はじめに

Last-modified: 2023-09-01 (金) 21:13:06
かつての誰かの書き残し

映画やドラマ、書籍等によってゾンビ作品に触れて、こちらのwikiにたどり着いたであろう諸兄に挨拶に変わって伝えたい。

あれらの作品はフィクションである。

フィクションのために普通に考えたらあり得ないことが度々表現される。
特によく表現されるのが緊張感の無さである。
どの世の中に噛まれたらゾンビ化して死ぬのに、近づくのに気づかない馬鹿がいるだろうか。
作中では人が襲われたり死んだりしないと盛り上がらないので簡単に襲われるが、本物のゾンビパニックが起こった際には簡単に殺される人なんていない。

生存者同士の抗争や気分のみでの判断ミスなども露見されるが、自分や他人の命のかかっている緊迫した状況で「感情優先する奴だらけ」なんて事はあり得ない。
単なる小さい名誉欲程度で仲間を危険にさらすゲス野郎なんていうステレオタイプの人物はそうそういない。
コミュニティで生き延びる事を考えれば、メリットを得るよりリスクを取らない事の方が大事だと考える人の方が多い。
そのくらいは誰でも考えるし気が付く。
死亡フラグを立てる奴もそうそういないし、予想通りに死んだりしない。
軽薄なひょうきんキャラがうっかり死んだりしない。
共通の敵+生命の危機という場面において、人はもっと必死だし誠実になる。
これは決して性善説ではなく、死の恐怖から来る誠実さだ。
もう一度言うが、フィクションの世界では盛り上げるためだけに極端なキャラや無理のある設定がまかり通る。
誠実に生き伸びる事を目的に毎日努力を怠らない人々しか出てこない作品があれば、世界は平和になってしまうし、作品化する場面すらない。
あれらのフィクションで行われた事や人の感情の流れが、現実での指針には全くならないと考えなくてはならない。

2023.9.1 別人による追記
上の様に「いざとなれば人々は賢い行動をとり、助け合う」と言い切れればよかったのだが。
2019年にコロナが流行してから、世界的な病禍が起こしうる社会の在り方を目の当たりにした今となっては乾いた笑いしかでない。
死亡フラグはあちこちで知らずのうちに立っていて、予想以上の被害を生んだ。
軽薄なひょうきんキャラは集まって騒ぎ、クラスター感染。
共通の敵と生命の危機という場面においても陰謀論者はここぞとばかりに騒ぎ。
総力を挙げて開発されたばかりのワクチンは副作用ばかりが取り沙汰される。

フィクションだと思われていた世界は、我々が想像していたよりもはるかに身近にあったのである。
「実際にことが起きたらみんなまともな行動をとるさ」というのは常識的ではあるが、しかし楽観視すぎたのではないだろうか。
ネットでの注目欲しさや売名行為、イデオロギー・陰謀論への傾倒や反体制思想など、様々な要因による個人によるデマゴーグが社会の積極的混乱を引き起こしうることも明らかになった。
残念ながら、知識のない素人だけではなく、専門教育を受けてキャリアを積んでいるであろう医師がデマをまき散らしてさえいたのだ。
また、ストレスや緊張状態が人の判断力を長期・短期それぞれに人の判断力を大きく狂わせることもわかってきた。
映画で「お約束」と揶揄されるような行動をとってしまうことも明らかになってきている。
死の恐怖が人を結束させるとしても、それが成立するのは誰もがその死に対するビジョンが正しく機能していることが大前提なのだ。

幸いにして、ゾンビに備えることの多くはその他災害に備えることにも通じている。
きっとそれは、いざというときに常識的な楽観よりも自分と他者の身を助けてくれるはずだ。

フィクションを前にして「こんなものを本気にしてバカげている」と賢く現実的であるよりも、
バカみたいな話を大真面目に話し合う私や君のような人間がいてもいいだろう。
ようこそ、ゾンビ災害対策wikiへ。