第01話「フェルプール」

Last-modified: 2009-04-04 (土) 14:35:56

新歴77年 夏
ミッドチルダ首都 治安維持局・訓練シミュレーション場

そこにはなのは、ヤマト、フェイト、メイがおり、バトルフィールドが廃棄都市でなのはとヤマトが戦っていた。
戦っている訳は約数時間前に遡る。
治安維持局・食堂
いつもの四人は昼食を食べていると
「ヤマト、後で模擬戦しよ?全力全開の手加減一切なしで」
「えっ、俺と全力全開の手加減一切なしの真剣勝負?」
なのはがヤマトにそう一言かけられるとヤマトは少し考える。
「私もみたいな。ヤマトとなのはの勝負。六課の卒業戦以来だし」
「なのはやヤマトも射撃と砲撃のいい勉強になると思うよ」
メイとフェイトが2人の戦いを見たいと言う言葉でヤマトの考えが変わる。
ヤマトは箸を置く。
「たまにはエースと戦わないと体が鈍ってしまうな…いいよ」
「ありがとう!」
ヤマトの返事で喜ぶなのは。

そして現在に戻る…
バリアジャケットを装着したフェイトと騎士甲冑を装着したメイは2人を応援していた。
戦闘状態は大詰め。ヤマトとなのははバリアジャケットがそれぞれインフィニティモードとエクシードモードになっている。戦闘開始直前からなっているが。
魔力とバイタリティが少なく、お互いは疲労を見せていた。
「なかなかやる…砲撃はなのはの方が一枚上手かな」
「ヤマトもね。射撃はヤマトが上だよ。でも接近戦は苦手…」
息をハァハァ言いながら認め合っていた。
バリアジャケットは至る所に傷や破けた跡、破損が目立ち、2人の肌は汚れている箇所もある。
戦いは最終局面。2人の戦いを見守るフェイトとメイ。疲れを見せながらまだやれるなのはとヤマト。
「レイジングハート、行くよ!」
『Yes,Allrihgt A.C.Sドライバー』
レイジングハート・エクシードモードはストライクフレームを全展開にして、先端に桜色の魔力刃を発生させる。
そしてヤマトに向けて構える。
「切り札は最後まで取っておくものだけど…行くぜ、ファーウェル!」
『セレスティアルランス・A.C.Sドライバー』
ファーウェル・セレスティアルモードはランス状に変形して先端に槍状で蒼色の魔力刃を発生。
同じくなのはに向けて構える。
「2人にして最後の攻撃。」
「相討ちで引き分け、どちらかが外れると当てた方が勝利となる。どうなるのかな」
フェイトとメイはA.C.Sドライバーを繰り出す2人を見てコメントをする。
2人の表情は疲れているのに最後の攻撃を繰り出そうとする。
「負けても文句は言うなよ?」
「これはこっちの台詞だよ!」
ヤマトとなのはは笑いながら最終準備を終える。
互いにカートリッジを三発消費する。因みに非殺傷設定。当たれば死にはしないが気を失うだろう。
そして突撃態勢に入ろうとする。
「行くぜ!」
「行くよ!」
「これが」
「全力全開の」
「手加減」
「一切なしの」
「最後の」
「攻撃!」
『『A.C.Sドライバー』』
2人は交互に声を出して、二つのデバイスは同時に声を出す。
そして同時に発射する2人。
それを見守るフェイトとメイ。
徐々に2人の距離が縮まろうとしている。
とその時!

二つの魔力刃が激しくぶつかる。相討ちのようだ。
「「相討ち!?」」
2人はビックリする。
時間が経つとぶつかったところに白い閃光が発生する。
「ヤマト、これって…」
「ヤバイ!逃げるぞ!」
白い閃光を見た2人はフェイトとメイの方へ逃げるが、閃光は短時間に大きくなり、四人を包み込む。
閃光が収まると四人の姿が跡形もなく消えた。

ガーディアン・管制室
「ん?訓練場にヤマト副隊長、なのは隊長、フェイト隊長、メイ副隊長のシグナルがロスト」
「何か、あったんや?」
はやてがシャーリィに何かあったんやと言うと
「分かりません。突然、四人とも消えました」
「?」

