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Last-modified: 2017-05-21 (日) 21:37:43

アルム「うーん………」
マルス「どうしたのさ、そんな悩んだ声を出して」
アルム「あ、マルス兄さん、いや、これなんだけどね」
マルス「え、これ、パルティアじゃないか、どうしたの、借りて来たのかい?」
アルム「いや、それが……」
ロイ「あれ、パルティアだったら今日はライアンが持ってたけど?
   訓練の成果として使えるようになったことヒノカ先生に見せて褒められてたよ」
マルス「成程、だから今日は大陸一(笑)とゴードンが崩れ落ちてたのか。
    それはともかく、じゃあ何でそれをアルムが持ってるの?」
アルム「いや、実はさ……」

 

マルス「えーと、今まで畑の魔物退治で愛用してた聖なる弓がガタが来はじめてて」
ロイ「馴染みの鍛冶屋で修理頼んだら流石に限界に来てるから改修を提案されて」
アルム「せっかくだから頼んだらこうなったんだ。
    流石に金貨5枚もするから高いなと思ってたんだけどね」
マルス「その鍛冶屋って何者なのさ」
アルム「僕もそこまでは、わかるのは腕がよくて気のいいおばちゃんってくらいだよ」
マルス「まさかアカネイア地区三種の神器がこんなあっさり作られるなんて」
アルム「でも聖なる弓自体かなりの貴重品だから他は早々増えないと思う………んだけど………」
マルス「まだなにかあるの?」
アルム「実は……」つグラディウス、メリクルソード
ロイ「わぁ!」
マルス「成程、パルティアが出来たからそっちもあるんだね」
アルム「つい他にもできるのか興味が出ちゃって……」
マルス「アルム……だからって神器をそんな簡単に……」
アルム「ご、ごめん(でもグラディウスだけはバレンシア地区で1本見付かってるんだよね、今はジークさんが使ってるけど)」
マルス「まぁ出来ちゃった物は仕方ないけど、これどうするの?」
アルム「グラディウスはアクア義姉さんにあげようと思ってるんだ。
    兄さん達が神器使ってて1人だけって話があったし」
ロイ「あれ?それだと武器レベルは?」
アルム「バレンシア地区の武器はレベル関係なく使えるんだ」
ロイ「そうなんだ、いいなぁ」
アルム「メリクルは……ジャンヌにあげようかな?」
マルス「セリカじゃないの?」
アルム「セリカはさ……あれ」

 

セリカ「ふふふ……遂に来たわ、私の専用武器!
    このみなぎる力!受けなさい、真・ライナロック!!」つソフィアの宝剣
コノヒトデナシー!!

 

マルス「成程ね」
アルム「取りあえずこれ渡して来るよ」
マルス「行ってらっしゃい」
ロイ「何と言うか凄いよね」
マルス「正直、あれらに改修した鍛冶屋が気になるね。
    で、其処で黒焦で、鼻血の海に沈んでるのは何なのさ?」
リーフ「少し位心配してもいいじゃないかコノヒトデナシー…
    神器なら僕にくれても良いのに……それにマルス兄さんが出来ちゃったとか言うからブバァァァァア!!」
マルス「相変わらず変な方向に想像力豊かだね」

 

アルム「バレンシア地区の鍛冶屋のお姉さんが鍛えた弓は本当に使いやすいなあ」

 

ビシュ……スパァン!

 

ウォルト「凄い……すぐ近くの相手にも狙いを定められる程取り回しが良く、それでいて超射程じゃんか。」

 

アルム「うん、それも凄いんだけど何より尋常じゃなく頑丈なんだよ。それこそ無限に撃てるような……」

 

ババババババシュ……

 

ウォルト「バレンシア地区の鍛冶技術は凄まじいんだね。ところでさっきから良い人そうなお兄さんがこっちをずっと見てるけど……」

 
 
 
 

???「あの弓さえ有れば敵に囲まれても助けてエイリーク!と叫ばなくて済む…金貨100枚かかろうが、必ず手に入れるぞ!!!」

 

ゼロ「頑丈さなら白夜と暗夜の弓も負けちゃいねぇが…あの射程は真似できねぇな、うっとりする長さだぜ」
セツナ「わー…すごい使いやすい…ちょっと雑な狙い目でもよく当たる…」

 

