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Last-modified: 2017-10-02 (月) 20:43:43

セリカ  「ーーと、このようにミラ様は慈愛を以て豊穣をもたらしてくださる、素晴らしい神様なのよ!」
トリスタン「……ふむ。5分か……多少暇があれば聞いてもらえる時間で、要点も良くまとまっていて分かりやすかった」
セリカ  「よし! これで次の布教こそ!」
トリスタン「しかし、ミラ様の素晴らしさは語られているが、ミラ教がどのような宗教なのか、これでは分からないぞ」
セリカ  「うっ……」
トリスタン「先日入信した……ユズさんだったか。彼女もミラ教徒であるお前に救われたことで、ミラ教の精神に感銘を受けたのだろう。
      ならば、ミラ教とは何か、を聞き手に伝えなければ、布教は難しい」
セリカ  「…………説法の時間、3時間じゃダメ?」
トリスタン「それを聞くのは、既にミラ教に入信している者だけだな」
セリカ  「うぅぅぅ……ミラ様の素晴らしさを伝えつつ、ミラ教がどんなものか説明して……」
トリスタン「あとは、入ったばかりの者が、最初はどういった活動をするのかも、あった方が良い」
セリカ  「5分で!?」
トリスタン「可能ならもっと簡潔に。興味を持った相手に大して、まあ、長くて追加で10分、か」
セリカ  「ムリよ!」
トリスタン「かと言って、困っている者を探して助けて布教、では、滅多に機会がないだろう」
セリカ  「ぬぐぐぐぐ……!」
トリスタン「……ユズさんに、ミラ教の何に感銘を受けたのか、印象に残った活動は何か聞いてみろ。おそらく参考になる」
セリカ  「なるほど! 早速行って来るわ!」

 
 

ジャンヌ 「で、何してんですか、兄さん」
トリスタン「布教が上手くいくような、原稿作りの手伝いだ」
ジャンヌ 「……もうちょっと押して行って良いと思うんですけど。家族以外の異性では、かなり親しく見られているでしょうに」
トリスタン「俺はミラ教に入る気はないが、それに一生懸命な彼女は、好ましく思っている。
      自分が上手くいったから、義姉妹かつ友人にも幸せを見つけてほしいお前の気持ちも分かるが、急げば良い結果に繋がるとも限らん」
ジャンヌ 「誰がそんなこと言いました別にセリカさんはアルム君の近くにいられたら幸せそうなんで私は気にしていませんよ兄さんこそもたもたして他の人にかっさらわれても知りませんからね」
トリスタン「……なかなかの肺活量だな」
ジャンヌ 「私の話聞いてます!?」