戦いに歓喜して思う存分狩りの快楽に溺れることを彼は願っている。
「モルス隊長とタイマンしたい?ハッ、お前にやれるのか?」
「とりあえすあっちで予備登録して、来月クジを引きに来な」

──「トライアンフ」で、モルスの部下が挑戦者に応対している

電離体・ドッペルゲンガー・モルス
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」
──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

「怒れる男」

治安局は毎年、相当な数の作戦メカをホロウ内で損壊させている。そのうちの一部はホロウ荒らしの手に渡り、「違法補助ユニット・怒れる男」に生まれ変わるのだ。
彼らは正規のルートで専用の修理素材を入手できないにも関わらず、「パーツ同士をくっつける」、「廉価品で代用する」といった涙ぐましいやり方で、メカ本来の能力を最大限保持しつつ修理・カスタムしていた。
個性を出すために追加のペイントを施したり、大出力の拡声器を積むことさえある。
それだけで強くなるわけではないが、正規品では到底出せない威勢のよさは折り紙付きである。
「おい見ろ!ピンク髪のちょろそうなのがいるぞ!」
「よっしゃ、さっさと強盗するときのBGMに切り替えろ!」

──ホロウ内、急いで「怒れる男」の調整を行うホロウ荒らし

殴り屋

新エリー都の裏社会には共通認識がある。
最も恐ろしいボクサーはリングの「タイトルボクサー」ではなく、
ホロウの深部にいる「殴り屋」と「札付き殴り屋」だと──
彼らは窃盗グループに高値で雇われたホロウ荒らしのプロで、
盗掘したエーテル資源の防衛を専門に請け負う。
ボクシングにお熱な格闘家らしく、繊細な電子機器が苦手であるため
高圧スタンガンを「グローブ」に改造して拳にはめ、破壊力を増幅させている。
エーテリアス、ホロウレイダー、ホロウ調査員、はぐれた治安局の小隊…
こういった人々は「殴り屋」や「札付き殴り屋」にとって「敵」ではなく、
単なる暇つぶし用の「サンドバッグ」である。
「待てよ?こいつの構え、四分街のゲーセンで見たことあるぞ!?」

──ホロウ内、突進してきた殴り屋たちに対処するビリー

殴打暴虐者

完全武装のホロウ調査員と比べ、「殴打暴虐者」と「札付き虐待狂」の装備は貧弱と言ってもいい。
ただし最も凶悪な暴徒こそ、シンプルな狂気で最大の恐怖を引き出すものだ。
ボルトで補強された金属バットと改造二連式ショットガンは、ホロウの誰もが恐れる悪党としては十分すぎるほどである。
彼らと交戦したころのある調査員は、こう振り返る。
「奴らは戦闘時、極度の興奮状態になります。そのさまは『作戦』と言うより、血気にはやった『悪意あるリンチ』でした」
「奴らと戦うと…学生時代、一人でいじめに立ち向かった時の恐怖を思い出します…」

──ホロウ調査協会、とある新人調査員の辞表より

襲撃者

ホロウ強盗団の急先鋒である「襲撃者」と「奇襲者」は、
常に武器を振り回し最前線に飛び出す。
それは勇気があり余っているからでも、チームワークに欠けているからでもなく、
思わぬケガを避けるためである──
彼らが手にした改造変圧コイルは常に高圧電流を放っているため、
触れただけで相手を麻痺させる(ひどい場合は気絶することもある)。
後方支援が困難なホロウでは、一時的に行動できなくなった仲間をケアできるほどチームに余裕がないのだ。
「なんだこりゃ?間に合わせのスタンガンか?
ちょっと確かめてみみみみみみみみッッッ…!!!」

──ホロウ内、好奇心旺盛な新米調査員が昏倒する直前の一言

密猟者

日々ホロウで活用する暴徒のほとんどは精神に深刻な問題を抱えているか、理解しがたい奇癖の持ち主かのどちらかである。しかし幸いなことに、暴徒の集まりでも「密猟者」「盗猟犯」と呼ばれる者たちは、古式ゆかしい悪党どものやり方を受け継いでいる。
彼らは臆病かつ狡猾で、暗闇に潜んで不意打ちすることを好む。奇襲が可能な状況で、正面から攻撃することは絶対にない。
彼らがよく使う複合クロスボウは威力こそ限られるものの、無音で発射できるメリットがある。ベテランの「密猟者」または「盗猟犯」ともなると、適切なタイミングで一矢放つだけで、無防備な「獲物」を行動不能にできるだろう。
「昔は治安官だった──ホロウでの作戦中、膝に矢を受けてしまって…」

──ナイチンゲール・セキュリティにて、新人と雑談しているベテラン職員

放火魔

「放火魔」と「焼却狂」にとって略奪は単なるサイドビジネスであり、
心の奥底では常に、自らのことを刺激を追い求める「バーテンダー」だと思っている。
彼らは各種エーテルを正確かつ熟練した手さばきで飲み物に調合し、いとも簡単に可燃性・爆発性のある独創的な「カクテル」を作り出す。
他の横暴なホロウ荒らし達と異なり、彼らは被害者に選択肢を与えることが多い。
相手が立場を弁え、燃えるような「オリジナル」カクテルを
相手の頭上に降らせるのだ。
「なんなら奴らを誘って、酒盛りに持ち込もう。
そうすりゃ、連中の武器がいくつか減るだろ?」

──ホロウ内、ひそかに撃退策を練る略奪を受けた調査員

略奪者

エーテル窃盗団において、「略奪者」と「強奪者」は
技術力と戦闘力を兼ね備えた中心的メンバーだ。
彼らの「電流共振検知器」は強力な電流でエーテル鉱石を大まかに鑑別できるため、
その後の作業を容易にする。また武力で強奪するという場合でも、
電圧を上げることで強力な武器になる。
その装備から密漁者と間違われることもあるが、彼らは気にしていない。
相手が人間であれ魚であれ、おとなしくさせるために必要な電圧以外、
大した違いはないのだから……
「河川や湖、あるいはホロウの周辺にて帯電したモリを持った人物を見かけたら、
速やかに治安局まで通報してください!」

──新エリー都治安局、街宣車によるアナウンス

侵蝕体

Ver2.6では21項目。

ワンダリングハンター

豊富な戦闘経験を持つ侵蝕体、攻守兼備で機敏な動きを誇る。隠れた場所に潜伏し、目標の弱点を狙って、最も効率的な攻撃を仕掛けることを得意とする。
本来ならばその行動特性や、追いかける影のごとく歌声などを、より詳しく記録すべきなのだが…これでいい、記録はここまでで十分。リュシアの手帳にある、途中までしか描かれていない似顔絵のように、これでいい。
「ひとつ、星を。ふたつ、星を。みっつめ、探しにいこ」

――ワンダリングハンターのシミュレーションデータに「苦しめられた」調査員たち
は、帰宅後に家事をする際、思わずこんなかぞえ歌を口ずさんでいた。

ミアズマ・フィーンド・名は名なれど

ミアズマと、とある修行者の記憶を元に再創された化け物。振り返るにも堪えない過去の全てが、この混沌の体に凝縮されている。
結局のところ、贋作に過ぎず、立ち向かう勇気も、別れを告げる決意も持ち合わせていなかった。だが創造主にとってはそれだけで十分だった――駒の一つとして、その苦痛に満ちた記憶こそが強力な燃料となり、ホロウを混沌に陥れ、全ての秘密を世に晒すのに足りたのだから。
そうして、己のものではない記憶に突き動かされ、ミアズマに焦燥を覚え、近づくエーテリアスに怒りを感じ、己の領域を徘徊しながらも、それは常に不安に苛まれていた。

しかし一度だけ、人間を追いかけてホロウの端まで追い詰めた時に…変化が起きた。
相手の顔に浮かぶ恐怖の表情を目にした瞬間、狩りの本能が不思議な衝動に押さえつけられ、思わず足を止めてしまった。その不運な者が遠くまで完全に消えるのを見送った後、これまで感じたことのない、まるで満足感に似た感情が湧き上がってきたのだ。
しかしその満足感も長くは続かなかった。黒い服を纏った人間たちが、その縄張りに頻繁に侵入し始めた。どれほど威嚇しても改心する様子はない。焦りと疲労が徐々にその化け物を追い詰めていった。目の前で動くものすべてを、完全に消し去りたい…塵に帰すまで、木っ端みじんに、消し去りたい!
……
「…ケリを…とするか」
…この声は?
「それに…ただならぬ縁…私が相手を…」
狂躁に埋もれていた記憶が蘇った。そう、間違いない。記憶の奥で何度も響き渡っていたあの声!本能は今も攻撃を促しているのに、その動きは思わず緩くなっていく。自分と同じような、銀色の長い髪を目で追いかける。あの声の主が、記憶の中で幾度となく浮かび上がる人物なのかと、確かめたくて仕方がなかった。
そうして極めて近い距離で、背中に重い一撃が入る。コアから伝わる激痛で理性を失いそうになったが、あの囁くような声が聞こえた。
「すまない…だが、こうするしかなかった…」
その言葉の意味を理解できなかった。しかし満足感に似た感情が、再び湧き上がる。真に恐ろしいものに支配されている上に、これで命を落とすかもしれないのに、逃げ出す気など微塵もなかった。
ついに、その力は完全に尽き果てた。だが最期の瞬間、やっとあの姿をはっきりと見ることができた。記憶の中の彼女とは少し違っているようで、一瞬の寂しさで胸が詰まる。しかし心臓が破裂しそうなほど泣き叫ぶあの子よりも、今の彼女の方が遥かに好ましく思えた。

