セッティング

Last-modified: 2016-10-18 (火) 13:18:14

参考資料

Brake Bias(ブレーキ バイアス)

Brake Bias(ブレーキ バイアス)
前輪と後輪のブレーキの利き具合の比率(=ブレーキ液圧配分)を調節できる。
基本的にブレーキング時はフロントの荷重が増え、フロントのほうが減速Gに対するキャパシティが大きくなる。即ち最大の制動力を発揮させるためにはブレーキバイアスをフロントのほうが大きくなるよう設定する。
このバイアス量の最適値は、サスペンションの硬さ(=荷重移動の量)に依存する。硬い足の場合はバイアス量は小さめに、柔らかい足の場合はバイアス量を大きめに(よりフロント寄りに)設定する。
余談だが、SteamのWorkshopに上がっているセットアップに後輪寄りのバイアス設定のものがあるが、あれは邪道だと考える。即ち、荷重移動で曲げられないドライバーが後輪ロックによってスライドに持ち込むために左様なセットアップにしているものと思われるが、これでは最大の制動力が得られないし、後輪をロックさせたければハンドブレーキを使えば済む話なのである。
Brake Strength(ブレーキの強さ)
ブレーキの強さを調節できる。
バイアスを最適値にした上で、フルブレーキングしなくてもタイヤがサチってロックするようなら下げる。フルブレーキングしてもロックしないようなら上げる。

Differential[Front]

フロントデフの締結力と加減速トルクの関係を調整する項目。
デフは駆動輪に駆動力を伝えつつ、コーナリング時の内外輪の回転数差を吸収するための機構。デフの種類の1つがLSD(Limited Slip Differential)で加減速トルクが大きくなるにつれてデフ締結力(=左右輪の回転数差許容量)を大きくする構造になっている。
一般的に、デフの締結力が緩い(→フリー)状態ではグリップで曲がりやすいが加速時にトラクションを稼ぎにくい。
締結力が強い(→デフロック)状態では加速時にトラクションを稼げるが曲がりにくい。
ターマックではグリップで曲がれるように締結力を緩めにすることが多い。
グラベル/スノーではターンインでスライドで向きを変えてしまって早くからアクセルを開けられるよう、締結力を強めにしてトラクションを稼ぐことが多い。
下記3項目の関係性はCUSCO LSD GUIDE (http://www.cusco.co.jp/en/pdf/LSD%20Guide%20Final.pdf) が良く説明している。

LSD Driving Look
加速トルク増大に対してどの程度デフ締結力を増大させるかを指定する。LSD実物のカム角に相当する設定項目。
LSD Braking Look
減速トルク増大時(エンジンブレーキがかかっているときなど)にどの程度デフの締結力を増大させるかを指定する。LSD実物のカム角に相当する設定項目。
この値を大きく設定するとブレーキング時の直進安定性が高まり挙動が乱れにくくなるが、しっかり荷重移動して曲げないと曲がりにくくなる。
曲げやすさを高めるため、特にフロントのBraking Lock値はDriving Lock値よりも小さめに設定することが多い。
LSD Preload
イニシャルトルクとも言う。加減速トルク0の状態でのデフ締結力を調整する。

Differential[Rear]

基本的な考え方はフロントと同じ。リアに関する特記事項を述べる。

LSD Driving Look
大きくするとパワースライドしやすくなる。
LSD Blaking Look
フロントよりも大きめに設定できる。
ブレーキング時に一気にリアが破綻してスピン挙動になりやすい場合は、特に大きめに設定すると良いことがある。
LSD Preload

Viscous Differential(ビスカスデフ)[Center]

AWD車両のセンターデフの調整。トランスミッションを経由したエンジン出力(駆動力)を前後輪に配分しつつ、コーナリング時の前後輪回転数差を吸収する働きを持つ。

Viscous Differential
回転数差の許容度を設定する。(例えばスバルインプレッサ WRX STi系に搭載されるマニュアルDCCD設定値に相当する項目)
機械的には湿式多板クラッチの締結力を電磁制御により変化させることで調整される。
強めに設定すると曲がりにくいがトラクションが稼ぎやすい。緩めると逆。
ターマックではゆるめ、グラベル/スノーでは強めに設定することが多い。
Torque Bias: Front/Rear
トルク配分を設定する。リア寄りならよりRWDに近い挙動に、フロント寄りならよりFWDに近い挙動になる。DCCDの遊星ギアのギア比に相当する項目。

