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Last-modified: 2017-05-04 (木) 21:43:09

マルスは頭を抱え苦悩していた、原因は目の前にある6つの小さな物体……指輪によるものだ。
 どれも高級感が漂い、それでいて派手すぎてセンスが悪い訳ではない、一目見てもかなり高価なものと分かる一品だ。
 それらを眺めているとどうしてこうなったと改めて頭を抱える。

 

 切っ掛けはほんの出来心だった、偶々次姉エリンシアが兄エフラムと姉エイリークの嫁婿達に彼らの写真を配布していたのを見掛けた為だ。
 彼ら双子の兄姉は町内に置いても非常に有名であり、また人気も高い、これに他の三傑であるアイクとカムイが加わればどうなるか……
 この瞬間天啓が降りた……今思うと悪魔の囁きであったのではないかと思うが。
 家族を売り物にすることに思うところがなかった訳ではない。
 だが、あの4人の人気がどれだけ通用するかとの興味と間違いなく売れるという商売人の勘がそれを凌駕した。
 思い立つとすぐに実行した、姉達のアルバムやメモリーカードを拝借しめぼしい写真を加工、ブロマイドやポスターに仕上げて行った。
 それらをネットオークション等で販売していくと、効果はすぐに出た。
 次々と高価で落札されていき、マルスの手元には相当のGが集まっていた。
 次の株を買う資金にしようか、或いはシーダに少し豪華なプレゼントとデートをしようか、大金を前にホクホク顔で使い道を考えていたときだった、エリンシアが、部屋に飛び込んで来たのは……

 

 何故だろう、販売に際しては細心の注意を払った、販売ルートも選別し姉達の目につかないよう気を配った、なのに何故だろう……
 姉の怒りは正当だ、私利私欲の為、大事な家族を了承も取らず売り物にした、姉だって嫁婿達から金銭を受けとる事など良しとせず、愛する人の写真を無料で配布していたのだから。

 

「ぶっ飛ばしてさしあげますわ」

 

 姉の決め台詞と共に飛んでくる拳に覚悟をして目を閉じた、そんな時……

 

「落ち着いて、義姉様」

 

 突然響いた声、これにより姉も一旦拳を納めた、声の主は兄嫁の一人である少女、サラ。
 一旦は助かったと思った、だがこの直後、その思いはぶち壊される。

 

「マルスはね、このお金で指輪を買おうとしてるの、シーダ義姉様や、他の娘達の為に。
 そして、星君主として、彼女達を幸せにするために、だからね……」

 

 勿論そんなことはない、自分が愛しているのはシーダ1人だ……もう1人、スーにも揺れているが……
 だがこの言葉で姉は矛を納め、自身に彼女達を幸せにしてやりなさいと声をかけ出て行った。
 後に残るは自身とサラ、彼女になんと言うべきか、助けられた感謝か、或いは勝手なことを言った咎めか……
 そうすると彼女は振り向き、悪戯っぽく、それでいて妖艶に微笑んだ。
 その時悟った、完璧だった筈のルート隠蔽、それを掴み、姉にリークしたのが誰か……問い質そうとした矢先に現れた次の人物、姉の一人であるカムイ。
 これも彼女の仕込みか……聞きたかったが部屋から出る彼女をカムイが遮るように指輪の見積もりを見せてくる。
 そんな彼女を押し退ける事が出来ず、あれよあれよという間に6つの指輪を買わされる羽目となった。これで売上はパーである。
 そして今に至る、目の前にある6つの指輪……内1つ、一際高価な本命のシーダ用の指輪は渡すことに躊躇いはない、だが残り5つ……他の少女に対してはどうすれば良いか……
 内4人は向こうからのアピールもあり、彼が好意を示せばあっさり成立するだろう。
 だが残り1人、スーだけは未だ末弟ロイにその目を向けており、自分はただの知りあいにしか思って居ないだろう。
 因みに彼女はリーフにルパンダイブされる度にマルスに助け出され、流石に疑問をぶつけるのだが、彼の答えは常に助けるのは当然とヘタレな回答しかしないこともある。
 自分は他の兄姉と違い複数の相手を愛する器などない、エフラムが全てを照らす太陽と例えられるなら自分は星だ、その僅かな光で、1人を照らすのが限界だ。
 いっその事売ってしまうか……だがそれを再びあの暗黒幼女に悟られてしまったら……
 エリンシアに殴られる位ならまだ良い、だが仮にリンに知られたら、家族を売り物にし責任も果たせない男と嫌われてしまったら……
 それから、1人悶々と悩み、結局指輪は保管して答えを先伸ばしにすることにした。
 そして、2度とこんな軽率な事はしないと誓うのだった。

 

シーダ 大本命、超愛してる、言わずもがな

 

スー 好みど真ん中、いけないと知りつつ揺らいでいる、が、しかし向こうは特にこっちをなんとも思ってない片思い

 

マリア そもそも子供だしロリコンの気が無い&マリアもちょっと好みがいるとあっちこっちにフラフラしてて本気になったことがない、
     自分に対しても本気じゃない事を察している、巨乳にちょっとだけ魅力感じたのは内緒だがそれはそれこれはこれ

 

マリーシア 子供に見えて本人いわく子供じゃないと言い張ってるがそれはさておき特に愛してはいない
        マリーシアもマークスあたりと半ばに通った意味で「王子様」に憧れているのであり「マルス」を愛してはいない、しかし口説けば確実に落ちる事はわかる
        そこもマリアといっしょか

 

リンダ まあうんスタイルはいい、マリク爆発しろ、しかし…片思いを諦めたのはわかる
    わかるけどならなぜに彼女のいる僕なのさ!?…とか頭抱えて懊悩してそう
    リンダも切っ掛けがよくわからんがなんでまた彼女のいる人なのよ?と懊悩してそう

 

カチュア ぺたんこに興味皆無……はともかく…他の四人の中でもっとも深くマルスを愛していることがわかるだけにマルスもそれを察するだけに一番悩ましい相手
       とにもかくにもシーダの存在が大きくってそういう相手として見た事はなさそうなあたりは方一方のみの支援に出ている