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Last-modified: 2017-09-13 (水) 22:58:21

作中現実のものと違うところがありますがフィクションとして見てください
キャラの口調と性格が異なる(改変もしくは崩壊)してるところも
またオリキャラが登場しますが注意をお願いします
一部物理無視の描写が有るため此方も注意を
以上の内容が苦手の方はスルーをお願いします

 

7月の下旬 早朝

 

世間の学生は夏休み突入であるが、少年は今戦場にいる
名はロイ
紋章町という任天都の中で自由と混沌の溢れ出てる町からその場所へ来たのだ
場所は任天都都内の一部封鎖された市街地、そこにはバリケードやフェンスならびに
ウォールが設置され、市街地のサーキットに生まれ変わっっていた
この街で戦(いくさ)が始まる、ここで行われるその闘いの名は

 

『任天都8時間耐久レース』

 

年に1度だけ夏に行われるモータースポーツの祭典の一つ
予選大会で決勝出場の『切符』を手に入れたレーサー、世界で活躍するプロフェッショナル
そして世界各都市・各国から招待された選手達が一堂に会するオートバイの耐久レースである
ロイはチームの監督であり友人であるイーライや相方のデニム、チームのスタッフ並び他クラスのライダーと共に
かろうじて『切符』を手に入れ、本大会に参戦できた
予選で味わった屈辱のギリギリの入賞
その悔しさをばねににロイはただ一人で黙々と土日に
朝2時間いつも走っている紋章町のサーキットで練習をしていた、そしてその成果を出すために
あの時負けたデニムの宿敵・オズの所属するチームに再び勝利し、優勝するために再びプロ達との対決に挑む
そしてロイは今日走るコースの最後の下見のためにコースを歩いてゆく
コースは清掃されてるとはいえ、散らばれてる見えないごみ・石ころ、ならびにアスファルトの裂け目が
有るか無いかで戦局が大きく変わる
ロイは1周5.2kmの距離を1時間かけてピットに戻ってゆく
戻った先に人影が見えた、サングラスをしておりチームの名前が飾ってある上着と
とても飄々としながら威厳がでていた

 

「ようロイ、朝も早くからおはよう。コースの下見は終わったのか?」
「おはようございますイーライ監督、一通りは済ませました。あとはフリー走行で確認を取ります」
チーム監督であるイーライと挨拶を交わすロイ
「いよいよここまで来たな、出会って早3・4ヶ月お前がここまで来るなんてな」
「そうですね、自分でも奇跡と執念が合わさってここまで来たのですから
 悔いの残さないよう戦いたいです。もちろん狙うは優勝、それが最終目標です」
互いにここまでの出会いでの話し、今に至るまでに語るそして決意決意
胸に宿し、言葉通りに成すべき事を成すと互いに言葉を交わす
「監督、ロイ君盛り上がってるところ悪いけど、俺達も忘れては困るよ」
ピットガレージからシャッターが上がる音がし、スタッフの一人が二人に声をかけた
無論ガレージ内にスタッフやライダーも集結している
「ここ一週間近くの特訓を私達は無駄にしたくないね」
「ゼッタイ勝ちに行こう、な」
それは最早思い出でもあったとても長い合宿である

 

事は夏休み始まり前、ロイはイーライからのメッセージを受け取った
『今回の大会に向けて約6日間(3日間+大会の3日間)で特訓を行うのだが
 ロイはもちろん受けるよな』と言う内容だ
無論二の返事でロイは特訓に参加することにした

 

そして夏休みはじめ
「一週間ばかり外泊?どうして」
夕食時にロイはミカヤたちに相談をした、無論シグルドをはじめ他の兄弟ならびに兄弟の嫁婿達もだ
ロイは任天都にいる友人と一週間ばかりすごしてくるといいお願いを告げた
シグルドは遊ぶのは構わないが学業も忘れるなと忠告をいいつつも了承した
それを聞いた兄弟嫁婿たちはお土産を一人ひとり頼まれた(一部の嫁婿は頼まなかった)
そのときリーフは向こうでのお姉さんの本をと頼まれたが兄弟から拳骨を食らわれたため
普通のお土産を頼まれ、それを忘れないようにぎっしりとメモに書き込んでいた

 

