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Last-modified: 2017-05-09 (火) 10:12:04

5:00 起床

 

アルムの朝は早い。まだ日も登らない内からベッドを出る。
村の中で一番目立たないところにある目立たない木造の家。
作業着に着替えるとまずは牛舎に。牛の乳を搾ってやらないといけない。
それに餌やりと牛のフンを片して後で肥料にする。なかなか大仕事だ。

 

7:00 朝飯

 

ジャンヌ「おはようございます。アルム君。今朝はパンとスープ、そしてサラダですよ」
アルム「おはようジャンヌ。ありがとう、いい香りがするね」
ジャンヌ「ふふ、石臼で小麦を引くところから始めるようになったのってここに来てからですよ。
     田舎暮らしっていろんな経験と発見があって新鮮です」
アルム「店も何もないからねえ。自分で作ったものを自分で1から10までやるんだ。大変だけど楽しいんだ…
     って、大変な仕事させちゃってごめんね」
食卓に着く前に着替えて風呂をすませてくる。牛舎でいろいろ仕事した後だから匂いがハードだ。
ちなみに彼女は村長の嫁を称しているが嫁ではない。
彼にはセリカがいる。さりとて突き放せないあたりがアルムの優柔不断で押しの弱いとこである。
…まあ女の子に好いてもらえるのは悪い気はしないのも本音だが。
かつてこのスレで持っていた絵板に登校されたジャンヌの絵はえらい可愛かった。
保存している人は見なおしてみるのオススメ。

 

9:00 畑

 

午前中は畑仕事だ。実家暮らししていたころと一緒。
墾田永年私財法に基づき、誰も所有してない未開の僻地に入植し開拓したらその土地はその人の物。
すでに結構な土地を耕して畑にした。それらの畑の面倒を見、雑草を狩り、早いスパンで収穫できる作物を収穫し、
次に撒くたねを考え…まあいろいろ。
ラルフ「おお村長、精が出るね」
アルム「やあこんにちはラルフさん」
トーマス「柵は大丈夫?最近猪出るらしいから狩ってくるんだけど」
アルム「実はけっこういろいろ齧られちゃってね。頼むよ」
畑のそばを通る影薄くネタにならぬ村民たちが声をかけてくる。
ネタにならぬごく普通の人々であり、会話も当然ごく普通のなんらもネタにならない当たりさわりない会話だ。

 

12:00

 

広大な畑の世話も一段落。一人じゃ骨が折れる作業だった。
野っぱらに腰降ろしてジャンヌが持たせてくれたお弁当を広げる。
収穫したばかりのトマトを使ったサンドイッチ、レオンが羨ましがりそうな一品。
それに鶏しめて焼いたチキン、重労働の後だけに身体に血肉が染みる。
それから同じく今朝鶏が産んだ新鮮卵、さらに野菜の漬物やら付け合わせやら。
…何気に騎士の家の出の彼女がそれこそ農家暮らしで鶏の首しめるところまでやってくれてるのだからありがたい。

 

12:30

 

ゆっくりメシ食ったあと野っぱらに転がって寝る。
朝からがっつり厳しい肉体労働してるんだから休む。

 

14:00

 

起きたら新しい開拓地開くべく森に入る。うっそうと茂った森に。
葉っぱをかきわけて入る。リーフではない。
そして仲間たちとどこをどうするか相談したり樹を切ったり。
切った樹は木材にする。開いた土地は誰が耕して自分の土地にするか相談する。

 

17:00

 

日が落ちてきたら外の仕事はおしまい。
帰り道に地主の館に寄る。
この辺の地主はクレーベなので村長として村人と領主の間に入っていろんな相談をしたりもする。
領主や貴族的にも耕作地が増えれば税収があがるし、影薄が移民してくればその意味でもありがたいので彼は快くアルムに開拓を許してくれた。
…もっともできた村が森におおわれるとは思っていなかったようだが。
グレイ「…あれ、アルム?クレーベ兄貴に用事か?」
ロビン「義兄さんなら部屋にいるよ」
アルム「うん、ちょっといろいろ相談があってね。ありがとう二人とも」
……ここで友達の二人と行き会った。ああ、都会に出てるクレアが帰省してきてるんだろうなあ。
3人で逢瀬してイチャイチャして夜はお楽しみなんだろう。容易に想像がついた。
ちなみにそれとなく…クレアはそれとなくのつもりなんだろうが実はかなり露骨に自分も誘われていたりする。
するのだが踏み込む勇気は無いので流していた。女公の3番目の婿とかアルムにはけっこう想像のつかない世界だ。
…これまた好意を寄せられるのはそら悪い気もしないがセリカやジャンヌの顔が浮かぶので…

 

18:00

 

寄り道して村の教会による。セリカの影響もあるがそれを別にしてもアルムは意外と信心深い。
天気とか人間にどうしようもないものに左右される農家のゆえか。
ミラ様に豊穣をお願いしたり、豊作ならありがとうとお礼したりだ。
教会のシスターシルクは顔見知り。お祈りの時は一緒に祈ってくれるし、悩みの相談とかにも乗ってくれる。
目立たなさ、空気っぷり、濃い奴ばかりの兄妹の中で自分が本当に主人公兄弟名乗っていいのだろうかと本気で悩んだ時は、
慈愛に満ちたシスターの笑顔で撫でて癒してくれた。母を知らぬアルムにとっても慈しみを感じた一時だった。

 

18:30

 

家に戻って晩飯である。
これまた村長の嫁(自称)がこさえてくれた。
いや、頻繁に泊まりになっちゃってるしたまに家に帰って兄トリスタンや父イーヴと過ごしても…
と勧めてみるのだけど「たまにならいいですけど、アルム君と一緒にいる時間が大事です」となる。
自分自身も週に1、2度は帰って一泊くらいはするようにしてる。
その他にセリカと会う時間も作っている。

 

19:00

 

ミカヤやセリカや兄弟の面々に電話して話をする。誰に電話するかはそん時々なのだがセリカが多い。
なおアルムの村は電波が届かないので電話線引っ張ってきての昔ながらの置き電である。
たまに獣に齧られて断線するが。

 

20:00

 

寝る前に風呂に入る。
お背中流しましょうか?…というジャンヌの言葉を渾身の理性で耐えて留める。

 

20:30

 

寝る。農家の朝は早いのだから。
最近はエコーズプレイするために少し夜更かししたりもするが。
私たちもそろそろ…みたいな感じで部屋を訪ねてくるジャンヌをなんとかなだめすかして寝室は別に…あれ…これ…
もしかして僕もヘタレなんだろうか…とか頭を抱える。あとちょっと悶々する。でも寝る。
地味に押しが強くて地味に肉食系の彼女の前に童貞を風前の灯にされつつなんだかんだで結構粘っている…気がする。

 

終わり