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Last-modified: 2017-08-17 (木) 23:16:05

エリンシア「まあ、リンちゃんも複数の殿方を愛するようになりましたのね。」
ミカヤ「なんだかんだで、リンってモテるのよ。スタイルは言わずもがな、家の家族の中じゃ割とまともで芯の通ったいい子だしね。」
エリンシア「リリーナちゃんもですが……不器用な私にはとても、一人以外の殿方を愛することは出来ませんわ。」
ユンヌ「……何言ってるの!?このノリでしょーぐん君も加えてエリンシアも女王になっちゃえ(ry」
ミカヤつメダリオン「うるさいわよユンヌ。あんたやシグルドは生真面目だものねー。逆にハーレム作っちゃうと、一人ひとりに毎回全力分の愛を注いじゃって倒れちゃうわ。」
エリンシア「……そうですね……ところで何故ジョフレの名前が出たのでしょう?」
ミカヤ「……ああ、そう……(遠い目)ま、あんたの場合は鷹王と今に至るまでは大変だったもの。このままがきっといいわ。」
エリンシア「ええ……だからこそ、ティバーン様にはいろいろとご奉仕したいのですけれど……その……」
ミカヤ「とりあえず毎回KINNNIKUペロペロ地獄はやめた方がいいわ……今度の勉強会で普通の愛し方をしっかりと聞いてきなさい!絶対によ!」
エリンシア「は、はい!」
ミカヤ(そうそう、エリンシアの場合はシグルドとは違った意味で大変だったもの……)
ミカヤ(種族の差……特にベオクとラクズの軋轢……そして私みたいな中途半端な狭間の者への風当たりはそりゃあ酷いものだったからね……)

 

エリンシア「ふんふんふ〜ん♪」(洗濯物パタパタ)
ミカヤ「……」(ジトー)
エリンシア「あら?ミカヤ姉様どうなさったの?」
ミカヤ「どうなさったの〜?……じゃ、ありませーん!」(デコピンッ)
エリンシア「きゃっ!」
ミカヤ「エリンシア、あんたもしかして今のままでいいと思ってる?このままこの家の主婦に永久就職なっちゃっていいわけ?」
エリンシア「で、でも……マルスちゃんやエリウッドちゃん、それにロイちゃんにセリスちゃんに……みんなお弁当を作って差し上げないといけませんし、アイクちゃんはよく食べますし……」
ミカヤ「ああもう!……あんたのそういうところがいいところでもあり悪いところよ!あんたもお年頃なんだから、そろそろ自分のことも考えなきゃダメ!!」
エリンシア「ですが……その、私にはそのような人は……」
ミカヤ「ふ〜ん、鷹王様のことは諦めちゃったわけ?」
エリンシア(ギクッ)「……そ、そそそそもそも……ティバーン様のことは元はといえば……たっ、たたた逞しいき、KINNIKUが目当てで……そんな……」(オロオロ)
ミカヤ「う〜そ〜。私には嘘つけないわよ。15-114の子供の頃の話からずっと、今でも好きなんでしょ?」

 

エリンシア「そっ……そんなことありません!……私、買い物に行ってきますから!!」(イソイソ)
ミカヤ「……じゃ、コレ買ってきてよコレ。」つチラシ
エリンシア「えっと……これは……?」
ミカヤ「久しぶりにフェニキスのトロピカルなフルーツが食べたくなっちゃった〜。天馬使うんでしょ?フェニキスの市場で今日特売日らしいから、ついでに買ってきて。」
エリンシア「えっ……で、でも……フェニキスの市場は……その……」
ミカヤ「鳥翼族の、フェニキスのベオク嫌いは知ってるわ。でも、私じゃもっと……ね?」
エリンシア「……あっ……」
ミカヤ「そういうわけだから、お・ね・が・い。たまには甘ーいフルーツお腹いっぱい食べたいの!お代は奮発しちゃうから!ねっ!」(人)
エリンシア「……わかりましたわお姉様。それでは、行ってまいります。」(バサッバサッ)

 

ミカヤ「……ふう。全く、ああでもしないと一向に動こうとしないんだもの。最初見せてた気合はどこにいったのかしらね。」
ユンヌ「仕方ないわよ。種族の差って大きいもの。」
ミカヤ「……そうよね。馬鹿馬鹿しいけど、こればっかりはホントどうしょうもないわ。」(ゴロン)
ユンヌ「なによ、ナーバスになっちゃって。らしくないなー。でも、ミカヤとしては狭間に生まれた身だからこそ、二人に上手くいって欲しいんでしょ?もっと手助けしてあげないの?」
ミカヤ「……余計なこと言わないの。またメダリオンに封印するわよ。」
ユンヌ「もー、ミカヤも素直じゃないんだから。」
ミカヤ「……私としては可愛い妹が幸せのチャンスを逃してほしくないだけ。私はきっかけをあげただけよ。」
ユンヌ「でも、気になるんでしょう?」
ミカヤ「本音を言えばね。けどここから先は二人の問題。あの子が自分でなんとかしていかなきゃ、意味がないわ。」