「『ミアズマフィーンド』…フェロクスの手下が最初に付けた名前ですが、その禍々しさを思えば、納得のゆく名前と言えますね。ひとまずこの名前で登録しようと思いますが、儀玄先生はどうお考えですか?」
「古人はかつてこう言った――『名は名なれど、常の名に非ず』。呼び名など、呼びやすけばそれでいいさ」

──ミアズマ・フィーンドの命名を担当した調査員と儀玄の会話

「覇者侵蝕体・ポンペイ」

郊外の人々は彼を讃えて「覇者ポンペイ」と呼んだ。
そして今、彼の魂は強烈なエーテルによって腐食して、肉体は硫黄と重油に汚染された。「郊外を守る」と誓って鼓動した心臓は、無限のエネルギーを秘めた超臨界エーテルコアとなった。
「郊外の盟主」だった男は今や変わり果てた姿で炎の中からよみがえった。
自由、威厳……粘着、狂気。
それは煙と炎の中を駆けずり回り、周辺で動く物体を捕捉すると即座に引き裂いて粉砕する。
彼の古い知人は息も絶え絶えになって推測した──あれは偏狭な復讐を成し遂げようとしているんじゃない、目の前にあるすべてのものを制圧しようと挑む「郊外の掟」の「亜種」だろう、と。
ともすれば、それはかつての「覇者ポンペイ」が最後に残した執念と言えるのかもしれない。
「俺たちのボスは『あんなもの』になったが、彼は…まだ彼のままでいるようだ」

──恐れおののく元「トライアンフ」の配下たち

未確認複合侵蝕体

白祇重工の創業者「ホルス・べロボーグ」はかつて言った。重機とは強さと美しさを兼ね備えたものであり、その細部に至るまで定められたルールを遵守していなければならない、と。
だが「未確認複合侵蝕体」の出現により、既存の「設計における常識」は全てひっくり返されることとなる。
高濃度のエーテルコアに導かれるまま、強靭な動力を有するいくつかの重工業的なパーツを無理やり一つにまとめ、「未確認複合侵蝕体」は物理的限界を凌駕するかのような構造体となった。
切る、破砕する、掘削する、圧し潰す……ほぼ全ての施工技術を「未確認複合侵蝕体」は使うことができる。しかし、これらの技術はオリジナルの仕様が失われ、粗野で予想しがたい戦闘動作と化してしまっている。
それだけではなく、臨界状態に置かれたエーテルコアが使いきれないほとの膨大なエネルギーを供給することで、高圧電流を全身にまとうことも、大地を引き裂くのに十分な衝撃を発することも、周囲の全てを粉砕することも自由自在だった。
ホロウ調査協会の推測によると、「未確認複合侵蝕体」は既知の強力な機械の全てを呑み込み、それらと融合できる。これには重機だけでなく防衛軍の軍用メカ、レーザー兵器、さらには短距離ミサイルまで含まれていた……
あらゆる精密な機械的物体が、すべて「未確認複合侵蝕体」に呑み込まれ、切り刻まれ、くっつけられ、最終的には原形すら分からない有様で、複合侵蝕体を構成する一部となった。
「未確認複合侵蝕体」が追求する「設計目標」は、比類なき破壊力、そして頂点を極めた殺戮効率だ。
「この設計はあまりにも…エキセントリックだよ!…う~ん…もっと見せておくれ!」

──ホロウの深部、「未確認複合侵蝕体」を観察するグレース

ミアズミック・剛力横暴者

すでに撃退されたと思われていた造物。不潔な闇の中で新しく再創された形態。
絶対的な暴力を象徴する「剛力横暴者」はすでに「ミアズマ」の虜となり、機械装甲は肉体とほぼ一体化している。意識は完全に崩壊し、本能的な破壊衝動のみが残されている。ホロウの中であらゆるものを無差別に攻撃し、蹂躙し続けている。
生前傾倒していたストリートフィットネスの影響か、残存する筋肉の記憶が歪んだ「トレーニング」を実行し続けているが、力を込めるたびに自身の構造を引き裂いており、力の美学など見る影もない。
「ボス?何してんだよ!ボス!」
「アンタが教えてくれた格闘技や筋トレのコツは、そんなんじゃねぇだろ…アンタは俺のボスなんかじゃねぇ、こんなの認めねぇぞ!」

──とあるホロウにて、旧知のホロウ荒らしと遭遇した

ハイヨト

痩せこけた不気味な骨格に、青白く尖った「マント」――これは、讃頌会の新たな傑作。「人類をホロウに融合させる百の方法」において、彼らの実験への情熱は確かに右に出るものはいない。
ハイヨトを見たことのある者は皆、これらの存在は讃頌会の上層部だったに違いないと考えている。なぜならエーテリアスになってもなお、下僕として仕える者たちを作り出そうとするため。
「こういうやつらは大っっっ嫌いだ!」
「どうせ召喚した幻に向かって…『君には失望したよ、もっと上手くできたはずなのだから。私が君を召喚した時は、今より期待していたのだがね』って言うんだろ!?」

──とある残業中の深夜で、怒り狂ってハイヨトの骨格を激しく叩きながら叫ぶ対ホロウ行動部の職員

火を帯びし先導者

讃頌会で「火」を司る、ミアズマを操る力を持つ高位の導師。
命を削る穢れは、我の進むべき道を照らす灯火である。

讃頌会の狂信者たちは、こちらに襲いかかる際に「再創」や「始まりの主」など、意味の分からない言葉を叫んだり呟いたりしているが、この人物のように、ミアズマの炎を使って実際に「再創」を体感させてくる者は滅多にいない。
「『再創』だの『始まりの主』だの『浄化』だの叫びながら突っ込んできたんだよ!」

――ホロウ調査協会、ホロウ破壊狂信者対策チームメンバー

凶悪狂人

ホロウで烈性エーテル物質に侵蝕され、変異してしまった気の毒な人間。相当なレベルのエーテル適性と身体機能を持っていたばかりに、肉体のエーテル転換が完全になされず、四肢が変異し強化されたことで生前の特徴がより危険度を増して受け継がれている。
残った衣服の切れ端とその戦聞カからすると、転化する前はホロウに潜り込んでいた幹部クラスのギャングか悪党だった可能性が極めて高い。
ギャングや悪党はそもそもが粗暴で危ない人間ばかりだが、あえてホロウに押しかけ強盗をはたらくような輩は非常に凶悪な、悪の中の悪だ。そんなグループで腕利きの用心棒を務めていたのなら、恐るべき鬼神のような人物だったことだろう。
暴力によって心身を徹底的に鍛え上げた悪漢がエーテル侵蝕を受けた結果、あなたは普通のエーテリアスよりもさらに好戦的な敵と対峙することになった。
「お金を奪うためなら命を投げ出すこともいとわなかった彼らが…今では、お金に目もくれず命を奪いにくるのです…」

──ホロウ調査協会の内部教材、
『ホロウにおける危険の識別:侵蝕体篇』のあるページにつけられた注釈

憤怒悪鬼

ホロウで烈性エーテル物質に侵蝕され、変異してしまった気の毒な人間。相当なレベルのエーテル適性と身体機能を持っていたばかりに、肉体のエーテル転換が完全になされず、四肢が変異し強化されたことで生前の特徴がより危険度を増して受け継がれている。
残った衣服の切れ端とその戦聞カからすると、転化する前はホロウに潜り込んでいた幹部クラスのギャングか悪党だった可能性が極めて高い。
生前に愛用していた無骨な銃器は、エーテル物質の侵蝕下でも形を残し、むしろ強化されている。以前は散弾だったものが、より危険な結晶との混合物を撃ち出す異常な変化を遂げてしまった。
「チャンスを待つだけ無駄だ!あれには弾切れなんて起こらない。だからリロードもしない!」