「…マト、ヤマト」
「…のは、なのは」
2人の声を聞いて、目を覚めるヤマトとなのは。
「ここは…どこ?」
「浜辺?」
おかしい…さっきまでは訓練シミュレーション場にいたのに、気づいたら浜辺にいた。さっきのA.C.Sドライバーどうしでぶつけて発生した閃光が原因なのか。
「多分、さっきの白い閃光のせいで私たちは見知らぬ世界に飛ばされたと思うんだ」
フェイトがそう言うと
「そう言えば、異世界の地図に載っていない世界だな。まさか…」
「パラレルワールド!?」
ヤマトとメイが驚く。なのはも同じのようだ。
「とりあえず、ジャケットオフだ」
「うん」
ヤマトの声でなのは達は頷き、四人同時でジャケットオフをする。
jacket OFF
……
「あれ?何も起きない…もう一度」
jacket OFF
……
同じだ
「制服姿に戻らないよ?ヤマト」
『マスター』
「何?レイジングハート」
困っている四人達に代表でレイジングハートが説明をする。
『この世界ではジャケットオフはできませんが、話した結果、いくつか分かりました。』
続いてファーウェル
『魔法はいつも通り使えます。2人のインフィニティモードやエクシードモード、ソニックフォームは使えます。』
それを聞いたヤマトとなのはは互いのバリアジャケットを見る。
「「あっ!!」」
インフィニティモードとエクシードモードがロイヤルモードとアグレッサモードに戻っていた。それに戦っていた疲労や傷も回復している。
「私もびっくりしたよ」
「いや、ここにいる全員がびっくりしたと思うぞ」
浜辺にいる四人を不安にさせる場所。
「あっ見て、村があるみたいだ」
フェイトがふと、近くを見渡すと一つの村らしき村があった。
ヤマトたちが異世界へ来て最初の村である。
「丁度良かった。あの村でここはどこなのかを聞いてみよう」
「向こうから見たら変な恰好って思われないかな?」
メイが不安そうに言うとなのはが彼女に言う。
「大丈夫だよ、メイちゃんは心配性だね」
四人は小さな村へ向かった。

小さな村のはずれ
小さいながらも人がいっぱいいる。しかし、人間と違う何かがある。
メイが見てパッと思いつく。
「見て、ヤマト。この人達、耳が長くて、尻尾があるよ」
「ホントだ。ここの世界の住人なのか?」
子供から大人まで耳が長くて人間にはない尻尾がある。
体型的には人間とほぼ変わらない。
カコーン、カコーン
何かが響く音が聞こえる。
「何、この音?」
音が五月蝿くて四人は不快を覚えるが、青年らしきものが村の中心に駆けつけてきた。
種族が違わなくても言葉がちゃんと通じて聞こえてきた。
「なんだ?今の警鐘は」
「盗賊が来たんだよ!このクラトスに!」
この村はクラトスといい、さっきの警鐘は盗賊が来る知らせのようなものだった。
「盗賊?文献にしか聞いたことないけど」
「お話に出てくる盗賊?」
ヤマト達は盗賊が何なのかを知るために身を潜めて調査する。
助けたいけど、手出しは無用だ。

クラトス村 自警団詰寄り所前。
「盗賊め、好き勝手やりやがって!」
「気を付けて、ラティ、ドーン」
「行くぞ!ドーン、ミリー」
青髪で鎧を纏っている青年の名はラティクス・ファーレンス。愛称・ラティ 19歳
金髪で緑のバンダナをしていて、で茶色の肌の青年の名はドーン・マルトー 19歳
ピンクの髪でポニーテール、ふさふさの尻尾をしている少女の名はミリー・ギート 18歳

村で暴れ回っている盗賊を懲らしめるために自警団が出動する。
「見ろ!あの三人を」
ヤマト達は茂みに隠れながら三人組の方へ見る。
「剣や杖を持っているみたい」
武器を持って、討伐をするのだろうと思ったフェイト。
「しかし、数が多いみたいだよ、ヤマト」
「仕方ない、俺たちも支援する」
四人は困っている人のために三人組の方へ向かった。
村の住人、三人組、盗賊たちはヤマトたちの方へと見る。
「そこの三人組!懲らしめるのを手伝うよ!」
「なんだかよくわからないですけど、お願いします!」
青い髪の青年がヤマトの方へ見て、軽く会釈する。
魔導師の四人にとっては盗賊とは赤子当然であるが、平和のために戦う。
「なんだ?貴様らは?いい武器持ってんじゃねえか」
1人の盗賊がヤマト達の武器・デバイスを見るともう1人の盗賊が
「アニキ、こいつらを売れば一攫千金ですよ!」
「おい、お前ら!ベアード親分が来る前にこいつら四人の持っている武器を奪うぞ!」
たくさんの盗賊たちの目線がヤマトたちの方へ牙を剥く。
村人たちはその隙に家などに逃げ込む。
「七対多数だ。殺さないように各デバイスを非殺傷設定にしてくれ。」
「私は後方支援をするよ。接近戦は苦手だから」
ヤマトは三人に作戦を伝え、ヤマト、フェイト、メイは前衛でなのはは後方から支援だ。
「ごもっとも。」
「俺たちも助けに来た人の手助けをする!」
ラティが剣を構えてこちらに来て、ヤマト達のサポートをする。
「俺もこの人たちを助ける!」
「私は回復呪文でサポートする」
続いて、ドーンとミリーも参加。
盗賊の数はおよそ20人前後。数としては普通だ。
「かかれ~!」
盗賊が一斉に動き出した。
「来たな…前衛は各地に散開!」前衛五人は戦いやすいポジションに着いた。
五人は盗賊たちを気を失わせるが、残りの盗賊が後衛のなのはとミリーを狙う。
「なのは!」
「ミリー!」
ヤマトとラティは名前を呼んで駆けつける。
「大丈夫だよ、ヤマト」
なのははヤマトの方へと見てにっこりする。
「行くよ、レイジングハート!」
『Yes,Alllight』
「ディバインバスタァァァー!」
杖の先端から発射される桜色の砲撃が向かってくる盗賊全員を撃つ。
うわぁ~
あれぇ~
吹き飛ばされた盗賊を見たヤマトはなのはの方へ向き、苦笑いをした。
「なのはを助けけようとする俺がバカだった…」
それを聞いたフェイトとメイもクスッと笑う。

