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Last-modified: 2017-09-18 (月) 22:10:49

ジョフレ(う〜む、こちらにきて早くも一週間が経つが、有力な情報はなかなかないな……)
ネフェニー「……ジョフレさん、余所見はいか……いけません。」(ブンッ)
ジョフレ「す、すまない。」
ネフェニー「勝負のときは、集中しないと。」
ジョフレ「うむ、わかった。それっ!」(ブンッ))
ネフェニー「ん、いい感じ……です。もっと、槍の先で相手を流すようにして……」(キンッ)
ジョフレ「むん!」(シュシュッ)

 

チャップ「のうメグ。」
メグ「何?父ちゃん。」
チャップ「最近、村の若い子がようサボっとるようじゃが、何か心当たりはねえか?」
メグ「う〜ん、あたしも夕方からはアルバイトに出てるけえ、わからんけど……でも、この前バイトのシフトに出るとき、隣のあんちゃんと、また隣のあんちゃんがフェリーレの方に行くのを見たっけなあ。」
チャップ「……フェリーレっちゅうと、ルドベックっちゅう議員さんがおるところじゃな。」
メグ「うん。愛想のいい人だけど、なんか偉そうだからあたしあんま好きじゃあのうて……」
チャップ「これ、めったなこと言ったらいかん。ほうか、フェリーレか……」

 

ネフェニー「フェリーレの方?」
チャップ「ん、メグが言うとったわ。隣のあんちゃんや他の坊主どもも見たらしい。」
ネフェニー「……したら、あたしがみんなをつけて行ってくる。ジョフレさんにも報告せんと。」
チャップ「気ぃつけて行けよ、すまんのう。わしはかあちゃんが腰痛めとって、その分をやっとかにゃいかんのじゃ。」
ネフェニー「気にせんとって。奥さん、早よよくなるとええね。」
チャップ「ありがとうな。お前さんなら敵なしじゃろうが、いかんせん女の子じゃ。気をつけえよ。」

 

ジョフレつチラシ(……配られたというチラシをゴミ箱から見つけたが、こいつはクリミア市でもばら撒かれた嫌がらせのビラと同じだな。)
ジョフレ(何者かが、レニング様を陥れようとしているのか……)
\コツコツ/
ジョフレ「おや、ネフェニーじゃないか。どうしたんだ。」
ネフェニー「……ジョフレさん、こっち。」(サササ)

 

\ガサガサ/
ジョフレ(……すごい山道だな……それにしても、こっちはフェリーレの方じゃないか?)
ネフェニー「足元、気をつけて……」
ジョフレ(フェリーレというと、姉さんに以前しつこかったルドベックとかいう議員がいる地域だな……まさか、な……)
ネフェニー(……足跡はここまでじゃな。ん?なんじゃあの建物……前にはなかったような……)
ジョフレ「何だろうか、この建物は。……『クリミア市民啓蒙セミナー』?」
ネフェニー(胡散臭いのう……)「みんな、ここにいるみたいです。」
ジョフレ「怪しいな、早速調べてみるか。」(ザッ)
ネフェニー「ちょいま……いや、ちょっと待って、下さい……」
ジョフレ「?どうした?」
ネフェニー「ジョフレさんの格好じゃ、怪しまれます……これを。」つ村人の服
ジョフレ「そうか、考えてみたら私の公務の服装では浮いてしまうな。ありがとう。」(ヌギヌギ)
ネフェニー(父ちゃんの服引っつかんできてもうだけど、ええんじゃろか……って!着替え!!目の前!!/////)
ジョフレ「あ!す、すまない!!/////」(ガサガサ)
ネフェニー(うう……ジョフレさんのすっぽんぽんの上半身見てしもうた……結構逞しいしやっぱり綺麗な肌しとる……じゃのうて!お嫁に行けん!!/////)

 

ジョフレ「さて、入ってみるか。」(ガチャ))
ネフェニー「……みんないる……あそこで話してるのは……誰?」

 

ヤードリー「君たちは、このような片田舎で終わる人間ではない……もっと高みを目指せる人材なのだ!」
ジョフレ(……どこかで見たような顔だな……もしかしてあの男……ルドベック議員の秘書じゃないか?)
ネフェニー(みんな大事な農作業ほっぽリ出して、こんなしょうもない話聞きに行っとったんか……!!ばかもん!!)
ヤードリー「……クリミア市がディン市に強制合併されかけた際も、ディン市からは何も賠償もなかった!いくら働けども暮らしは変わらない!それは、誰のせいか!?」
ヤードリー「……無能なクリミア市長!レニングのせいではないのか!!」
\ソウダソウダー!/\レニング市長のバカヤロー!/\オレ達ダッテ、モットイイ暮ラシガデキルハズダー!!/

 

ネフェニー「……あいつら!レニング様のこと何も知らんと……!!」つ槍
ジョフレ「……ダメだ、ここで事を荒立ててはいけない。」
ネフェニー「……どうして!?」
ジョフレ「ここにいる村人たちは皆、あの男に扇動されているだけだ。……同じ村人同士で傷つけあってはいけない。この先もずっと、支え合って生きていく大事な仲間ではないか……」
ネフェニー「……」
ジョフレ「とにかく、ここはひとまず引こう。ヤツが誰かの陰謀で、レニング市長の悪評をふれ回っているのだという証拠を掴まなくては。まずは彼らにそれが真実なのだということを納得させなければ収まるまい。」
ネフェニー「……わかり、ました。」