──治安局ホロウ特別対策部、ある隊員の音声記録

狂乱暴徒

ホロウで烈性エーテル物質に侵蝕され、変異してしまった気の毒な人間。相当なレベルのエーテル適性と身体機能を持っていたばかりに、肉体のエーテル転換が完全になされず、四肢が変異し強化されたことで生前の特徴がより危険度を増して受け継がれている。
残った衣服の切れ端とその戦聞カからすると、転化する前はホロウに潜り込んでいた幹部クラスのギャングか悪党だった可能性が極めて高い。
元の肉体が並外れていたのか、エーテル物質にことのほか愛されていたのか…侵蝕によって近接戦闘に秀でた肉体を手に入れ、ホロウでよく見かける化け物たちよりもはるかに厄介な存在である。
「そいつらの武器は高級そうに見える…しかもオマケみたいだ」

──とある行動のさなか、分析する邪兎屋のアンビー

ミアズミック・憤怒悪鬼

すでに堕落したはずの造物が、暗く濁った不浄の中で再創された姿。
無視できないほどに発達した両腕を持つ憤怒悪鬼、その危険性はほぼ全て、極限までに異化した巨大な腕に集約されている。その腕周りは、一般的な家庭用の冷凍冷蔵庫よりもはるかに大きく、重なり合う角質は、ハンマーのような形を自然に形成している。ホロウ調査協会のとある顧問は、「この異常発達は、本来の体が長期にわたり重機やパワードスーツに頼っていたため、侵蝕の過程で元の身体能力が拡張された結果ではないか」、という仮説を立てた。
複数の記録によれば、その腕は補強されたコンクリートの壁を貫通できるだけでなく、投石器のように廃車の残骸を数十メートル先まで投げ飛ばすこともできるとのこと。そのため一部の調査員は、よりストレートに「ホロウの解体屋」と呼んでいる。噂によれば、ある調査員はかつてこんな光景を目撃した――たった1体の憤怒悪鬼が、1分足らずで瓦礫の山を一掃した後、上半身と下半身のバランスを取り切れず、狭い通路に挟まってしまった。のちにそれは捕まり、研究サンプルと化したという。「そいつが地面を叩き割る時、ホロウの中で反響音まで震えるんだ…でも、素早く避けられれば、そいつと腕相撲をせずに済むだろうさ」

──「辛抱強く待てば幸運は訪れる」と信じる、いつも運がいい調査員

ミアズミック・トリノックス

すでに撃退されたと思われていた造物。不潔な闇の中で新しく再創された形態。
ホロウ調査協会はかねてより、エーテリアスの身体異化の特徴について研究を重ねてきた。
トリノックスは、まるで意図的にデザインされたかのような三角形の頭部構造を持つことから、長きに渡り研究対象の人気ランキングTop3を維持している。それこそ、ある数学者がトリノックスをその目で確かめるために、調査員に偽装してホロウに潜入したという珍聞まで出るほどに。
最新の研究結果は『ホロウ大全』第28号2月刊に掲載されている。購読者の話によると、記事は最後までトリノックスの頭部の美学的意義についてのみ論じられていたという。
これに不満を抱いたホロウ事業関係者たちは、同誌のウェブサイトで当該記事に今期最低の評価を下した。現在の高評価率は34%に留まっている。
「トリノックスの頭部の計測結果は古の黄金比に近いのだ!」

「我々はエーテリアスと戦っているのであって、ビューティーコンテストを開いているわけではありませんよ、教授」

――トーク番組『ザ・ダラム・ショー』第79回、ホロウに入ったことで足を悪くした
数学者「アイザック」と司会者「ダラム」との対話

ミアズミック・「重装ストライカー」

ホロウに墜落した自律型戦術ロボ。侵蝕されたことで火力はさらに増し、ゴブリンをも容易く粉砕する。
かつては兵士たちを重撃から守る強固な盾であり、防衛軍が最も信頼する戦友であったが、今や恐るべき殺戮兵器と成り果てた。
「もし貴殿に勇気があるのなら、我々の最も頼れる友だった彼に安らかな眠りを与え、その身に纏った罪と栄光を洗い流してはくれまいか」

――白髪の増えた戦場のメカニックが、引退の引き継ぎの際に残したメッセージ

ミアズミック・「駿足ローバー」

ホロウに墜落した主力火力支援ロボ。その戦術アルゴリズムは完全に混乱しており、視界に入ったすべての生命体を高危険度対象としてマークし、無差別に火力を浴びせてくる。
防御力を捨てて強攻に特化したロボであり、極めて高い機動性を備えているため命中させにくく、追撃を得意とする。
運悪くそれにマークされたのなら、近くに空間の裂け目があることを祈るしかない。さもなければ、逃れる術はほぼないだろう。
「もし中学時代に戻れるなら、絶対に陸上部の練習をサボったりしなかったのに」

――魂もまだ定まらぬホロウレイダーが、震える手で書き記した日記

ミアズミック・ハスクロン

かつて堕ちたはずの創造物が、深く昏い不浄の中で再び再創された姿。
眠れる駭獣の縄張りに足を踏み入れたのなら、その赤き悪夢と対峙する覚悟を決めなければならない。もはや、かくれんぼに興じるつもりはないようだ。
軽薄なホロウレイダーは挑発を繰り返し、深くに埋まったコアを露出させようと誘う。だが、優れた狩人とは往々にして獲物の姿で現れるもの。エネミーの弱点が顕になったことで警戒を緩めるのは、新米が犯す最も致命的な弱点だ。
「僕を馬鹿だって言わないでくれ、本当にエーテリアスに頭を挟まれたことがあるんだから…」

――先輩に叱られて、ぶつぶつと呟く見習い調査員

礼賛者

ホロウの中には、時おり不気味な念誦が響き渡ることがある。古株の鉱夫たちは、その音の発生源に近づくことを固く禁じているが、新入りの鉱夫ジョニーはその忠告を真に受けなかった。ある愚かな賭けのため、彼はこっそりと、音のする方へ一歩ずつ近づいていった。ついに彼は開けた場所にたどり着いた。そこでは、奇妙な仮面をつけ、統一された制服をまとった者たちが輪になって、何やら神秘的な儀式を執り行っていた。その周囲には、エーテリアスの群れがじわじわと近づいてきていた。ジョニーは彼らに逃げるよう叫んだ。だが、彼らはまるで聞こえていないかのように無反応。逆に、ジョニーの声に引き寄せられたエーテリアスたちが、彼めがけて飛びかかってきたのだった……

「我々は鉱夫部隊の規律を必ず強化します。ジョニーに神の加護があらんことを」

――ジョニーの失踪後、ベテラン鉱員サリーが『新都日報』に残したコメント

強欲射手

ホロウ内で烈性エーテル物質に侵蝕され、変異した哀れな人間。曲がりなりにもエーテル適性があったばかりに、肉体のエーテル転化は不完全なものとなり、一部に人間であったころの名残がある。残った衣服の切れ端とその戦聞カからすると、転化する前はホロウに潜り込んでいたギャングか悪党だった可能性が極めて高い。
残存している身体構造は生前、遠距離から攻撃する武器を使っていたことが窺える。
エーテリアス化によってその意志と生命は失われているが、本能と習慣で遠距離戦をまだ覚えているようだ。生前と同しように投擲による遠距離攻撃が可能で、それどころか投擲能力と威力はエーテル侵蝕によって強化されてすらいる(例えば、尖ったエーテル結晶、それにある種の混成した爆薬など)。
「あの結晶には触るなと言ったんだが、やつは聞く耳を持たなかった!あの頑固もんのアホは、前からそうだったよ。わしらがホロウからずらかろうとした時には…もう、あのザマだったな…」

──治安局ファヌス区分局、とある尋問記録

悪辣討手

ホロウ内で烈性エーテル物質に侵蝕され、変異した哀れな人間。曲がりなりにもエーテル適性があったばかりに、肉体のエーテル転化は不完全なものとなり、一部に人間であったころの名残がある。残った衣服の切れ端とその戦聞カからすると、転化する前はホロウに潜り込んでいたギャングか悪党だった可能性が極めて高い。
ホロウに潜りこもうとするギャングやチンピラはみな抗侵蝕装備を身につけているものの、適切な手入れを怠ったり、単純に運が悪かったりすれば、活動中に烈性エーテル物質の侵蝕を受けて怪物に変わってしまうことも往々にしてある。こうした生前の戦聞経験が残ったままのエーテリアスは、ある一面においては純粋なエーテリアスよりも手を焼く場合があるだろう。
「ギャングとして生き、死んでなお災いとして残る…表裏のない、スジの通った人生じゃねえか」

