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Last-modified: 2017-10-17 (火) 22:14:13

アーサー「……………」
フィー「どうしたの、 アーサー、随分落ち込んで」
アーサー「フィー……何でも……無いよ」
フィー「そんな筈無いじゃない、明らかに落ち込んでるわ……
    私じゃ、力になれないかな?」
アーサー「フィー……実はさ……」

 
 

フィー「……そうなんだ、まさか、アーサーのお父さんがフィンさんだったなんて、それで……」
アーサー「俺はあの人が、ずっと身勝手に母さんや俺達を捨てたって思ってた。
     でも……会いに行って知った、家の仕来たりと、あの人の守りたいもの、そして、俺達家族、それを秤にかけて、必死で悩んでいた事。
     そして、母さんは解ってたんだ、それでも家族を愛してくれてた事……
     それを目の当たりにしたら、俺はこれからどうすれば良いのかなって……」
フィー「……………」ギュ
アーサー「フィー?」
フィー「あのね、私の家、私が小さいうちに両親がいなくなって、それから私達を育ててくれたの、レヴィンお兄ちゃんだったの
    信じられないけど、あの頃のお兄ちゃん、凄く厳しくってね、私、レヴィンお兄ちゃんが、苦手だったの」
アーサー「……………」
フィー「私がお兄ちゃんに怒られて泣いてると、セティお兄ちゃんが慰めてくれたの。
    でも、ある時堪りかねて言っちゃったんだ
   『いつも怒るレヴィンお兄ちゃんなんて嫌、セティお兄ちゃんしかいらない!』
    ってね……その時、レヴィンお兄ちゃん、泣きそうになってるの見えたの……それから、セティお兄ちゃんが言ってくれたんだ」

 

セティ『兄さんは厳しいけど、それは僕達が立派に生きられる様になって欲しいからなんだよ。
    解り難くても、ちゃんと、愛してくれてるんだよ、僕達は、家族なんだから』

 

アーサー「家族……か」
フィー「それからセティお兄ちゃんはそれを証明するように頑張って、学生をしながらも会社を継いだの。
    ただそれから気が抜けちゃったらしくってレヴィンお兄ちゃんああなっちゃってね。
    その変化には流石にびっくりしちゃった。でも、厳しくてもしっかり育ててくれたレヴィンお兄ちゃんと、涙目でも必死で頑張ってるセティお兄ちゃんには感謝してるんだ」
アーサー「そうなんだ……ありがとうな、フィー、お陰で色々吹っ切れたよ」
フィー「そう?」
アーサー「ああ、そうだな、母さんが父さんの元に行ったいま、俺が兄としてティニーを守らないと。
     こんなところでウジウジしてられないよな」
フィー「そうそう、そんな底抜けに明るくてシスコンな方がアーサーらしいよ」
アーサー「シスコンって……まぁティニーは大切だから仕方ないけど、でもフィーも俺にとっては大事だぜ」
フィー「もぅ……でもありがとう」
アーサー「さしあたってそれからすべきは」

 

リーフ「今日はいい天気だよ、絶好のナンパ日和だ、待っててね僕のお嫁さんとなる巨乳さん達♪」

 

アーサー「兄として、今後ティニーを泣かせる筆頭をぶちのめしに行こうか」
フィー「やれやれ、でも、女として許せる言動じゃ無いから、私も手伝うよ」

 

コノヒトデナシー!!!

 

フィー(取り敢えず葉っぱはBL完全否定派みたいだし、理解を示せれば、可能性あるかもよ? セティお兄ちゃん……)

 
 

ティニー「あ、そうです。みんなにも話しておかないと……」
ミランダ「話?」
ナンナ 「何かあったの?」
ティニー「私事ですが、父様ーーフィン父様が私と兄様の父親ということが分かりました。母様は今、父様の家に住まれています」
ミランダ「ブーッ!?!」
ナンナ 「突然の爆弾発言!? え、父親? フィンさんが、ティニーの?」
ティニー「私もびっくりしました」
ミランダ「ゲホッゲホッ……驚きすぎてお茶吹いたわ!」
ナンナ 「はい、ハンカチ」
ミランダ「ありがと……。で、何で急にそんな話が?」
ティニー「つい先日、色々とありまして……」
ナンナ 「その『色々』の結果、ティルテュさんがフィンさんの家に住むように?」
ティニー「はい。翌日、改めて挨拶に行ったところ、Eドリンクってスゴいね! と言っていました」
ミランダ「娘にんな話するな母親ぁっ!?!」
ナンナ 「フリーダムだわ……」
ティニー「近いうちに弟か妹が生まれるかも知れません。
     今構想中の父様×兄様本と、どっちが先になるでしょうか……」
ミランダ「あんたも業が深すぎるわ!?」
ティニー「私には見せないツンツンした態度を取る兄様を見て、つい受けに……。母様から、父様の勇者の槍について、詳しく教えてもらえますし」
ミランダ「母娘揃ってフリーダム&クレイジーね……」
ナンナ 「フィンさん、振り回されすぎて倒れないかしら……」
ティニー「出会って三日で母様に押し倒され、実家に連れ戻されて十五年間会えなくても愛しておられた父様ですから、大丈夫です、きっと」
ミランダ「ダイジェストがカオス!?」
ナンナ 「もう振り回され慣れているんですね、フィンさん……」