Gears

1st Gear
2nd Gear
3rd Gear
4th Gear
5th Gear
Final Gear
1st~ Gearはトランスミッション内の3軸に付いている歯車であるが、Final Gearはデフ(AWDならセンターデフ)直前段にある、最終減速比を決めるギア。
全トランスミッションギアに平等に作用する減速比の掛け値となる。各速のギア間のギア比距離に不満がない限り、基本的にファイナルギアだけ設定すれば良いことが多い。

Suspension(サスペンション)[Front]

Ride Height(車高)
路面のうねりが大きい場合は高めに。バネレートが低い場合はサスペンションのトラベル量を大きく取る必要が有るため車高も高くする必要がある。
その逆も然り。
Spring Rate(バネレート)
柔らかいと荷重移動量が大きくなり、硬いと荷重移動量が小さくなる。
原則としてタイヤは接地圧に比例した摩擦力を発揮するため、フロントタイヤを食わせてグイグイ曲げたければフロントへの荷重移動が起こりやすいようにセッティングしてやれば良い。しかし、一定以上の荷重移動が起こるとタイヤのグリップ力が接地圧に比例しなくなる、タイヤのキャパシティが非線形領域に入ってしまい、いくら荷重を掛けてもグリップ力が上がらなくなる状態になる。これが起こるとコーナリング限界が低下するので、加減速G及び横Gが強く作用するようなターマック路面では、バネレートを高めてタイヤグリップが非線形領域に入らないようにする。これが、所謂「足を固めたほうが限界が高くなる」ということである。
まだまだ書くことがあるが、奥が深すぎて執筆中。
Anti-Roll Bar(スタビライザー)
左右輪のトラベル量差を抑制することでロール剛性を上げる左右独立懸架サスのリンク。
リアとのバランスによってアンダー/オーバー傾向の調整が可能
基本的に、フロントに比べてリアのスタビライザーが硬い(=リアのロール剛性が高い)とリアの限界が低くなりオーバーステア傾向に、
リアのスタビライザーが柔らかい(=リアのロール剛性が低い)とリアの限界が高くなりアンダーステア傾向になる。
Cambar Angle(キャンバー角)
ほぼポジキャン(正のキャンバ角)にすることは無い。
ゼロキャンバーだと直進時のトラクションは高いがコーナリング限界がそれほど高くならない。
ネガキャンにするとコーナリング限界が高くなる。
上記から、グリップ走行がメインのターマックではネガキャン多め、スライドさせて曲がるグラベル/スノーではネガキャン少なめが良いと思われる。
フロントはリアほどネガキャン付けないことが多い。
Toe Angle(トー角)
トーイン(負の値)にするとフロントの挙動が安定化するが、ハンドル応答性が低下する。
トーアウト(正の値)にするとハンドルの初期応答性が向上するが、特に路面バンプなどに対するそうだ安定性が悪化する。
トー角はサスペンションジオメトリとの兼ね合いでもっといろいろな意味を持ち様々な作用を及ぼす調整要素だが、本作で上記以外の効果が現れるのかどうかは不明。

Damping(ダンパー/ショックアブソーバー)[Front]

Bump(縮み側減衰)
Fast Bump(速い縮み側減衰)
Fast Bump Threshold(速い縮み境界速度)
Rebound(伸び側/リバンプ減衰)
Fast Rebound(速い伸び側/リバンプ減衰)
Fast Rebound Threshold(速い伸び境界速度)

Suspension(サスペンション)[Rear]

Ride Height(車高)
Spring Rate(バネレート)
Anti-Roll Bar(スタビライザー)
Cambar Angle(キャンバー角)
Toe Angle(トー角)

Damping(ダンパー/ショックアブソーバー)[Rear]

Bump(縮み側減衰)
Fast Bump(速い縮み側減衰)
Fast Bump Threshold(速い縮み境界速度)
Rebound(伸び側/リバンプ減衰)
Fast Rebound(速い伸び側/リバンプ減衰)
Fast Rebound Threshold(速い伸び境界速度)

足回り総論