SCP分類チャレンジ

Last-modified: 2024-04-28 (日) 18:44:35

SCP財団の該当オブジェクトを当wikiの基準で分類するとどうなるか?判定基準を実例とともに紹介チャレンジ。飽きるまで続きます。

SCP-247 - 無害な子猫 by Alias Pseudonym

SCP-247は、黄褐色に黒い縞模様の入った虎柄の無害な家猫(ネコ属イエネコ;幼体、雌)として観測されるベンガルトラ(ヒョウ属ベンガルトラ;成体、雌)です。

機械を通して見ても、(機械をあざむいているのか機械越しでも影響を受けるのか)本来の姿を視認することはできません。それ以外の間接的な観測結果からはトラであることが明らかなので、外界認知の第一段階だけをねじ曲げる【幻】に該当します。ちなみに、ネコには物理的に不可能な行動を目撃した人は頭痛を訴えています。

人間は鳴き声をとても愛らしく感じSCP-247を撫でようと近づきます;猫を強く嫌う人間でさえも同じ行動が観察されています。

さらにこのオブジェクトは、近づいた獲物に警戒心を抱かせず、襲っている最中でさえも敵意を奪うことができます。これはどんなに予備知識があっても関係なく、また共感性の低さにより抵抗できることから感情ベースの能力と思われます。

判定→【幻】【感情操作】

SCP-426 - 私はトースター by Flah

どんな人間も私を紹介しようとすると、つい私を一人称で呼んでしまうんだ。

「それ(it)」で言及することができず、「私(I/my/me)」になってしまうオブジェクト。第一段階では無意識な【行動変換】が発生するだけで、精神影響はありません。

2ヶ月以上継続して私と関わると、自分自身がトースターだと思い込み始めてしまうんだ。

ところが、長く接しすぎると「自分は人間ではなくトースターだ」との強固な思い込みによって危険な行為に走るようになります。トースターとしてふさわしい振る舞いが人間には致命的になりえますが、特定の行動を指向しているわけではないので意志支配は候補から外れます。感覚支配でもないので消去法で【認識操作】でしょうか。認識操作は「ごっこ遊び」的印象を与えやすい点からも妥当です。

判定→【行動変換】【認識操作】

SCP-586 - 記述可能な物体 by Rolaran

この物体について書かれるどんな文ででも、小なくとも必ず1つ以上の誤植が作成されます。すなわち、1つ以上の単語が謝った単語に置き換えられます。

判定→【行動変換】

SCP-902 - 最後のカウントダウン by AdminBright

SCP-902は、「カチカチ」と表現される音を出します。この音を聞いた人は誰でも、カウントダウンしていると確信するようになります。

自身を時限爆弾だと思い込ませる空箱。曝露者もそれが妄想であることは自覚しており、「1.正しい対応」「2.オブジェクトの早期破壊を防ぐための対応」「3.『カウントダウン終了時』に備えた対応」が混在した難解な報告書となっています。研究せず誰にも情報を漏らさずただ保管するのが1.、厳重に警備するのが2.、箱の中身が存在するという想定のもと破壊準備にあたるのが3.となります。

箱の中にあるものは...カウントダウンが完了する前ではなく、完了直後に破壊されねばならないと確信するようになります。

曝露者を増やさないためには今すぐ破壊するのが最善ですが、箱のことを知った者はカウントダウンが止まる前の破壊を「時期尚早」と感じ、それを防ぐ処置を取ってしまいます(2.)。意志支配のなかでも、自分の意志とは関係なく逆らうことができない【暗示】です。

ラストの「オブジェクトは存在する」「それを開けろ」とは、箱に恐ろしい中身が存在するとの観念を植え付けようとする働きだと思われます(3.)。この観念によりオブジェクトクラスはKeterとなっていますが、実際のところ「カウントダウン終了時」に備えての行動は個人的反応の域を出ないので意志には影響なさそうです。「ねこはいます」と同じく【認識操作】でしょうか。

