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Last-modified: 2014-01-19 (日) 20:15:15

花火大会後日談

 

あの事件から、1週間後が過ぎようとしていた
紋章町は今日も・・・・・・・混沌だった

―――兄弟家・居間
今日は皆の休日である日曜日
兄弟家も例外ではなく、ロイなど数人がTVを観るなど思い思いの時間の使い方をしていた
そんな中、午後の麗らかな空気をぶち壊す声が響き渡る

ヘクトル「クォラーーーッ!!ユンヌ!!!何処いったーーーッ!!」
ミカヤ「ちょっと何、うるさいわよ・・・・・・・」
ヘクトルとは対照的に寝起きの低血圧でテンションの低いミカヤ
どうやら、昼寝の途中だったようだ
ついでに言うと、ユンヌはここにはいないようである
しかしそんなことは知らないヘクトル
彼はミカヤ=ユンヌと考えたのかミカヤに怒鳴り始める

ヘクトル「テメェだろ!?
     エイリークに俺の脂肪を胸に移せるとか言ったのは!!」
ミカヤ「エッ!?出来るの!?」
ロイ「姉さん・・・・・・食いつくのが早いよ」

ミカヤ「ヘクトル!!今の話は本当なの!?」

ようやく自らの過ちに気付いたヘクトル
しかし、もう遅い
ヘクトル「いや、その・・・・・・・なんだ、ほれ。
     まだ2人分には肉の量が足りないかな~みたいな・・・・・・」 
ミカヤの剣幕の凄まじさに、ヘクトルは思わずその場しのぎの嘘をついた
しかし、これは彼にとっての脂肪・・・・・もとい、死亡フラグへの布石にしかならなかった

ミカヤ「分かったわ!!エイリーク!!」
エイリーク「はい!!」
2人「「今からご飯を作ります!!」」
ミカヤ「そしてヘクトル、もと私達の胸を・・・・・・」
2人「「ふくよかに!!」
ミカヤ「こうしちゃいられないわ!!買出しにいくわよ、エイリーク!!」
エイリーク「さあ、いきましょう!!」

たったった・・・・・・・

ヘクトル「・・・・・・・・・・」
騎兵も真っ青なスピードで猛ダッシュする2人と、残されたピザ+α
マルス「問題を先延ばしにしただけだったねヘクトル兄さん(笑
    m9(^Д^)プギャー!」
ヘクトル「チクショオォーーーーー!!!」
マルスの追撃でヘクトルは完璧に己の負けを悟った
彼に出来る抵抗はせいぜいダイエット位もの(それも数日もたないだろうが

ガラッ(障子

ロイ「ヘクトル兄さん、ちょっと良い?」
ヘクトル「あ?・・・・・・別に構わねーけど・・・・・・」
あの祭の時以来、この2人の関係は妙にギスギスしていた
最も元来良くはなかったが
ロイ「ありがと。じゃ、ちょっとこっち来て・・・・・・」

別室で2人きり・・・・・・
気まずい空気の中、ロイが重い口を開く

ロイ「あのさ・・・・・・まず初めに言っておきたいんだけど・・・・・・
   僕はヘクトル兄さんの事、あまり好きではないよ」
ヘクトル「・・・・・・知ってるぜ」
ロイ「取り立てて尊敬してる訳じゃないし、
   これからもそのつもりはない」
ヘクトル「ヲイ(^ω^#)
     それは喧嘩を売ってると受け取って良いのか?」
ロイ「でも・・・・・・・1週間前のあの夜・・・・・・・
   正直、ちょっと色々言い過ぎたし、やり過ぎたと思う」
ヘクトル「・・・・・・・・・」
ロイ「だから・・・・・・その、僕が必ずしも悪いって訳じゃないけど・・・・・・・
   でも、その・・・・・・・・」
もじもじとした様子で、ロイは次の一言を継いだ
ロイ「謝らないけど、その、ごめんな、さい・・・・・・・」
ヘクトル「クッ・・・・・・ブッハハハハハハハ!!!」
堪え切れない、といった様子で笑いを爆発させるヘクトル

