第12話【ナンバーズ11&12】

Last-modified: 2009-05-14 (木) 13:18:08

新歴0077年六月某日 夜
治安維持局のフォワードメンバーは地下鉄道の警備の任務に就いていた。
モビルガジェットらしい物体が徘徊していると言うらしい。心理を確かめたく、駅関係者は治安維持局に依頼したのである。

「ここの人によると体型は変形可能らしく、変形するとセミに砲台を生えたような奴になる。ヤマト副隊長が言うには破壊もしくは鹵獲が主な任務の目標よ」
現場隊長兼指揮官のマリアが現場の状況を説明する。マイトは隊長陣の担当していることを言いながらデバイスセットをセットする。
「フェイト隊長とメイ副隊長は現場の空域警備の担当でなのは隊長とヤマト副隊長は別のガジェットの事件を担当だったよな」
『Yes』
「今回もよろしくな。マイト」
前の任務で一緒だったマイトの兄・ナガトも任務に参加。一同は意志を張ってレール内に進入した。

トンネル
警戒しながら少し歩くと目標のモビルガジェットを発見した。
ガジェットドローンⅠ型改×三機を取り巻きにしているモビルガジェットはRX-110「ガブスレイ」だった。
変形機構を持ち、最大出力ならなのはとヤマトのディバインバスターを引けを取らない威力を持つフェダーインライフル。内臓装備として肩部メガ粒子砲が備えられている。
変形するとセミみたいになると駅員が言っていた。
ガブスレイのモノアイが光り、こちらを見ている。同時にガジェットⅠ型改もセンサーが光った。

「捕捉されたわね。爆発させないようにして各部分を破壊するわよ!」
マリアの指示によってマリア以外のメンバーは了解を発言し、ちりちりと散開した。
ガブスレイの取り巻きも散開して各自で応戦するところである。
「兄貴とまた任務をやれてうれしいな」
マイトは嬉しそうに兄と一緒に任務していることを言うがナガトの表情は変わらない。
「そんなことは後だ!マイト!今は前の敵に集中だ!」
「分かった!」
ナガトの言い分により、マイト達は戦闘態勢に移り、ガジェットⅠ型二機を捕捉する。
マイトのブーストキャリバーとナガトのストームキャリバーで縦横無尽そしてクロスに駆け回り、相手を翻弄させてからマイトの右手のフォースソードとナガトの左手のブラストソードから同時に発生する衝撃波で一機撃破。
「これがエダール剣技流、協力奥義!」
「疾風牙!」
疾風牙とは二つの剣から発生させる身にも見えない衝撃破で敵を切り裂く奥義。見に見えない衝撃破が牙と言われている。
休むことなく、次のガジェットの撃墜に向かう2人。
「兄貴!」
「おう!」
ナガトはマイトを踏み台にして、ターゲットに接近そしてリボルバーナックルでターゲットを殴る。
「奥義!桜花爆砕!」
その拳はガジェットをボコボコになるまで殴り続ける。
「敵機撃墜!向こう、頼んだ!」
残りはガブスレイを除いて一機となった。
マリア、ランド、クリスはそれぞれのデバイスを構える。
「相手はボス除いてⅠ型が一機のみ…」
「でも、迎撃用のミサイルランチャーを装備しているぜ。迂闊に接近したら迎撃されちまう」
「私に作戦があるの。聞いてくれる?」
マリアは閃き、ランドとクリスに作戦の趣旨を伝える。
作戦の内容とは主に前衛~中衛のクリスが囮になって、マリアとランドが双方で敵を落とすという作戦。
クリスの機動力がいかにカギとなる。
「分かったやってみるよ」
快く承知したクリスはグングニルを構える。
「行くよ、グングニル!」
『Jar』
「ソニックムーブ!」
目に見えないスピートでガジェットのミサイルを避けてあっという間に背後に回ることに成功。
「行くわよ、ランド!」
「お、おう」
マリアの言われるがままに従うランドは二丁のマグナムを構えると同時にマリアもウロボロスを構える。
(なのはさんやヤマトさんがいなくても!私の指揮はなのはさん達に褒められたい!)
「クロスファイアシュート!」
「ヴァリアブルバレット!」
無数の紫の誘導弾と銃口から繰り出される無数の弾丸が背後がガラ空きのガジェットⅠ型に命中し、爆散した。
「やった!」
「残り一機!」
マリアとクリスはハイタッチするかのように喜ぶ
喜ぶのはまだ早い、ボスであるガブスレイが残っている。