判定→【暗示】【感情操作】

SCP-963 - 不死の首飾り by AdminBright

生命ある人型の存在がSCP-963-1に直接触れると、対象者の人格は消去され、ブライト博士の人格が対象者に乗り移ることが確認されました。

人格上書き系には対象に新しい人格を植えつける【人格変化】、操者の人格が肉体の主導権を持つ【精神乗っ取り】、対象の人格を殺して肉体が完全に操者のものになる【抜殻乗っ取り】がありますが、今回は「対象者の人格を消去」かつ「新しい人格=操者」であることから【抜殻乗っ取り】です。

判定→【抜殻乗っ取り】

SCP-1152 - アライグマ by Vorcha

体重は約75kgです。SCP-1152のゲノムは同種の他個体が持つものとは異なりますが、ヒトゲノムとはほぼ完全に一致します。...SCP-1152は平均的な思春期後の人間と同等の知性を示しており、...相当な器用さでオブジェクトを操作できます。

SCP-1152は、表面的にはProcyon lotor (アライグマ)種の一般的な個体に類似しています。

判定→【認識操作】

SCP-1539 - 意味論的分離装置 by ophite

81秒以上その地帯に留まっている物は酷いアイデンティティの機能障害に罹り、結果として物体の物性と意味論的アイデンティティの分離が生じます。分離したアイデンティティは付近の意味論無しのいかなる物体とでも"再接着"するかもしれません。

物質から名前を奪い、また名無しの物体に再割り当てする地帯。名前をすげ替えられると、外見や性質はそのままにその名前の物として扱われるようになります(人間の場合は本人の自意識にも影響)。このため、この地帯から回収された物質は何であれ、本当は人間である可能性を念頭に扱わざるを得ません。最初に調査に行った「革製の職員」は帰還以来応答がない一方で、「成人男性の形状を持つ洗濯機」は放置され異臭を放っています。元の形状から大幅に変形しているため、本当は何だったのか誰にも分からなくなってしまいました。

判定→【認識操作】

SCP-1545 - リャマ・ラブ・ラリー by Salman Corbette

SCP-1545を着用した被験者は、極端に「キャラクターになりきる」こととなり、前に入った者は「リャマ・ラブ・ラリー」であるかのように会話し、後ろの者は軽快に跳ね回ります。...被験者たちはSCP-1545内部にいたときのことを否定的に捉えず、普通の態度であったかのように振る舞います。

D-5362: そうかもしれませんが、先生。みんなを楽しませなければならないんですよ!

明確な意図に裏打ちされた、わかりやすい【洗脳】(【暗示】であればもっと理屈をすっ飛ばした自主性のない動機を話します)。言動を正常に振り返れない【記憶:△】要素もあり。

判定→【洗脳】

SCP-1561 - 暴君の託け by Daedalus34

陛下の王冠が...ごく一般的な農家の男性の下賎な頭に与えられると、装飾が視界に入る距離にいる一般人は下賎なる着用者への態度を今まで会った中で最も権威のある者への対応へと変化させます。王が戴冠されるとこの一般人たちは以前の身の丈にあった新しく適切な役割を与えられ新たに生まれ変わります。

頭にかぶると、視認した相手から王として扱われるようになる王冠。影響下の人物は戴冠者のために命さえ投げ出す忠実な臣下へと生まれ変わります。意志支配のうち、納得ずくで自発的に尽くす【洗脳】です。

陛下のSCP-MDLXIに関わる刻印、演説もまた適した王の階位へと昇格します。単なる陛下のSCP-MDLXIに関する知識は高貴なる王冠を陛下のSCP-MDLXIと称したい衝動を引き起こすでしょう。

さらに、この王冠について書いたり話したりする場合も時代がかった尊敬語を使ってしまいます。【行動変換】である「私はトースター」とは異なり、「衝動」によるもの・振り返って自覚できるものとされています。逆らおうとする描写があることから、意志ごと誘導される【暗示】ではなく【欲求操作】でしょうか。

判定→【洗脳】【欲求操作】

SCP-2513 - ともあれ、カルタゴ滅ぶべし by Doctor Cimmerian

SCP-2513は、ある人物が南から北に向かって渡る時、紀元前146年まで現代のチュニジアに存在していた都市国家・カルタゴ共和国に対する唐突かつ不合理な憎悪の念を引き起こします。

動機を話す被験者もいますが、全員に見られるわけではないのでこれはnotMCな合理化でしょう。オブジェクトに影響されて起こす行動にも一貫性がなく、ディスカッションによれば「短時間であれば意志の強い人は憎しみに抵抗できる」とのことなので純粋な【感情操作】ですね。