ロイ「な・・・・・・人が真面目に話してるのに・・・・・・っうわっ」
顔を真っ赤にして怒り出すロイの頭をぐしぐしと乱暴に撫で始める
ヘクトル「いやー、悪ぃ悪ぃ。
     っていうかお前んな事気にしてたのかよ」
ロイ「う・・・・・・だって・・・・・・・・」
ヘクトル「アイク兄貴じゃねーけど、こういう時位兄貴を頼れよ。
     ・・・・・・・俺たち兄弟なんだから、よ」
ロイの頬に僅かに赤みが差す
そして彼の口から出てきた言葉は・・・・・・・

ロイ「ヘ・・・・・・ヘクトル兄さんが言うと似合わないね、その言葉」
ヘクトル「・・・・・・・やっぱ前言撤回だコラァ!!」
ロイ「うわっと!!(回避」

繰り出される拳(もちろん手加減してるが)を避わし、そのままロイは走り去る

ロイ「あははっ、じゃーねー!!」
   (ありがとう、ヘクトル兄さん!!)

ヘクトル「待てコラァ!!!
     ・・・・・・あいつ、本当に俺の言いたい事分かったんだろうな・・・・・・・?」
そしてロイを追いかけ始めるヘクトル
いつもの兄弟家の、平和な風景・・・・・・・・

マルス「・・・・・・・・・」
彼がカメラにその風景を収めていたのを除けば、だが

その夜・・・・・・・
自室でニヤニヤしながらCPをいじるマルスの姿があった
マルス「ふふふ・・・・・・・ツンデレなロイ・・・・・・。
    これは貴重な絵がとれたなぁ。
    こないだの祭の時も大量だったし、まったくユンヌ様様だね」
リン「まったく、こんな風に毎回格闘技の練習台にする口実を作ってくれるなんて、
   良い弟を持ったわぁーーー。
   マルスさ ま さ ま ね!!!!!」グギュウーーーーー
マルス「ぐはーーーーーーっ!!!・・・・・・編集に夢中で気配が読めなかったか・・・・・・!!!
    ってかいつもより3割り増し位キツイんですが・・・・・・・・ぐぇ」
リン「ふふふ・・・・・・こないだの祭の時から、何故か体に野生の力が漲ってるのよね」
マルス「マジですか・・・・・・これだから草原厭は・・・・・イタイイタイイタイヨリンネエサン
    っていうか今回僕がオチ担当デスカ・・・・・・」
リン「残念ながらあんたは違うわよ?」
マルス「え!?じゃあ単なるやられ損じゃイタタタタシヌシヌシヌマジデシヌルアアアアアア」

―――あまりに残酷なシーンなので音声のみでお楽しみください

ゴキキン♪ボキベキッパッキン♪
メキッグシャッ・・・・・・・

愉快な音をたてながら次々に決まるリンの冴えた関節技
それに合わせて音を立てて崩壊していくマルスの肉体、そして未来

その頃某酒場では・・・・・・

―――カリルの店
いつもは街角で賑わいをみせる小粋な酒場
しかし、今日は別の意味での喧騒に包まれていた

ジョフレ「失礼する・・・・・・ってなんだ、改装中か・・・・・・」
しょーぐんがわざわざ説明してくれた通り、カリルの店はそこそこの規模の
改装工事を行っている最中であった(グレイル工務店プレゼンツ
もっとも今は店の外側を工事中なので、中には入れそうだが・・・・・・
ジョフレ「仕方が無い、明日また出直すか」

帰ろうとした矢先、聞き慣れた声に呼び止められる
カリル「・・・・・なんだ、店の前に誰かいると思ったらあんたかい。
    入ってきなよ。今日は一杯おごるから」
ジョフレ「・・・・・・いいのか?」
カリル「飲みにきたんだろう?
    ・・・・・・・こういう時に常連を追い出すような狭い商売はしちゃいないよ」
促されるままに、店の中に入ってみると・・・・・

