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Last-modified: 2017-03-25 (土) 21:22:46

ラズワルド「ねぇ……少し話聞いて貰えない?」
オーディン「どうした? えらい落ち込んでるな」
ラズワルド「最近妹の……ソレイユの交友関係がかなり広くなったみたいでさ……」
ルーナ「なに言ってるのよ、あの子は元々交友関係広いでしょうが」
シャンブレー「何でそう思ったんだ?」
ラズワルド「昨日、家の居間にソレイユのアドレス帳が置きっぱなしになっててさ。
      興味に負けてつい中を…………」
オーディン「盗み見たのかよ!それはマズイだろ!?」
ルーナ「あんた……それは葉っぱ並みにデリカシーないわよ」
ラズワルド「それは酷くない?」
シャンブレー「酷くねぇよ、俺だって『絶滅すればいいのに』って思ったぞ?」
ラズワルド「うぅ………」

 

ルーナ「で? 盗み見して何がわかったって言うのよ」
ラズワルド「今までソレイユって、ララちゃん以外だと大体モブなシビリアンの娘達との付き合いだと思ってたんだ……だけど」
オーディン「?」
ラズワルド「アドレス帳には三傑と言った男性だったり有名な企業人だったりアイドルだったり、物凄い名前がならんでたんだよ」
ルーナ(そう言えば、この前の交流会、カミラ様と出ていたわね、その時のかしら?)
ラズワルド「一体僕とあいつの違いって何なんだろう?」
シャンブレー「それを言われても……」
オーディン「うーん……俺個人の意見になるが言わせて貰っていいか?」
ラズワルド「何?」
オーディン「さっき言った三傑の人達だけど、カムイ様は兎も角、アイクさんとエフラムさんは自分から彼女達を誘うことはなかったぜ?」
ラズワルド「何で?」
オーディン「はっきりと解る訳じゃないが想像はつく、あの人達は、既に嫁がいる以上無闇な不誠実はしないんだよ」
ラズワルド「不誠実……」
オーディン「逆に、自分に真剣に想いを向けてくれる相手には真剣に返すんだ」
ルーナ「あれだけの町の有名人よ、告白する人はそれを承知しているし既にいる人も同様。
    だけど彼らは受け入れる以上全力の覚悟を持って受け入れるわ。
    当たり前よね、恋人を増やすというのは、その人の人生を背負うのと同様だもの」
オーディン「逆にカムイ様の場合、既にその覚悟を持っているからこそ自分から迎え入れているんだ」
ラズワルド「それ……ちょっと重く無いかな?」
シャンブレー「俺はそれ、いいと思うぜ、少なくとも、責任も感じずフラフラナンパするよりいいと思う」
ルーナ「だからこそ、あんたもそうだし、他の例で言えばあの葉っぱだとか、責任感も無いのに相手を求めても印象が悪くなるだけよ?
    女の子って意外とそう言うの解るのよ」
オーディン「ついでに、お前、以前カムイ様に誘われながら断っただろう、相手に誠実さを求めながら、自分はナンパを繰り返す不誠実さで余計に印象悪いだろう」

 

ラズワルド「じゃあ、ソレイユは一体……言ってはなんだけど、ソレイユだってそこまで責任持ってる訳じゃ……」
ルーナ「……あ〜、あの娘は例外……と言いたいけど、そこは理由があるわ」
ラズワルド「理由?」
ルーナ「ぶっちゃけて言うとあの娘はナンパが物凄く上手いの。
    話術、会話の駆け引き、女の子を引き込む術に長けてるわ。
    そして成功後にじっくりと話し合って、受け入れるならそこで進み、そうじゃ無いなら普通に友達付き合い、それが彼女なりの誠実さをなの
    ついでに話も上手いし空気も読めて優しいと、友達にしても優良物件なのよ、あの娘」
ラズワルド「な……ナンパなら僕だって……」
ルーナ「いや、あんたナンパ下手くそでしょう、だって……
    あんたお母さんににてかなりの恥ずかしがり屋じゃない」
ラズワルド「う……」
オーディン「傍からみても、お前、かなりテンパってるの解るぜ」
ルーナ「それで成功させようってのは、かなり無理があるわよ」
ラズワルド「なら……僕はどうすれば」
オーディン「本来なら、お前が自分で考えることなんだがな」
ルーナ「正直、一人で悩んでも進みそうにないし、はっきり言うわ……
    あんた、誰か一人、本気の相手を見つけて、そこに突き進むのがいいと思うわ」
ラズワルド「ええ!!」
オーディン「このまま下手なナンパを続けても成功の可能性が無いだろう?」
ルーナ「それにこんな状態じゃあんたの印象だって悪いままよ」
シャンブレー「俺達はお前のいいところ知ってるけど、やっぱりそれってもったいない気がするんだ」
ラズワルド「で、でもいきなり本気でって言われても誰に……」
オーディン「それこそお前が見つけるべきだろう……って言いたい所だけど、リンさんとかどうだ?
      快活なあの人なら、お前を上手く引っ張ってくれそうじゃないか?」
ルーナ「ちょっと!リンさんはレオン様のお嫁さんに譲ってよ!
    カミラ様が出来れば姉妹になりたいけどダメならアイクさんに嫁ぐのも良いとか言ってるのよ!」
オーディン「おおぅ、流石カミラ様、相変わらず大胆だ、しかしな……」
シャンブレー「リン……か……」
       (………なんで、こんなに不安になってるんだろう………絶滅しそうな不安とも違う……)
ラズワルド「えーと……これ、僕の相手の事だよね?」

 
 

リン「……何かしら?何だか不安な様な……幸せな様な……物凄く変な感じ……」