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Last-modified: 2017-10-09 (月) 22:06:20

〜紋章町商店街〜

 

エリンシア「お豆腐屋さん、お豆腐いただけますか?木綿と絹を2丁ずつ。」
ボーレ「毎度あり!へへっ、弁当屋の分は明日配達に行くからな。」
エリンシア「いつもありがとうございます。」(ニコ)
ボーレ「いいって!アイクん家の姉弟の人なんだしさ!」
アイク「……豆腐くれ。10丁ぐらいかな。」
ボーレ「おう、アイクじゃねえか。久しぶりだな。」
エリンシア「本当、珍しいですね。アイクが買い物だなんて。」
アイク「頼まれたんだ。」
ボーレ「おーおー、女持ちは羨ましいこって。」
アイク「ボーレ!」
ボーレ「なんだよ、そう睨むなよ。そういう冗談通じないとこは変わってねえなあ。」つ豆腐

 

エリンシア「では、私は他の買い物もしなくてはいけないので……」
アイク「待ってくれ、俺も行く。」(スッ)
エリンシア「えっ…でも……」
アイク「……久しぶりに、エリンシアと二人で歩きたいんだ。」
エリンシア「え、ええ……」

 

エリンシア「ごめんなさい、荷物を持ってもらって。」(テクテク)
アイク「構わないさ。どうせ一つも二つも同じだ。」(スタスタ)
エリンシア「こうして……二人で買い物をするなんて、久しぶりですね。」
アイク「そうだな……最近は、鷹王が妙にこっちに来る気がするし。」
エリンシア「そ、そうですね/////」
アイク「家の連中もだが、何かあったのだろうか?」
エリンシア「さあ……?」
アイク「それに、鷹王が俺に妙にそっけないというか、冷たい気がするし…クロムはああいう様子だったから、まだわかるが…どうして俺まで……」
エリンシア「ごめんなさい、アイク。私からもティバーン様に言っておきますわ。」
アイク「別に構いはしないが、今まではわりと打ち解けてたからな、気になって。」
エリンシア「ふふふ、アイクはお肉が好きなところや、沢山食べるところはティバーン様とは気が合いますものね。」
アイク「……俺は酒は嫌いだけどな。」
エリンシア「うふふ、そうですね。」

 

\バサバサッ/
アイク「……噂をしてみれば、来られてしまったな。」
エリンシア「まあ、本当ですわね。」
ティバーン「……弁当屋に行ってみたら買い物に出かけたというので来てみたら……なんだ、アイクも一緒なのか?」(ジロッ)
アイク「別に買い物で一緒になっただけだ。…邪魔になるようなら帰る。」(クルッ)
エリンシア「アイク…ちゃん。」
ティバーン「まあちょっと待て。アイク、お前これから一杯付き合えよ。」
アイク「……俺がか?」
ティバーン「たまには男同士で話したいこともあるだろうが。」
アイク「……」
エリンシア「行ってらっしゃいな。お買い物した荷物なら、私が天馬で届けておきますから。」
アイク「……エリンシア…姉さんがそう言うなら。」

 

〜ラルゴとカリルの店〜
カリル「いらっしゃい……おや、珍しい組み合わせだね。」
アイク「そういえば、こういうところには初めて来るかもな。」
ティバーン「昔、フェニキスに飯食いに来いっつった時に、お前さん一人でフェニキスに来たことはあったな。」
アイク「そんなこともあったな……エリンシア…姉さんがあんたとまた出会う前だったかな。」
ティバーン「……」
アイク「……どうしたんだ?」
ティバーン「いや……おかみ、焼酎くれ。」
アイク「俺は酒は……」
ティバーン「だったらミルクでも頼んでろよ、俺は笑わねえぜ?」(ニヤ)
アイク「……ウーロン茶、くれ。」(ブスッ)

 

アイク「しかし、どういう風の吹き回しなんだ?」
ティバーン「何がだ?」つツマミ
アイク「……最近冷たいと思っていたあんたが、いきなり飲み屋に付き合えだなんて。」
ティバーン「……」
アイク「だいたい、エリンシア姉さんと一緒にいると特にそう感じたんだが……」
ティバーン「……そう、それな。」
アイク「?」
ティバーン「お前とエリンシアはよ、二人でいるときは呼び捨てで呼んでるくせに、俺やてめえの嫁達の前じゃ"ちゃん"だの、"姉さん"だのって呼ぶよな。」
アイク「……!」
ティバーン「俺や嫁に気ィ遣ってんのか?それとも……」
アイク「……エリンシアは、ちょっと特別なんだ。」
ティバーン「……特別?」
アイク「変な意味じゃない。だが、他の兄弟と比べて……何か違うところがあるんだ。」