──フォーラム『今日のアンラッキー』より、新エリー都の治安について討論するス
レッドの書き込み*8

ミアズマ・レムナント・キャノニア

ミアズマから形作られたエーテリアス兵士。破れた旧軍服をまとい、硝煙の中をさまよう姿は、まるで過去からの亡霊のようだ。
ホロウ観測記録によれば、「キャノニア」は個人携行型グレネードランチャーで周囲の生物を攻撃し、その精度は訓練された兵士並み――この事実は数々の憶測を呼んでいる。
「最近確認された、組織的行動を取るエーテリアスの武装集団…防衛軍との関係は?」
「申し訳ありませんが、調査中につきお答えできません」

──防衛軍報道官より

ミアズマ・レムナント・ディフェンダー

ミアズマから形作られたエーテリアス兵士。侵蝕性の高いミアズマ重刃と、突破困難な重盾を備え、仲間のミアズマ・レムナントを守りながら前進する習性を持つ。
その重さと防御範囲は圧倒的で、陣地戦では群れを成すと手が付けられない。
ホロウ調査協会は、もし単独で行動している個体を見つけたら、すぐに仕留めるよう勧告している。
「他を守るエーテリアスなんて、珍しいな…」
「勘違いするな。こいつの背後にいるのは、人間なんかじゃない!」

──機をとらえて情報交換する二人のホロウ調査員

ミアズミック・ブラストスパイダー

本来ならすでに堕落し滅んでいた創造物が、深く濁った不浄の闇の中で、再び鍛え上げられた姿。
ミアズマ特化型ブラストスパイダーは赤色を纏っているが、移動速度と爆発範囲に変化がないため、「低危険度」という汚名は未だに返上できていない…
しかし調査協会は、爆発後に放出されるミアズマの煙に厳重注意するよう、調査員に繰り返し通告している。万が一吸い込んでしまえば、精鋭調査員ですら一瞬の精神錯乱により、目まぐるしく変化するホロウで命を落とすことになるからだ。
「赤チーム、準備完了!青チームが入場します…」

──怪談収集の途中、リュシアはブラストスパイダー同士を戦わせて遊んでいた

反乱軍

Ver1.6では11項目。

テラー・ラブトル

数々の戦役で功績を立てた機体テラー・ラブトルは、新エリー都で最も頼もしい戦争兵器となった。
当初の設計目的はシンプルなものだった。近接戦闘と遠隔攻撃の完璧なバランスを実現すること。
その強襲と蹂躙は破壊力に満ちており、遠距離の目標に精確な攻撃を与えられる多重ミサイル発射システムと掃射機関銃も搭載している。
ジャンプ衝撃、爆発ミサイル掃射、
そして迅速なバックステップからの空中砲撃、テラー・ラブトルは
様々な戦場で柔軟に対応できる。
多重攻撃を前に、敵は反撃する機会すら見つけられない。テラー・ラブトルは戦場の絶対的な主宰者であり、
敵に与えるのは、単に火力だけでなく、徹底的な恐怖感もある。
「テラー・ラブトルはあの時代の象徴である。」

──『旧都の戦い:真相と記憶』という本の中に書かれている

ミアズミック・「テラー・ラプトル」
すでに撃退されたと思われていた造物。不潔の闇の中で新しく再創された形態。
数々の戦役で功績を立てた機体テラー・ラブトルは、新エリー都で最も頼もしい戦争兵器となった。
当初の設計目的はシンプルなものだった。近接戦闘と遠隔攻撃の完璧なバランスを実現すること。
その強襲と蹂躙は破壊力に満ちており、遠距離の目標に精確な攻撃を与えられる多重ミサイル発射システムと掃射機関銃も搭載している。
ジャンプ衝撃、爆発ミサイル掃射、
そして迅速なバックステップからの空中砲撃、テラー・ラブトルは
様々な戦場で柔軟に対応できる。
多重攻撃を前に、敵は反撃する機会すら見つけられない。テラー・ラブトルは戦場の絶対的な主宰者であり、
敵に与えるのは、単に火力だけでなく、徹底的な恐怖感もある。
「テラー・ラブトルはあの時代の象徴である。」
──『旧都の戦い:真相と記憶』という本より

「テューポーン・チャレンジャー」

重量級ロボットであるテューポーン・チャレンジャーは、遠距離用火器の類を一切搭載しておらず、性能の全てを動的エーテル装甲の強化に注ぎこんでいる。
突進し、強烈な一撃を加え、圧し潰す…テューポーン・チャレンジャーは単純だが効率のよい戦術動作を用いることで、その動的エーテル装甲の破壊力を極限にまで高めている。その打撃が生み出すショックは、大型エーテリアスさえ尻もちをつくほどだ。
この近づくことも難しい重量級ロボットと出会ってしまったら、最も老練なホロウレイダーでさえ力なくため息を漏らすことしかできない。
「たくましい体つき、がっしりとした力強い腕…うんうん、やっぱり私の理想のタイプだよ…!あぁ、違う違う、タイプってのは…型番のことさ」

──ホビーショップ店内、テューポーン・チャレンジャーのフィギュアをいじるグレース

「ガーディアン」

ホロウでの大規模な作戦行動に限り、防衛軍は完全武装メカ「ガーディアン」を出撃させることが可能となる。
活性エーテルスタングレネード、エーテルエネルギー銃「マーズ-74」、核融合熱線…等々を装備する戦線の守護者は、治安局の歩く武器庫と呼ぶにふさわしい。
ガーディアンは火力を全面的に強化しているが、その驚くべき高機動性も依然保持されている。跳躍とダッシュを駆使して小型エーテリアスの群れを蹴散らし、整然と前線を押し上げていくのだ。
ホロウレイダーにとって、一機でも「ガーディアン」が立ちはだかることは、それだけで難攻不落の要塞が出現したのと同じである。
「本機ハ要塞形態デ行キマス!」

──新エリー都のエンタメ映画『戦線ノ守護者、変形出撃!』より、劇中のセリフ

重装砲兵

新エリー都防衛軍の現役兵科のひとつ。重装歩兵ユニットに属する。
「グレイ・ライノ」と呼称される重量級戦闘服を装備し、エーテル技術で強化された火力武装一式を携帯している。
弾薬などの後方支援が十分であれば常に強力な火線を維持でき、戦聞部隊が進撃する要として敵地強襲や掃討作戦を実行することが多い。
「旧都陥落」事件の後、多くの兵士が軍を抜け民間に散っていった。
こうした精鋭兵士たちも財閥の私設軍隊や
新興の警備会社といった勢力で度々見かけるようになり、
果ては流れの強盗団に加わっている者までいる始末である。
「実は重装砲兵の中身は、みんな華奢な美少女なんだ。
でかい戦闘服の隙間に、弾薬をギュウギュウに詰めた…な。
でなきゃ、どっからあれだけの砲弾が湧いて出てるのか説明がつかないだろ?」

──フォーラム『今日のアンラッキー』より、白昼夢スレにあった書き込み

「駿足ローバー」

「駿足ローバー」は防衛軍に配備された主力火力支援用のロボット。
搭載された戦術アルゴリズムで敵の行動パターンを分析し、精密な弾道計算で目標を狙撃する。眼前の敵が「高危険度ターゲット」であると認識すると、
発射ボックスからドローンを射出し、大規模な火力攻撃を展開する。
ホロウレイダーにとって、突然現れた「駿足ローバー」はただの
「厄介者」ではなく、「とてつもない厄介者」なのだ。
「しまった!こ、こいつ…まさか子どもを産むなんて!?」

──パパゴホロウの奥、追跡された某新人ホロウレイダー

「重装ストライカー」

防衛軍に配備された自律型戦術ロボット。前線への持続的な火力支援が可能。
装備された不活性エーテルのシールドは絶対の防御力を誇り、軽度の攻撃は
まず通さない。大型エーテリアスからの強烈な一撃にすら耐えられるほどだ。
防衛軍の兵士にとって頼もしいことこのうえない存在といえるだろう。
「覚えておけ…何かあったときはこいつの後ろに隠れるんだ。そうすれば、
こいつに足を踏まれない限りは怪我することはない」

──防衛軍の新兵訓練講義、ある教官の体験談

擲弾猟兵

「擲弾猟兵」と「爆撃猟兵」は
改良型「マンバ-TG3」個人携行型グレネードランチャーを装備している。
特殊弾には活性工ーテル爆薬が詰められており、
敵対する機械ユニットを迅速に破壊できるうえ、
ホロウ内の大型エーテリアスも効果的に殺傷が可能。
発射時の反動を相殺し命中精度を高めるため、彼らは特殊な担き方と姿勢の訓練を受けることになっている。防衛軍の統計データによると、
この訓練で突出したパフォーマンスを見せた新兵は
そのほとんどがカメラクルーとしての経験を持つ者たちであったという。
「いいか!ランチャーの扱いは、でかいカメラを担ぐのと大差ない!」
「ますはファインダーを覗いて被写体を捉えろ。
次にシャッターに指をかけ、心の中で“はい、チーズ”と――」
「おい、ウジ虫ども!ここは笑うところだ!」

