第2話 クオイの森

Last-modified: 2009-11-06 (金) 14:40:16

前回までのあらすじ


ヤマトは飛ばされた記憶がないまま、テルカ・リュミレースの帝都にやってきた。
そこで会ったエステリーゼ、ユーリと共に下町を後にし、
ヤマトは仲間探し、ユーリは水道魔導器の魔核の奪還、エステルはフレンを探すという違った目的だが、三人で旅をしている。
まずは最初は花の街・ハルルに行くために中継点であるデイドン砦へ目指す。


冒険王
三人はひとまず、疲れを取るために旅をしながら宿泊業をしているリッチとカレンという二人組の勧めもあって休憩している。
「聞かせてくんないか?ヤマトの世界のこととか」
「わたしも聞きたいです」
ユーリとエステルにそう言われると拒否はできないと思ったヤマトは話せる限り話す。
「俺がいた世界は魔法とかが発展している世界だ。時空空間には時空管理局という組織がある。俺はそれのある組織に属している」
「これだけでわかった。次はこの剣についてだ」
「ファーウェルのことか。いいだろう」
ヤマトはファーウェルいやデバイスについて話した。
デバイスにはインテリジェント、ストレージ、アームド、ブースト、ユニオンなどいう種類に分かれている。
ファーウェルはインテリでマスターとテバイスの波長が同一でなけれは扱うことが難しい。ユーリやエステルには無理な話だ。
待機状態はアクセサリーみたいなもので、ヤマトはファーウェルを待機状態にさせた。
「これはすごい」
「ほんとうですね」
ファーウェルの待機状態は蒼色の翼のキーホルダーみたいなものだ。
「俺の話せることはここまでだ」
時間は日が暮れており、早朝に行く約束にしていて、一行は明日に備えて休養を取った。
一行は準備をして、冒険王を後にしてデイドン砦へ向かった。



デイドン砦
ここには結界魔導器がなく、砦を築いて魔物の侵攻を抑えている。
商売人や旅人などが通るのに必要不可欠な砦。警備のために帝都から騎士を何人か派遣している。
デイドン砦に到着した一行。
「ユーリを追ってきた騎士でしょうか」
「そうするとならあまり目立たないようにな」
「わかった」
「んじゃ、砦を抜け出すとしますか」
ユーリとラピードとヤマトの進行方向とは違い、エステルは右の方向へ行こうとする。
「本当に分かっているのかね」
と呆れつつ、行ってみる。
商売人が少し困った顔でエステルを見ていた。
スキルの説明を受けた。ヤマトのファーウェルは特別らしく、武器自体にスキルが封印されているらしい。マスターとデバイスが経験を積むことによって封印されているスキルを習得できる。
話が終わり、後にするとヤマトは見覚えのある人物に遭遇する。
「あ。あれは…」
髪の色が栗色でサイドテールをしており、バリアジャケットがアグレッサーモードの女性だ。間違いない。彼女だ。
「おい、どうしたんだ」
「どうかしましたか?」
ヤマトは二人の言葉を無視して彼女の方へ向かう
「なのは!」
ヤマトの声が反応したかのように振り向く。
「ヤマトくん?ヤマトくん!」
「なのは!」
再会であった。ヤマトと同じく同じ世界に飛ばされていたのである。なのはも飛ばされた記憶がないというのだ。
ヤマトも早く仲間の一人に会えるとは思わなかった。
「会えてうれしいよ」
「俺もだ」
二人は喜ぶかのように少し涙を流した。
「それより、フェイトちゃん、はやてちゃん、メイちゃんは見なかった?」
「道中、こっちもいなかったよ。別のところに飛ばされているんじゃないかな」
「ヤマトくん、この人達は誰?」
なのはがユーリ達の方へ見ると
「紹介しよう。旅をしているユーリとエステルとラピードだ」
「ユーリだ。よろしくな」
「エステリーゼと言います。呼びにくかったらエステルと呼んでください」
「ワン!」
二人と一匹は一通り紹介を済まし、次になのはが自己紹介をした。