 

〜フェニキス〜

 

ベグニオンから南の海に浮かぶ島にある鷹のラクズの暮らす地域、フェニキス。そこはティバーンが運営する海運業が力を持っていた。
そしてフェニキスでは過去、同族の鷺の民がベグニオンの陰謀によって滅びかけたためにベグニオン関連の船舶に対して海賊行為を働くなどをし、抗議活動を展開していた。
ベオクに対する敵対心は、ベオクの暮らすクリミアと姉妹都市提携を結んでいるガリアの比ではない。
鷹の民「ニンゲンが何をしに来たんだ!お前等に売るものなんかねえ!帰れ帰れ!」
エリンシア「……でも、家で姉が果物を楽しみにして待っているんです……」
鷹の民「フン、それこそニンゲン共御用達のお高い市場にでも行ったらどうだ?さぞかし美味いものが買えるだろうよ。」
エリンシア「そんな……」
鷹の民「知ってるんだぞ、お前たちが俺達のことを何て呼んでいるか……ディンじゃ見れば殺す!ベグニオンじゃ奴隷同然で働かせてるって話じゃないか!あんたの仲間だってそうだろう!?」
エリンシア「それは……一部の人たちだけです!少なくとも私の知っているベオクの人たちはそんなことはしません!私がどう言われようとかまいませんが、私の大切な人達を悪く言うのは……許せませんわ!」
鷹の民「何だあ!?やんのかあ!?ニンゲンのオンナの分際でっ……!!」
エリンシア「……っ!!」

 

大柄な鷹の男「……何の騒ぎだ。」
鷹の民「……王!?聞いてくださいよ、このニンゲンのオンナが喧嘩売ってきて……」
大柄な鷹の男「……ほう。」
鷹の民「ニンゲンに売るもんなんかねえっつってんですけど、しつこくって。」
エリンシア「……」
大柄な鷹の男「……そうか……それならあんた、ちょっとこっちに来てもらおうか。……こいつには俺から言い聞かせておく。」
鷹の民「そんな!王の手を煩わせることなんて……」
大柄な鷹の男「どんなに小せえことだろうが、下のやつの面倒を見てやるのが王の務めだ。違うか?」
鷹の民「……は、はい……!」
大柄な鷹の男「ほら、こっちに来い。早くしろ。」(グイッ)
エリンシア「……あ……」

 

大柄な鷹の男「……よう、また会ったな。……十年ぶりってとこか?ベオクの嬢ちゃん。」
エリンシア「……!私のことを覚えていて下さったのですか?……ティバーン様……」
ティバーン「ククク……ああ、俺におっぱいが大きいからお姉さんですか?だの、嫁にしてくれだのなんて言った面白いベオクのガキなんて誰が忘れるかよ。エリンシアちゃんよ。」
エリンシア(カアア)「……そ、それは……そのう……////」
ティバーン「後はそうだな、スクリミルから聞いたな。何でも筋肉モリモリの男を見ると大興奮して迫ってくる変わったベオクの女がいるとかなんとか……」
エリンシア「はうう////」
ティバーン「……しっかし、一体どうしてこんなとこに来たんだ?この辺りのベオク嫌いを知らねえわけじゃあねえだろう?」
エリンシア「それは……姉が、フェニキスの果物を食べたいと言ったものですから……お買い物に。」
ティバーン「あのなあ……」
エリンシア「いけませんか?ベオクがラクズの方の市場でお買い物することが……ラクズの方がベオクの方の市場でお買い物することが……そんなに悪いことなのでしょうか?」
ティバーン「……」
エリンシア「……私には、わかりません……ベグニオンの事件は、私も知っています……ですが、皆が皆……悪い人たちではありません。さっきの人だって……わかってくだされば売ってくださるはずなのに……」
ティバーン「……変わらねえな、お前は。」(フッ)
エリンシア「えっ……?」

 

ティバーン「とりあえずホレ、これだけありゃ十分か?」(ドサッ)
エリンシア「……こんなに沢山!?よろしいんですか!?……ええと、お代は……」(ゴソゴソ)
ティバーン「んなモンいらねえよ、どうせこいつらはB級品ってやつでな。廃棄分だしタダで構わん。」
エリンシア「そんな!こんなにいいものを沢山!悪いです!」
ティバーン「いいから引き取ってくれや。こっちも捨てちまわねえと腐っちまうし困ってんだ。」
エリンシア「そう……ですか……?それでは……いただいておきます。」
エリンシア(でも……B級品の割にはなんだか綺麗過ぎます……やっぱり悪い気がしますね……)

