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Last-modified: 2017-10-22 (日) 23:09:53

シャナン「なあ……オイフェ、フィン」
オイフェ「どうされましたかな?」
フィン「随分と気落ちしているようですね」
シャナン「私は……どこで間違えたのだろう……」
オイフェ「……ふむ……」
フィン「……そうですね……趣味嗜好については、私たちから言えることではないでしょう。
    リーフ様はあの通りですし、オイフェ殿も年下が好みですから」
オイフェ「流れ矢が刺さりました。ご自分も、ティルテュ殿に様々な衣装を着せてオタノシミのくせに」
フィン「その件、どこで聞いたか後ほど伺いましょう。
    ともかく、個人の嗜好には口出しいたしませんが、あえて言うなら、リーフ様と同じく、相手と向き合うことを怠ったのが誤りでしょう」
シャナン「……私は……ラクチェたちのことを見ていたつもりだ……。ナンナたちに見向きもしない葉っぱとは……」
オイフェ「誰彼構わず少女を追い回していた時にも、ですか?」
シャナン「それは…………」
フィン「あなたがラクチェたちを、嗜好を含めてとは言え、大切に想っていたことは確かなのでしょう。
    だからこそ、あの頃のアイラ殿は、あなたを諫めはしても、今ほど厳しく接しはしなかった」
シャナン「…………そうだな……叱られることはあっても、あんな目を向けられることは……ぐす……アイラから……あんな……あいらぁ……」
オイフェ「……身内の酒の席です。この場この時の涙は、誰も見ておりませんよ」
シャナン「すまない……私は……わたしは……ごめん……ごめんなさい、アイラ……ぼくがわるかったです……ごめんなさい……」
フィン「周囲と向き合い直して、誠実であること、ですよ」
オイフェ「まずは、流せるだけここで流し尽くしてしまいなさい。大丈夫、あなたは、強い人です」
フィン「ええ。それに、変わろうと決意して、皆が支えてくれるなら、きっと上手くいきます。
    たとえ時間がかかっても、十五年も停滞はしませんよ」
オイフェ「唐突な自虐ですな」
フィン「意志を通した結果ですから、後悔はしないようにしていますが……。
    ティルテュにも、アーサーにも、ティニーにも、苦労をかけました……」
レヴィン「今は幸せなんだろ? だったら、それで良いじゃん。ティルテュも楽しそうだって、フュリーとシルヴィアが言ってたぜ?」
オイフェ「どこから湧いて来られたのですか」
レヴィン「私は風……なにものにも私を縛ることはできない……。
     つーかお前ら、この面子で飲むのに俺を呼ばんって、どーいうことだ!?」
フィン「あなたの場合、シャナン殿に対して『愛があれば良くね』などと、変に焚き付ける恐れがあります」
オイフェ「目に浮かびますな」
レヴィン「ひでぇっ!? 空気は読む男よ、俺!?」
フィン「読んだ上で吹き飛ばしますから」
オイフェ「まさに風。台風ですか」
レヴィン「言いたい放題だな!」
フィン「それから、私とティルテュの件をオイフェ殿に流したのは、あなたですね?」
レヴィン「何のことだ?」
オイフェ「セーラー服やら何やらの件です。初日からEドリンク、についてもですな」
レヴィン「おま!? 裏切るのかオイフェッ!?!」
オイフェ「私は一方的に聞かされただけです。情緒酌量を」
フィン「なるほど」
レヴィン「汚い! 大人って汚い!」
フィン「良い歳して何を今更」
レヴィン「その勇者の槍(本物)、星百個ついてんぞ!?」