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Last-modified: 2017-03-07 (火) 23:56:43

フランネル「おーいベロアー飯だぞー、もうじき発情期も終わるからそれまでの辛抱……げぇ!?いねえ!?」

 

そこに残っていたのは引きちぎられた鎖だった。
野生恐るべし。しかしこれは…まずい。自然界でその時期の熊とか獅子とかが普段よりどれだけ危険かは言うまでもない。
獣ではないガルーやラグズはある程度堪えられるとはいえ…

 

家中の電化製品から葉っぱ汁の微妙な香りが香ってきてからいろいろネジが飛んでしまっていた。
このまま街に飛び出すとそこらで男を襲いかねない。
フランネル「や、やべえ!探しにいかねーと!」

 
 

満月の夜。狼たちがもっともテンションの上がる夜。
自家発電の仕事を終えたリーフは帰りに裏路地を歩いていた。
リーフ「僕からSAKUSEIしたモノがおねいさんたちの生活を支えるなんてうれしいなぁ。電気代から報酬も貰えるしルーテさんはいい仕事してくれたよ!」
…水力発電が可能な河川ができるレベルの量を絞られてさすがに死ぬかと思ったがスタミナ無限の葉っぱはもう回復していた。
さて足取り軽く帰路についていたら……
???「…がふっ…ガフッ…グルル!!!」
リーフ「のおう!?…び、びっくりした…ガルーの人?ごめん、ちょっと通してくれる?」
狭い裏路地に巨体の獣人がうずくまっていたのだ。
戦闘時でもないのに何で変身しっぱなしなんだろうと不思議には思うが相手はモンスターではない。意思の疎通が可能なはず。
???「ガォォォォォォォォ!!!」
…と思ったら問答無用で襲ってきた。
リーフ「ぎゃあああああああ!?このヒトデナ………あれ?」
一瞬後にくるダメージ、痛みを覚悟していつもの台詞を言いかけ…あれ、痛くない?
代わりにスースーする……ガルーの爪がリーフのケチに徹して繕って何年も持たせてるボロイ服を引き裂いていた。
そのままガルーは巨躯を持ってリーフに伸し掛かり覆いかぶさってくる。
???「ぐるぅ…はぁはぁ…はぁっ…」
狂暴な巨大な口から見える牙の間からは涎が滴り落ちている。
そういえば…近所の犬がそういう季節にそういう反応を見せてたのを見た覚えがあり…

 

リーフ「ちょ…待って待って!?初体験は済ませたいけどこんな済ませ方はイヤアアアア!?化身解いて!貴女がニケ様みたいなおねえさまだったら大歓迎するから!」

 

変身中のガルーの元の姿は伺い知りようがない。
巨乳のおねいさんなら望むところだがそうとはかぎらん。最悪の場合そっち趣味の男という事すらありうる。
というかこのままでは獣人状態のまま襲われて童貞を奪われてしまう。マニアックな初体験にもほどがある。
だがガルーは問答無用でリーフのパンツまで引き裂いてしまった。
もはやこれまでか!?リーフの童貞はこんな形で失われてしまうのか!?

 

???「がるっ…………・ふう…」
だが…ガルーがリーフのとある一点…彼のコンプレックスたるまるで赤ちゃんみたいなポークピッツを目にして…
そして正直かつ露骨にため息が漏れた。とても残念そうに……
テンションは猛烈に下がったらしく、吹っ飛んでた理性も戻ってきたらしい。
そのガルーは化身を解き…

 

ベロア「…すみません…ごめーわくをかけました…」
リーフ「あ、うん……それはまあいいけど…」
ベロア「そして…ありがとうございます葉っぱさん…このままじゃ私…とんでもないことをするとこでした…葉っぱさんの残ね…もとい、か、可愛らしいもののおかげでそういう気が失せて理性が戻ってきました・・
     本当に本当にありがとう…」

 

何度も頭を下げながら申し訳なさそうに去っていくベロアに、いいってことよ。と、気さくなスマイルでリーフは応じ…彼女が去った後……
僕はナンナたちのぺたんこにがっかりした顔するたび、三人にこんな切ない気持ちを持たせていたのだろうかと自問するのだった。
あとちょっと涙が出た。

 

ベロア「…もーしばらく…我慢…です。もっと頑丈な鎖で何重かに止めておいてください…」
フランネル「…つがいの相手がいればいいんだけどな…」