判定→【感情操作】

かつて図書館だったSCP-2602 - 旧・図書館 by Communism will win

SCP-2602に関する情報伝達に曝露した対象者は、それがかつて図書館だったという事実を、SCP-2602が有する特性またはSCP-2602が監視されている理由の裏にある主要な原因であると看做します。

からばこ」とよく比較されますが、「収容する」という行動を強制する同オブジェクトに対してこちらが強制するのは「結論づける」という精神活動です。調査自体は正しく行われており、知覚より後・意思決定より前の段階に干渉していることがうかがえます(ここが明確なシチュは珍しいです、ありがたい)。知覚情報をとりまとめた「これは何であるか」を上書きするのは【認識操作】です。

SCP-2602に関する情報を伝達する時、その人物は、SCP-2602がかつて図書館だったという事実に頻繁に言及することを強いられます。...これらの言及を未編集のままに放置したいという僅かな衝動により、言及を削除するための自動化プロセス開発は妨げられてきました。

言及するときに「これは元・図書館である」という情報を含めたくなる【欲求操作】要素もほんのり。

判定→【認識操作】【欲求操作】

SCP-3107 - 詳細に文書化された球体 by DoomSmith

SCP-3107は直径20.32456cm(誤差0.000001cm)の異常な球状構造物です。この測定誤差は、SCP-3107の表面にある21,493個の傷に由来します。SCP-3107のそれぞれの傷の長さ、幅、深さに関する完全な文書については、メモN-3107-460を参照してください。

徹底的に調べたいという知的好奇心を煽り、調査を過剰で過激にエスカレートさせる金属球。関わった職員は観察と実験にとりつかれ、最後には非人道的な手段も辞さないマッドサイエンティストへと変貌してしまいます。【欲求操作】におさまらず、その欲求を正当化する論理さえ植え付ける【洗脳】です。「被験者」が最後には「被験体」になってしまうところがひそかな萌えポイント。

下書きにはウィンズロー博士とクレイトン研究員SCP-3107-A-1とSCP-3107-A-2へのインタビューが残されています。

判定→【洗脳】

SCP-6096 - 御客様 by Tanhony

アマンダ: 大丈夫よ、ハニー、ごめんなさい、ハニー — ただ、う- 動かないでいれば大丈夫。腕を引こうとしなければ痛くしないわ、ただの —

俺はあの部屋に何時間も立ち尽くし、6096の頭に銃を突き付けて、少しでも力を込めやがれと自分の指に向かって叫んだ。無駄だったよ。

「謝りながらも命令には絶対服従」「肉体操作されてはいないが逆らえない」はどちらも【暗示】確定描写です。GJ。

判定→【暗示】

SCP-040-JP - ねこですよろしくおねがいします by Ikr_4185

症状は「1.井戸小屋に"ねこ"が見える」「2.イエネコが"ねこ"に見える」「3.暗闇に"ねこ"の視線を感じる」「4."ねこ"の存在を他者に伝える」の4段階。

  1. この小屋の中を人間が覗き込むと、対象は激しく動揺し、「ねこが居た」と報告します。...なおカメラ映像では、前述の小屋の様子が映し出されるされるのみで、報告される猫は確認されていません。
  2. 曝露した対象は全てのイエネコ(学名:Felis silvestris catus)に対する認識が歪められます。曝露した被験者へのインタビューでは、イエネコが毛が無く造作の無い顔に人間の様な二つの目が付いた動物に見え、...
  3. この"ねこ"が暗闇に居るように感じる
  4. 「"ねこ"が居る」という観念を他者に積極的に伝えようとします。...この観念伝達の為の行動は極めて自然な物を装う為、曝露最初期の動揺を抜けた後では、対象が曝露して影響下にあるかどうか判断する事は困難です。

1.と2.は虚像を知覚する【幻】。4.は意志支配なので【トランス】【洗脳】【暗示】のどれかと思われますが、「影響下にあるかどうか判断する事は困難」とあることからあからさまに人形化する【トランス】・理路整然とした動機を持つ【洗脳】は候補外となって【暗示】確定です。3.はえーと……「視線を気にする」「監視されている様に感じられます」とあるので、外界認知への干渉、かつ【感覚操作】よりも後の過程となると消去法で【認識操作】ですかね(外界認知は感覚→認識の順で行われるため)。