 

エリンシア「あ、あの……!」
ティバーン「あん?」
エリンシア「あの……やっぱり沢山頂いて悪いですから……その!」
ティバーン「だから言ってるじゃねえか!こっちは困ってるって……」
エリンシア「いただくお礼に……お料理を作って持ってきてもよろしいですか?」
ティバーン「……はあ?」
エリンシア「ご、ごめんなさい……!でも私……それぐらいしか出来ることがなくて……」
ティバーン「……」
エリンシア「……いけません、か?」
ティバーン「そうだな、あんたの得意な料理が肉料理だっていうなら考えてやってもいいな。」
エリンシア「……!!」
ティバーン「言っとくが、俺はかなり食うぜ?それぐらいの量を用意できんのか?」
エリンシア「お肉が好きでいっぱい召し上がるなんて……ふふ、なんだかアイクちゃんみたいですね。勿論!うちは大家族ですし、みんなよく食べますもの!沢山お料理するのは慣れっこですわ!」
ティバーン「俺はあんたが思っている以上に食うぞ?アイクなんか目じゃねえくらいにな。それでもいいならいいけどよ。」
エリンシア「……はい!ではいっぱい作っていきますから、楽しみにしていて下さいね!!」(パアア)

 

ティバーン「〜フェニキスぅ〜かいっきょぉ〜♪」(積荷ドッサドッサ)
ヤナフ「……なあ、なんか今日やたら機嫌よくねーか?ティバーンのヤツ。」(ヒソヒソ)
ウルキ「……こら、王と呼ばないか!ああ、なんだか怪しいな……」(ヒソヒソ)
リュシオン「……そうだな、それにしても……」
ティバーン「なあ〜つぅぅ〜げぇえ〜しぃ〜きぃ〜♪」(演歌&ザ☆オンチ)
ウルキ「……耳が……腐りそうだ……」(しくしく)
リュシオン「……ああ……」(ゲッソリ)

 

エリンシア「ふんふんふ〜ん♪」(ジュワワワワ〜)
アイク「美味そうだな。これは俺達のお代りか?」
ロイ「アイク兄さん……さっきご飯お代わり8杯(ドンブリ)した人が言うセリフじゃないよ……」
エリンシア「ごめんなさいね、アイクちゃん。これはティバーン様に差し上げるためのものなの。ほら、ミカヤ姉様に果物を沢山いただいたでしょう?そのお礼にお作りしているの。」(ジュワッジュワッ)
アイク「うっ……だが美味そうだっ……」(じゅるり)
イレース「おいしそうなお肉の匂いにつられて……」(フラフラ)
エリンシア「つまみ食いは許しません☆慈悲拷問のお代りならいくらでもありますわよ?(にっこり)」つアミーテ
アイク・イレース「」
リン「ねーちょっとー、ミカヤ姉さ〜ん!いっぱいあるんだからあたしにも一つくれたっていいじゃなーい!」
ミカヤ(はぐはぐぱくぱく)「ダーメ、リンはダイエット中でしょ?ああいう風になりたいの?あっ、これもうまっ!」(シャクシャク)
ヘクトル「俺を見て言うんじゃねえよ!」
リーフ「そうだよミカヤ姉さん、一つぐらいくれたっていいじゃないか」(モシャモシャ)
ミカヤ「盗人には罰を。」つリザイア
リーフ「ひいいいいいい!摂取した栄養が吸われるうううう!!」\コノヒトデナシー!/

 

〜翌日〜

 

エリンシア「……いかがでしょうか?」つ(兄弟家特製・肉料理大盛り弁当)
ティバーン(ガツガツムシャムシャ)「ん、ベオクの料理にしちゃあうめえな。」(うまああっ!何これすっげえ美味えええ!!!)
エリンシア「まあ、お口にあってよかったですわ。」
ティバーン「べ、別に……ベオクの料理にしちゃあ美味いってだけだからな。……シーハー」(スッカラカン)
エリンシア「クスクス。それにしては、綺麗に片付けられましたわね。」(ウフフ)
ティバーン「う、うるせえ!……残したらもったいねえだろうが!!」(////)
ヤナフ「……う、美味そう……」(じゅるり)
ウルキ「みっともないぞヤナフ……」(グウウ〜)
リュシオン「くっ……肉が食えないので羨ましい……しかもナイスOPPAIの持ち主の手作り弁当……」(ジトー)
エリンシア「よろしければ、皆さんの分も作ってきましょうか?」
ヤナフ「よっしゃあ!んじゃ、俺は焼肉カルビ弁当!」
ウルキ「……フェニキス魚弁当……フライじゃなくて塩焼きで……」
リュシオン「私は肉抜きヘルシー野菜弁当で頼む。」
ティバーン「お前らなあ……」
エリンシア「うふふ、いいんですのよ。それでは明日は皆さんの分も作ってきて差し上げますね。」(にっこり)