現場の上空
「フォワードチーム、敵勢力の80%撃墜。なかなかやるねぇ」
メイが戦況報告を聞いて評価をする。
「私たちも負けてられないね。一機撃墜!」
フェイトは微笑みながらガジェットドローンⅡ型に乗ったガルスJをガジェットⅡ型ごとバルディッシュのハーケンフォームで撃墜する。
「それにしても敵の数が多いね…ヤマト達は大丈夫かな」
メイはヤマトとなのはのことを心配そうに言うが、
「あの2人なら大丈夫だよ。エースと謳われているからね」
「そうよね。ヤマトは元の世界では疾風の闘士という通り名があるから」
フェイトは首を横に振って、メイを元気付ける。

廃都市
ここにもガジェットドローンとモビルガジェットが大量発生したと言われ、付近の治安維持局の魔導師はなのはとヤマトに救援を送った。
「ふぅ、これで六機目。あいつも多種多様なモビルガジェットを作るよな」
「ヤマト、次来るよ!」
なのはが警告するとヤマトはすくさまに態勢を立て直した。
「了解!」
ヤマトは地上戦、なのはは空中戦で応戦している。
増援は地上ではドム・トローペン数機とザクタンク数機で空中ではディン数機とバビ数機。
「しつこいなぁ。殲滅するぞ、ファーウェル!」
『Yes,Allright』
「一撃必殺!ディバインバスター!」
ファーウェルをハイパーメガランチャーモードに変形させて、カートリッジを二発消費することによって繰り出される蒼色の太い奔流は地上のモビルガジェットを全て飲み込んだ。
次々と爆砕する地上のモビルガジェット達。
「ヤマトもなかなかやるぁ。私たちも負けてられないよ、レイジングハート!」
『そうですね』
なのははレイジングハートを構えて砲撃魔法の発射態勢に入る。
「全力全開!ディバインバスター!」
カートリッジを二発消費してヤマトとは違う掛け声でレイジングハートの先端から繰り出される桜色の奔流が空中のディンとバビを呑みこむ。そして爆砕。
「おっ、あちらさんもなかなかやるようだねー」
ヤマトは上空のなのはの活躍を見て微笑んだ
「ヤマトも筋がいいよー!」
「これはありがたきお言葉です。エース・オブ・エース」
なのはが地上に降り、ヤマトを褒めると褒め返した。
2人が笑っているとレイジングハートとファーウェルが突然警告し出した。
『接近する砲撃あり』
『生体反応あり』
突如飛んでくる大型の砲撃。
2人は警告を聞いて咄嗟に回避に成功するのである。
「今の砲撃!?」
「威力・命中率が高い!?」
飛んできた砲撃は瓦礫の山に当たりヤマトとなのは目かげて飛び散る。
『『Protection EX』』
二つのデバイスが同時に2人の目の前にプロテクションより防御範囲は狭いが防御力の高い障壁を張る。
障壁にあたった瓦礫の破片は跡形もなく崩れ散る。
「流石、俺の放った砲撃を避けて且つ防御するとはいい判断の持ち主だよ、高町なのは、高町ヤマト」
突然、響いてくる男性の声。
「誰だ!?」
「私たちの名を知っている!?」
それを聞いた二人は驚く。
「それは私の方で教えてあげるわ」
次に聞こえてくる女性の声。すると2人組の男性と女性が現れた。
2人組を見たヤマトとなのはは驚きを大きくさせる。
「ヤマトに似ている…?」
「こっちはメイに似ているぞ…」
2人が見たのは男の方は髪の色は血を連想させる色で髪型はショートでヤマトと似ている体型。女の方は髪の色は男と同じ血の色で髪型はポニーテール。体型はもちろんメイと似ている。
「俺達はNO11・ノルトとNO12・ノインだ」
男の方は自分たちの名を告げて女・ノインがまた告げる。
「私はプロフェッサーやあなたの父親によって生み出されたあなたの妹・一条寺メイの遺伝子から作られたクローンでノルトはあなたの遺伝子で作られたクローンなのよ」
「俺達、双子のクローン!?バーンハルトが出生に関わっていた!?ウソだ!」
ヤマトは自分たちを生み出したメンバーのうち、父親と母親だってことは最初から分かってはいたが、バーンハルトがそのメンバーの一人だってことは初めて聞いた。
なのはは当時9歳で12年前の闇の書事件でヤマト(当時16歳)に聞いた言葉を思い出す。
自分とメイは遺伝子操作で生み出された人間・コーディネーターだけど、普通の遺伝子操作とは違い、コーディネーターを超えた存在とも言われているスーパーコーディネーターだと言われた。
「ウソだと思いたいならこれを見るといい。お前達の両親のことも分かるぞ」
ノルトがヤマトに目かげてデータロムを投げだし、それをキャッチするヤマト。
「今日は挨拶だけだから、次回は覚えておくことだわね!」
2人組はヤマト達の目の前から立ち去った。
「俺の求めている答えはのディスクの中にある…半信半疑だけど」
「ヤマト…いこ」
「ああ、ここで暗い顔にしても何も始まらない。任務完了だ」
2人は暗い顔から明るい顔に変えて、治安維持局へ戻っていった。