判定→【幻】【認識操作】【暗示】

SCP-093-JP - 生還可能な廃トンネル by Porsche466

被験者が対象の奥へ直進し続けると、被験者と同じ外見や特徴を持つヒト型実体(以下SCP-093-JP-1)が出現し、対象はSCP-093-JPの出入口へ向かって移動し始めます。

当wikiでは既存の人物が人格として入る【変装】と新しい人格が生まれる【偽者】を別個に分類しています。これは【偽者】。

判定→【偽者】

SCP-161-JP - 伊れない病 by undercat

「伊る」という動作や、それに関係する概念への認識が、過去にさかのぼって失われます。...また「以前からそのような動作であった」という虚偽記憶が形成されます。

「伊る」を意味する単語を音声として認識したSCP-161-JPの患者からは、その時点から過去数時間の記憶が失われます。

動作としての「伊る」に対しては「目撃できない」「目撃した記憶が失われる」、単語としての「伊る」に対しては「読めない」「再学習すると記憶が巻き戻る」という病気。全目撃記憶を失う【忘却】・再学習をきっかけに短時間の記憶をすべて失う【記憶喪失】があるとはいえ、本来名前がつくほどの動作を見逃すのは(単語を読めないのと同様に)感覚は受け取っているが認識過程で意味づけができなくなっているという印象を受けます。だとすると【認識操作】、なかでも【認識阻害】だと思われます。

判定→【認識阻害】【忘却】【記憶喪失】

SCP-209-JP - Safeクラスオブジェクト by dr_toraya

SCP-209-JPの影響を受けた人物は、危機を察知する能力や危機管理能力に欠けるようになり、現状が「安全である」「安心できる」ものであると認識するようになります。...SCP-209-JPの追加調査および追加実験は現在計画されていません。職員およびオブジェクト自身の安全は十分に確保されています。

平常時の気分を変化させる典型的な【感情操作】。その後の行動はすべて異常な安心感に基づいた自発的なものです。

判定→【感情操作】

SCP-444-JP - █████[アクセス不許可] by locker

SCP-444-JPは特定の幻覚または疑似体験を発生させる文章形式の言葉です。その言葉を実際の発声によって読み上げた時、その読み上げた人物は必ず一つの幻覚世界に囚われ、その幻覚世界内でいくつかのループするイベントを疑似体験します。

死に対する非常に強い恐怖心と、現実的な肉体的苦痛を訴えながら幻覚世界の被験者が巨大な赤い鳥に捕食される。現実での被験者の肉体的な反応がピークに達し、行動爆発による周辺への無差別な攻撃を行う。

読み上げると【仮想現実】内で緋色の鳥に食い殺され続ける一編の詩。現実での被験者はその恐怖から【暴走】状態に陥ります。幻覚から帰還した被験者は記憶処理をされて後遺症もなく復帰するはずでしたが――

補遺2: ████年██月██日、SCP-444-JPを発見した機動隊員が業務中突如「緋色の鳥よ 未だ発たぬ」と8度に渡って呟きながら連続して発砲しました。この発砲事件により4名が死亡し2名が重傷を負いました。...処理されたはずの記憶が完全に復元されていることが確認されました。

危ないな!!!緋色の鳥が力を取り戻した結果、鳥に食われたことのある人の血だけで詩と同じ効果を持つようになった模様(【連鎖】)。

判定→【仮想現実】【暴走】

SCP-522-JP - 空気中フランスパン濃度測定所 by Mamekusa_T 3

SCP-522-JP...の測定結果には、通常検出されうるフランスパンの他に、常に未知のフランスパンでないパン(以下、SCP-522-JP-1)が1%~2.5%ほど混じります。

SCP-522-JP-Tは、異常性を持ったSCP-522-JP報告書です。SCP-522-JP報告書を読み、その内容が記憶に残っている間、読者(以下、SCP-522-JP-R)はその時点まで保持していたフランスパン濃度に関する記憶を完全に失い、またSCP-522-JP-T以外のフランスパン濃度に関しての情報を認識することが出来なくなります。

