深夜の老人
少し真夏には早いですが、本日は怪談です。
苦手な方や心臓の弱い方は、好奇心に負けないで!
まだ記憶に新しい、東日本大震災…
今その被災地では、住民が困惑する事件が起きているそうです。
それはズバリ、幽霊の徘徊…
自分が亡くなった事を理解できない死者たちが
日中でもボーっとした表情で、街をうろつくらしい…
例えば公園のベンチ、例えば生前の自宅跡地…
中でも一番被害を受けてるのが、タクシーの運転手だそうです。
普通に客を乗せ、行き先を告げられる…
運転手は、おかしいなぁ~あそこは何もない更地なんだけどなぁ…
怪訝に思いながらも、告げられた行き先に向かう…
到着すると、後部座席には誰もいない…
実は、ぽても似たような体験をしたことがあります。
幽霊と会話をしたのです。
今から数年前、友達がキャンピングカーを購入したのです。
見せびらかしたい友達(仮に山本君)は、
さっそくぽてにお誘いの電話をかけてきました。
山本君:今度の連休、予定決めずにドライブ行こうよ!
ぽて:お~いいよ!どっち方面行く?
山本君:それも当日決めよう!
なんともめちゃくちゃなドライブを予感しました。
ただただ山本は、走りたいだけなのです。
当日、山本君が乗ってきたキャンピングカーは、ぽての予想を遥かに超える
ゴージャスな車でした。
中にはキッチンやベット、テレビまで付いていて
このまま暮らせそうな車でした。
ほて:行き先決まったの?
山本君:どうしようか…
ほて:どうせなら高校の時引っ越した○○君のとこ行こうよ!
山本君:それいいね!驚かそう!
行き先は決まったものの、友達のとこまでは数百キロも離れています
疲れたら車中泊出来るから、行けるとこまで頑張ると決め
ひたすら走りました。車が大きくて怖いので、ぽては助手席ですw
気がつくと時刻は深夜をまわり、山本君もフラフラです。
どこかで仮眠を取ろうと、広い駐車スペースを探しますが
あいにく道の駅もなく、道路標識や案内看板を見つめました
その時、○○総合運動公園この先左折2キロの看板を発見!
うねうねと山道を登ると、そこには広い駐車場がありました。
疲れ果てた山本君は、崩れるようにベットに横になり
ぽてもソファーを動かしてベットを作り、横になります。
ウトウトしだした時、いきなりドアをノックする音に飛び起きます
時計を見ると深夜2時…もぉ~誰だよと思いながらカーテンを開けます
そこには色黒で白髪頭のやせ細った老人が立っていました。
窓を開けるのは気持ち悪いので、窓ごしに話かけます
ぽて:何ですか?
この時、窓は閉まっているのに、ハッキリと老人の声が聞こえました
でも…口が動いてないんです…老人の…
脳に響くというか、直接耳に口を当ててるように聞こえます…
老人:ここは危ないから出たほうがいい…
ぽて:危ないって何がですか?
老人:……
老人:……お化けが悪さするから、はよ出ていきなさい…
その言葉にハッと目が覚めて、慌ててお礼を言い、山本君を見ます
山本君にも聞こえていたのか、慌てて運転席に移動しています
車を急発進させ、さっき通った山道を下ります。
大きな国道の信号まで降りてきて、ホッと溜め息をつきます
国道を左折しようと、山本君がウインカーを付けたその時
左側に人影を感じました…
キャンピングカーはトラックタイプのものなので
歩行者などの巻き込み防止で、ウインカーを付けると
その方向にライトを照らすようになっているのです。
今まさにそのライトが人影を浮かび上がらせています。
突然現れた人影に、ビクッとしながら
何気なく顔を確認して、うわぁ!と小さく叫びました
ぽての叫び声を聞いた山本君も、
その人影を見て えっ!と絶句します。
そう…さっきしゃべった老人です…
ぽて:お化けが悪さするって…お前のことか…
ボソッとしゃべった その一言が聞こえたかのように
老人がニヤァ~と口を開けました。
その口の中は、まるでブラックホールを見るような
漆黒の闇…
それからの2人は、サイドミラーも見る事が出来ないほど
老人の影に怯え、一睡もせず走り続けました。
帰り道にも、その運動公園の前を通ったんですが
隣が○○霊園になっており、
2人して、よく見ないから~と責任をなすりあったのでした。
おわり