 

キュアン「うぉっしゃー! 宴だ宴だー!」
エスリン「フィンが……何年も『もう再婚していいんじゃない?』って言い続けても絶対にしなかった、あのフィンが……!」
キュアン「シグルド! エルトシャン! お前らも飲め! 飲め!」
シグルド「もう飲んでるよ」
エルトシャン「キュアン夫婦の盛り上がりが、凄まじいな」
グラーニェ「お二人のフィン殿に関する逸話は、レンスターでも有名ですから」
ラケシス「そうなのですか?」
グラーニェ「何年か前、シグルド様が冤罪で解雇されかけた際、『党の全てをフィンに預ける』と言って駆け付けたこととか」
シグルド「その節は本当にお世話になりました」
エルトシャン「俺のところに、『妹をフィンにくれ!』と言いにきたこともあったな」
シグルド「何故か周囲が、フィン派とベオウルフ派に別れて騒動になったっけ」
グラーニェ「ラケシス様の『兄様のような人でなければ好きになれないわ』発言で終息したんですよね」
ラケシス「…………話が脱線しています。今は、フィンについてでしょう?」
キュアン「そうなんだよ! そんなフィンが、まだ十五、六才の時に、事情により籍は入れられませんが、ってティルテュを紹介に来て!」
エスリン「あ、私がまだシグルド兄さんと遊んでた頃の話ね! 聞きたい!」
シグルド「エスリン? ちょっと飲み過ぎだよ?」
キュアン「アーサーが生まれて、幸せそうで良かったなー、って思ってたのに……! なのに……! フリージがぁぁぁぁっ!!」
エルトシャン「キュアン、お前も飲み過ぎだ」
キュアン「お前の幸せのためなら俺のホモ本くらい何百万冊描かれても良いわぁーっ!!! なに絶縁されてんだテメェッ!!
     たとえキュアン様の命令でも聞けません、って! お前のその台詞あの時と再婚関係でしか聞いたことないわーっ!! アホーッ!!!」
グラーニェ「……どうしましょう、この酔っ払い」
ラケシス「キュアン様、そのフィンも、今回幸せになれたのですから」
キュアン「う……うぅ……あの時フリージの要求を認めていれば、十五年も待たずに済んだのに……。
     馬鹿野郎……幸せになれバカヤロー……」
エスリン「そうだー! 子と孫と曾孫に囲まれて老衰で死ねバカヤロー!」
シグルド「本当にもう飲むの止めなさい、エスリン」
エルトシャン「おいシグルド。こいつら適当な部屋に放り込むぞ」
ラケシス「でしたら、アイクさんかエフラムさんの部屋が空き部屋になっています。掃除はしているので使えるはずです」
エルトシャン「分かった。ほら行くぞ、キュアン」
シグルド「エスリンも。酒瓶は置いて行って」
キュアン「ばかやろー」
エスリン「ばかやろー」
グラーニェ「エルトシャン様とシグルド様が戻られたら、仕切り直しね」
ラケシス「今の間に、何か軽く摘まめる物を用意してきます」

 

グレイド「そうか…フィンがなあ…あいつもやっと…なあ…」
セルフィナ「長い長い年月でしたね…お祝いにシューターに突撃してきます」
グレイド「よしなさい。プレイヤー泣かせの突撃はよしなさい」

 
 

ミカヤ「…アイクとエフラムとカムイの部屋が空いてちょっと経つかしら…」
エリンシア「寂しいとお思いですか?」
ミカヤ「んーん、分家たって歩いていけるすぐそこだしね。それほどでもないけど、ただちょっと感慨感じちゃって」
エリンシア「そうですわねえ。三人のお部屋をお掃除してると私もいろいろ思い出されて…」
ミカヤ「そこにいた人を思い出すから空き部屋は感慨深いのよ。私なんて昔住んでたところの様子見に行こうと思わないもの。一人だったしわざわざ見にいってもね」
エリンシア「1万年前の洞窟住居とか竪穴式集落跡地の遺跡でしたかしら。今は歴史遺産として保管されてますわね」
ミカヤ「人んちを学者先生が研究したり監察したりしてるって思うとちょっとくすぐったいわ。ふつーに住んでただけだしね」