治安維持局
先ほどの事件は被害はなく、死傷者はいなかった。
現場は捜査員が捜査していて、現場はしばらくの間は立ち入り禁止区域となった。

解析室
中にはチェアーに座っているヤマトとなのは、フェイト、メイの四人がいた。
先ほどノルトがヤマトに投げ渡したデータロムの解析をしていた。プロテクトはかかっておらず簡単に閲覧できた。
中見は映像らしきもので自分たちの出生チームにはヤマトとメイの父親がリーダーで愛する息子と娘を生みだすために頑張る母親がおり、そこには若きバーンハルトがいた。
「ノルト達が言っていたことは本当だったな」
落胆した顔でモニターの映像を見ながら呟くヤマト。
出産に成功。父親の希望いや野望が叶った。戦闘用のスーパーコーディネーターとしての息子たちの出産に成功したのだと。
母親は戦闘用にしたくはないと思い、2人を連れて逃走、祖母と姉のいるところへ送り、その後、行方不明。
バーンハルトはヤマトとメイの遺伝子とデータを奪い、逃走。その後行方不明となる。
父親は国家反逆罪として指名手配。そして行方不明に。
一条寺兄弟の両親とバーンハルトは国家反逆罪として指名手配中。尚、現在も捜索し続けている(ヤマト達のいる世界だが)

廊下
「バカ親父め、俺たちを普通に出産してくれればこんなことにはならずに済んだのに…本当に馬鹿だよあいつは!」
「ヤマト…」
モニターを見た時から父親の行動に不快を抱いていたヤマトは壁を叩いて愚痴をこぼす。それを心配するメイ。
「まあ、気にはしていないけどな。バーンハルトに真偽を問いたいんだ」
ヤマトはバーンハルトに会って自分たちの誕生についての真偽を確かめたいと言う。
「私もアリシア姉さんのクローンとして生まれたから…」
突然来るフェイトの発言。
「えっ?フェイト?」
ヤマトもびっくりだ。
自分はアリシア・テスタロッサのクローンとして生まれた存在でなのはやヤマト達とは違う力を持っている。
クローンとスーパーコーディネーターは戦いの道具ではない。たった一人の人間だから。
「俺達はどんな方法で生まれても人間は人間だ。例え、ナンバーズもだ…」
「ヤマト…うっ」
泣き崩れるフェイトを見たヤマトも突然泣き崩れる。
「うっうぁぁぁぁ」
数分後
2人は泣きやんだ。
「こんなに泣いたのは久しぶりだな。なんだかスッキリしたよ」
「そうだね」
2人の顔は満面な笑顔だとメイは確信する。

ヤマトは諦めずに決意するのであった。

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