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Last-modified: 2017-04-27 (木) 13:14:22

アルムの隠れ里にある女公のお屋敷。
主にAKJの濃ゆい面々によって精神をガリガリ削られたり、どこぞの兄弟家にクラスを追い越されたりで疲弊したクレアは、恋人たちとの逢瀬で傷を癒そうと今月何度めとも知れぬ帰省をしていた。
しかしながら、タイミング悪くグレイもロビンも仕事で外出。
わたくしをほったらかしてと憤慨しないでもないが、さりとてクレアも自分のために生活を犠牲にさせるほど横暴でもないため、仕方なく自室でくつろいでいた。
「えへへ〜、クレア分ほきゅー!」
「もう、なんですのそれは」
そんなクレアの膝の上でじゃれているのは、魔道士の少女デューテ。
恋人の白いのや兄や兄嫁を差し置いてリメイクで支援を組んだ相手であり、兄トークを通じて仲良くなったクレアの友人である。
「だって〜、クレア都会に行っちゃってあんまり会えなくなっちゃったんだもん」
「もう、しょうがないですわね。これでは読書ができませんわ」
そんなことを言いながらも、クレアの方も満更ではない様子。
向こうでの同性の友人が危険集団AKJの面々やら、いつかは越えたい尊敬する女帝の先輩たちであるため、何だかんだ気の許せる相手である彼女との交流は、クレアにとって貴重な一時の清涼剤なのである。
じゃれるデューテを撫でながら、クレアはふと考える。
先日唐突に自分より上のランクについたエイリーク。
彼女は同性の恋人を新たに得たことでクラスチェンジ条件を満たした、ならばこのデューテをわたくしの虜にしてみては·····。
と、途中まで考えて、その考えを振り払う。
まだまだ未熟者のクレアだが、己のために友人を利用するほどダメではないのだ。
そんなことを考えていると、いつのまにかデューテが静かになっていることに気づく。
彼女の目線の先には、読書のお供にと用意したスイートクッキー。
よく見ればベタによだれも垂らしている。
クレアは手を伸ばしてクッキーを1つつまむんで、試しにデューテの前に持っていった。
ぱくり。
「えへへ〜、おいひぃ!」(にぱー)
(はぅあ!?)
そのあんまりにも無邪気なぴかぴか笑顔に、クレアは一撃ノックアウト。
さっきの決意もどこかにすっとんで、急激にムラムラし始める。
(なんですのその愛らしすぎる笑顔は誘っているのですか誘っているのですわね!!?)
嬉しそうにもぐもぐしているデューテのちっちゃな背中に、クレアの邪な何かを纏った文字通り魔の手が迫る。
ドアバターン!!
「やぁクレア、いつ戻ったんだい!?」ゼーハー
「水くさいぜ連絡してくれれば迎えにいったのに!」ゼーハー
「あ、ロビンにグレイ。いらっしゃ〜い」
こうして少女は救われたのであった。

 

その夜、クレアはベッドの上で悶々としていた。
確実にロリの範疇である友人に欲情してしまったことを猛省してである。
(わたくしとしたことが、大切な友達であるデューテに劣情を催すなんて····)
(でも、あの時のデューテは、なんと言うか、あの汚れ無き笑顔を快楽でとろけさせたくなるというか)
(ていったそばから何考えているんですのわたくしわーーーーーーー!)
自己嫌悪と邪な空想をループさせながら、クレアの夜はふけていくのであった。
ちなみに知らず知らずに1人の少女を救った男二人は、クレアにより塩対応の刑に処されたのであった。
合掌。

 

カムイ(その欲情が愛情に昇華された時、前に進めるんだよ、クレア……)
エイリーク「カムイ? どうかしたんですか?」
カムイ「おっと、ごめんごめん、ちょっと考えごと。
    レクチャーの続きね。
    あたしのところで言えばフローラみたいに、女の子同士では楽しむけど、お婿さんとには混じらない、って娘もいるの。
    多分だけど、ターナさんはこのタイプかな?
    その辺りについては、相手の様子をよく見て、無理させないように……。
    って、お姉ちゃんが相手の嫌がることするはずないか」
エイリーク「そうですね。こうして一緒になった以上、全員を幸せにすることが、私の務めですから」
カムイ「…………危うく惚れるところだったよ今。
    ちょっとその表情と台詞と声とオーラ反則。
    さすが、エフラムお兄ちゃんの双子……」