「私はなのは、高町なのはです。ヤマトくんの友達の一人です。これはレイジングハート」
「これはヤマトと違う武器だが、喋るのか?それからなのはもヤマトと同じ境遇に遭ったんだろ」
ユーリは疑問に思った。
「うん。ほかの仲間もそうだけど…」
一行はハルルに向かうため、砦の門へ向かうとする。
門の前に来ると…
カーン、カーン、カーン
鐘の響く音だ。警鐘であの魔物が来るらしい。
魔物の駆ける音が聞こえて、向こうの門からは人々が逃げている。
徐々に下ろされる門。
「早く入りなさい!!門が閉まるわ!!」
女性が早く入れと警告し、
「矢だ、矢を持って来い!」
上からの攻撃で魔物を撃墜するつもりだ。
「早く門を閉めろ!!」
「くそっ!やつが来る季節じゃないだろ!」
「主の体当たりを耐えれば、やつら魔物は去る!訓練を思い出せ!」
門に近づく魔物の群れ。そして上からの弓矢攻撃。
「…よし、退避は完了した!扉を閉めろ!」
「閉門を待ちなさい!まだ残された人が…」
向こうには疲労で動けない人や足をくじって動けない人もいる。
明らかに普通の魔物とは比較的にならないサイズの魔物。平原の主・ブルータルだ。大勢のサイノッサスを率いてある季節にここを攻めてくる。
「あれ、全部、魔物なの…」
「帝都に出て早々にとんでもないもんにあったな、オレ、なんか憑いてんのか?」
「絶対そうだよ!」
ユーリの言葉にヤマトは絶句し、ユーリは門へ向かう。
「ユーリ!」
「…!?門を!」
ユーリは向こうに侵入し、ラピードは騎士にフェイントをかける。
「ガウ!」
「な、なんだ、おまえ!うわっ、うわっ!やめろ!」
閉じる門がいったん停止をする。
「エステルはそこで待……って、おいっ!」
エステルはユーリの制止を無視して走る。
そこで見ていたヤマトは溜め息をしていた。
「後で騎士に聞かれても知らないぞ…」
「彼らなら大丈夫だよ」
ヤマトとは裏腹になのはがエールを送る。
「ユーリは女の子を!」
「…はいはい」
「た、助けて…立てなくて…ひっ…!魔物が、魔物が…!」
「だいじょうぶですよ」
エステルは足を挫いている男性に治癒術をかける。
ユーリは魔物に脅えている少女を助けて、元の場所へ戻る。
「あ、あ…立てる…」
「早く避難してください」
エステルの言葉に男性とエステルは避難そしてユーリ達も避難する。
「お人形、ママのお人形~!」
「は、はなしてください!」
「チッ!」
ヤマトは門の前に行き、落ちている人形のところへ行く。
「これじゃ、格好の的じゃないか!」
人形を拾い、門へ戻ると門を下すのを再開した。
「ヤマトくん!」
なのはがヤマトを心配し、
「間に合え!間に合え!間に合ってくれ!」
後ろにはサイノッサスがおり、全力疾走で走るヤマト。
ギリギリに閉じられる問。
「イチかバチかだ!」
ヤマトは賭けをしてスライディングをする。
するり…
賭けは成功し、完全に閉じた門。
突撃をする魔物達。
「何とお礼を言えばいいか」
「い、いえ、そんな…」
「怪我まで治してもらって、本当に助かりました」
無我を治してもらった男性と娘を助けてもらった女性は三人にお礼を言う。
「みんなが無事で本当に良かった…あ、あれ…」
エステルは足をがくんと下げ、無気力状態になってしまう。
「安心したとたんそれかよ」
「こんな無茶、久しぶりだわ」
流石のヤマトはこんな危機的状況な無茶は懲りたという。
「結界の外って、凶暴な魔物がたくさんいて、こんなに危険だったんですね」
「あんな大群で来られたら結界がほしくなるな」
「同感~」
「結界って何?」
三人は疲れて座っている。なのはは三人のそばに立っている
「ここに結界魔導器を設置できないんでしょうか?」
「そりゃ、無理だろ。結界は貴重品だ」
「そうですよね…今の技術では作り出せませんから。魔導器を生み出した古代ゲライオス文明の技術が蘇ればいいのに…」
「それが蘇っても、帝国が民衆のためにってのはちょっと想像しにくいな」
