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Last-modified: 2017-10-11 (水) 22:58:50

・作中現実のものと違うところがありますがフィクションとして見てください
・キャラの口調と性格が異なる(改変もしくは崩壊)してるところも
・またオリキャラが登場しますが注意をお願いします
・一部物理無視の描写が有るため此方も注意を
・作中の時期は夏です(重要?)
以上の内容が苦手の方はスルーをお願いします

 

250ccの予選が終わりチーム一同はホテルへ戻ってミーティングを始めた

 

主に250の改善点と決勝での対策だ

 

250を走るライダーでは無いメンバーもいるが、彼らも決勝に勝つための傾向と対策を

 

立てるためにサポートする意見を出してゆく

 

自主性を立ててゆくのがこのチームでの会議のルールというものだ

 

ロイは250のアマチュアレースに参戦してるのだが、プロのと自分のでは参考にならないと判断したため、彼らの意見を聞いてゆくだけだ

 

250のミーティングが終了した後、ロイとデニムは明日行われる600ccと1000ccの合同予選に関しての意見を出していく

 

「監督、明日のタイムアタックですが一番手に僕が出ようと考えてますが

 

いいでしょうか?」

 

「俺とロイでお昼に話し合ったのだが、大事な予選とはいえ積極的なようだからな
監督だったら大事なものとはいえ見逃したら痛手だから、二番手にするつもりだが
どうなんだ?」

 

二人の意見をきいてイーライは思わず息を漏らした

 

彼の考えはロイはまだ走りなれてないため二番手にしたいのだが、その積極性に歓心を示してゆく

 

「お前たちの意見はわかった、俺も二番手にしようと考えてた
でもロイがそういうなら俺は反対しない、だがな・・・。」

 

イーライの言葉を聞いて二人は疑問、するとイーライはパソコンを取り出してした

 

「ロイ、お前はこのタイムを見てもらいたいのだが
これでもお前は一番手になるか?最終的に判断するのはお前だがな」

 

二人が見たのは予選のタイムであった、そこには600ccクラスのライダー各一人ひとりの

 

最速タイムも載ってあった

 

600ccクラスのチームは24チーム、ライダーは48名出場している
その中でデニムはこの日総合5位区間最速で2位の成績であった区間でも総合でも上位言ってるデニムはまずまずの出来であった
しかし一方のロイは総合・区間最速ともに最下位であった、いくら走りなれてないとはいえ
この結果に思わず口をこぼした
「これは、ひどい有様だ・・・」
「いくらお前がまだ走り慣れてなく80%のペースとはいえこれはあんまりだと言いたい。
 お前のその挑戦心に俺は買っているのだがな、如何せん落としたくないものでな。」
「わかりました、では二番手でお願いします」
「・・・すまねぇなロイ、では俺が一番手だな」
イーライからの残念なお知らせを聞いてロイは落胆していく
初のノックアウト形式のタイムアタックを走って勝っていきたい意気込みはあったものの
結果がすべてのモータースポーツの世界で自分のタイムに泣くしかなかった

 
 

その後ミーティングは進んでいき1時間経過してゆく、ミーティングが終わり
夕食のビュッフェを取りにメンバーはホテルのレストランへ足を運ぶが
ロイは今日の走りのビデオを見るために時間をずらして行くと告げ部屋へ戻った
会議室にはイーライとデニムと他スタッフが残った
後片付けをする最中デニムから話題を持ち出してゆく
「なぁイーライ、もしもよロイが全力で走ったらのタイムはあるか?」
デニムはふと疑問に思ったことを口に出す
いくらロイのタイムが最下位とはいえ、ロイがもし全開で言ってたらどうなってたのかと
それを確認しようとスタッフはパソコンを操作し、データを算出する

 