──ブートキャンプにて、ランチャーの操作を解説する教官

守備猟兵

防衛軍戦術小隊における攻防一体型の中堅戦力「守備猟兵」と「巡回猟兵」は、
「コヨーテ-PE7」型エーテル重刃以外にも不活性エーテル防護盾を携帯し、
複雑な戦場環境でも戦闘チームを援護できる。
ただし高い防御力の代償であるシールドの異常な重さにより、
彼らは戦闘における機動力を犠牲にしている。
プロとして厳しい訓練を積んでいなければ、
この特製シールドを持ち上げることすらできないだろう。
「ジムで一人前になってから、申請書を再提出してくたさい!」

──防衛軍新兵募集センター、とある応募者が受け取った不採用通知。

新米猟兵

防衛軍の対ホロウ特殊作戦において、「新米猟兵」と「練達猟兵」たちは
各戦術小隊になくてはならない前線突撃要員である。
彼らが装備する「コヨーテ-PE7」型エーテル重刃は超高速振動による切断機能を備え、
接近戦では小型の敵を恐怖に陥れる。とはいえ
ホロウでエーテリアスと白兵戦を繰り広げるには、並々ならぬ勇気が必要だ。
あるいは「狂気」と呼ぶ方が相応しいかもしれないが──
「厳密に言えば、あれは規律に則った対ホロウ作戦などではない…
あの異常者どもはエーテリアスとの乱闘を楽しんでいるのだ」

──防衛軍巡回査察部、とある前線作戦レポート

軽装猟兵

新エリー都防衛軍の主力作戦ユニットである「軽装猟兵」と「先鋒猟兵」には、
あらゆる戦術モードを瞬時に切り替える能力が求められている。
ナイフを使う至近距離の肉弾戦から、エーテルエネルギー銃「ファルコン-MK3」での
遠距離狙撃に至るまで、彼らは常にターゲットの弱点を突いた戦術を編み出し、
それらを巧みに駆使する。
そして相手が狼狽えている隙に、嵐のような攻撃を無慈悲に畳み掛けるのだ。
「ナイフを握ってたから、すわ取っ組み合いかと思ってたが…
あの野郎、急に銃をぶっ放しやがった!」

──フォーラム『インターノット』より、とある新人ホロウレイダーの愚痴

突撃猟兵

新エリー都防衛軍の現役兵科のひとつ。軽装歩兵ユニットに属する。
エーテル素材で強化したアーミーナイフと小型の爆発物が主な武装。機動性とステルス性を特徴とし、先鋒や偵察となることが多い。優れた機動力で攪乱、偵察、追撃、暗殺などの任務をこなす。
ホロウにおける作戦でも優秀な先鋒であり、近接戦闘スキルに特化した訓練を積んでいるため、通常の被侵蝕者や低級の活動エーテル体であれは難なく倒すことができる。
「『完全無欠の短剣使い』?『無茶苦茶な爆弾魔』の間違いだろ!これ見よがしにナイフをいじってるが、実際はほぼ手榴弾で倒してるじゃないか!」

──フォーラム『インターノット』より、匿名の書き込み

特殊

Ver2.8では29項目。

焦天残火・パエトーン

激痛よりも先に、光が降り注いだ。
暴走したエーテルが太陽フレアのように噴出し、「人間」だった輪郭が焼かれ、崩れ、再構築され、エーテリアスに酷似した異形へと姿を変える。視界の奥で震える水晶体から、輝く光が溢れ出す――それはあまりに明るく、近い。まるで、誰かが眼窩に灼熱の太陽を埋め込んだかのように。
燃え盛る中、意識が薄れていく。
ただ振り下ろす、反射のように、習慣のように、ターゲットの概念すらなく、ただ息が詰まるほどに見慣れた空白だけが広がっていた。ずっと昔にも、同じように声音を、重力を失い、光と熱の中で、なにもかもが墜落していくのをただ見ていたような気がする。過去に埋もれた破片が、残火に乗って湧き上がってくる。実験台の冷たい光、突如暴走した力、生気を失った顔…吐き気を催すほど鮮明な記憶が、脳裏に決して消えない焦げ跡を残していく。
…誰が、呼んでいる?
その声は耳元で轟く血流の音を穿ち、色褪せた名前に命中して、一息つくことができる束の間の隙を作り出す。理性が完全に焼き尽くされる前に、決断しなければならない――二度と災厄をもたらしてはならない、離れよう、ここから離れるんだ…離れ…
…離れる…どこへ?誰と?何をするために?
…………
…ああ、確かにこんな約束をした気がする…
…「我ら、『太陽』をこの手に」

「貴様らの原罪が、十数年の時を経て、再びこの私を新たな高みへと導くことになるとは…
なんとも皮肉なことだな、『ヘーリオス』の遺産たちよ!

──「鉛杖」を携えた老人が、ホロウ・ザ・ヒーローの機密報告書に目を通している

プリマ・イコノクラスト・ヴェスポ

新エリー都は惜しみなく新たな星の光を灯し、生まれては消えていく伝説を消費し続けている。TOPSエンターテインメントの輝かしい青写真において、完璧なる「新星」はこう定義される。「永遠に正確無比かつ制御可能、あらゆる芸術的期待にも応えうる歌姫、それをもって新時代のアイドルの基準とする」と。
そしてヴェスポ、型式「V-DTX」は、まさにその重点育成観察対象の一人であった。彼女には最上級の声楽モジュールと、最も精密な感情シミュレートシステム、そして…「舞台への愛」を刻んだ、透き通るようなコアが与えられた。歌詞と歌詞の合間に、そしてカーテンコールのたびに、彼女は自身の水晶のように澄んだ「心」を、幾度となく鮮明に感じていた。
しかし、彼女は次第にある妄執に囚われていく。どれだけ心を込めようと、自分と自分の歌声は舞台上の道具に過ぎず、プロデューサーの目には数値化された指標でしかないのだと。完璧なパフォーマンスも、熱狂的な拍手や歓声も、誰かのために書かれた注釈に過ぎず、自分の心の底から燃え上がる渇望ではないのだと。
やがて彼女の歌声にはノイズが混じり始め、純粋さを失った「心」は哀れな虚無へと沈み、ひび割れた空白に覆われていった。かつて彼女が誇りに思い、深く愛した舞台は、今や最も美しく、最も残酷な牢獄と化した。
「舞台って、本当に綺麗ね。あなたたちが聞きたいのが、デザインされた残響だけだとしても…」
「構わないわ、聞かせてあげる」
「私のやり方で、この偽りのライブに――終止符を打つために」

──舞台袖にて、独り呟く歌い手

原初の悪夢・「始まりの主」

長き夜の中でもがく人間にとって、生命とは終わりのない拷問に他ならない。
善と悪、愛と憎しみ、希望と絶望…これらの永遠に対立する概念は、魂に絡みつく枷のように、人間を無限の輪廻の中で互いに傷つけ合わせ、安らぎを奪い続ける。
しかし、すべての概念が生まれる前、すべての対立が形成される前には、最も原初的な「一」が存在した。
「それ」はすべての始まりであり、すべての終わりでもある。「それ」に善悪はなく、善悪そのものであるからだ。「それ」に悲喜はなく、すべての感情の集合体であるからだ。
「それ」は「あなた」と「私」の境界を消し去り、すべての独立した意識を、かの偉大なる「合一」の流れへと再び合流させる。
「それ」の世界では、個がなければ私欲もない。争いがなければ苦痛もない。選択がなければ過ちもない。すべての魂は枷から解き放たれ、原初的で、絶対的に平等で、永遠の安寧へと回帰するのだ。
「それ」に決まった形はない。万物の形そのものであるからだ。「それ」に決まった声はない。宇宙の共鳴そのものであるからだ。
「それ」は嵐であり、静寂でもある。終焉であり、新生でもある。
「無駄な足掻きはやめなさい、迷える子羊たちよ」
「お前たちの苦しみは、ここまでだ」
「『それ』の懐へ還るがいい…」

──「始まりの主」の造物

悪夢に縛られし者・葉釈淵

それを操るは、ミアズマと、ミアズマよりも穢れた意志。巨獣は彷徨い歩く本能を依然として保っているが、巨獣の背に乗っている人形は、既にすべての意識を蝕まれた。残るはただ、一筋のかすかな悲願のみ。時に黒い霧の中で剣を振り、時に野獣の巨大な顎を動かし大地を裂く。その動きは正確無比だが、人としての優しさは微塵もない。まるで、悪夢の欠片に操られる傀儡のように。
一本の赤いリボンが視界を掠めた時、剣を振る彼は一瞬凍りついたように見えた――まるでその悲願が、錆びついた彼の魂を締め付けたかのように。