1人の騎士が四人と一匹の前へ来る。
「そこの三人、少し話を聞かせてもらいたい」
さっきの騒動についてだが
「だから、何故に通さんのだ!魔物など俺様が子の拳で、ノックアウトしてやるものを!」
怒声が聞こえる。
「簡単に倒せる魔物じゃない!何度言えばわかるんだ!」
「貴様は我々の実力を侮るというのだな?」
突然、もう一人の男が自分の丈ぐらいの大きさの剣を上に揚げる。
「や、やめろ!」
すると大きくした振り下げる。周辺を地響きする威力だ。
「邪魔をするな!先の仕事で騎士に出し抜かれたうっぷんをここで晴らす!」
騒ぎを聞きつけた騎士が数人やって、武器を構える。
「これだからギルドの連中は!」
「あの様子じゃ、門を抜けんのは無理だな」
「そんな…フレンが向かった花の街ハルルはこの先なのに」
「騎士に捕まるのは面倒だ。別ルートを探そう」
一行は途方もなく、休憩を取るために簡易キャンプ場へ移動すると
「ねえ、あなた。私の下で働かない?報酬は弾むわよ」
ボティーガードをお供にしている真紅の髪をした女性に止められる。大金が入った金袋をユーリに見せようとする。
ユーリは顔を逸らし、
「社長(ボス)に対して失礼だぞ。返事はどうした」
「名乗りもせずに金で釣るのは失礼って言わないんだな。いや、勉強になったわ」
「おまえ!」
ユーリをケンカ腰をみなしたボディーガードはユーリへ向かうが女性に止められる。
「予想通り面白い子ね。私はギルド『幸福の市場(ギルド・ド・マルシェ)』のカウフマンよ。商売から流通までを仕切らせてもらってるわ」
女性は幸福の市場のカウフマンと名乗っている。
「ふ~ん、ギルドね…」
地響きが聞こえる。突撃をしていた魔物はどうやら参ったようで退散したところだ。
「私、今、困っているのよ。この地響きの元凶のせいで」
「あんま想像したくはないけど、これは魔物の仕業なのか?」
ユーリからヤマトに切り替わり、
「ええ、平原の主のね」
「平原の主?」
「魔物の大群の親玉よ」
カウフマンは平原の主について語った。
「あの群れの親玉って…世の中すげえのがいるな」
「どこか別の道から、平原を越えられませんか?先を急いでるんです」
エステルがカウフマンにどこか平原に出られる方法はないかと尋ねると
「さあ、平原の主が去るのを待つしかないわね」
「焦っても仕方がねえってわけだ」
「待ってなんていられません。わたし、他の人にも聞いてきます!」
エステルは簡易キャンプ場へ向かい、ユーリ、ヤマト、なのはが残る。
「流通まで取り仕切っているのに別の道、ホントに知らないの?」
「主さえ去れば、あなたを雇って強行突破って作戦があるけど、協力する気は…なさそうね」
「護衛が欲しいなら、騎士に頼んでくれ」
ユーリは協力する気はゼロで頼みたければ騎士にでも頼めというがカウフマンは拒否する。
「冗談はやめてよね。私は帝国の市民権を捨てたギルドの人間よ。自分で生きるって決めて帝国から飛び出したのに今さら助けてくれはないでしょ。当然、騎士団だって、ギルドの護衛なんてしないわ」
「へえ、自分で決めた事にはちゃんと筋を通すんだな」
「そのくらいの根性がなきゃギルドなんてやってらんないわ」
「なら、その根性で平原の主もなんとかしてくれ」
ユーリ達が後を去ろうとすると
「ここから西、クオイの森へ行きなさい。その森を抜ければ、平原の向こうに出られるわ」
カウフマンがクオイの森いうところが抜け道だと教えてくれた。
「けど、あなた達はそこは通らない。何かお楽しみがあるみたいだ」
「察しのいい子は好きよ。先行投資を無駄にしない子は、もっと好きだけど」
「礼は言っとくよ。ありがとな、お姉さん。仕事の話はまた縁があれば」
「ありかどうございます」
ユーリとなのはは礼を言い、カウフマンと別れた。
「エステル」
「…ちょっと、休憩です。魔物が去るまでこんな場所で待ったりしませんから」
