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Last-modified: 2017-06-11 (日) 22:18:28

パチッ……

 

エフラム「……………」
イドゥン「……………」
エフラム「中々、上手い手だな」
イドゥン「私なりに、考えた結果です……」
エフラム「それなら、こう攻めさせてもらう」
イドゥン「………!こう、来ますか……」

 

チキ「凄い……」
ファ「お兄ちゃんも、イドゥンお姉ちゃんも、すごくしんけん……」
サラ「少し意外だわ、兄様はああいう渋いのは割と好みそうだとは思ってたけどイドゥン姉様も将棋が好きだったなんて……」
ミルラ「お兄ちゃんにやり方を教わって、前から何回も対局してますよ?」
サラ「ああ、やっぱり兄様絡みなのね」
サクラ「凄い……どちらも見事に攻めあってます」
セツナ「エフラムが金を……うぅん……ここは桂馬かな……そしたらイドゥンさんが……」
エリーゼ「セツナ、展開とか解るの?」
セツナ「ぼんやりしながら考えられる、だから将棋は好き……今度、打ってみたいかも……」
ミタマ「……………」コクコク
サラ「まぁ、そうでしょうね」
アクア「そろそろ決着つきそうね」

 

イドゥン「……………参りました」
エフラム「何とか勝てたか、ありがとう、イドゥン、とても強かったぞ」
イドゥン「こちらこそありがとうございます。
     でも、少し、悔しいです、後少しだったけど」
エフラム「確実に強くなってる、時々危うい場もあったしな、またやろう」
イドゥン「はい、次こそ、勝ちます」
エフラム「その意気だ」

 

サラ「兄様、イドゥン姉様、お疲れ様」
大人チキ「2人とも、凄かったわ」
イドゥン「ありがとう、でもまだまだよ」
エフラム「それを言うなら俺もそうだ、もう少し、戦略眼を鍛えねばな」
サクラ「でも凄いです、それほどなら、リョウマ兄様にもかなり戦えると思います」
エフラム「リョウマ義兄上も打たれるのか」
サクラ「嗜み程度といってますがとても強いです」
エフラム「そうか、それは面白そうだな、機会があったら、挑ませて頂きたいな」
セツナ「イドゥンさん、今度私と打とう」
イドゥン「セツナさんも打たれるんですか?」
セツナ「うん」
イドゥン「はい、私も他の方と打ってみたいです」
セツナ「嬉しい……」
サラ「将棋を通じて兄様達と交流……か、私も覚えてみようかしら?」
サクラ「なら、私が教えましょうか?
    家では、兄弟の皆と遊びで打ってたので、動かし方とかは解りますよ」
エリーゼ「サクラ、私も教えて貰ってもいい?」
サクラ「ええ、勿論です」
エリーゼ「ありがとう、じゃあ私からは、チェスを教えてあげようか?」
サクラ「ああ、成程、そっちでもいいですね」

 

 それからしばらく、覇王家では将棋がブームとなった。
 流石にキヌやベロアの様にじっとし続けられない者には浸透しなかったが。
 彼女達には別の形でエフラムが相手をしたので変わらず穏やかな関係を続けることが出来た。