出発当日、夏でありながら早朝の肌寒さがまだ残ってる
寝静まってる兄弟達に出発を、玄関のホワイトボードに書き残し、倉庫からバイクを取り出す
「さてと、行きますか。まぁ大会ついでに観光もある程度楽しもっと」
心は緊張と同時に楽しみで踊りだしており、いつもより体が軽くなってるようだ
キックを一回、マフラーから火を噴き、エンジンが震えだす。スロットルを3回、4回回した後に
マシンの快調を感じた、相棒も今日からの日を楽しみにしてるとロイは思った
そしてアクセルを回し一気に駆け抜けてゆき、一陣の風となった

 

2時間して任天都に着いたロイは、イーライの待ち合わせ場所で朝食をとっていた
いつも朝はエリンシアの手作りを食べるがこの日は集合時間が早朝だったため、
コンビニでサンドイッチとヨーグルトを購入その場でおなかを満たしてゆく、
しかし集合時間近くになっても彼の現れる気配が無かったため
ロイは待ち合わせ場所を間違えたのか、もう行ってしまったのか、遅れてくるのかと状況に心配になった
「・・・もうそろそろだというのに、どうしたんだろう。まさか・・・いやな予感がするな」
「心配なのはわかるさ、何も起こらなければいいのだがな」
「そうですね、・・・って連絡の一つぐらい行ってくださいよイーライさん」
心配をよそになぞの声を聞き顔を向かうと
隣に突如現れたイーライに突っ込みを入れるロイ、ため息をついでに一つ入れる
しかしどこか笑い顔でもあった
「わるいなロイ遅れてしまって、それからお久だな」
「お久しぶりです。いいですよ、僕もちょっと前にきてましたから」
「そうか、じゃ早速移動するぞ。みんな待ってるからな」
1ヶ月ぶりの再会に喜びを示し会話を入れてゆく二人、ロイはイーライのトラックにバイクを載せ
メンバーが待ってるサーキットへ移動する

 

ここ一ヶ月ロイは練習や一人でスポーツ走行等に行ったこと、自分の走りが遅くなったことを打ち明ける
今までの走りが出来てなく、クラスの違いを言い訳にするかもしれないが走れてないことを話した
しかしイーライは自分の走りは時として躓くこともあるが、それをバネにして走る
またちょっとずつでも強くなってゆけと励ましをくれた、ロイは彼の言葉に感謝を述べる

 

一方のイーライたちはマシンテストがあったことを報告した
ロイはマシンテストが平日にあったことを知ってたが参加出来ずじまいであったが、
イーライ達から学業に専念するよう求められおとなしく練習や先ほど話したスポーツ走行に費やした
結果から言うとマシンは良好であり今回のレースに合わせたセッティングで走らせて行くことを予定している
ロイは今回の決勝で走るセッティングを今日から行われる短期特訓でものにしようと意気をする

 

