第13話【思いがけない再会】

Last-modified: 2009-05-30 (土) 12:22:39

新歴0077年六月某日 早朝
空間シミュレーション

フォワードメンバーの技術向上のためになのはの提案で隊長陣同士の模擬戦をやっている途中。
「ヤマト、危ない!」
なのはの声にハッと我に返り、咄嗟に腕に搭載されている障壁を展開させるヤマト。
そのすぐ直後にメイのファフニールの斬撃を風を切る。
「よそ見しているとやられちゃうよ!」
「戦闘中、考え事をするのはよくないよ、ヤマト」
声に振り向けば、バルディッシュのハーケンフォームを構えているフェイトの姿。
「そんなことはない!」
ヤマトは考え事を拒否した発言で2人の攻撃をレフトヴェスバーで正面のメイを、ライトヴェスバーで背後のフェイトを狙った。
「なんでだろう…」
ヤマトは左手にファーウェル・ライフルモードを持ち、右手にファーウェル・ソードモードを持つ。
「前の私たちの誕生秘話のこと?」
メイは心配そうにヤマトに言う。それを聞いたヤマトは
「俺はそれで考えていたんだ」
『ソードモード&ライフルモード・サーベルシフト』
右手のソードとライフルの刃部分から魔力刃が発生。
実体と魔力刃の複合攻撃。
フェイトはハーケンの魔力刃部分で受けるも、衝撃を受け流すことができず、後退。
「ヤマト、援護するよ!ディバインバスター!」
レイジングハートの先端から放たれる桜色の砲撃がメイを狙う。
「させない!」
『アンチマギリングシールド』
メイの左腕から真紅のAMFと同じ原理を持つ障壁。それに当たったディバインバスターは威力を活かさずに効果が低下した。
だが、威力は低下したものの、力が強く、メイの足が土に少し減り込んだ。
「むう、なかなかやるね…」
「なのはこそ良い砲撃だよ」
お互いを認めるなのはとメイ。
「後ろがガラ空きだよ!」
戦線に復帰したフェイトはザンバーフォームで不意にヤマトの背後を狙うが…
「なーんてな!」
カキーン
ヤマトの両手の掌に障壁が発生。ザンバーフォームを掴む。
「まさか、白刃取り!?」
ヤマトがザンバーフォームを掴んでいることにビックリするフェイト。
『ヴェスバー』
ヤマトの両腰にある砲台が同時に奔流を放つ。
「くっ」
フェイトは咄嗟に金色の障壁を張るが零距離射撃なのでダメージは軽減するものの弾き飛ばされてしまうのである。
フォワードメンバーの目は輝いている。エース同士かつ憧れの人達がお手本となって模擬戦をしていることは斬新である。
「いつみても隊長達の戦術は凄いな…」
「そうだね」
と四人の戦い方に目を凝らすランドとクリス。
「早く、僕たちを一人前にしたいためなんだよ。ヤマトさん達から聞いた“第二のストライカーズ”に…」
「訓練は厳しいけど、でもやりがいがあるんだよね。」
自分らにとっては憧れであるなのはとヤマトに近づきたいマイトとマリア。マイトとマリアは一年間の治安維持局を卒業してから特殊捜査官であるヤマトの部下になりたいと志願をしている。
マイトは憧れの人であるヤマトの信頼される部下になりたく、マリアはヤマトと同じ部隊に所属していた亡き母の遺志を継ぎたいと言う。
そして訓練の終了。
各人はそれぞれ解散してかに数十分後。
昼食を済ませ、自分たちのホームに戻る。
ヤマトは時空管理局のデータベースを見るためにノートパソコンを開くと一通のメールらしき物が届いていた。
「メール?なんだろう…」
ヤマトはメールアイコンをクリックして届いたメールを見る。
差出人はローズマリーであり、題名は無題だった。
「内容は…」
ヤマトの他になのは達三人も来る。
高町ヤマト、一条寺メイへ
話がある。二人だけでミッド南部の廃墟した街に来てほしい。
内容はこれだけだ。
「ローズマリーって誰だ?」
「ううん、私も知らない」
「私も」
ヤマト、なのは、フェイトの三人はローズマリーのことが知らない。
「私なら心当たりがあるよ」
と手をあげるメイ。
「前の地下道と市街地を巻き込んだ事件があったよね?」
「ああ、ガルマがレリックらしき持っていて、それで騒動になった事件?」
メイは話せる範囲まで話した。
強力なモビルガジェットを連れており、パートナーがリインやアギトみたいなサイズのユニゾンデバイス。
彼女自身も戦闘能力あり。それで自分たちは苦戦しかけた。
メイの過去を知っている。
「バーンハルトの手先か…ヤツも俺たちの様子を伺っているのかな?」

