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Last-modified: 2017-09-23 (土) 23:12:50

紋章町・イーリス地区に建つ由緒ある伝統校・イーリス学院。大学まで一貫された、美しくも荘厳な建物は王宮を思わせる佇まいをその地に鎮座させていた。
秋が始まり、学生たちが校舎に繰り出す。そうして緑豊かな中庭は朝より大勢の生徒でにぎわい始める――これは、そんな中で起きたほんの小さな出来事である。

 

〜イーリス学院〜
リズ「マリアベル!おっはよー!」
マリアベル「あらごきげんよう、リズ。今日もよい日和ですわね。」
リズ「うんうん!今日も元気にいっぱい学校生活頑張るぞー!」
マリアベル「あら、リズの場合はお勉強ではなくて、お昼や休み時間を頑張るのではなくて?」(クスクス)
リズ「もー!マリアベルのいじわる!」(プンスカ)
マリアベル「いじわるついでですけれども、リズ……貴女最近イーリス署のお手伝いが多かったようですけれども……薬草学の課題の方は進んでおりますの?」
リズ「ぎくっ!」
マリアベル「……その様子では、まだ半分ぐらいしかできていない、ということでして?」
リズ「……は、半分……以下です……」(タハハ〜)
マリアベル「」

 

イーリス学院には、大学部が所蔵する大規模な図書館が存在する。それは、紋章町のありとあらゆる書物を集めた書の宝庫である。魔道分野ではカダインに劣るも、その蔵書数は計り知れない。

 

〜イーリス学院図書館〜
リズ「ほえ〜、図書館久々に来た〜……」
マリアベル「……それ、学生の台詞ではありませんわよ。」
リズ(キョロキョロ)「それにしても、他の学校からも学生さんいっぱい来てるんだね!見てみて!あっちにカダインの帽子被った人がいるよ!私も一回被ってみたいなあ〜!」
マリアベル「……コホン。図書館ではお静かに、基本の嗜みですわよ?リズ。」
ミリエル「ムッ」(ジロリ)
リズ「……はいはい……」

 

リズ\ズラーッ/「うーん……それにしても、本がいっぱいすぎて……どれを借りればいいのかわかんなくなっちゃう……」
マリアベル「リズは確か、万能薬の材料と調合方法、その歴史でしたでしょう?ええと、確かこの辺にあったかと……」
リズ「わわっ、マリアベルってば私より課題のこと覚えてる……」
マリアベル「親友ですもの、当然ですわ……と、いいますか……貴女自分の課題ぐらいきちんと覚えやがれですわ!わたくしがいなければ今頃どうなっていましたの!?」
リズ「エヘヘー、サンキュー☆マリアベル♪」(人)
マリアベル「貴女って人は……ほら、これなんてよろしくてよ。図解もついていて、まとめ易いですわ。」つ本
リズ(ペラペラ)「うんうん、確かにこらなら私でも理解できそう!」
マリアベル「本選びまでして差し上げたのですから、間に合わずに提出できないなんてことになったら……許しませんわよ?」
リズ「はいはい、わかってまーす。……んじゃ、戦の前にお茶を一服して一休み……」
マリアベル「課題が終わるまで、お茶の時間はお預けですわ。」(キリッ)
リズ「ふぁ〜い……」
マリアベル「……リズ、貴女の楽観的なところ、嫌いじゃありませんけれども……物事には何事も限度というものがありましてよ?」
リズ「え〜だって……本を前にしちゃうとついウトウト睡魔さんがコンニチワしてきて、ね?」(アセアセ)
マリアベル「ね?じゃありませんわ!もう提出まで一週間を切っていますわよ!どうなさるつもりですの!」
リズ「ええー!?うわーん!どーしよう〜!マリアベル!このままじゃ提出まで間に合わないよ〜っ!」(グスグス)
マリアベル「……全く、仕方ありませんわ。わたくしも手伝って差し上げますから!レディがそんな顔なさらないの!」
リズ「やったあ!マリアベル大好きっ!!」(キャッキャッ)
マリアベル「……本当に、リズは調子がよい娘なのですから……」(ハア)