ジョフレ「これは・・・・・・!!結構、いや相当変わったな・・・・・・」
明らかに数日前飲みに来たときよりも広く綺麗になっている店内
それでも小粋な酒場の空気が失われていないのは流石だが

ラルゴ「ガッハッハ!!俺は良いって言ったんだがな」
ジョフレ「む・・・・・・腕の方は大丈夫なのか?」
ラルゴ「・・・・・ああ。生活の方は問題ねぇ」
ジョフレ「そうか・・・・・・・」
ラルゴ「ま、せっかく来たんだ。
    何か飲んでいきなよ。いつものかい?」
ジョフレ「ん、ああ・・・・・・・頼む」
生活の方は問題ない・・・・・・
裏を返せば、それ以上のことには支障をきたすという事でもある
しかし、ラルゴは器用に片手で酒瓶を取り出し、グラスに注ぎ始める
短期間で上手く生活に馴染ませているなと感心している間に出来たようだ

出された物を飲みながら、先ほどから気になっている事を聞いて見る
・・・・・・彼の腕の話題から遠ざかりたかったというのもあるが
ジョフレ「・・・・・・そういえば、この工事は一体誰が頼んだんだ?
     別に前の状態でも特別に古くはなかっただろう?」
ラルゴ「ん、ああ・・・・・・」
少し困ったような笑い顔で、店主はその質問に答え始めた

ラルゴ「ああ・・・・・・俺の腕を折った奴の息子と名乗る奴がこないだ来てな。
    謝罪として・・・・・・なんていって大金渡してくるからその時は断ったんだが・・・・・・・」
ジョフレ「その時は?」
ラルゴ「ん。・・・・・そしたらよ、「それではこちらの気が済みません」
    とか言い出して、頼みもしねぇのに次の日からこれだ。
    ま、正直腕を折ってくれたあいつを恨んじゃいねーが・・・・・・
    毒気を抜かれたってーのか?ともかくそんな感じだ」
ジョフレ「それはまた、強引というかなんというか・・・・・・。
     訴えられるのが怖いという訳か?」
ラルゴ「いや、そんなんじゃねーな。
    ありゃ、不器用な孝行息子なんだろうな・・・・・・きっと」
エイミ「ん・・・・・・こうこーむすこ?」
店の奥から目を擦りながら店主の一人娘のエイミが出てくる
どうやら眠っていたようだ
ラルゴ「おう、起きちまったか。
    まあ、うちのエイミの方が立派な孝行娘だがな!!
    はっはっは!!!」
豪快に笑いながらエイミの頭を撫でるラルゴと、それを呆れ半分、笑い半分に見るジョフレ
当のエイミはつられて笑っている
一時、カリルの店は笑いの暖かい空気に包まれた

セネリオ「っくしゅん・・・・・・・。
     まったく、誰か僕の噂でもしているんですかね?
     ・・・・・・・それにしても、あの馬鹿父のせいで余計な出費が増えました。
     本当に・・・・・・ひどいありさま、です」

口ではそう言いながらも、その表情は柔らかだった
これはひょっとしたら、本当に彼なりの親孝行なのかもしれない

こうして、紋章町にいつもの風景が戻り始める
わずかな傷跡と、再生による変化を残して・・・・・・・
いつまでも変わらぬものはない
それこそが、この町の本来の姿であり、本当の平和と言えるのかもしれない
今回の事件は様々な傷跡を残したが、同時に多くの再生への引き金にもなった
混沌なき平和はなく、平和のない所に混沌もない
そのことをユンヌは、今回教えてくれたのかもしれない・・・・・・・

終わり

おまけ(他の人々)
アイク・・・・・筋肉痛(昇天及び断空のせいで)
ユンヌ・・・・・・アイクの看病+嫁候補と喧嘩
セリス・・・・・・ユリウスに謝罪(そしてユリウスは死亡フラグ
アルム&セリカ・・・・・・今回の件で互いの関係を見つめなおすべく、しばらく離れて行動することに
          シグルドの仕事もおかげではかどっている
          ・・・・・が、そろそろ限界のようだ