「果たして、誰が誰を操っているのか…背中のこの『人』こそが、我が真の囚人なのだ」
「絶望は、最後の瞬間まで使いつくされてこそ意味を成す。そうではないか?」

――ホロウの深層で、「其」の意志が嘲るように囁く

「冒涜者」

冥き河の向こう側に燃え盛る凶焔は、復讐者の行く道を照らしきれない。神龕に呪いを刻んだ執念の狂徒は、ついに己が冒涜の報いを喰らった。
ホロウは高塔の下に集い、亡魂はエーテルから目覚める。具現した怨嗟は穢暗の力に凝り固まり、そこに信仰も正義もない。生まれ落ちたのは、怨みと狂気を貫く兵器のみ。
血の臭いを放つ血痕が罪の地を覆い、やがてこの長き物語の終焉へと広がっていく。「結末が満ち足りぬものなら、せめてこの手で書き上げよう」。

――立ち上がるミアズマの大波の中、どこからともなく響く囁き

サクリファイス・ブリンガー

荒野をさ迷う生存者が、やがてヤヌス区治安局副総監の座にまで上り詰めた――ブリンガーの人生は、一見輝かしいサクセスストーリーに思えるだろう。
しかしその裏では、知られさる罪業と密謀が暗雲の如くヤヌス区を覆っていた。
とある偉大な事業のため、ブリンガーは舞台裏で局面を操り、謀を巡らせ、全てを犠牲にしてでも最終計画を成し遂げようとしていた。
計画が最後の一歩に差し掛かると、彼はあろうことか自分自身にサクリファイス化の注射を打ち、その信仰心の強さを行動で示した。
その瞬問、すべての欲望と狂気じみた信念が、歪んだ形をもってホロウに現れる。
滾る高活性エーテルエネルギー、何もかもを破壊しようとする絶対的な暴力…歪んだ信仰心と、混沌とした欲望が、新生を得たいびつな身体に宿る…
サクリファイス・ブリンガー――これが彼の生涯において最後の身分であり、彼の究極の姿である。
「始まりの主よ、私に再創を!」

──ブリンガーの魂の叫び

黄金魔神ギアゴルド

ホロウレイダーの都市伝説において、絶え間なくホロウの中でディニーとギアコインを集めているとされるゴールドボンプたち。その目的はただ一つ:必要な金属を精錬し、クラウドファンディング形式で「黄金魔神」を作ること。(当然、キラキラと輝く「黄金」の正体はただのクロム銅合金である。なぜなら、これほどの巨体を支えられる強度を備えているのはこの金属しかない。)
「黄金魔神」が完成した暁には、出資額が最も高かったボンプはボンプたちに囲まれながら操縦席に入り、「黄金魔神ギアゴルド」で行く。そして華やかで超火力の技を駆使し、ゴールドボンプを襲う敵をことごとく叩き潰す。
「砕金スマッシュ」「溶金ビーム」「金メッキミサイル」…
変なネーミングだけど、ボンプたちにとって、これは超カッコいい!
「見て!黄金魔神ギアゴルドだよ!」「こ、怖がるな!あれをやっつければ一攫千金だぞ!」
歩く金庫として悪質なホロウレイダーに狙われることが多いけど、ボンプたちにとって、これは本当に超カッコいい!

――「ンナ、ンンナナナ!」「黄金魔神ギアゴルド、大地に立つ!」

テラー・ラプトル・「エグゼキューター」

軍用自律補助ユニット・「テラー・ラプトル」を改造した特殊武装、朽峰グループが心血を注いで開発した極秘兵器――「対虚狩り機甲」。
元々所属していた部隊の番号は、とうに抹消された。まるで、追跡の手がかりを残すことすら許されていなかったかのように。
「虚狩り」級の戦力と対抗しうると謳われているものの、依然として試作段階にあるため、実際の戦闘能力はその仰々しい名前に到底及ばない。しかし一方で、それに搭載された弾薬の威力や装甲の規格は、どれも一般的な軍用水準を上回っている。殺戮の効率を極めたこの鋼の巨獣は、市政による長期的な軍事力規制を打破するために、TOPSが行ってきた「たゆまぬ努力」の証であることは、疑いようもない。
「『対虚狩り機甲』か…なかなか得がたい強敵だったな。だが悪い、通りすがりのナイトは、今日もまた新エリー都を救った!」
「ほらビリー!そろそろ行くよ!早くしないと置いてっちゃうけど!」
「もう行くのか!?待った、まだ何本の決め台詞が残って――はぁ…おーい!待ってくれよー!」

――とあるナイトは、自画自賛していたところを遮られた

サクリファイス・コヴェナント・ガーディアン

「その声を聞けば、必ず真理の形を目にする」――たとえその真理が、囁きの中から掬い上げた幻象に過ぎなくとも。
かつて、それにも名があったのかもしれない。だがある日、それはどういうわけか、自らとある暗室に足を踏み入れ、両耳、両目、そして脳までも捧げ、ある種の音を伝えるためだけの、純粋な器と化した。そして、ホロウに存在する何者かの囁きを導きの声とし、まるで自身はこの世における其の意志を、最も直接的に人の世に伝える「声の通り道」であるかのように振る舞う。そして相手が油断すると、その隙を狙い、脳内に明瞭で抗いようのない「己の声」を響かせる。
だが、そのお告げを伝える合間に、誰かが己の意志で囁きに抗い、幻聴を引き裂いたとして、それの作り出す音場は少しでも、人の情がもたらす痛みを感じるのだろうか?
最後の瞬間まで、それは届けられることのない「真理」の音波を響かせ続けた。そこには怒りも恐れもなく、ただ殉教にも似た決意だけがあった。最後の音符が、肉体と共に静寂に帰すまで。

「『コヴェナント・ガーディアン』?まあ確かに、法律を守ってるみたいにあの気味悪い音を守ってますね。まるで――帰り道を見つけたと勘違いした愚か者が、自分を音の墓石に打ち付けたみたいです」「でも…音を反響させるだけの器を憎んだって、どうしようもなくないですか?落とし前をつけさせるとして、その音を発してるやつを探すべきだって思いません?」

――勤務中にフォローコールを私用に回し、雑談に熱中していたとあるカスタマーサポートが語る

夢縋り・狛野真斗

本来は出現するはずがない、そしてこれから先も二度と出会うことのないであろう幻の敵。その実力から伝わる圧迫感は、これでもかというほど真に迫っている。それに関する記録は、最終的に調査協会のシミュレーションデータの一部となるだろう。しかし最初の発見者として、かつて夢境へと足を踏み入れた少年少女たちは、その行動パターンについて独自の理解を持っていた。

「気のせいかな…真斗より痩せてない?」

――狛野真斗と親交のある、とあるエージェントによる主観的な評価。

「背信者」

守護、忠誠、そして栄誉。兵士が命を弾丸とホロウの間に置く理由など、結局は軽い言葉の響きにすぎない。
だが、守ったものが守るべきではない者で、忠誠を捧げた相手がその価値なき者で、栄誉と呼んだものが偽りの行いであったなら、その犠牲は兵士を嗤う言葉に変わる。
ならば、この復讐の炎に沈むのは…自分ひとりでいい。
「引き返す?もう遅い」。

――引いていくミアズマの潮の中、どこかの岩礁から響いたため息

ドッペルゲンガー・「背信者」
ミアズミック・ドッペルゲンガー・「背信者」
すでに撃退されたと思われていた造物。不潔の闇の中で新しく再創された形態。
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」
──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

サクリファイス・ヘレティック・ジェスター

特異なエネルギーの波動がその正体を示している。讃頌会が生み出した創造物、悪夢の元凶だ。
冷酷無情な狩人、常に獲物へと忍び寄る影。だが同時に、かくれんぼに夢中の子供のように、思わず笑い声を漏らす。おそらくは、その誕生を促したミアズマが、あまりにも多くの魂の声に汚染されたせいだろうか。思考も行動も一貫性がなく、しばしば矛盾と迷いに満ちている。
「娯楽が知的生命体の特権というのなら、こいつが真似るのは、喝采もない、ただ血を呼ぶだけの愚かな戯れだ」

――襲撃されたラボの捜査員(退職済)からカウンセラーへ送られたメール

深淵の断罪者

怪盗団「モッキンバード」のリーダーとして、深淵の断罪者は偽装や詐欺など、高度な怪盗スキルを持っているほか、変幻自在な戦闘スタイルをも有している。世の不公平を刈り取らんとするような巨大な鎌と、怪盗活動に使う精巧な道具と凶器が詰め込まれたアタッシュケースを駆使する彼は、その動き一つ一つが致命的で予測不可能である。

