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Last-modified: 2017-04-30 (日) 09:00:00

ガロン「最近エンブラ家の娘のところによく出向いてるらしいな。結構結構、よしさっそく見合いのセッティングを…」
マークス「…?…いえ、彼女は単に私の教え子ですので。出向くのは遅れてる勉強を教えるのと、引きこもりをなんとかできないかと。
      そもそも子供ではないですか。見合いがどうとか無いでしょう」
ガロン「ええいどうしてあれだからだめこれだからだめとダメな理由ばかり探すか!だいたい貴様は相手をどうこう選べる立場か!喪愚息め!」
マークス「そ…そう申されましても…」
ガロン「がっかりじゃ!ああがっかりじゃ!親不孝者め!もう知らん!」

 

レオン「まぁまぁ父上、落ち着いてよ、兄さんだって事情が……」
ガロン「黙れ喪愚息2号」
レオン「なっ!!」
ガロン「全く……いい加減見限ろうと思ったが気が変わった、二人ともそこに座れ」
マークス「む……」
レオン「はぁ……」
ガロン「全く、貴様らはいつまでも相手も見つけずフラフラフラフラと、解っておるのか?
    この白暗夜家に置いて未だ喪なのは直臣含めもはや貴様らだけなのだぞ」
マークス「ムムム……」
レオン「まさか、あのラズワルドがピエリとくっつくなんて……」
ガロン「それに引き換え義息のアイクやエフラムの頼もしい事よ、未だ旺盛で嫁も着実に増えておるではないか」
マークス「ま、まさかアクアまで彼の元に行くとは……」
レオン「だけどさ、あの桁外れとは比べないでよ」
ガロン「黙れ!偉そうに意見したいならいい加減孫の顔を見せよ、せめて彼女を作れ!」
レオン「ぐぅ……!」

 

ガロン「ふぅ、少し話題を変えるとするか、貴様ら、何故自分達に彼女が出来ないか解らぬか?」
マークス「運命の出会いがないからです」
レオン「べ、別に、僕はそんなもの……」
ガロン「そこじゃ」
マークス、レオン「「?」」
ガロン「マークスは運命的な出会いをする相手でなければ結婚したくないと言う。
    それは『運命的な出会い』という自分の物語を引き立たせる道具としてしか女性を見ていない事になる」
マークス「な、何ですって!?」
ガロン「そしてレオン、お前はそんなものと言ったな。
    それを言い換えると恋愛に現を抜かすもの等劣るものだと言う事だ、それは男女問わずな」
レオン「僕はそんなつもりじゃ……」
ガロン「つまりお前達は女性に対し酷い見下しをしているのだ。
    そんな相手に好意を持つ女性等いまい」
レオン「……………」
マークス「そ、そんな……」
ガロン「まぁ儂も極端な言い方をしたのは解る。
    だがな、やはり女性も尊重し、共に支えられるような者でなくばモテることはないのじゃ。
    先程話した義息子達じゃがな、彼女達を守るために武の訓練に精を出し、仕事も怠らず。
    さらに本来武人肌でありながら彼女達の為ならと学も懸命に行い夜や休日は欠かすこと無く彼女達を愛しておるそうじゃ」
レオン「何そのハードスケジュール、二人とも体力大丈夫なの?」
ガロン「愛する物の為ならと言うことじゃろう。
    2人は極端な例とはいえ愛する者を思うからこそ彼らは苦難に身を投じる事が出来る、故に2人はモテるのじゃ」
マークス「……………」
レオン「……………」
ガロン「夢を見るのも孤高を気取るのも良い、だが己の嗜好に酔い相手の事を見る努力を捨ててしまうような者に靡く女性はいまい、その辺り、もう少し考えて見よ」
レオン「はぁい」
マークス「わかりました」

 

ヒノカ「周りがこうもお熱いとな…白暗喪組も我らのみでは肩身も狭いというものだ」
レオン「は?何言ってんの?」
マークス「君はもう卒業済ではないかね。サクラ君みたいに」
ヒノカ「……………は?」
レオン「エフラムの女版みたいなショタハーレムじゃん。結婚したんでしょ?あの12人と」
マークス「教師的に教え子相手というのはどうかと思うが…愛あるならばそれも仕方ないのだろうかな」
ヒノカ「ま、まてまてまて!?しとらん!結婚なんぞしとらん!何か勘違いしてるぞ!」

 

ヒノカ「しょたこんではないっ!!!」

 
 

マークス「…とまぁ、このように父上から言われてな」
クロム「そ、そうか…しかしマークス、それを俺にどうして話そうと?」
マークス「こう言ってはあれだが…私は君とルフレの間柄に少し理想を見ていてな、あれこそ私の思う運命の相手云々という形で」
クロム「そうは言っても出会いは本当に何気無かったものだったんだけどな…ぶっちゃけ行き倒れを保護したのと変わらん」
マークス「ほう?」
クロム「それに俺はやはりこういう事は積み重ねが生む絆が大事なんだと思っている…最初はなんてことの無い出会いだったとしても、そこからどうやって繋がりを作り、それを固く強くしていくかが重要なんだとな。運命の相手だ何だとは後から何とでも言える」
マークス「積み重ねが生む絆か…なるほど」
クロム「まぁその絆が中々形に出来ない俺が何を言うやらなんだけどな、ははは…」
マークス「いや、参考になった。礼を言おうクロム」