エステルは少し不機嫌そうに言う。
「あっそ。じゃあ、三人で抜け道を行くことにするわ」
ユーリが冗談そうにいい、後にすると
「え?わかったんですか?待ってください!」
「ここから西のクオイの森という所だよ」
なのはがそうとエステルに伝え、ヤマトに続く
「抜けても平原の主に会わないことを祈りたいよ」
と言いつつ、デイドン砦の西にあるクオイの森へ向かう。


クオイの森
「…この場所にある森って、まさかクオイの森…?」
「ご名答、よく知ってるな」
「クオイに踏み入る者、その身に呪い、ふりかかる、と本で読んだことが…」
「そんなハッタリ…」
エステルがここの噂を言い、ヤマトはそれは嘘だという。
「なるほど、それがお楽しみってわけか」
「……」
エステルが立ち止まり、
「行かないのか?オレ達はいいけど、フレンはどうすんの?」
「…わかりました。行きましょう!」
エステルは決意をし、先に進む。
しばらく先を進むと機械の音らしい音が聞こえる。
「何の…音です?」
エステルがユーリのそばに来て
「足元がひんやりします…まさか!これが呪い!」
「どんな呪いだよ」
「木の下に埋められた死体から、呪いの声がじわじわと這い上がり、わたしたちを道連れに…」
「それはないでしょ」
エステルをなだめるヤマト。なのはは何かを見た。
「…あれは?」
魔導器らしき物が倒れており、音はここから発している。
「これ、魔導器か。なんでこんな場所に…」
「魔導器って何?ヤマトくん。大きい街に結界のような張られていたけど」
なのはが魔導器についてヤマトに聞くとヤマトは応えられる範囲で答えた。
魔導器はいろいろな種類があり、ユーリ達が装備しており、戦闘能力を高めて武器に秘めれているスキルを使うことができる武醒魔導器(ボーディブラスティア)、街に張られており、魔物から人々を守る役割をしている結界魔導器(シルトブラスティア)、帝都の下町にあった噴水が下町の人々の生活の一つを支えている水道魔導器(アクエブラスティア)。今は水道魔導器は魔核が奪われているので作動していない。
ヤマトが語るのはここまでだ。
「でも、私たちのデバイスもスキルが使えるよね。ストレングスなどのスキルがあるよ」
「さっきの商人に聞いたんだ。スキルが封印されているって事を」
二人のデバイスで使えるスキルは各能力アップをスキルのレベル1だ
ストレングス、マジカル、デイフェンド、レジスト、イベイション、バイタリティ、スピリッツが最初に封印されていた。
ファーウェルは主にコンボをサポートするスキルが多く、レイジングハートは魔術のサポートするスキルが多い。共通は砲撃魔法のサポートスキルだ。
「少し休憩しよう」
「だ、だいじょうぶです」
ユーリが休憩しようと言いながらエステルは気遣い結構ですみたいことを言いながら、魔導器の方へ歩く。
「あれ、これは?」
魔導器が突然光り出し、
「うわっ」
「おっ」
「きゃっ」
「うっ」
四人が光に包まれて、収まるとエステルが倒れていた。
「おい、エステル!」
数十分後…
「にがっ」
ユーリは腹の足しに果実みたいな物を食べていたが、相当苦く、思わず言葉に出てしまう。ヤマトとなのはデバイス達と談義をしていた。
「魔力反応なし。どこにいるのかな?みんな」
「旅していたら見つかるよ。みんな、同じだから」
心配するなのはにヤマトが言う。
話していく内にエステルが起きる。
「大丈夫か?」
「うっ…少し頭が…でも、平気です。わたし、いったい…」
「突然倒れたんだよ。何か身に覚えないか?」
「もしかしら、エアルに寄ったのかもしれません」
「エアルって魔導器を動かす燃料みたいなもんだろ!目には見えないけど、大気中にまぎれてるってやつ」
魔導器に動かすに必要なのに不可欠な魔核に次いでエアルである。エアルは薄い濃度だと無害だが、かなり濃い濃度だと肉眼でも見え、人体に影響を及ぼす。
