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Last-modified: 2017-05-27 (土) 21:34:39

ノーヴァ島修道院。書庫。セリカは膨大な経典や書籍を広げて調べ物をしていた。
入信して修行もそれなりに重ねれば、入信当初の煩悩断ちの如き厳しさは免除されるというシルクの言葉。
あの時はいろいろショッキングでよく考える余裕も無かったが…よくよく考えたら幼い頃からミラの聖職者として10年以上。
経典やら教義やら暗記するほど何万回も読み込んでいる自分がそれを知らないというのもおかしい。
当然の如く調べ直すべきだろう。

 

セリカ「むむむ…」
ノーマ「なんじゃ調べものか?この書庫の書は全部丸暗記したんじゃろうに」
明りに気が付いたのかノーマ様が扉を潜った。
セリカ「…少し気になる事がありまして…」
ノーマ「ふむふむ、言うてみなさい」

 

……ぶっちゃけ愛欲とかそうゆうこと解禁されるんすかどうなんすか?
…なんてこっぱずかしくて聞くには抵抗があった。ましてセリカはそういう事に厳しい子。
こないだみんなにフニャフニャにされてもうたが一線超えたわけではなく。
…閑話休題。と、いっても…ミラの知識はなんでもかんでも頭に入れないと気がすまない。なので恥を忍んで聞いてみた。
セリカ「まるまるうまうま」
ノーマ「かくかくしかじか…その事なら経典の13章5節を開いてみなさい」
セリカ「え?13章は4節までのはずです。色欲に溺れるのいけません!というミラ様の尊い教えが記された章です」
ノーマ「それには続きがあってのう。妙じゃな。お主が知らんはずはないのじゃが」
とまれ指定されたページを開けてみようとして……
ノーマ「ありゃ、落丁じゃのう。ページが無い」
セリカ「………え……ええ?」
ノーマ「いやすまんすまん。この経典で十年以上やってきたがどーもページ足らんの使っておったようじゃ。気付かんかったわい。
     今度ミラ神殿に連絡してきちんとしたの取り寄せとかんと…」
セリカ「私…ずっとずっとミラ教はそっち方面絶対厳禁だって思ってたんですけど!?」
ノーマ「厳禁したら人間や生き物増えないじゃろ。ミラ様の望む生き物が戯れ遊ぶ楽園にならんぞ」
セリカ「でも!でも!そんな不潔な!」
ノーマ「まあその、年若くって厳し…もとい真面目なお主のそういうとこもわかるがの。人間いろいろじゃし。
     ともあれミラ教の聖職者は修行が一段落したら結婚したり子供を持ってもかまわんのじゃ。ほんとほんと。
     …というかFEの宗教で聖職者の結婚とか行為とか禁じてる宗教って一個もないぞよ」
セリカ「……その違いは他所が邪教でミラ教が真の教えだからってばっかり信じてた……まさかまさかOKだったなんて…」
ノーマ「……悩みはあろうが…アルム君と仲良くの?」
セリカ「…はい、ノーマ様………」

 
 

おしまい