「フランスパン濃度?なんのこっちゃ?」となってしまうのは報告書の異常性によるもの。読者を曝露させるメタなオブジェクトです。

判定→【忘却】

SCP-756-JP - 便利なパスポート by locker

SCP-756-JPを海外渡航の手続きに於いて使用した場合、未知のミーム的効果により、どのような手続き上の不備や意図的な違反も認識されないようになります。

入出国時のあらゆる不備がスルーされるパスポート。詳細は実験されていませんが、「ミーム的効果」とあることから不備が見落とされる【認識阻害】or適格という印象を与える【認識操作】だと思われます。

SCP-756-JPの異常性質を知る人間は、本来有しているSCP-756-JPの効果や客観的な利便性以上に「SCP-756-JPが便利なものである」事実を過剰に評価するようになります。
財団がSCP-756-JPを所有していた頃に実験を行ったDクラス職員へのインタビュー記録では、どのDクラス職員もSCP-756-JPを「すごく便利なもの」としか描写出来ず、その具体的な使途に言及する事無く終始利便性について感心しているかのような素振りを取っていました。

このミーム的効果が必ずしも強烈な所有欲や独占欲または精神的な中毒性には直結せず、...そこからの「だから活用したい」という心理への移行はあくまで当事者自身の心理活動によるものであり、そのために各要注意団体に於いても、このミーム的特性は見過ごされているものと考えられます。

その真の特性は自身を「便利なものである」と思わせることです。意志支配まで行かず、根拠のない印象だけを植えつけるのは【認識操作】です。

別作者によるUTE-7560-Velveteen回収記録の写しには、このオブジェクトに影響を受けた人が登場します。

判定→【認識阻害】【認識操作】

SCP-937-JP - 叫喚覚 by izhaya

SCP-937-JP-1が五感の一つに何かしらの刺激を受けた場合、残りの四つの感覚は全て同時に異なる刺激を受け取ります。刺激がSCP-937-JP-1にとって「快」である場合、同時に受ける四つの刺激はSCP-937-JP-1にとって「不快」とされるもので、逆も同様です。

判定→【感覚操作】

SCP-938-JP - からばこ by oruto

私の目にはただの空箱のように見えます。...対象の速やかな収容を要請します。

危険性の低いオブジェクトに過剰な資源を浪費する余裕は無いのだ。...不要な予算と人員は直ちに配備されるだろう。

それが無価値であり無意味であることを知った上で、我々はSCP-938-JPに「完璧な収容」を施しました。...対象収容のための追加予算を申請します。

持てる権限を最大限に駆使して、考えうる限りの厳重さで保管してしまう「ただの箱」。意志支配により「ともかく収容しよう」との結論しか出せなくなってしまいます。現状認識は正常(※)ですが、考えの着地点だけがすり替えられたことには自覚があったりなかったり。「思考の飛躍に気づけたとしても逆らえない」という特徴が綺麗に出ているレアな【暗示】です。

※ところでこのオブジェクト、追加実験や追加調査が不自然に少なくありませんか?

判定→【暗示】

SCP-1191-JP - 被食系愛玩動物 by Enginepithecus

SCP-1191-JPの第1の異常性は、本オブジェクトを直接視認した人物(以下、被験者と表記)にオブジェクトに対する摂食欲求を引き起こさせる点です。この欲求は同一個体の5回以上の視認で完全に定着し、以降該当するSCP-1191-JP個体を摂食するか他者によって個体の肉体が消費されるまで時間経過と共に増大します。

判定→【欲求操作】

SCP-1212-JP - 国指定重要文化財の消しゴム by rnj

SCP-1212-JPは自身とその周囲3m以内の物品を「歴史的に重要なもの」であると認識させる特性を持ちます。...また、SCP-1212-JP自体でSCP-1212-JP-1を3回以上擦ることで5時間の間だけ一時的に異常性が消失します。

物品が何であるかの認知はそのままに、重要性の付与および再除去を行うオブジェクト。認識災害を受けた人物は「なぜ重要だと思うか」をもっともらしく説明することができます。ここで屁理屈でも主張できるなら【洗脳】ですが、その内容は曖昧または不正確なので【認識操作】の域を出ません。

ところが、このオブジェクトの特性は二段構えで……

判定→【認識操作】