このページではゾンビ災害発生時においても継続して電気を使用できる(かもしれない)日本国内の地域についての解説をしています。
概要
※大前提として、ここで紹介する事柄は100%正しいと保証できるものではありません。仮に正しかったとしてもかなり楽観的な見方で考えた場合です。この記事を書いた私もありあわせの知識しかありませんので、あくまで参考用として考えてもらえると幸いです。
もしゾンビ災害が起きた場合、電気は使えなくなると考えられます。
日本の電力は70~80%が火力発電所から供給されており、石油・石炭・天然ガスといった燃料を燃やして電気を作っています。しかしゾンビ災害が起きれば、発電所職員がゾンビ化したり、燃料が補充されなくなるなどして、火力発電所は停止してしまいます。そうなると日本の電力供給は、これだけで70~80%が断絶します。
筆者が某電力会社の職員に聞いたところ、とあるLNG式の火力発電所では燃料補充を4日ごとに行っているそうなので、早ければゾンビ発生から4日前後で火力発電所の大半は停止することでしょう。
ですが、全ての電力供給が途絶える訳ではありません。
太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電などを始めとする、俗にいう再生可能エネルギーによる発電が少なからず行われており、これらは燃料補充を必要とせずに動くからです。また、一度動かせば数年は稼働し続ける原子力発電も日本国内で行われています。
それらの発電所も保守・点検が行われなくなるので限度はありますが、長ければ数年は発電し続けるかもしれません。
では具体的にどの地域では電力供給が継続されるでしょうか?
考えていきましょう。
- 参考「2025年度供給計画の取りまとめ(PDF:3268KB)」 - 電力広域的運営推進機関
電力供給が継続されるエリア
日本では基本的に全国を10カ所に分けたエリアごとに電気を供給しています。
具体的には北海道電力エリア、東北電力エリア、東京電力エリア、中部電力エリア、北陸電力エリア、関西電力エリア、中国電力エリア、四国電力エリア、九州電力エリア、沖縄電力エリアです。エリアをまたいで電力融通することもありますが、基本的にはこのエリア毎に電力の供給バランスを管理しています。
発電電力量における再生可能エネルギーと原子力発電などの割合が高いほど、ゾンビ発生後も電力供給が継続される可能性が高いと考えられます。それぞれのエリア毎に比較し、電力供給が継続される可能性が高い順に紹介していきましょう。
1.関西電力エリア

もっとも電力供給が継続される可能性が高いのは関西電力エリアです。
大阪府、京都府、兵庫県(一部除く)、奈良県、滋賀県、和歌山県、三重県、岐阜県、福井県の一部がこれに該当しており、電力供給量は全国で2番目に多いです。
関西電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:46.6%
- 原子力:33.3%
- 一般水力:9.1%
- 揚水:1.5%
- 太陽光:6.5%
- 風力:0.3%
- その他新エネ:2.6%
関西では発電量の53.4%を火力以外の発電で賄っています。
逆を言えば半分程度しか供給できませんが、他の地域よりは電力供給が継続されると思われます。
しかも、安定して大電力を供給できる原子力と一般水力だけでも42.4%と割合が非常に高いです。これは関西が日本で最も多くの原発を稼働させていることが主な要因でしょう。原発は時間帯や天候に影響されることなく電気を作れるので、地域によっては長期的に電気を使用できるかもしれません(調整電源の揚水発電も含めたら43.9%に上がります)。
2.九州電力エリア

次に九州電力エリアです。
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県がこれに該当しています(離島の大半を除く)。
九州電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:42.4%
- 原子力:29.0%
- 一般水力:4.8%
- 揚水:1.5%
- 太陽光:13.6%
- 風力:0.7%
- その他新エネ:8.0%
- (その他:0.1%)
九州では発電量の57.6%を火力以外の発電で賄っています。
実は関西よりも再生可能エネルギーの割合が高いのですが、太陽光発電の割合が高く、安定的な供給が見込める原子力と一般水力の割合は関西より低めです。太陽光では曇りや夜間に停電してしまいます。
それでも原子力と一般水力の合計は32.8%と全国的に見たらかなり高めです(揚水も含めれば34.3%に上がります)。
さらに火山の多い九州では地熱発電が盛んであり、「その他新エネ」の何割かは地熱発電が占めると思われます(残念ながら何%かは分かりませんでした)。地熱も原子力などと同じく、安定して途切れなく発電できます。
3.四国電力エリア
4.北海道電力エリア