シノン「バレンシアの弓は確かに特級品だ、だが其ばかりに頼ると元来の力が衰えてしまうな」
レオナルド「確かに、替えの弓で挑むと疎かにしてしまいそうだ」

 

マルス「そう言えばさ」
アルム「何?」
マルス「確か改修費用だけど、一つに金貨5枚って言ってたよね」
アルム「うん」
リーフ「そう言えばあまり聞かないよね、Gに直すといくら分?」
アルム「ああ、金貨1枚は銀貨(1G相当)が500枚と同等なんだ、だから……」
マルス「つまり金貨5枚で一回の改修費用が2500G、そして……」
リーフ「それが3回分で7500G!よくそれだけお金持ってたね」
アルム「ああ、それね、畑の草刈りや、掃除してたら貯まっちゃって」ニガワライ
リーフ「草刈りでたまる?どういう事?」
アルム「それは……」
セリカ「アルムー!そろそろ始めましょう!」
アルム「ちょうどいいや、ちょっと見に来て」

 

 

マルス「2人とも、これから草刈りするんだよね?」
アルム「そうだよ」
リーフ「ならなんで当たり前のように剣を構えてるのさ!」
セリカ「これを使うからよ、黙って見てなさい」

 

 直後、あまりな光景が目に飛び込んできた。2人は剣を振るい、周囲の草を刈って行ったのだ。
 あまりにも乱暴過ぎるだろうと思ったが草は表面上の物が綺麗に無くなっていた。だが根は残っているため、いずれ生えて来るだろう、だが驚いたのはそれだけではない。

 

チャリーン!

 

アルム「あ、出てきた」
セリカ「これで5枚目ね」

 

 彼らが草を刈ると時々銀貨が飛び出すのである。外ならともかく自宅敷地内で得たものなのでそれを手中に納めていく。そして粗方草が刈れた頃……

 

アルム「さて、次はこっちかな?」
セリカ「今日も沢山あるわね」

 

 庭の隅を見ると沢山の壺や樽、そして木箱、不法投棄か悪質な悪戯と思うも2人はためらいなく近づき。

 

アルム「ふっ!はっ!せやぁ!」バキッ!バキャッ!
セリカ「てぃ!やぁ!せぇい!」パリーンガシャーン

 

 武器を振るいそれらを破壊し始める、どんな力なのかそれらはかなり粉々になっていくため破片の掃除は容易いだろう、そして……

 

チャリーン

 

アルム「あ、銀貨袋だ」
セリカ「やったわね、こっちも、ラムの葡萄酒見つけたわ」
アルム「あ、凄い」
セリカ「アルム、これ貰えないかしら?ミラ様のお供えにしたいの」
アルム「うーん、でもお酒は高く売れるんだけどなぁ」
セリカ「でもリーフのやらかした事を考えると少しでも良いのお供えしなきゃ」
アルム「そう言えばそうだったね、解ったよ、それはセリカにあげる」
セリカ「ありがとうアルム、大好きよ」
アルム「僕もだよ」

 

イチャイチャキャッキャ

 

リーフ「また始まった……」
マルス「ま、すぐシグルド兄さんが反応するでしょ、って言ってたら早速」

 

ドスッ!(2人の間にティルフィングが刺さる)
アルム、セリカ「「チッ!」」

 

 舌打ちしながらも残りの破壊……もとい、掃除を続けていく。

 

マルス「まさかこんな方法でお金を稼いでたなんてね……」
リーフ「でも、剣で草を刈ったり物を壊してお金やアイテムを集めるって。
    元々言われてた痣と勇者から、益々別の町の勇者見たいに………」
マルス「マーベラスコンビネーション!!」
リーフ「コノヒトデナシー!!!」

 

その後掃除の結果、収穫はもう1つの銀貨袋、干し肉とタテウオの干物だった。

 

セリカ「嬉しい、タテウオは大好きなの」
アルム「僕も干し肉は大好きなんだ、干物はセリカにあげるよ」
セリカ「ありがとう、アルム」
マルス(食べ物持ってってどうするの?まさか食べるの!?
    何だか2人とも、リーフ並みに逞しくなってない!?)

 

ヒーニアス「バレンシア製の弓は、土地の者以外が使うと、恐ろしい呪いにかかるらしい。
      ヴァネッサがこの情報を入手してくれなければ、危ないところだった……」
ターナ(隣接した敵を攻撃できるようになったらタスケテヴァネッサが聞けなくなるから、じゃないわよね、きっと)