デニムやイーライの中ではよくて中堅下位悪くて下段中位のランクだろうと想像する
パソコンからデータが算出されタイムを見た
すると
「おいおい・・・嘘だろ」「これ本当か?データいじくってない」
「私も驚きましたこれはすごいですよ、それからいじくってませんよデータは」
三者同一驚きを隠せなかった
仮にロイが全力で出した場合タイムは総合3位、区間最速1位の結果だ。
思わぬタイムににデニムは目を開き、イーライは笑い、スタッフは口が開いた
「しっかしなんでこのタイムか、単純計算だったら違うと思うが」
デニムの疑問に一同が思考を巡らせて行く
「…そういえばロイの走行時のビデオってあるか?」
ここでイーライがとある仮説を立てた、ロイの走行に秘密が隠されてるのではないかと
スタッフは今日の走行のデータを確認する
画面にはアクセルワークのパラメータ、ブレーキのタイミング・距離・時間ならびに
ロイからもらったビデオを参考にその答えを導き出してゆく
「なぁ、もしかしたらロイは走りながら『走りを変えてる』のではないのか?」
「イーライ?もしかして・・・」
「このデータを見て思ったのさ」
イーライはある答えを切り出した
ロイのデータを見ると1周ごとにコーナーのアクセルワーク、ブレーキのタイミング
並びに走行ラインを調整しているのがわかった
プロでも走りながらの調整はやっているのだが、ロイも同じく行動をとってるのがわかった
たった半年満たない中でプロと同じ工程をやっていけるのが、データを見て判断した
「・・・あいつそこまで」「まぁあくまで、俺なりの答えだけどな」
「プロとして当たり前のことをきちんとこなしているのが
 仮に全力を出したらの結果がこれだというのがわかりましたね」
改めてロイのやり方に歓心を示す面々の中、デニムはまた彼の実力を羨んでゆく
出会って一ヶ月の彼の強さを信頼しながらも、どこか彼に妬く感情が湧き上がる感じだ
(ほんとにあいつは何処までやるつもりなんだ、正直その前向きな姿勢に
 羨むな・・・)

夕食を済ませたロイは、再び部屋に戻りテレビを見ていた
有線放送が入ってるホテルで今日の走行のダイジェストを確認してる最中である
(一瞬だが今日のトップを走ってたライダーが
 コーナーの入り口で自分よりイン側に10,15センチよってたみたいだ
 それに出口は2秒ぐらい速く出てた、あのラインを参考にすれば・・・)
テーブルに置かれているビデオと一緒に確認し
自分から見たラインと第三者から見たラインを照らし合わせながらノートに書き写してゆく
ロイはレースやジムカーナに行った後、走りをビデオで確認するのが課題だった
しかし一ヶ月前の予選で不甲斐無い結果を残しそれをバネに、ノートに走りのデータを書きはじめた
ビデオで確認した後に、ノートに走行ラインとタイムを書きどこか良いか悪いかを
自分なりに考えて答えを書いてきた
しかし毎周回ごとに書くと切りが無いため、ベストタイムとワーストタイムをメインに
綴っている
「速いな、もうこんな時間・・・
 さてと切り上げて宿題をしよう」
一通り確認が終わった後時間を見ると9時になっていった、レースに使うノートをしまうと
夏季休暇の宿題を取り出し、問題を解いてゆく
(えぇと6x^2+12x=0は確か6で割れるのだから・・・・)
休みとは言えど学生の本分である学問もおろそかにしない
謳歌しながらも自分の立場を忘れてはない
彼が宿題を済ませるころには11時なったことは宿題を終えてやっと気がついたのだ

 

5日目の昼

 

午前のフリー走行が終了し、昼を終えた後
デニムは午後の600cc・1000ccのタイムアタックの準備運動をする
いよいよ始まる決勝の前哨戦、デニムのグローブの中が暑くすべる様な感触がした
開き、閉じを繰り返し感覚を鋭敏にさせてゆく
(緊張のせいなのか、どうも感覚が鈍く感じるな・・・
 熱くなりすぎるなよ俺・・・!)
一呼吸いれマシンにまたがり、スロットを回す、甲高い音がエンジンから
体に伝わってゆき、振動が自分自身を鼓舞してゆく
(よし・・・行くぞ)
「行ってくる」
「よし、デニムまずは目指すは16位以上が目処だ、気を引き締めてゆけ」
「了解」
デニムとマシンはピットレーンへ向かいスタートの準備を静かに待つ
待機中に周りを見回すとその人物はいた
(オズ・・・必ず借りは返させてもらうぞ)
ピット内にいたオズに射抜くような細めた目をむけ、自分の中で今までの分をここで清算させる気概であった
一方のオズはそんなことも露知らず、チームの面々とセッティングの調整を話し合った
無論彼らの目標は優勝であった、彼もチームに所属してある以上、チームと一緒に戦ってゆく
しかしその心中は別のところにあった、スクールメイトを除くチームの面々に明かすことなく隠してゆく

 

いよいよデニムの出番となり、スタートのシグナルが赤から青に変わった
スロットルを力いっぱい回し、風となって走ってゆく

 

