ぽてとーく/2015-07-07

Last-modified: 2015-07-07 (火) 14:22:08

 
   深夜の老人
 
 
 
 
 少し真夏には早いですが、本日は怪談です。
 
 苦手な方や心臓の弱い方は、好奇心に負けないで!
 
 
 
 まだ記憶に新しい、東日本大震災…
 
 今その被災地では、住民が困惑する事件が起きているそうです。
 
 それはズバリ、幽霊の徘徊…
 
 自分が亡くなった事を理解できない死者たちが
 
 日中でもボーっとした表情で、街をうろつくらしい…
 
 例えば公園のベンチ、例えば生前の自宅跡地…
 
 
 中でも一番被害を受けてるのが、タクシーの運転手だそうです。
 
 
 普通に客を乗せ、行き先を告げられる…
 
 運転手は、おかしいなぁ~あそこは何もない更地なんだけどなぁ…
 
 怪訝に思いながらも、告げられた行き先に向かう…
 
 到着すると、後部座席には誰もいない…
 
 
 
 実は、ぽても似たような体験をしたことがあります。
 
 幽霊と会話をしたのです。
 
 
 今から数年前、友達がキャンピングカーを購入したのです。
 
 見せびらかしたい友達(仮に山本君)は、
 
 さっそくぽてにお誘いの電話をかけてきました。
 
 山本君:今度の連休、予定決めずにドライブ行こうよ!
 
 ぽて:お~いいよ!どっち方面行く?
 
 山本君:それも当日決めよう!
 
 
 なんともめちゃくちゃなドライブを予感しました。
 
 ただただ山本は、走りたいだけなのです。
 
 
 当日、山本君が乗ってきたキャンピングカーは、ぽての予想を遥かに超える
 
 ゴージャスな車でした。
 
 中にはキッチンやベット、テレビまで付いていて
 
 このまま暮らせそうな車でした。
 
 
 ほて:行き先決まったの?
 
 山本君:どうしようか…
 
 ほて:どうせなら高校の時引っ越した○○君のとこ行こうよ!
 
 山本君:それいいね!驚かそう!
 
 
 行き先は決まったものの、友達のとこまでは数百キロも離れています
 
 疲れたら車中泊出来るから、行けるとこまで頑張ると決め
 
 ひたすら走りました。車が大きくて怖いので、ぽては助手席ですw
 
 
 気がつくと時刻は深夜をまわり、山本君もフラフラです。
 
 どこかで仮眠を取ろうと、広い駐車スペースを探しますが
 
 あいにく道の駅もなく、道路標識や案内看板を見つめました
 
 その時、○○総合運動公園この先左折2キロの看板を発見!
 
 うねうねと山道を登ると、そこには広い駐車場がありました。
 
 
 疲れ果てた山本君は、崩れるようにベットに横になり
 
 ぽてもソファーを動かしてベットを作り、横になります。
 
 ウトウトしだした時、いきなりドアをノックする音に飛び起きます
 
 時計を見ると深夜2時…もぉ~誰だよと思いながらカーテンを開けます
 
 
 そこには色黒で白髪頭のやせ細った老人が立っていました。
 
 
 窓を開けるのは気持ち悪いので、窓ごしに話かけます
 
 ぽて:何ですか?
 
 この時、窓は閉まっているのに、ハッキリと老人の声が聞こえました
 
 でも…口が動いてないんです…老人の…
 
 脳に響くというか、直接耳に口を当ててるように聞こえます…
 
 
 老人:ここは危ないから出たほうがいい…
 
 ぽて:危ないって何がですか?
 
 老人:……
 
 老人:……お化けが悪さするから、はよ出ていきなさい…
 
 
 その言葉にハッと目が覚めて、慌ててお礼を言い、山本君を見ます
 
 山本君にも聞こえていたのか、慌てて運転席に移動しています
 
 
 車を急発進させ、さっき通った山道を下ります。
 
 大きな国道の信号まで降りてきて、ホッと溜め息をつきます
 
 国道を左折しようと、山本君がウインカーを付けたその時
 
 左側に人影を感じました…
 
 キャンピングカーはトラックタイプのものなので
 
 歩行者などの巻き込み防止で、ウインカーを付けると
 
 その方向にライトを照らすようになっているのです。
 
 
 今まさにそのライトが人影を浮かび上がらせています。
 
 突然現れた人影に、ビクッとしながら
 
 何気なく顔を確認して、うわぁ!と小さく叫びました
 
 ぽての叫び声を聞いた山本君も、
 
 その人影を見て えっ!と絶句します。
 
 
 そう…さっきしゃべった老人です…
 
 
 ぽて:お化けが悪さするって…お前のことか…
 
 
 ボソッとしゃべった その一言が聞こえたかのように
 
 老人がニヤァ~と口を開けました。
 
 その口の中は、まるでブラックホールを見るような
 
 漆黒の闇…
 
 
 
 それからの2人は、サイドミラーも見る事が出来ないほど
 
 老人の影に怯え、一睡もせず走り続けました。
 
 
 
 帰り道にも、その運動公園の前を通ったんですが
 
 隣が○○霊園になっており、
 
 2人して、よく見ないから~と責任をなすりあったのでした。
 
 
 おわり