 

ジョフレ「……さて、村の若者たちがあの男に扇動されていることはわかったが……問題はどうやってあの男とルドベック議員に繋がりがあるかを証明するかだな……」
ジョフレ(……あの男が秘書だという証拠を出したところで、ルドベックに白を切られてしまえば終わりだからな。ルドベック自身があのセミナーやビラを撒く指示を出したという証拠を探さなければ……)
ネフェニー「……ありがとう、ございました……」
ジョフレ「……?」
ネフェニー「あた……わたし、頭に血が上って……騒ぎを起こすとこ……でした。」
ジョフレ「そのことか。……君が取ろうとした態度は間違ってはいないさ。それに、君だって彼らのことを思って怒ったのだろう?」
ネフェニー「……えっ……?」
ジョフレ「本当に彼らに対して無関心なら、あんなに怒れないさ。」
ネフェニー「……はい……/////」
ジョフレ「彼らのことは、私が責任をもって解決しよう。そのために私はここへ来たのだから。」
ネフェニー「ええ、頑張って……下さい。お願い……します。」
ネフェニー\トコトコ/つカゴ(ふう、あたしも収穫作業せんと。あいつらがサボるせいでこんなに溜まってしもうて、全く困ったもんじゃ。)
ジョフレ「あ、待ってくれ。」
ネフェニー「……?」

 

ジョフレ「今からそれを全部収穫しなければならないのだろう?私も手伝おう。」
ネフェニー「ええ!?で、でも……汚れます……」
ジョフレ「いや、君の貴重な時間を使わせてしまったのだ。それに……」
ネフェニー「それに?」
ジョフレ「……恥ずかしい話、私は生まれてこの方こういったことをしたことがなくて……普段食べているものがどうやって食卓まで運ばれるかをその身をもって知りたいのだ。いけないかな?」
ネフェニー「……クス……いえ、ではお願いします。……でも、かなりキツイですよ?」
ジョフレ「……望むところだ!」つ腕まくり

 

ネフェニー(貴族の人って、もっとキラキラしてて……みーんな何でも完璧にできて、王子様みたいな人ばっかりじゃと思うとったけど……)
ジョフレ「よっ!……うーん、なかなか難しいな。こうか!?」(グニグニ)
ネフェニー(……ジョフレさんは、今まで来た偉そうにしとるばかりの役人さんとは違うな……ちょっと固いけど……市長のレニング様や、弁当屋のエリンシア様みたいに、気さくでええ人じゃ。)
ジョフレ「よし!抜けた!!」(スポーンッ!)
ネフェニー(みんな、クリミア市じゃジョフレさんのことしょーぐん()とかヘタレだなんだって言うが……しっかりしてて、真面目でええ人じゃ……/////)
ジョフレ「うわー!肥溜めに足があ!!」(ギャアア)
ネフェニー「……クス」(まあちょっと、頼りないところはあるけえの。)

 

ジョフレ「……お、思ったよりもキツイな……」(イテテ)つ腰
ネフェニー「……これを、みんな毎日やります……」
ジョフレ「なるほど、君が強い理由もわかる気がするよ。」
ネフェニー「よかったら、訓練の課題に……ジョフレさんもやります?」
ジョフレ「!!……いや……うん、やってみせよう!!」
ネフェニー「ふふふ、絶対ですよ?」
ジョフレ「騎士に二言はない!おっと、そうだ……これを。」つ本
ネフェニー「……?」
ジョフレ「いつも稽古をつけてもらっている、お礼だ。私の宿舎に置いていたものだ。読みたがっていただろう?」
ネフェニー「見て……たんですか/////」
ジョフレ「まあね。それではまた、明日。」
ネフェニー「……はい、また明日……」

 

ネフェニー「〜♪」つ鍋
ネフェニー弟「姉ちゃん、なんか機嫌がいいね。」
ネフェニー「そ、そそそそんなことないけえ!!//////」
ネフェニー父「のうネフェニー?わしの服の着替え、見当たらんのじゃが知らんか?」
ネフェニー「……あ//////」

 

〜ルドベック邸宅〜
ツァイス「……どうっすか。ルドベック氏の動向は。」つアンパン
ジード「ダメだ。あの野郎、外ツラはかなりいいみたいだな、なかなか尻尾を出しやがらねえ。」つコーヒー
ツァイス「イーリス署と合同で調査を進めていますが……あっちも成果が上がらないようで。」
ジード「ったく平和すぎるのも困るが、こう政治家絡みの事件が起きるのも面倒なもんだぜ。」
ツァイス「証拠さえ掴めれば、即逮捕なんですがねえ。」
ジード「……ふう、しっかし妹が成績不振である意味よかった……安心して仕事に専念できるってもんよ。」
ツァイス「……過激な妹さんがいると大変っすね……」