「はい、そのエアルです。濃いエアルは人体に悪い影響を与える、と前に本で読みました」
「ふ~ん、だとすると呪いの噂ってのはそのせいかもな」
エステルが立ち上がり
「倒れたばっかなんだ。もうちょいゆっくりしとけ」
「そうはいきません。早くフレンに追いつかないと」
「ユーリの言う通りだよ。また倒れて、今度一晩中起きなかったらどうなるんだ」
ユーリに続いてヤマトが忠告する。
「でも…そうですよね。ごめんなさい…」
エステルが言うことを聞き、ユーリの傍により、座る。
落ちている果実を拾い。かじると
「…うっ」
「はははっこれで腹ごしらえはやっぱり無理か」
「とてもおいしいです」
と言いつつ、またかじるエステル。
「かわいいとこもあるな。エステルも」
「だね」
ヤマトは微笑を浮かぶ。横にいるなのはもだ。
「ちょっと待ってな。簡単なもんなら作れっから」
「ユーリは料理できるんです?」
「城のコックと比べんなよ。下町育ちで勝手に覚えた簡単な料理だからな」
焚き火を焚き、しばしの間休息する一行。
「フレンが危険なのにユーリは心配ではないんです?」
「ん?そう見える?」
「はい」
「実際、心配してねえからな。あいつなら自分で何とかしちまうだろうし、あいつを狙っている連中には同情するよ」
「ヤマトくんもそれと一緒だよ。難事件を自分の力で解決するし」
「なのは…それは…」
ヤマトは顔を赤らめて言う。ミッドのある事件で銀行強盗をしたグループを1人で全滅させたことだ。グループを逮捕させたことによって壊滅。ヤマトは有名人になったのだ。
「あんたとは気が合うな」
「にゃはは~」
ユーリの言葉に笑うなのは。
「え?」
「ガキの頃には何をやっていても勝てなかった。かけっこでも剣でも。その上、余裕かまして、こう言うんだぜ?大丈夫、ユーリ?ってさ」
「うらやましいな…わたしには、そういう人、誰もいないから」
エステルはフレンやユーリのような友達がいてうらやましいと思っている。
「いても口うるさいだけだぞ」
数分後
「ほい、出来た」
ユーリはサンドイッチを作っていたのだ。パンの間にタマゴが挟んでいるというシンプルな料理。下町育ちには低コスト且つ簡単に出来る料理。
シンプルな料理だが、三人に好評だった。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
「すごくおいしかったです。わたしなんて料理をしたこともないのに」
「剣や魔術とおんなじ。やらないと覚えられないもんだ。料理なんてレシピを手に入れて練習すれば作れるようになるさ」
料理のチュートリアル省略…
「どうした、ラピード?」
ラピードが立ち上がり、四人も行く準備をした。
「さて、そろそろ行くか」
森の出口を目指し、歩く…


森の出口付近
森の出口まで歩くと
「グルルルルル…」
ラピードが警戒する。
カサっ
ユーリ達の近くの茂みから音がし、
「エッグベアめ、か、覚悟!」
小柄の少年が飛びかかるが、持っている剣が重かったためか剣の重さで振り回して回転を始める。
まるでジャイアントスイングをしているかのようになのはとヤマトは思った。
「うわっ、とっとっ!」
「仕方ないな」
ヤマトがソードモードのファーウェルを出して、少年の大剣に当てる。
「うあああああっ!あうっ!う、いたたたたた…」
少年は後退りして倒れ、ラピートが傍に寄ってくる。
「ひいいいっ!」
少年がおびえて死んだふり?をする。
「ボ、ボクなんか食べても、おいしくないし、お腹壊すんだから」
「ガウっ!!」
「ほ、ほほほんとに、たたたすけて。ぎゃああああ~~~~~~!!」
「忙しいガキだな」
「だいじょうぶですよ」
エステルも傍による。
「あ、あれ?魔物が女の人に」
「ったく。なにやってんだか」
数分後…
「ボクはカロル・カペル!魔物を狩って世界を渡り歩く、ギルド『魔狩りの剣(まがりのつるぎ)』の一員さ!」
