アシッドジャズ(Acid Jazz)
『アシッドジャズ(acid jazz)とは、1980年代の終わり頃からロンドンのクラブシーンでファンクやソウル・ジャズ等の影響を受け発生したポピュラー音楽のジャンル。またブームの火付け役となったレコードレーベルの名。
1970年代に生まれたジャズ・ファンクの後続的なスタイルとして捉えられるが、ジャズ要素が薄いものも少なくない。歌ものを中心とするアーティストはむしろスティーヴィー・ワンダーら1970年代のファンキーで洗練されたソウル(ニューソウル)の影響下にある。ローズ・ピアノやハモンド・オルガンを多用するところに「1970年代の音」へのこだわりを見せるが、サンプリングとラップで構成されたヒップホップの手法をとるアーティストも存在する。
レア・グルーヴと音楽性は似ているが、アシッドジャズはダンス・ミュージックとして特化したものに対して、レア・グルーヴはジャズ・ファンク、ソウル、ブラック・ミュージックの要素が濃いというニュアンスがある(ソウル色が濃いものを特にフリー・ソウルとも呼ぶ)。ただし双方とも明確な定義は定まっていない。
-出典:「アシッドジャズ」 2006年10月18日 13:49 UTC, 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』URL: http://ja.wikipedia.org
また、Acid Jazz ServerにはFAQにおいて「アシッドジャズとは何か」についての討論が見られるが、いずれも共通するのはおもに70年代のジャズやソウルを中心とした多様な音楽の吸収とクラブミュージックへの還元という部分である。しかしながらその実態についてはその本来の多様性から抽象的な表現にとどまり、文章上でその全貌を掴み切ることは難しいであろう。
事実、アシッドジャズムーブメントに参加、便乗していたと思われるアーティストや楽曲は多岐にわたり、上に述べられた二つのレーベル:アシッド・ジャズとトーキン・ラウドからのリリースだけでも既存の分類法でいうところのR&B、ハウス、ドラムンベース、ヒップホップ、トリップホップ、レゲエなどの要素を含んだ楽曲が豊富に存在する。これはアシッドジャズムーブメントがそれまでのジャズやソウルを材料に、クラブミュージックというフィルターを通じてさまざまな音楽形態を生み出しあるいは影響を与えたという捉え方も可能にする。
主要なアーティスト
- ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(Brand New Heavies, the)
- インコグニート(Incognito)
- ジャミロクワイ(Jamiroquai)
- ジェームス・テイラー・カルテット(James Taylor Quartet, the)
- アス・スリー(Us3)
- ガリアーノ(Galliano)
- アーバン・スピーシーズ(Urban Species)
- ヤング・ディサイプルズ(Young Diciples, the)
- ヘリオセントリック・ワールド(Heliocentric World)
- ケー・コレクティヴ(K-Collective)
- モンド・グロッソ(Mondo Grosso)
主要なレコードレーベル
- アシッド・ジャズ(Acid Jazz)
- トーキング・ラウド(Talking Loud)