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Last-modified: 2017-06-19 (月) 22:24:41

リョウマ「ここで歩なり」
エフラム「ではこちらの桂馬で金を取ります」
リョウマ「見事、だが……ここで桂馬を張る、王手飛車取り」
エフラム「しまった!これは……」
リョウマ「迂闊だったな、こちらの持ち手を見逃したか」
エフラム「その様です、俺もまだまだ未熟……
     ですが……まだ諦めません、王を逃がす」
リョウマ「その意気や良し、お主の底力、見せて貰うぞ、桂馬で飛車を取る、そして桂馬が成る」

 

リン「………ああ………真剣な表情で向かい合うエフラム兄さんとリョウマさん、素敵……」
レオン「おい、お前!」
リン「何でしょうか、レオンお坊っちゃま?人をお前呼ばわりなんて、失礼ですよ?」
レオン「うるさい、主家を敬わないメイドなんてお前で十分だよ。
    それはともかく、そんなに見てて、暇そうだしボードゲームに気になるなら僕のチェスの相手をしろよ」
リン「は?何故いきなり?」
レオン「いいだろ、いつも僕を振り回してるんだからこんなとき位付き合えよ」
リン「はぁ……全く、わかりましたよ」
レオン「はじめからそういえば良いんだよ、早く来いよ………リン(小声)
    (くっ!なんだよ!あいつがエフラム達のを見てたら妙にイライラする!)」
リン(相変わらずよね、我儘で、ひねくれもので。
    ………でも、人一倍寂しがり屋で、本当、昔のマルスを思い出すわ)

 

リョウマ「リンもレオンも、上手くいけているようだな」
エフラム「その様ですね……いずれレオンが義弟になる日が来るのだろうか?」
リョウマ「しかしリンが我々はおろかレオンとそう変わらぬ歳だったとは」
エフラム「確かにあいつは色々大人びていますので、しかし本人にあまり言わないで頂けますか?結構気にしてますので」
リョウマ「あいわかった、この事は十分気をつけよう。
     そしてエフラム、妹達の事、頼んだぞ」
エフラム「承知しております、私の全身全霊を以て、彼女達を、そして皆を幸せにすると誓います」
リョウマ「頼むぞ、そして再度王手だ」
エフラム「ぐっ……遺憾ながら、投了です」
リョウマ「なんとか勝ったか、だが中々の腕前だな」
エフラム「ありがとうございます、今回の対局で、己の課題も見つかりました」
リョウマ「精進せよ、そしてまた機会があれば指そう」
エフラム「はい、本日は、ありがとうございました」
リョウマ「うむ、こちらこそ、感謝する」