数分後…
ブリーイングルーム
「罠だと分かっていても真意を確かめたいの」
メイは真剣な眼差しでヤマトを見る。
「ガーディアンにも話をつけておく。盗聴器はいるな」
ヤマトとメイはイヤリング型盗聴器を耳につけて、出撃準備をした。
「ほんなら、護衛としてシグナムとヴィータをつける。いいな?」
もしもの時のためにはやてはヤマト達にシグナムとヴィータを護衛をつける。
「護衛を頼みます。シグナム」
「主はやての命だ。もしもの時は私を呼べ」
「戦闘になりそうな時だけ呼びます」
ヤマトとシグナムは握手をした。
「ブン殴りてーけど、はやてのためだ。ここは様子見だな」
闘争本能のヴィータは制動を抑えてシグナムと一緒に隠れて盗聴する。
「ヴィータらしいね」
苦笑いするメイ。
「ワープポイントを指定場所に設定」
ガーディアンスタッフが指定された廃都市にワープ設定をし、ヤマト、メイ、シグナム、ヴィータの四人は転送装置に乗る。
「シグナムさんとヴィータさんは相手にばれない様に別の座標に設定しますね」
「できれば盗聴器の範囲内且つ目立たないビルの中で頼む」
シグナムはスタッフにこう告げるとスタッフは急いで2人の設定場所を変更した。
「変更完了しました!いつでも行けます」
「転送開始!」
転送装置が光を放ち、その瞬く間に四人の姿が消えた。
「戦闘にならず、上手くやっていけばいいけど」
心配するなのはと裏腹に
「大丈夫やて、なのはちゃん。あの2人は話し上手だから」
「今はあの2人に信じようよ」
フェイトとはやては大丈夫だと確信する。

ミッドチルダ南部 廃棄都市
「フリーダムとジャスティス2の転送完了そして別位置でガーディアン2、3の転送完了」
『ガジェットなどの機体反応はありませんが、生体反応はあります。傍受されると厄介なので盗聴器以外の通信は切りますね』
「了解。行くぞメイ」
「うん」
2人が少し歩くと三人組の影が見えてくる。
ローズマリーとウィリアムとゼクティだった。
「来たわね」
「待っていたぞ」
女と男の声が聞こえる。
「お前たちの企みは何だ?」
ヤマトが男の方に質問を言うと男が突然笑い出した。
「ハハハハー」
「何が可笑しい!?」
「父に向って偉そうな口を言うようになったものだな!ヤマト」
何かとヤマトの父と謳うウィリアム。ヤマトは少し戸惑い気味である。
「貴様が俺達の親父だと!?」
「そうだ、ウィリアムとローズマリーは仮の名前。本当は一条寺家なのだ!」
「ごめんなさい。メイ。この世界で初めて会った時は何も言えなかったの」
その言葉に動揺するヤマトとメイ。
こいつらが俺達を生んだ人!?名前はうっすら覚えてはいるが…
「丁度いい、これを渡しておこう。今日は戦いに来たわけではない」
「今度会った時は、私たちはあなたの敵になるわ。今日は再会と言う訳で」
父と母は言った。
「聞きたいことがあるの。お父さん、お母さん」
「ついでに俺もだ。親父、お袋」
真意を確かめたいヤマトとメイの質問に2人の父が答える。
「いいだろう。お前たちもこの世界にいるのも不思議だけどな」
十数年前…
一条寺姉妹の両親とバーンハルトは次元を超える研究をしていた。
パラレルワールドと言う世界を広めれば多くの交流を持てるだろうし、物資の多くも取ることができるというテーマでやっていた。
実験は大成功だった。実験の第一号であったバーンハルトは次元世界でジェイル・スカリエッティと会う。
そして意気投合。
二人が話せるのはここまでみたいだ。
「結局は奴とつるんでいたのかよ」
「おっと、時間だ。失礼させてもらうよ」
二人とゼクティの足元に魔法陣が出現。
そして消えて行った。
「逃げるな!」
「任務完了だよ、ヤマト」
怒りを露わにしているヤマトを制止したのはほかにもないメイだった。
ヤマトは申し訳ないと言う風にメイに向かってほほ笑んだ。
「俺なら大丈夫だ。気にしないことにする」
二人は気を取り直してシグナムとヴィータ共に治安維持局へ戻って行った。

治安維持局
場内の人間の顔が深刻化になっている。
バーンハルトとスカリエッティの出会い。それにフェイトの生みの母であるプレシア・テスタロッサとも会っている。
バーンハルトがスカリエッティのテクノロジーを吸収。戦闘機人、ガジェットドローンを開発。また、モビルスーツ開発者の一人なのでガジェットドローンの技術を利用したモビルガジェットの開発(容姿・性能・武装はオリジナルそのままで縮小化したモビルスーツ)。
「これは厄介事になりそうやで」
はやては頭を悩ませる。
続いてフェイトとヤマト
「そしてヤマトとメイの両親がバーンハルトのサポートをしていた。」
「ヤツは現在、一級犯罪クラス級の指名手配中。親父たちまでも指名手配中」
三人はスカリエッティと同じ犯罪を犯している。治安局と本局は早急に捜索に乗り出している。

このような行動は先手と出るか後手と出るか、まだ誰も思っていない…

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