会場調査
特定の会場に消費者(対象者)を集めて、アンケート調査やインタビューを行う調査方法。商品やパッケージ、試飲・試食などのテイストテスト、ネーミングテストに適している。条件に合った調査対象者を前もって募集する場合と会場周辺の通行人を呼び入れて順次テストする方法がある。会場の設置からデータの納品までの平均所要期間は2週間程度で、短期間にデータ収集が行えるため、開発や意志決定を迅速に行いたい場合に役立てることができる。さらに、持ち歩きや配送が難しい大きな提示物などを対象に調査したり、会場に売り場や特定の環境を再現すれば、商品の模擬購入などのシュミレーションテストも可能である。ネットなどから回答者に応募することができ、回答者は謝礼がもらえる。
会場調査と座談会の違い
会場調査と座談会は似たようなものとして混同されがちですが、会場調査は企業側があらかじめ質問やアンケート内容を考えておき、参加者がその質問に答えるもので、座談会は企業側と参加者側、または参加者同士などで意見交換をして情報を得ていく調査である。参加者の数は座談会よりも会場調査のほうが多く必要で、10人から数十人、場合によってはもっと必要になるが、参加者一人あたりの拘束時間は座談会よりも会場調査のほうが短くて済む。
メリット
- 短期間にデータが集められるので速効性が高い。
- 新商品コンセプトなどの機密情報が外部にもれにくい。
- 質問の仕方やテスト条件など、同一条件で調査を行える。
- 現場で回答をチェックし、無回答の質問を極力減らすことが可能。
- ネットでアンケート調査をするよりも実際の商品を見た上での評価が得られる。
デメリット
- 多数の回答者を要するため、人口の多い大首都圏などでしか行えない。
- 会場の設置、回答者への謝礼などのコストがかかる。
- 会場の雰囲気や集合的な効果が回答に強く影響する。
調査例
- 新製品のコンセプト評価やパッケージ評価テスト
- TVコマーシャル、雑誌広告のイメージ調査
- 香水、飲料、食品などのブラインドテスト
- IT機器利用状況調査
- 新ソフトウェアのデモ版評価テスト