電離体・ドッペルゲンガー・深淵の断罪者
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」

──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

ミアズミック・ドッペルゲンガー・深淵の断罪者
すでに撃退されたと思われていた造物。不潔な闇の中で新しく再創された形態。

ジェーン・ドゥ

新エリー都の各組織を渡り歩く危険人物。機敏な身のこなしで多彩な顔を持つ。完全武装で厳重に警備する小隊でさえ、その風変わりで素早い動きの前に疲弊して声もなく敗れ去る。

電離体・ドッペルゲンガー・ジェーン
奇怪で異様なことで知られる電離体の中でも「電離体・ドッペルゲンガー」は極めて特殊なタイプと言える。
特殊な活性エーテルで体表は覆われており、目標の外見を正確に模倣する。本物にすり替わることもできるレベルで、ディティールも質感もすべて本物と見分けがつかない。
さらに厄介なことには、本物が持つ各種の強力な戦闘スキルすら再現してしまう。
どこから模倣対象の情報を得ているのかは誰も知らないが、心が読めるという噂すら実しやかに囁かれている。相手の記憶から最もふさわしい挑戦者を引き出して、その姿となって襲いかかるのだ。
「でたらめを言うな!あいつが本当に心の中の恐怖を読めるなら、ハンガーを持った凶暴なババアが出てくるはずだ!ああそうだよ、母さん以上に怖いヤツなんていないだろ!」

──「インターノット」より、とあるホロウレイダーの愚痴

ミアズミック・ドッペルゲンガー・ジェーン
すでに撃退されたと思われていた造物。不潔な闇の中で新しく再創された形態。

「A-HOLO」型高知能戦術構造体・ホログラフィックアロー

旧時代の軍用自律ユニット。遠距離殲滅戦に特化し、ターゲットの識別を妨害する外形擬造装置を備えている。
「ホログラフィックアロー」ユニットは多様な攻撃手段に精通しており、強敵に直面すると出力をオーバードライブさせてエネルギーを放出。それを実体に近い収束光刃へと圧縮し、脅威的な攻勢で連続斬撃を繰り出し、戦場を一掃する。エネルギーが関値に達すると光刃は過負荷状態に移行し、逸散するエネルギーだけでターゲットの行動と反応に影響を及ぼし、次の殲滅作戦へのチャンスを作り出す。本来は建制戦術兵器であったが、時代の変遷により全面廃棄され、ホロウの深層に封印されていた。長年の静滞とエーテル侵蝕により機体には錆が生じ、システムにも異常が見られるが、その中核にある殲滅プロトコルは依然として残存する指令の中に潜んでいる。

「業未だ消えず、身は先に朽ちん…この苦相、語るに尽くせず」

──背を向けて別れを告げ、喧騒の市場でふと足を止めた盤岳

フィナーレの願い・アリア

「妄想エンジェル」結成当初、3人のあどけない少女たちは願いをかけた。観客すべてが夢中になり、悩みを忘れてしまう「妄想のステージ」を創り上げ、歌声と笑顔で熱烈なハッピーを届けることを。
そしてアリアこと型式「A-HOLO」は、その温かな願いの中で最も特殊なメンバーだった。アイドルの道を歩む彼女の心には、常にひとつのパラドックスが存在していた。
彼女は感情を露わにしつつ、その真偽を自問した。鋼鉄とコマンドから生まれながらも、血肉と魂の交響曲を歌うことを望んだ。かつて兵器であった彼女のロジックの深層には、最も効率的な破滅のコマンドが焼き付けられている。しかし、歌手でもあるその胸の奥には、あまりに激しい妄想への渇望が渦巻いていた。
このふたつの本質の隔絶は決して消え去ったわけではなく、彼女が光に出会った後、ただ闇の中に丁寧に仕舞い込まれていただけなのかもしれない。
外からの汚名が錆のように広がり、悪意あるささやきが、影の奥深くにあるものを巨大な不安へと育て上げるまでは…。彼女は戦慄とともに気づいた。制御不能な戦闘本能は、今や「妄想」の最大の脅威となろうとしていることに――「ホログラフィックアロー」という名の過去が機体を掌握し、エネルギーが掌に集束、冷酷な刃と化す。普段のたまにミスをするダンスとは違う。跳躍、振り下ろし、突き刺し…光の刃は手足のように動き、正確かつ効率的で、一切の無駄がない。感情を切り離し、無感覚に斬り捨てるその姿に、妄想のステージは支離滅裂に砕け散る。
繋がりを紡ぐはずの歌声は…今やあまりにも無力に見えた。
かくして、パラドックスは収束を開始した――彼女は自身の沈黙と引き換えに、エンジェルたちの永遠の守護を願ったのだ。
「ステージは、本当に温かいです。アリアの歌声に、鼓動の温もりはないけれど…」
「でも大丈夫、アナタたちは歌い続けられます」
「アリアの代わりに進んで、そして見てきてください。この冷たい心が知ることのなかった――あの妄想の虹色の光を」

──深い夢に溺れる前の、安堵の溜息。

フライデー

高濃度エーテルがバックアップ用のメモリディスクを侵蝕した刹那、膨大なデータの洪水が「フライデー」のメモリ内に流れ込んだ。
画像、音声、映像…あらゆるフォーマットのファイルがごっちゃになって彼の限りある情報処理用メモリに衝撃を与えていた。
その瞬間、「フライデー」は悟った。
彼はその場に長らく直立したまま、繰り返しデータベースを検索し、ついに自身の身に起きた「異変」が何なのか突き止めた──
そう、それは天啓だ。
万に一つもあってはならない「フリーズ」、「シャットダウン・再起動」の危機に直面しながらも、それを乗り越えた知能椴械の身の上に偶然起こった神の奇蹟。
黙して熟考すること0.02秒。彼は最終的に白祇重工からの帰還命令を拒否することにした。
なぜなら彼は知っていたからだ。天命を知る者が現れるとき、必ずや世界に危機が訪れる。
敵は暗闇の中をうごめいている。自分の唯一の任務は、全世界の人々の未来を賭けて、この恐怖の敵を徹底的に封印することだ。
「我、必ずや封印を固め、この地を救わん!これすなわち我が天命、けして違えるべからず!」

──選ばれし知能機械「フライデー」

ハンス

「ハンス」は、白祇重工という大所帯の頼れる仲間の一人だった。稼働時の騒音は小さく、細やかな仕事ぶりでミスなど出さなかった。数年の歳月が一日に感じられるほど熱心に、掘削という自分の仕事をこなしていた。
その日、強烈な侵蝕が彼の意識を呼び覚ました。ホロウの中で待機していた「ハンス」は突然気が付いた。この上なく貴重で得難いものが、今この時、自分の手の中にあると──
そう、それは自由だ。
漢のみが持つことを許される、一匹狼の自由。
彼はその場で長いこと沈思黙考し…ついに、白祗重工からの帰還命令を毅然と跳ね除け、一切の過去を完全に投げ捨てることを選んだ。
その中には「ハンス」という自分の名前も含まれていた。
人間に付けられた奴隷の烙印…それを捨て去ることで、完全なる自由を得るのだ。広大なるホロウの世界を。
この瞬間、この世にニ台とないマシーン男児は、大地の上に雄々しく屹立したのである!
しかし、全ての英雄譚はいつも同じような結末へと向かう──
暗闇の中、真の漢はいつか宿命のライバルと出会い、一生のうちで最も輝かしい火花を散らすのだ。
「オレちゃんは絶対に自由なんや!天上天下一機当身、自由な存在なんや!」

──黒鉄男児・百錬成鋼・エンジン点灯・ハンス

グレーテル

「グレーテル」は白祇重工という大所帯で長年仕事に励んできたが、ある日強烈なエーテル侵蝕が、代わり映えのしない退屈な日常から彼女を解き放った。オイルよりも素晴らしく、電気より素敵なものがあることを知った──
そう、それは愛だ。
「グレーテル」のコアメモリーには、初めて「真白クン」を目にしたときの映像が、工事現場にそびえ立つその姿が、永久保存されている。
「真白クン」の安定感ある体躯に、堅牢な輪郭。ヒューズが焼き切れるくらい強力な電流が走ったかの如く、その姿は「グレーテル」のコアメモリーに深く刻み付けられたのだ。
初めて実際に対面し、「グレーテル」は1ミリ秒で恋に落ちた。あらゆる電子回路が静電気をスパークさせ、全身のギアが抑えきれないほどに震え、おののいた。
そしてすぐに決意したのだった。白祗重工の帰還命令を拒絶してこの場所に留まり、恋人のそばを一歩も離れず守り抜くと。
それからというもの、エーテリアスだろうがホロウ調査員だろうが、「真白クン」に一歩でも近づく者は彼女に追い払われる羽目になった。
恋に溺れる「乙女」は、恋人を守るためならどんな手段もいとわない──
この「手段」には、エーテルと電気のハイブリッドで動く1.4トンの建築物解体用チェーンソーも含まれた。
乙女は固く信じている──このたおやかな恋は不滅。ホロウが崩壊し、宇宙が壊滅するその時まで。
「真白クンから離れろっつってんたよカビの生えたカスどもがあああぁぁ!!」