そして肝心の話に入った
「あと監督、デニムさんですが・・・あれ以来どんな感じでした?」
「・・・荒れてたな、ものすごく。俺達に怒りをもぶつけてた」
「・・・そうですか・・・。」
1ヶ月前に行われた予選の結果でデニムは怒りに身を任せて自分へ奴当たったことを思い出す
無論チーム監督のイーライにもだ
イーライが言うには、お前がロイを誘ったせいで負けたという
デニムの八つ当たりはオズへの怒りに向けられなかったことの矛先を変えてゆくのをイーライはわかっていた
イーライはそれをただ受けとめることしかなった、デニムの気が晴れるまで八つ当たりに付き合うことにした
しかしこの日を境にデニムの怒りは周りのスタッフにも向けられた
こんなマシンで勝つって言うのか、もっといいセッティングにしろ、お前らふざけるのかと
最早デニムの八つ当たりは留まることを知らなかった
そんなデニムの収まらない怒りに腹を据えてたイーライは限界に達する
彼を叱咤しようとするが、それに先手をうつようにチームの少年スタッフが彼に手を上げた
少年の名はリッド、予選前夜でロイのヘルメットを磨いてくれたスタッフの一人だ
「甘ったれた事いうんじゃないよ!」と今まで注意を受けてたデニムはかつて無いリッドの怒りを受けた
その後もリッドの怒りは収まらずついには罵声さえも浴びせていった
「ロイさんがいなければ自分ひとりでも勝てた?スタッフが役に立たないから負けた?
 ふざけるのも対外にしろ!そうやってオズにやられたままで強くなることもせず
 ただ怒りに身を任せて奴当たるのがアンタの仕事か?
 馬鹿にするのもいい加減にしろ!!そんな状態でいるからアンタはなめられるのだよ!」
ついにはデニムは涙を流しながら身を震わせ、リッドと取っ組み合いにもなっていった
互いが引けをとらない殴り合いが起きた、無論スタッフやライダーがけんかを止めに入るが
そんなのはお構いなしに彼らは怒りに身を任せて互いをののしってゆく
最早止められる状態じゃない中、イーライは二人に怒鳴った
「いい加減にしとけ二人とも、そうやって罵り合うことが俺達の仕事か?違うだろ
 俺達はチームだ、だからすることは勝つことだ。そうやって過去を穿り回しても意味は無いぞ
 お前をいさめなかった俺が言える立場ではないが、みんなが一つにならないとな。
 特にイーライそんな様子じゃ勝ちたい勝負も勝つことなんてできないぞ。」
二人に説教を行いその場で諍いを静めていき、二人が仲直りになるのに時間はかかった
またデニムは全員に謝罪を行うも、一部のスタッフは彼をいまだに許さない人もいた
今までに受けた八つ当たりを含め、ロイに対しての仕打ちを見たことを忘れてはいなかった
また2週間口を利かないことがあり、その上仲間はずれにすることもあった
仕返しはさすがにやりすぎたとメンバー達も反省しよりを戻したことでチームが再び一丸となってゆく

 

「大変だったですね皆さん」
「まぁな、あいつはあの時人一倍あいつらに対して執念燃やしてたからな」
「ということは彼らとデニムさんに因縁が・・・」
「あぁ、そんなところだ」
その後も彼らは会話をしながらサーキットへ向かっていき、チームと合流したロイはメンバー達と再会を喜んだ
一ヶ月とはいえ彼らの顔を見て安堵してゆく
「久しぶりだなロイ君、元気してた?」「ここ一ヶ月お前のツラが拝めなかったのが残念だが」
「皆さんお久しぶりです、またよろしくお願いします」
「「おう(うん)、よろしくね」」
久しぶりの会合で一同はよい雰囲気に包まれていき、また自然と会話が弾んでゆく
「ロイ・・・」「デニムさん」
そんな中、ロイはデニムと目が合った
一ヶ月前にあったあの出来事があったせいか緊張が走ってゆく、無論周囲にも伝わってゆく
一触即発が起きるのかと思いロイはデニムに歩み寄り行く
すると手を差し出したのだ

 
 

「デニムさん・・・またよろしくお願いします」
交わされたのは挨拶、思わず回りは目を見張る。その手を振り払うのか否か
手を見たデニムは手を差し出し握り締めてゆく
「・・・あぁ、また・・・ヨロシクな」
ロイは笑みをこぼし硬く握り、デニムも同じく握手を交わしてゆく
そして回りも笑みをこぼしてゆくも、デニムの表情はまだ硬かった
「よし、それじゃ挨拶も済ませたところで合宿はじめっぞ!」
「はい!」
イーライが手を叩き、全員に合宿開始の合図を出した
一週間の長い戦いの記録がここから始まったのだ

 

「そうじゃない!もっと食い込め!」
「スリップのタイミングを間違えてるぞ!」
「ロイ、お前250の走りでやってるぞ。600での走りを忘れたのか?」
サーキットでの合宿はまさにプロフェッショナルのキャンプ
1000cc,600cc,250ccのマシンが一斉に駆け出しそれぞれの走りを監督が観察してゆく
ライダー一人ひとりに問題点を鬼教官の口調でピンポイントを挙げていた
無論ロイもその雷を食らってゆく、一ヶ月ぶりの600を駆けるせいかマシンを
うまく走らせていなかったが感覚を取り戻すべく、3日間で何とか喰らい付きながらも
徐々にタイムを伸ばし始めていく
「ボルトは落とすな、一秒が大事だ!」
「給油の取り外しで焦るんじゃない!」
「ジャッキアップ、あげるタイミングがコンマ遅いぞ!」
ピットのタイヤ交換・給油も一秒を争う、クルーが焦ればコンマ秒がロスの元となりかねない
スタッフクルー達も戦場で支える裏方、その役割を果たすために彼らも練習をつんでゆく