カロルと名乗る少年が自己紹介をし、
「オレは、ユーリ。それにエステルとラピードだ」
「私はなのは。こっちはヤマトくん」
「んじゃ、そういうことで」
ユーリが後を去ろうとすると
「ちょ、待てよ、ユーリ!」
「えと、ごめんなさい」
エステル達も去る。
「へ?……って、わ~、待って待って待って!」
カロルが走って、一行より先回りして止める。
「4人は森に入りたくてここに来たんでしょ?なら、ボクが…」
「いえ、わたしたち、森を抜けてここまできたんです。今から花の街ハルルに行きます」
「へ?うそ!呪いの森を?あ、なら、エッグベア見なかった?」
「ユーリ、エッグベアって知ってるか?」
「さあ、見てねえと思うぞ」
エッグベアの影も形も見ていないとユーリが言う。
「そっか…なら、僕も街に戻ろうかな…あんまり待たせると、絶対に怒るし…うん、よし!4人だけじゃ心配だから、魔狩りの剣のエースであるボクが街まで一緒に行ってあげるよ。ほらほら、何だってボクは、魔導器だって持ってるんだよ」
カロルが自慢げに魔導器を持ってると言い、ユーリとエステルの武醒魔導器、なのはのレイジングハート、ヤマトのファーウェルを見ると
「あ、あれ、ふたりともなんで魔導器持ってるの!な、ならこれでどうだ!」
(これらは魔導器じゃなく、デバイスだけどな)
(でもいいじゃないの?魔導器って呼ばれてもいいけどな)
ヤマトとなのはは念話で話し合いながら苦笑する。
カロルが取り出したのは一種の図鑑だった。
「魔物の情報ですね。でも、途中から全部白紙ですよ?」
エステルが痛いところを突くと
「こ、これからどんどん増えていく予定なの!ちょっと、ねぇ、勝手に書き込まないでよ!」
言っている束の間、ユーリが今まで戦っていた魔物の情報を書き込んでいた。
「エースの腕前も、剣が折れちゃ披露できねえな」
「いやだなあ。こんなのただのハンデだよ」
カロルが折れた大剣を持つと
「あれ?なんかいい感じ?」
と言いつつ、4人と一匹はこの場から立ち去って行く。
「ちょ、あ、方向わかってんの~?ハルルは森出て北の方だよ。もお、置いてかないでよ~」
カロルが大慌てで走り出し、森を出た。
ヤマト達が森を出た後、起動している魔導器の前に銀髪の美形の男性が前に立ち、手に持っている謎の剣が術式を発生し、光を発すると、魔導器が機能を失っていた。


花の街ハルル
「ここが花の街ハルルなんですよね?」
「うん、そうだよ」
ユーリがふと、上を見上げると結界がない。
「この街、結界はないのか?」
「そんなはずは…」
「4人ともハルルは初めて?」
4人はうんと頷き、
「そっか、だったら、ハルルの樹の結界魔導器も知らないんだ」
「樹の結界?」
「魔導器の中には植物と融合し有機的特性を身に付けることで進化をするものがある、です。その代表が、花の街ハルルの結界魔導器だと本で読みました」
「博識だな。で、その自慢の結界はどうしちまったんだ?」
周囲を見ると人々が座り込んだり、倒れたりしていた。
「役に立ってねえみたいだけど」
「毎年、満開の季節が近づくと一時的に結界が弱くなるんだよ。ちょうど今の季節なんだけど、そこを魔物に襲われて…」
「結界魔導器がやられたのか?」
「うん、魔物はやっつけたけど、樹が徐々に枯れはじめてるんだ。あ!」
カロルたちの横に人が通り過ぎたのをカロルが目撃し
「ど、どうしたんです?」
「ごめん!用事があったんだ!じゃあね!」
カロルがそう告げて立ち去る。
「今の通り過ぎた人は女の子に見えたけど…」
「カロルくんはその子の元に?」
「エステルはフレンを探すんだよな…大人しくしとけってまだわかってないらしいな。それにフレンはいいのかよ」
ユーリは皮肉を言いながらラピードとなのはとヤマトと共に街を探索する。
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