 

フレデリク「お嬢様、おかえりなさいませ。」
リズ「ただいまー!」(バタバタ)
フレデリク「お茶になさいますか?それともお昼寝に?」
リズ「課題が終わるまで、お茶もお昼寝もおあずけなのっ!」(バタン!)
フレデリク「はあ、めずらしいですね。……明日は雨でも降るのでしょうか?」

 

リズ(ペチペチ)「さーて!気合入れてやっちゃわないと!」つ本
リズ「……えーとえーっと、万能薬の元になる草の種類は……っと。」(パラパラ)
リズ「あっ、貸し出しカードだ。みんなこの時期やっぱ結構借りてるなー。なくさない様にしなくちゃ。」つカード
リズ「……あれ?この人、三冊とも私と同じ本借りてる……?」
リズ「えーっと、"きる……ろい"?変わった名前だな〜。男の人かな?」
リズ「ふ〜ん、テリウスから外部生で借りてるんだ。どんな人なのかな〜……」

 

〜グレイル工務店〜
オスカー「やあキルロイ、仕事の合間に勉強かな?精が出るね。」
キルロイ「あっ、オスカーさん。すみません。」(パタン)
オスカー「いいや、咎めちゃいないさ。むしろヨファにも見習って欲しいぐらいだ。」
キルロイ「ははは、ヨファ君は本を読むがあんまり好きじゃないって言ってましたもんね。」
オスカー「全くだよ。弓の稽古と同じぐらい、勉強も熱心にしてほしいね。……あまり根をつめるなよ?君のことだ、一生懸命になりすぎて……また熱を出すかもしれないから。」
キルロイ「……き、気をつけます……」(シュン)
オスカー「ああ、ごめん。攻めたつもりではないんだ。……スープができてるから、よかったら飲んでおいてくれ。」
キルロイ「ありがとうございます。」

 

キルロイ「……ふう、今日はここまでかな。ベグニオンの図書館にこの図鑑はないから、またイーリスの学院の方に借りに行かなきゃ。」
キルロイ「……それにしても、最近よく見るなあ……この"リズ"さんって名前……」つ貸し出しカード
キルロイ「女の人みたいだけれど……どんな人なんだろう……」

 

ヨファ「兄ちゃん兄ちゃん。」
オスカー「なんだ、ヨファ。弁当箱ならさっき洗っておいたぞ。」つお茶
ヨファ「兄ちゃんってさ、結婚しないの?」
オスカー「ブフッ!!」つお茶\ピュワー/
ヨファ「だってアイクさんはお嫁さんいっぱい貰ってるしさー、兄ちゃん家事もできるし女の人にモテそうじゃない、何でしないの?」
オスカー「なんでって……いや、そもそも相手がいないとできないものだし……」
ヨファ「ベグニオンの社長さんの秘書さんは?タニスさんって人はどう!?男っぽいから、料理できなさそうだしきっと家庭的な兄ちゃんにぴったりだよ!」
オスカー「ぶっ!!お前な!タ、タニスさんに失礼だろう!!」
ヨファ「えー。」
オスカー「えー、じゃない!さっさと宿題をやれ!最近サボっているだろう!」
ヨファ「うっ、わかったよー。」(タタタ)
オスカー「……私だって考えていないわけじゃあないが……しっかし、なんだっていうんだいきなり……」

 

アトス「兄と弟が青春しとるのに己のみ浮いた話無し。悔しかろう悲しかろう。さぁ…仲間に」
ボーレ「ねーよ!そんなん!それにあんた。アーダンさんも仲間扱いしてたけど仲間じゃなくなったんだろが」
アトス「そうなんじゃーい!見るからに喪顔のくせに、よく見ると原作じゃ7人も結婚可能な相手がおるし、ここでも巨乳女教師と付きあい始めおって!」
リーフ「そうだよ!妬ましいし羨ましいよ!…しまった…アトスさんに共感してしまった…orz」