 
 
 

「え、1000と600で競走?250は入れないのですか?」
「そうだそれぞれを仮想敵とし、模擬戦をするんだ。
 あと250は後から600とバトルする。いいな」
耐久レースはクラスごとに分かれており全員で走っていくが、8耐では土曜に250のみで
日曜は600と1000が入り乱れて戦う事となった
過去耐久レースは全クラス一斉で走っていたが、先月の雨の大事故をきっかけに
急遽250、600と1000と分けて走ることとなった
初めて1000と走るロイは戸惑いを覚えながらも、相手にとって不足は無くむしろ1000の走りを間近で拝め
かつ勝負できることに喜びを示した。
仮想バトルはすさまじいものだった1000ccのマシンの加速力や旋回力が600ccをはるかに上回るものだ
マシンの性能差を目の当たりにするロイは、不利であることを自覚しながらも
彼らを追い抜こうと必死にマシンを駆けてゆく。
思わず1000ccのライダーも彼の走りに目を見張った、自分の走りについてきてることが
模擬戦であっても完全にバトルモードに入ってる姿に
しかし1000ccクラスライダーとしての意地を見せるべく彼の走りに拮抗してゆく
無論ピットにいるライダーやスタッフも彼らの走りを目の当たりにするも、分析は怠らなかった

 

「あ〜疲れた・・・」
休憩時、ロイは体を伸ばしゆく。かれこれ交代を除いて2時間を走った
他クラスのライダーのラップタイムを見てると、まだまだ遅いことを目の当たりにする
今走ってるサーキットの基準タイムよりだいぶ早いがやはり場数ここなしてる先輩ライダーが速いタイムをで打ち出していた
まだ届いてないが着実に届くようにロイはコースの見取り図を見ながら走りの見直しをしてゆく
横から飲み物が手渡されるのを見え、顔を上げるとデニムがいた
「デニムさん」
飲めということだろうか、渡されたコップを有難うといいながら受け取る
そしてデニムから第一声が出た
「ロイ、この前はごめん・・・。
 俺が、俺がやけを起こしたばかりに奴当たって・・・」
「いいですよ、あんな事いわれたら誰だって怒りますよ。
 それに、・・・今大会のレースでその借りを返そうと思います」
先月の出来事で謝罪をするデニムにロイは許してゆく
それを受けて顔が少しほころぶデニム、そこでロイは改めてデニムにあのことを問いただしてゆく
「デニムさん、あの時会ったオズって言う人とどういう関係でしょうか?
 何か並ならない因縁という感じですけど・・・」
予選であったオズについて改めて問いただす
「・・・そのことだが、・・・いつか話そうと思う。今はただ決勝に集中したくてな
 すまない・・・」
しかしデニムは腹をくくっておらず時期を改めてまた話すことをロイに伝えた
そして早めの休憩を終えたデニムは再びコースへ入ってゆく
その姿がただ寂しく思えた

 

(・・・デニムさんとオズとの関係、また一難起きなければいいけど)

 
 

決勝でふただび合う男を考えていくと、いやな予感がしそうだと思うロイは
またコースの見取り図を見てチェックを行ってゆく
(・・・ん?何かコップに引っ付いてる?)
ロイはコップのそこに何かついてるのを指でなぞっていく
そこはラベルが張ってあった
(何だこれ?ヘルムに貼っていこ)
ラベルに引っ付いたものを取り剥がすと、自分のヘルメットに貼り直してゆく
そこにはこう書いてあった

 

64スレ

 

(よし・・・休憩終わり、さてもう一度コースに入るか)
休憩を終えたロイは再びコースに入り、プラクティスを重ねてゆく
夕時になると、レースのトレーニングだけでなく体力づくり筋トレをチーム全員で
体を鍛え上げてゆく
その後は食事や談笑、ミーティング彼らと厳しくも楽しいキャンプが
サーキットで3日間行われていった
そしてサーキットでのキャンプ最終夜、彼らは決勝の舞台へと向かってゆくのであった

 

若獅子の激走 続