決勝の舞台である任天都のコースはコーナーの数は16と割と多く、市街地の狭さ、
並びに車線の変更によりコースが狭まり、またゼロに近いセーフティゾーンや、
連続コーナーや急カーブ、アップダウン、さらには陸橋の下を走る場所が存在する
そのコースを走るライダーたちはしのぎを削り、優勝の二文字を手に入れようとする
イーライのチームもその一組だ
スタートしたデニムはゆるい高速コーナーを抜け、100m先の90° の二連続コーナーに差し掛かり
グリップをゆるく、ブレーキレバーをきつく握りブレーキペダルを踏み抜くぐらい掛け、
6速から2速へ、体を倒しながらアウトインアウトとラインを弧のように描き、再びアクセルを回しながら出口へ出る
出口を出れば再びまた連続コーナーの入り口、シフトを3速に上げエンジンブレーキを利かせコーナーに進入する、急カーブとなる交差点の入り口で、スロットを少し回し
出口のストレートに差し掛かり再びアクセルを回す
上り坂となるストレートで5速に上げ、複合コーナーに差し掛かる
入り口は緩めで思わずスピードを上げてしまうが、ここの二つ目の入り口はブラインドとなっており
且つとてもきつい上に入り口が2車線に変わってゆく
このコーナーは通称”あり地獄の曲がり角”と呼ばれ、入り口で思わぬオーバースピードで壁に激突したライダーが過去の大会であった
デニムは入り口で両ブレーキを掛ける、4速、3速、2速とタイミングよく落とす
そして二つ目の入り口でスロットルを再度あけようとする

 

だがここで誤算が生まれた

 

(まずい、オーバースピードだ・・・!)
入り口でのスピードが乗っかりすぎたため、思わず再度ブレーキをかけアンダーにならないように抜ける
思わぬロスに痛手を喰らった
「今のは痛いロスだぞ、二週目でもう一度いけ」
イーライから注意を受けデニムは三つ目のコーナーをインベタで駆ける
一度ミスはしたもののなるべく差を埋めるように挽回をしてゆく

 

出口を抜ければ下りの4車線につながる直角コーナーに入る
坂道の勾配は穏やかであるが、200m先にあるコーナーがシケイン、その先はスプーンカーブ、90°と
緩急な連続コーナーとなり低速高速の場所となってる
エンジンが高鳴り、マフラーが吼え、デニムはタイミング良くコーナーインし
シケインをスラロームの様に出口へ走り、スプーンをイン側へ、縁石に乗らずコースターのようなコーナリングでクリア
スプーンを抜けた後90°に入りアウトインミドルと駆け下りる

 

複合コーナーをぬけ、さらに下れば、陸橋下のバックストレートに入って行く
陸橋の下はほの暗く、また距離も最高時速260km以上も出して行くほどの
長いストレートだ
選手たちは此処が稼ぎ処とスピードを限界まで出すのだか
真っ直ぐ抜けるのではなく、ホームストレートに道行く最終コーナーがあり
入口200m前に標識が掲げられている
最終コーナーの入口は4車線と広いが、出口の車線は2つと狭くなる為に
乗っかり過ぎて激突も多くあった
デニムは6速から2速へ落とし、エンブレ両ブレーキを掛けた後、ブレーキレバーを使いながら
スピードを調整しつつ流してゆく
最終コーナーを抜ける2車線は上り、本線のホームストレートに合流
最後の追い上げを駆けるべく、フルスロットルでセンターラインを通過してゆく
一週目のタイムは24台中7位の上々の結果であるが、その後も他のチームもタイムを
更新して行き一進一退の攻防が第1ラウンド終了迄続いた
最終的にデニムは9位の結果となり第1ラウンド突破に成功した

 
 

「お疲れですデニムさん」
ラウンドを終えマシンを下りるデニム、スタッフからタオルとドリンクを
受け取りロイと話し合う
「お疲れ様ですデニムさん」
「あぁ疲れた上にドジったぜ」
「僕も昨日の練習でやってしまいかねましたけどね」
昨日のフリー走行でロイもあわや激突だったため、デニムの失敗を同情する
二人は同じ失敗をしたことを苦笑する
「ロイお前もか、次最初ドジったところを注意しとけ
??後はお前のペースで8位以上目指せよな」
10分後に第2ラウンドを走るロイに僅かなアドバイスを送りかつ指示を出してゆく
ロイは返答しマシンに向かいタイヤやマシン具合を確認しつつ準備を行う
「ロイ、第2ラウンドはより手強くなるが自分なり走りで行け、いいな」
「分かりました監督、・・・よし」
第2ラウンドはより強豪のチームが最終ラウンドへ目指すタイムを出してゆく
そう悟ったロイは、一呼吸入れ落ち着かせようとしてゆく
準備が整ったロイはスタートラインへマシンを軽く吹かす
スタートの合図が始まり、体勢を戦闘モードへ移す

 

(さぁ・・・行こうか!)

 

シグナルブルーが目に写る、グリップを回しロイは第2ラウンドに走り始めた

 
 

若獅子の激走 続