第04話【両雄激突】

Last-modified: 2009-08-17 (月) 14:30:13

互角の戦いを繰り広げるフェイトとなのは。
それを見ていたヤマトがメイへと視線を移し、口を開いた。
「…こうして、一対一で話をするのは久しぶりだな…メイ…。」
「……ヤマト…。」
変わり果てた双子の兄。目は光を失い、頬が痩けていた。
「…今自分が何をしようとしているのか、本当に分かっているの?」
「…………。」
「叶えたい願いがあるのなら、ロストロギアの力を借りるのはやめてよ!!
あれがどんなに危険なものか…ヤマトは…ー」
ヤマトは首を振る。
「分かってるよ…。あんな魔力の塊…危ないに決まってるじゃないか…でも…」
「だったら…尚更…。」
フリーダムの片方をメイへとつきつけるヤマト。
「ぐっ!」
「それでも、もう決めたんだ…。
だから邪魔をすると言うのなら、僕は妹であるお前も討つ!!」
魔力の翼をバシィっと広げ、飛翔魔法を発動。メイに向かってフリーダムのトリガーを引く。
両銃口から溢れ出す閃光が放たれる。
「…そう…。なら、私はこの勝負に勝って、あなたを止める…ジャスティス!!」
『サーベルアンビデクストラスハルバート』
白い筒状のものを連結させるメイ。同時に発生する朱い魔力刃。
「いくよ!ジャスティス!!」迎え撃つメイ。
蒼い光と朱い光がぶつかりあい、紫電が舞い散る。
「フリーダム!」
『バラエーナ、カリドゥス』
弾き飛ばされる二発の薬筒。ヤマトはメイの刃を弾き、距離を取りながら放つ。
三本の太い奔流がメイへ轟音と共に向かっていく。
『アンチマギリンクシールド』
左腕に装備されている盾を奔流に向け構えると、バラエーナとカリドゥスは目標にたどり着く前に無散。
『シャイニング・エッジ』
「ヤマト!やめて!!今なら、まだ間に合うよ。」
左腕の盾から発生する大型の魔力刃。
それを横に一閃すると、ブーメランのようにヤマトに向かってとんで行った。
ヤマトはそれをサーベルで弾き、ライフルモードに変形。
前後で連結させて、
「やめるわけにはいかないんだ!!」
『メガライフル』
トリガーを引いた。

フェイトがなのはをバインドで拘束。
そして、フェイトが持つ最強の魔法が発動する。

「うぉぉおお!!」
「うぁぁああ!!」
交錯するメイとヤマト。「自分がよければそれでいいの!?ヤマトは!!」
「何を!?」
「願いを叶えるためと法をおかし…、万一、ジュエルシードが暴走すれば、それはやがて多くの被害をもたらすの!!」
『ハイパーフォルティス』
二つの朱い閃光が、ヤマトを捕えた。
「…でも、それでも!!」
アリシア、プレシア、フェイト、リニスの姿が頭をよぎる。フルアーマーが貫通してバリアジャケットを損傷しつつ、煙をかきわけ突攻を仕掛けてくるヤマト。
「叶えたい願いがあるんだ!!!!」
『サーベルアンビデクストラスハルバート』
左右のサーベル形態のフリーダムを連結。メイに最速のスピードで渾身の突きをうがつ。
「この……。」
尚も我を通そうと向かい来るヤマトに、メイの表情が一変した。光を失う眼、クリアになる思考。
「分からず屋ぁぁ!!!」
『グリフォン』
ヤマトの目先三寸、非殺傷設定を解除したフリーダムの一撃は決まらず、連結されていた片方のフリーダムはメイの脚部魔力刃によって破壊された。
「ッ!?」
目の前を飛び散るフリーダムの破片。
呆然と海に落ちていく残骸を見つめているヤマトにメイが言った。
「…引くんだ、ヤマト…。」
『グラップルスティンガー』
放たれる魔力の糸がヤマトを拘束し、メイは引き寄せる。
「あなたを管理局へ、アースラへ連れていきます。
そこで事情を説明すればきっとリンディ提督が…ー」
『クスィフィアス』
シールドを構える暇なく吹き飛ばされるメイ。
「フリーダム…。」
『G-バード、チャージ』
片方のフリーダムのカートリッジを全弾消費する。
そして、銃口をメイではなく、今まさにスターライトブレイカーを放たんとしているなのはに向けた。
「ヤマト…、やめて!!」
『海ヘビ』
電撃を放流しない設定のバインドで動きを封じられるメイ。
「大丈夫だよ…、ちゃんと非殺傷設定にしてあるから…。」
ヤマトはメイに微笑みかけ、フリーダムの引金をひいた。

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