 

アイク「子供の頃からずっと思っていた……この人を守らなくてはいけない、と。」
ティバーン「ほう。」
アイク「何故だかはわからない、ただ漠然と……本能のような感覚だった。エリンシアの側にいてやらなくちゃいけない、そんな気が常にしていた。」
ティバーン「……それは、家族としてか?」
アイク「……それも、わからないんだ。ただ、他の兄弟と決定的に違うのはそこだった。ミカヤ姉さんにも何か別の感じを持っていたが……それも漠然としていてわからない。」
ティバーン「……ベオクは、前世の因縁だのなんだのを信じるとかいうが……もしかしてそういうものなのか?」
アイク「……もしかしたら、もしかしたらの話かもしれないが……前世とかそういうので、エリンシアとは姉弟ではなく、他人として一緒に過ごしていたんじゃないかもしれない……そう思うときもある。」
ティバーン「……」
アイク「おかしな話だが、子供の頃一度夢で見たこともあるんだ……」

 

アイク「まだ、当時の俺は10歳にもならないのに、夢の中では16ぐらいで……お姫様の格好をしたエリンシアを必死に守りながら、デイン市長そっくりの男と命がけで戦っていたんだ。おかしいだろ?」
ティバーン「……まあな。妙な夢だな。」
アイク「そんなこんなで、俺はエリンシアのことは少し特別に思っているんだ。だが、勘違いしないで欲しい。他の兄弟だって大事な家族だし、エリンシアも俺の家族で身内だ。」
ティバーン「ほほう。」
アイク「俺も、エリンシアも大事な人ができた。最初は少し寂しかったが……相手があんたなら任せられると思ったし、現にあんたはエリンシアによくしてくれている。あんたと一緒になって、エリンシアはますます綺麗になったと思うし。」
ティバーン「……そうか……」
アイク「エリンシアのことを特別に思っているのは今もそうだが、エリンシアはあくまで俺の家族なんだ。今はあんたが、エリンシアを守ってくれている。これからも、エリンシアを頼む。俺はそう思っている。」
ティバーン「……敵わんなあ……」(グビッ)
アイク「え?」
ティバーン「いや、お前は昔っから面白い男だと思ってたが、やっぱり俺の気に入ったイイヤツだったんだなってまた思っちまってよ。」
アイク「……」
ティバーン「変に勘ぐった俺が馬鹿みてえだったよ、全く。エリンシアをお前に取られんじゃねえかってな。」
アイク「……全く、鷹王はやきもち焼きだな。そういうのは女々しくて、いつもの漢らしいあんたじゃないぞ?」(フフフ)
ティバーン「言いやがったな、こいつめ。」(ハハハハ)

 

ティバーン「……その、な。お前とエリンシアの呼び方だが……俺には気を遣わんでいい。俺の前では、お前らのいつもの呼び方で呼び合ってくれ。むず痒くてたまらん。」
アイク「鷹王……」
ティバーン「その、何だ……お前もエリンシアの身内だからよ……なんつーか、よ。俺にとっちゃあお前も大事なやつでもあるというか……」(ポリポリ)
アイク「……そうか、ありがとう。」(ニコ)
ティバーン「ふん、俺らしくなくしんみりしちまったぜ。また付き合えよ。」\バサバサ/
アイク「ああ、勿論だ。」

 

アイク「エリンシア、少し醤油を借りたいんだが。」
エリンシア「アイク……ええ、どうぞ。」(ニコ)
クロム「なんだか最近俺がハブられている気がする件」つルキナ\キャッキャッ/
エリンシア「あら、クロムちゃんにルフレちゃん!来てたのですか?」
ルフレ「ええ。たまにはお昼を買おうと思いまして……あ、あと料理の件で……(ヒソヒソ)」
エリンシア「うふふ、そのせつは助かりましたわ。結構スパルタで行きますがよろしいですの?」
ルフレ「ええ!頑張ります!……あ、そういえばルキナを抱いてもらえませんか?写真を撮りたいんです!」
エリンシア「ふふふ、可愛いですねルキナちゃん。お母さんに似たのでしょうか?」
ルキナ「キャッキャッ」
クロム「ルキナー!こっち見て!はいこっち見てニッコリ!」(パシャパシャ)
ミカヤ(なんやかんやでうちの兄弟は仲がいいわね……)\ズズー/つお茶