比翼は愛薊の彼方へ～未了の因～

紀元前三世紀、燕国。
後の戦国七雄に数えられるこの国の初代皇帝没後、跡継ぎに選ばれた昭洸（主人公）。
だが、それを快く思わない家臣たちと、昭洸の異母弟である檜光を擁立する宰相・子之は、昭洸暗殺を画策。
その危機を、子之の義父であり一騎当千の将軍であった郭隗によってからくも難を逃れた昭洸は、郭隗とともに逃亡の旅に出る。
子之の放つ追っ手に何度も襲われる中、郭隗との絆を深める昭洸。
宰相・子之の本当の目的と、その背後にある強国・斉の陰謀に気づかぬままに――。

• 昭洸(しょうこう)　cv：最上嗣生
  21歳。主人公。父の後を継ぎ燕の第二代皇帝となった矢先、義弟である檜光により国を追われる。生来無邪気で性格も明るく、身分に関係なく気さくに接することから人望に熱く、民にも人気がある。将軍であり、幼き日より自分を支えてくれた郭隗を心から信頼し尊敬している。
• 郭隗(かくかい)　cv：一条和矢
  30代後半から40代前半。燕国の将軍。鴻将の二つ名を持つ忠義と武をもって燕を支える軍人。また、文の道にも精通した文武両道の臣。北方民族の孤児であった子之を引き取り、本当の親子のように育てていた。幼いころよりなにかと面倒をみていた昭洸に、王とはどういうものかを教える。
• 子之(しし)　cv：谷山紀章
  28歳。燕国宰相。檜光」を担ぎ出して昭洸の暗殺を企てた張本人。その後、檜光から絶大な信頼を得、実質上の燕の実権を握った。計算高く、他の宦官を追い抜き若くして宰相となった。元は北方民族の出で、髪は金色で目は蒼。そのためなにかとさげすまされてきたが、常に優しく接してくれた義父の郭隗を誰よりも何よりも深く愛しているが、それを郭隗には気付かれていない。郭隗を独占する昭洸を、激しく憎んでいる。
• 趙魏(ちょうぎ)　cv：伊藤健太郎
  27歳。燕国を荒らしまわっている山賊の棟梁。元は燕長城（現万里の長城）を超えてやってきた騎馬民族の長。燕国内においてその名は知れ渡っており、「趙魏がやってきた！」と言うだけで泣く子も泣き止んだほどの荒くれ者。当初、昭洸を捕らえて手篭めにしようとするが、昭洸に王の資質を感じ、以来信服し部下と共に昭洸に仕えるように。粗野で乱暴者ではあるが、身内には優しい。
• 幽鬼(ゆうき)　cv：矢里間翔
  22歳。燕国第二代皇帝・檜光の側付き兼暗殺者。冷静沈着にして任務に対しては非情さをはっきするが、檜光に対しては唯一心を開き、優しい顔をみせる。檜が幼い頃から側に仕えていたため、檜光の為に執拗に昭洸を付け狙う。ただ、子之の野心には薄々感づいているので警戒している。
• 檜光(かいこう)　cv：柿原徹也
  18歳。燕国第二皇子。燕国皇帝に即位した後は、檜王と名乗る。義兄である昭洸に代わり、正式に燕国第二代皇帝となった。義兄とは違い、自己中心的で器が小さい為、子之に頼りきり。しかし彼なりに国を思い、王について昭洸と袂を分かつ。健康的というよりも子悪魔的な容貌には、王者の風格は感じられない。