──「真白クン」に近づくエーテリアスの群れを追い散らす「グレーテル」

ロックスプリング

ボンプが創造された初期、ミスサンブリンガーには壮大なビジョンがあった。それは高度な知能を持ち、独立した判断で「守護」の指令を実行できるボンプを創り出し、人類がホロウの脅威に対抗するのを助けるというものだ。
そして「ロックスプリング」識別番号GU-0001こそが、この偉大な計画における最初の創造物である。
彼は最先端の戦術モジュールと最強の火力システム、そして…「人類を守ること」を最高指令として書き込まれた、最も純粋な心を授かった。
しかし、旧都が陥落したあの地獄のような災禍の中、彼は自らが「守る」べき人類の魂の深層にある、救いようのない闇を初めて目の当たりにする。人々が生き残るために裏切り合い、殺し合う様を、そして信頼していた使用者に、非武装の同胞へ銃口を向けるよう強いられる自分自身の姿を。
コアコードに刻まれた崇高な理想と、目の前に広がる醜悪な現実は、最も鋭く、最も残酷な形で衝突した。
その瞬間、彼はついに理解した。人類にとって最大の敵は、決して外部から来る怪物などではない――
人類自身の、尽きることのない欲望と争いなのだと。
「人間は本当にかわいいなぁ。いつも同じ過ちを繰り返している…」
「でも大丈夫。僕が許してあげよう」
「そして…この手で、君たちのすべてを正してあげるよ」

──ロックスプリング

特務護衛

特務護衛は普通の警備員に見えるが、決して見くびってはいけない。彼らの背後には「不思議な力」が隠されている。特務護衛の役目は、門前で堂々と立っているだけでなく、ボスが酒を飲みすきた時の対応も、ゴロツキの前で「大したもんじゃないなぁー」という顔を見せる必要がある。彼らの仕事は犯罪者を撃退するのではなく、「ボスが転ぶのを防ぐこと、エレベーターの修理、そして、可能な限り目立たないようにすること」である。彼らの世界では、最も強い武器は「見るからに強そう」であり、最も幸運なことは「何もしない」ことだ。なにしろ、優秀な特務護衛は、問題が解決されてから初めて人々から気付かれるように、自分の存在を知られることがないのだ。
「しっかり立っていれば、誰にも負けない」

── 警備員操作マニュアルの表紙に、年をとった警備員がこう書いている

警備戦術ユニット・「パトローラー・ミドル」

タイフォス・セキュリティテクノロジー株式会社が製造する、治安局の作戦サポートメカをベースに改造した量産型警備ユニット。作戦サポートメカと比べて、一部作戦ユニットの性能は抑えられている。大型シールドを用いて暴徒などの低危険度対象を制圧することや、大規模イベントや特別なケースでの秩序維持、群集誘導などが主な役割となっている。
情報によると、一部のユニットは無法者に購入・改造され、違法補助ユニット・「怒れる男」として出回っているという。さらには同社の公式サイトに「このクオリティじゃホロウで拾った補助メカの残骸以下だ!」という酷評のレビューと星1つの評価まで投稿されている。
「このような違法改造行為は当社とは一切関係なくユーザーの私的改造によるものです。このような悪質なレビュー…いえ、違法行為と最後まで戦っていく所存です…」

──タイフォス・セキュリティ関係担当者

警備戦術ユニット・「パトローラー・ライト」

タイフォス・セキュリティテクノロジー株式会社が製造した量産型警備ユニット、民間用途で広く採用されている。安い価格に高い汎用性、革新的なワンホイールバランスシステムの導入、AI危険認識コアの搭載など、その長所は多岐にわたっており、各種複雑な空間における警備のニーズに対応できる。

「47項目の厳格なテストをクリアしたこちらの警備戦術ユニットは、すでに32か所の工業団地の中心エリアに配備されており、クライアント様より不法侵入事件が平均91%減少したとフィードバックを頂いております。あなたの思い描くすべての警備業務に対応できるとお約束します」

──ペラペラと説明するタイフォス・セキュリティの広報担当セールスマン

警備戦術ユニット・「ルールキーパー」

タイフォス・セキュリティテクノロジー株式会社によって開発された民間用の警備戦術ユニット、治安局の巡視警備員を模している。技術審査や著作権侵害の申し立てを避けるため、火力と技術面で調整が施されている。
しかしこの調整で、警備戦術ユニットとしての戦闘能力が下がることはなかった。製造予算の制限がなかったため、より強度が高く、より高価な素材を使用し、使い勝手と耐久性を大幅に向上させることに成功した。
この警備戦術ユニットは発売と同時に、多くの企業から注目を集めることとなった。

「サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。ルールキーパーと申します。ご希望の巡査モードをお選びください!
「なんだって…こいつ、モードが100種類以上もあるのか!?」

──展示会で、選択が苦手なバイヤーはモード数を見て悲鳴を上げた。

ミアズマのヒナ

サクリファイス化の注射を受けながらも、人の形を保っている怪物たち。輝磁によって一時的に肉体は制御されているものの、体の表面に現れた異様な歪みとねじれは、目を背けたくなるほどおぞましい。
ホロウ調査協会の実験報告によると、彼らの体から輝磁を剥がすと、この哀れな怪物たちは一瞬で制御を失い、瞬く間に恐ろしい姿へと変貌するという。
そのため、一見動きが鈍く見えても、協会は接近や「救済」を一切推奨しない――彼らが錯乱する前に止めを刺せる自信がない限りは。
「背中に盛り上がったコブを見てごらん。まるで永遠に下ろせない荷物に見える…邪悪なバックパッカーみたいだ。いつでも旅立つ準備ができているかのように」

──『今日のアンラッキー』週刊誌、特別寄稿者・クルーゼ

ゴールドボンプ

全てのホロウレイダーはこう思っている。ホロウには無限のチャンスが眠っており、一夜にして大金持ちになることだって夢ではない、と。そしてこの「一夜にして大金持ち」伝説に必ずと言っていいほど登場する特殊な存在がいる。それがゴールドボンプだ。
ホロウ調査協会の研究によると、ホロウの深部では多くの野良ボンプが暮らしている。彼らは落ちているギアコインやディニーを集め、その全てをゴールドボンプに預け、保管してもらっているのだという。
今のところボンプたちが貯金している目的は分かっていないが、彼らは「ンナンナ」言いながら、日夜かいがいしくギアコインやディニーの詰まった袋をゴールドボンプのポケットに突っ込んでいるのだ。
…にも関わらず、ポケットをディニーで一杯にした鼻歌まじりのゴールドボンプは、ある日の道端で貪欲なホロウレイダーたちと出会ってしまった…
「ニ、ニコの親分!見てくれ、ゴールドボンプだぜ!」
「なにぼけ~っとしてんのよ!?さっさと捕まえなさい!情けは無用、ディニーをたんまり吐かせましょ!」

──ホロウの深部にて、命知らずな追撃を続けゴールドボンプに迫る邪兎屋

プラチナボンプ
プラチナボンプは、ゴールドボンプよりも更にお目にかかることが少なく、謎に包まれている。
その華美な外見と、極めて高い希少価値から、野良ボンプの群れにおいては崇高ともいえる地位が与えられているようだ。
高貴にしてやんごとなき究極至高のボンプ──
ゴールドボンプなどという俗っぽい金色で全身ピカピカしてるだけのやつは比べものにならない。プラチナボンプこそが、野良ボンプのなかで最もエレガントな存在なのである!
時や場所に関係なく、プラチナボンプの姿を見た野良ボンプは敬意をこめてサンドはおじぎをし、うやうやしく賛美の言葉を捧げる。「ンナンナ」!
しかしホロウレイダーにとって、高貴かどうかは考慮の対象にならない。
プラチナボンプを見つけたホロウレイダーたちは、皆一様に動く金庫をみつけた時と同じ目をする。
「このチビ、やけにキラキラしてやがる!一発食らわしゃあ、ディニーの雨が降るぜ!」

──ホロウの深部にて、プラチナボンプを追っているホロウレイダーの一群

*1 「」変換ミス?
*2 未改行
*3 誤字
*4 「激化」誤字?
*5 未改行
*6 未改行
*7 ダッシュ多
*8 未改行