続いて北海道エリアです。
ご存知の通り北海道は面積が非常に広大なため、北海道だけで電力のエリアを一つ占めています。
北海道電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:56.8%
- 原子力:0%
- 一般水力:13.4%
- 揚水:0.7%
- 太陽光:10.3%
- 風力:11.1%
- その他新エネ:7.6%
- (その他:0.1%)
北海道では発電量の43.2%を火力以外の発電で賄っています。
再生可能エネルギーの割合は四国とほとんど同じです。しかし、北海道では原子力発電所が停止中のため、原子力の発電はゼロ。安定した供給が見込まれるのは一般水力の13.4%だけです(揚水も含めれば14.1%に上がります)。幸い、短期的には北海道唯一の原発である泊原発の再稼働が見込まれていますが、それでも原子力と一般水力の合計が20%を超えるかは怪しいです。
また、風力の割合が11.1%と全国でもトップクラスに高いのですが、風力では風が弱いと発電できません。太陽光も日光が出ていないと発電しませんので、安定した電力供給が見込める地域はかなり少ないと見ていいでしょう。
5.北陸電力エリア

次に北陸電力エリアです。
富山県、石川県、福井県(一部除く)、岐阜県の一部がこれに該当しています。
北陸電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:57.1%
- 原子力:0%
- 一般水力:26.8%
- 揚水:0.1%
- 太陽光:5.2%
- 風力:0.4%
- その他新エネ:3.4%
- (その他:1.2%)
北陸では発電量の37.2%を火力以外の発電で賄っています。
北海道と同じく、北陸でも原発は止まっているので原子力はゼロです。停止中の志賀原発の再稼働も見通しは立っていません(ちなみに福井県は「原発銀座」と呼ばれるほど多数の原発が集中していますが、ほとんどが関西電力エリアに電気を送っています)。
しかし、安定した供給を見込める一般水力の割合が26.8%と北海道よりも上となっています。もしかしたら電気を使用できる地域の割合は北海道よりも広いかもしれません。
6.中国電力エリア

次に中国電力エリアです。
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、そして瀬戸内海の一部の島々がこれに該当しています。
中国電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:62%
- 原子力:3.2%
- 一般水力:6.3%
- 揚水:1.3%
- 太陽光:16.0%
- 風力:0.6%
- その他新エネ:10.5%
中国では発電量の38%を火力以外の発電で賄っています。
このうち供給力の安定している原子力と一般水力の合計は9.5%です(揚水を含めると10.8%)。
一見すると原子力がかなり少なく見えますが、これは停止していた原発が再稼働したばかりだからです*1。なので今後はもう少し割合が大きくなるとみられます。
なお、その他新エネが10.5%とやけに割合が高くなっていますが、この内訳は調べてもよく分かりませんでした。再エネの一種であるバイオマス発電とかであれば、火力発電と同じく燃料補充が必要となるため、すぐに停止してしまいます。
7.東北電力エリア

次に東北電力エリアです。
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県がこれに該当しています。
東北電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:68.2%
- 原子力:2%
- 一般水力:9.2%
- 揚水:0.1%
- 太陽光:9.4%
- 風力:4.0%
- その他新エネ:7.0%
東北では発電量の31.8%を火力以外の発電で賄っています。
供給力の安定している原子力と一般水力の合計は11.2%です(揚水を含めると11.3%)。このため原子力と一般水力だけなら中国電力エリアよりも割合は高めです。
こちらも原子力がかなり少なく見えますが、こちらも中国電力と同じく、停止していた原発が再稼働したばかりだからです*2。なので今後はもう少し割合が大きくなるとみられます。
一般水力の割合は中国電力エリアよりも高いので、今後の原子力の働き次第では、中国電力エリアよりも電力が安定的に送られる地域の割合が高くなるかもしれません。
8.中部電力エリア

次に中部電力エリアです。
愛知県、長野県、岐阜県(一部を除く)、三重県(一部を除く)、静岡県(富士川以西)がこれに該当しています。電力供給量は関西電力エリアに次ぐ全国で三番目の多さです。
中部電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:71.3%
- 原子力:0%
- 一般水力:10.4%
- 揚水:1.3%
- 太陽光:13.1%
- 風力:0.9%
- その他新エネ:3.3%
中部では発電量の28.7%を火力以外の発電で賄っています。
こちらも原発が止まっているので原子力はゼロです。
再稼働の見込みも立っていません。
しかし、安定した供給を見込める一般水力は10.4%であり、北陸と北海道の次に割合が高くなっています(揚水を含めると11.7%)。
9.東京電力エリア

次に東京電力エリアです。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県(富士川以東)がこれに該当しています。日本の首都圏ということもあり、電力供給量は全国で一番多いです。
東京電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:80.2%
- 原子力:0%
- 一般水力:4.8%
- 揚水:2.1%
- 太陽光:10.1%
- 風力:0.2%
- その他新エネ:2.5%
- (その他:0.2%)
東京電力エリアでは発電量の19.8%を火力以外の発電で賄っています。
残念ながら2割以下です。
発電量に占める火力発電の割合が非常に高くなっています。
こちらも原発が止まっているので原子力はゼロです。一般水力も4.8%しかありません。揚水を含めても6.9%であり、1割にも届きません。
一番発電の割合が高いのは太陽光ですが、日光が出ていないと発電しませんので、曇りの日や夜間は電気を作りません。
幸い、短期的には関東に電気を供給する柏崎刈羽原発の再稼働が考えられていますので、若干改善するかもしれません。それでも関東の電力需要は莫大なので、「多少マシ」になる程度だと思いますが。
10.沖縄電力エリア