しばらくすると親分・ベアードが村に来る。
惨状を見たベアードは
「なんでぃ!この無様な姿は!」
「ベアード親分!助けてください!こいつらか」
1人の盗賊が助けてくださいと言わんばかりベアードにすがりつく。
「こんな少数なのに全滅だと!?情けないぜ」
それはベアードにとって呆れることだろう。少数で多数の盗賊を全滅したのだから。
「おい、お前たち、やるぞ!」
「アイサー」
ベアードの取り巻きとも言えるチンケシーフのワンランクの上の盗賊ともいえるローグ2人とベアード親分がヤマトに戦いを挑む。
「あんたの子分、弱かったなぁ。これで盗賊?これじゃ呆れるよ」
ヤマトの挑発に乗ってしまう親分と取り巻き達。
「なんだと!?言わせて見れば!お前ら、やるぞ!」
「アイサー!」
三人はヤマトの方へへ向かう。
「ヤマト!」
「大丈夫だって、このバカ達は一度気を失わないと直せないみたいだから!」
ヤマトは向かってくる三人に二刀のファーウェルを構える。
短剣を持つローグと鈍器を持つベアードが対象に斬りかかり殴りかかるとすると
「これでもくらえ!フレアボム!」
「えっ!?攻撃アイテム!?」
ヤマトは手に持っている爆弾を三人に向けて投げるとメイが驚く。
実はと言うとヤマトは盗賊襲撃前に自警団詰寄り所の近くにある宝箱を取っていた。
500フォル、ブルーベリィ、フレアボムの宝箱。
その爆弾は一撃で三人の盗賊を撃沈した。
「この世界のアイテムは凄いな。デバイス以外にも使える」
ヤマトの行動を見ていた尻尾のある三人組は苦笑い。
そして盗賊討伐の完了。

自警団詰寄り所
「盗賊討伐お疲れ様。これが報酬じゃ」
「ありがとうございます」
自警団の団長と思われる老人が報酬を渡し、代表でラティが礼を言う。
アクアベリィ×5を手に入れた
ブラックベリィを手に入れた
ホイコーローを手に入れた
「なんで、ラティの好物が…」
ホイコーローを見たドーンが老人に訪ねる。
老人は笑いながら
「ラティのふぁんからじゃそうじゃ」
(ホイコーローってあの回転鍋(ホイコーローかな))
メイがヤマトに念話をすると
(らしいね。現実と同じだ…)
この世界のホイコーローとヤマトの世界のホイコーローの盛り付けが瓜二つだった。
「ところでお主ら」
「俺たちでありますか?」
老人がヤマト、なのは、フェイト、メイの方を見る。
「この世界の住人ではないようじゃ」
「なんで、わかるんだよ?」
ドーンが疑問そうに言うと
「耳が短く、フェルプールとハイランダー特有の尻尾がないんじゃ。恐らく、違う惑星の住人のようじゃ。あくまで推測じゃが」
フェルプールのラティ、ドーン、ミリーが聞いて驚く。
ヤマト達も驚く。フェルプールと言う言葉を聞いて人間じゃないんだなと思った。
「行くあてがなかったらこの村のここにいるといい。」
老人の提案でヤマト達四人はしばらくの間、この村に滞在する。行くあてもない、この世界の情報を手に入れたいと言うために滞在する
「俺達も自警団に入れてください」
ヤマトが代表で自警団に入団させてくれと言うと
「人手不足じゃ。そなたらがいてくれたら心強いようじゃ。正式採用と言うことで」
ヤマト達は今日付けでクラトス村の自警団に入団した。
ラティ達に歓迎されるヤマト、なのは、フェイト、メイ。ヤマトとフェイトとドーンは意気投合して、メイとミリーは話が合う、なのはとはラティの話を聞く。

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