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Last-modified: 2017-05-06 (土) 00:18:24

リンダは苦悩していた。
彼女のいる男を好きになって長年片思いしてたがやっぱダメで、
諦めがついたと思ったら別の男に心が動いたがこいつにも彼女がいた。
ちと軽くリンダの恋愛遍歴見てみよう。
彼女の親父のミロアさんがガーネフと揉めて喧嘩した。
娘にやたらめったらセクシーな衣装プレゼントするアレな親父だがそこはともかく。
そういうわけなんで巻き添え避けようとガーネフの手から逃げるために男装したら奴隷商に捕まるというシャレにならない事態に陥った。
さあどおすべえと汚ねえ牢の中で困ってたらカシムやらリカードやら小悪党にツテのあるマルスが事情知って助けてくれたんが彼との初対面である。
あらま、なかなかいいじゃない…とは思ったがその後はなんもなく、
魔法仲間のマリクに心を寄せて長い事頑張ったがこれが上手くいかず。
ようやっと諦めついたら昔のちょびっとしたときめき思い出して、それなら…的になったみたいなそんな流れである。
しかしながらマルスにはすでに恋人がいる。ああもうどうして自分は毎回片思いなんだろうとリンダは頭を抱えた。
だが…そこで思った……

 

恋人はダメでも小姓…寵童ならよくね?

 

何を思ってるかよくわからんと思うので解説しよう。
リンダはよくカダイン図書館行って本読んで魔法の勉強するのだが、
図書館には魔導書のみならず膨大な蔵書があり、それらもいろいろ読んでみたりする。
その中に白夜に関する書籍があり…書いてあったのだ。

 

白夜の君主たち…大名たちは嫁の他にしばしば可愛い少年を小姓として身近に置き愛でたと―――

 

これだっ!…と体中に電撃が走ったような衝撃だった。
これならシーダ様とマルス様の唯一の女の立場は被らない。唯一の男なのだから無問題!

 

…長年片思いしすぎて彼女はちょっと必死というか余裕が無いというか拗らせていた…それはそうと。
自分の男装力はガーネフもドルーアも奴隷商人も誤魔化しぬいた珠玉の技。
自分から正体明かすまではマルスもわからんかった。
いけるいける。星君主の寵童枠いける。マルス様も可愛い少年愛でたいに違いない。
ならその思いこの私がかなえよう。

 

…んなわきゃないなんて事、一度思い込むとまったく気が付かない。

 

その日からリンダはブレザーにスラックスの男子生徒の制服で学校通うようになった。
ポニテは解いて降ろした。長髪少年だが髪型はその時々でいろいろやろう。試していればマルス様の髪型の好みも見えるかもしれない。
マルスとお揃いなのが嬉しい。あ、マルス様がこっち見てる。
見かけない奴だね。転校生かな。みたいな顔してる。
やっぱ気になる?気になっちゃうよね?自分で言うのもなんだけどかなりの美少年に仕上げましたし?
これは…脈あり!よっしゃ!
リンダは心の中でガッツポーズをとった。

 

こうして彼女はマルスのハーレム(建設予定?当人の意思は置いておいて)の中で男の娘(?)の立ち位置得るべく鋭意努力を始めたのでした。

 

予断だがエポさんとティニーが執筆したマルマリ本やマルナバ本などをたまたま見ちまったのもこの決断を後押ししたのかも知れない。

 
 

男装リンダいいよね。