最後に紹介するのが沖縄電力エリアです。
沖縄本島と、その周辺の有人離島がこれに該当しています。電力供給量は全国で最下位です。
沖縄電力エリアでの発電量の割合は、次の通りです。
- 火力:88.7%
- 原子力:0%
- 一般水力:0.1%
- 揚水:0%
- 太陽光:5.8%
- 風力:0.3%
- その他新エネ:5.2%
沖縄電力エリアでは発電量の11.3%を火力以外の発電で賄っています。
なんと1割ちょっとです。
沖縄などの離島は敷地が狭く、原発や大規模な水力発電所を設置できません*3。そのため、再生可能エネルギーよりも安定して動かせる、火力発電ほぼ一辺倒に近い状態です。ゾンビが発生したら長持ちはしないでしょう……
ただし、沖縄電力エリア内の「波照間島」では過去、風力100%由来の電力供給を安定的に長時間続けることに成功した実績があります。同様の風力発電システムを導入した離島でも電力の何割かを風力だけで賄っているそうなので、電気は一部の離島に限り、多少長持ちするかもしれません。
といってもこれらの離島は、沖縄本島からもさらに離れていますが……
まとめ・備考
最後にまとめると、電力供給が継続される可能性が高い順に次の通りになると考えられます(丸カッコ内の数字は火力以外の割合、太い数字は一般水力+原子力の割合です)。順位の詳細については各エリアの説明をご参照ください。
- 関西電力エリア(53.4%、42.4%)
- 九州電力エリア(57.6%、32.8%)
- 四国電力エリア(43%、25.1%)
- 北海道電力エリア(43.2%、13.4%)
- 北陸電力エリア(37.2%、26.8%)
- 中国電力エリア(38%、9.5%)
- 東北電力エリア(31.8%、11.2%)
- 中部電力エリア(28.7%、10.4%)
- 東京電力エリア(19.8%、4.8%)
- 沖縄電力エリア(11.3%、0.1%)
ただし、関西でも火力以外の発電の割合は53.4%。
運が良くてもエリア内の半分しか電気が送られません。同じエリア内でも残る半分の地域は電気が送られないことになります。
また、興ざめするかもしれませんが、火力発電所が停止した時点で「ブラックアウト」と呼ばれる大停電が起きる可能性が大きいと考えられます。これは一つの発電所が停止すると、残された他の発電所に需要が集中し、設備への負荷を防ぐために安全機能が作動して次々と発電所を停止させてしまう停電現象です。過去には「北海道胆振東部地震」で発生したこともありました。水力や原子力の発電所が動いていたとしても、電力供給が途切れる可能性が高いことにはご注意ください。
余談:屋久島

鹿児島県の地図。色塗りされた場所が屋久島
上記と異なり、高確率で全ての地域に電力供給が継続されそうな場所が日本にあります。
それは鹿児島県沖の「屋久島」です。
島の広範囲が世界遺産に登録されるほどの豊かな自然が広がり、約1万2,000人が居住しているこの島は、あまり知られていませんが再生可能エネルギーほぼ100%による電力供給を実現しています。それも上に記した波照間島のような風力発電ではなく、安定性の高い一般水力発電で、です。
屋久島は1年を通して非常に雨が多く、豊富な水資源を用いて水力発電を動かしており、これだけで島内の電力をすべて賄えてしまうのです*4。一応非常時用としてバックアップの火力発電機もありますが、それを除けば島単独で電力供給を完結させており、ゾンビで人類が全滅したとしても屋久島では電気が送られ続けるでしょう。
使用した地図
- 白地図ぬりぬり

ガスも原油も輸入なので原発以外長期供給は難しいのではないだろうか。
候補に挙げるなら地方の小規模水力発電やメガソーラーかな。 -- 2023-06-27 (火) 21:08:36
だから風力水力火力関係なく、そもそも電気使えないかも……給電指令所の要員が手動で送電停止を無効化してれば話は別かもしれないけど、給電指令所も大都市にあるから要員が生きていられるかというと、うーん……
もう少し調べてみるけど、電気は悲観的に考えた方がいいかもしれない -- 2023-09-12 (火) 17:42:12
①火力発電所が燃料枯渇で停止
②他の発電所に需要が集中
③他の発電所も設備への負荷やトラブルを避けようと安全機能が作動
④自動で供給停止
⑤停止した発電所を再稼働させる電力すら枯渇
といった感じで「ブラックアウト」とやらが起きるらしい。そらポストアポカリプス時代に電気使い続けられるなんて都合の良いことある訳ねーよな…… https://www.huffingtonpost.jp/entry/electric-power-cut-in-hokkaido_jp_5c5d7f2fe4b0974f75b33464 -- 2025-05-05 (月) 09:20:32