 

こうして、エリンシアは果物をもらう代りに、フェニキス海運に弁当を毎日差し入れるようになった。それは兄弟家の家を守ることに専念していたエリンシアにとって、ささやかな楽しみを与えてくれた。
勿論、そこにはまだ恋愛関係というものはまだなく、兄弟家でもエリンシアのパートというように認知されていた。

 

\フルーツドッサリ/
ミカヤ「はあ〜毎日、贅沢な果物いっぱいで幸せ〜。」(もぐもぐ)
マルス「いや、でも流石に毎日こればっかりはちょっと……」
エリンシア「今晩のメニューは、ローストポーク・フェニキスフルーツソースですよ♪」
リン「いいんじゃない?果物って美容にいいし。」(むしゃむしゃ)
リーフ「リン姉さんの場合は胸にばっかり栄養が……って何すんのこのヒトデナシ(ry」
セリカ「はい、あ〜ん☆アルム♪」
アルム「セリカに食べさせてもらえる果物、とっても甘いよ♪」(モニュモニュ)
シグルド「KINNSHINは許さん(ry」
セリス「今度ユリウスにもおすそ分けしようかな。」
エイリーク「エリンシア姉様!今度バストアップ効果があるという果物を是非貰ってきてください!この前ラーチェルが……」
エフラム「やめないかエイリークゥゥゥ!」
ヘクトル「どうせなら肉が欲しいぜ……」
アイク「いいじゃないか、美味ければ。」(モッシャモッシャ)
エリウッド「小食な僕には嬉しいね。ビタミンいっぱいで身体に良さそうだし。」
ロイ「まあね。僕もリリーナやウォルト達にわけてあげようっと。」

 

エリンシアは毎日楽しかった。自分の作った料理を、異種族の人達が家族と同じように美味しいと言って喜んでくれるのが嬉しかった。だが、その穏やかな日々にもやがて大きな嵐が吹き荒れようとしていたのであった……

 

リリーナ「ほほう……余のオスティア懺悔ペロを耐え抜くとは……お主なかなかやるではないか……」(ゴゴゴゴゴ)
ティバーン(ビクンビクン)「……ハッ……!こちらとら伊達に毎回エリンシアの無限ペロ地獄を受けているわけじゃあねえんでな!……ハアハア」(ヤッベエ!もう少しで何かに目覚めちまうところだった!)
デジェル(……何なのその恥ずかしい技の数々……////)
リリーナ「……かくなる上は仕方があるまい……」(スッ)
ティバーン「ゴクッ」

 

リリーナ(ズササーッ)「この度は申し訳ありませんでした、鷹王様。」(ペコリ)
ティバーン「えっ」
デジェル「えっ」
リリーナ「まさか、鷹王様がここまで鍛え抜かれた選ばれしKINNIKUだとは……正直私も思っていませんでした!KINNNIKU愛の同盟会員としてここに敬意を表します!」(ペコペコ)
リリーナ「オスティア懺悔ペロを耐え抜いた鷹王様にはこちらを差し上げます。」つフェニキス極上焼酎<時価5万G>
ティバーン「そ……それは!!フェニキスでも滅多に蔵出しされないという超貴重な極上酒……!!」(あ、怪しいッ!だが酒好きの本能に逆らえねえっ!!)
デジェル「ええっ!?そんな高級品あげちゃうの!?」
リリーナ「どうかお納め下さい。我々は以降、一切手を出さないと約束いたしますので。」(ニコ)
ティバーン(くっそー……怪しすぎるが酒は本物みてえだし……まあ家に着いてから飲みゃあ大丈夫だろ……)「おう、話のわかるヤツだな。二度とこんなことすんじゃねえぞ。」(バッサバッサ)
リリーナ「ええ、申し訳ありませんでした。」(フリフリ)
リリーナ「……」
リリーナ(ニタア〜)
デジェル(うわああああ!絶対何か企んでる!何か企んでるよこの子!!)

 

リリーナつ発信機「ククク……あの酒は度数48を誇る別名"鷹殺し"……!鷹王が泥酔すればペラペラと素直になるのはこの鴉から情報収集済みよ……後は頃合を見て乗り込むのみ……!!」
ネサラ「」(ボロッ)
デジェル「なんか……鴉さんがボロ雑巾みたいになってますけど……」
リリーナ「余の部下にならんか?と勧誘してはみたが断ったのでな……力ほど純粋で単純で美しい法律はない……力こそが全てを司る真理なのだ!」(ドドォーンッ)
デジェル「ちょ、それどこの魔王様!?」
リリーナ「ま、これでお姉様が鷹王様をどう落としたかがわかるわね♪きゃー!楽しみー!」(ルンルン)
デジェル(その切り替えもこわいんですけど!?)