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Last-modified: 2017-11-06 (月) 00:18:04

ベルン署により「KINSHIN幇助」の疑いで拘束された筆者は、「AKJ過激派に脅迫された。俺は悪くない」と繰り返し供述しておりーー
これについて、現AKJ会長プリシラ氏は、彼の供述を否定するとともに、近日中に会見を行うとーー
また、今回の事件について、イーリス署のエメリナ署長は、ベルン署の迅速な対応は評価するものの即時強制拘束は乱暴ではないか、多角的かつ詳細に調べる必要がある、と共同捜査の意向をーー

 

以上、FETVのドロシーが、ニュースをお伝えしました。

 

キスも無しですがKINSHIN風味です!
なお、このレスと次レスで、地の文の『姉』が『彼女』に変わっているのは誤字ではないです

 
 

「お早う、ミカヤ姉さん」
「ア、アイク……お、おはよう……」

 

 初めは些細な違和感だった。

 

「今日はどこか行くの?」
「ああ。リアーネが森に行くらしいから、一緒に」
「そっか……大事な奥さんなんだから、ちゃんとエスコートするのよ?」
「もちろんだ」

 

 少し姉と距離を感じた気がした。
 気のせいだと思った。
 しかし、それが数日も続けば、何かあったのかと考える。
 上手く聞き出す方法も浮かばず、苛立ちが澱のように積もる。

 

 自分では普段通りに振る舞っているつもりでも、
 セルジュからは「話せる時に相談してちょうだい。できる限り力になるわ」と、
 ニュクスからは「何があったか、ミカヤに聞いておきましょうか」と、それぞれ見透かされた。或いは、他の者も気付いていたのかも知れない。
 ありがたい申し出だったが、自分で解決すべき事なのだと、何となく感じたので、直感に従い、気持ちだけ受け取った。

 

 それでも、また数日も同じ状況が続けば、更に苛立ちが増していく。
 姉に何かあったことは確実なのに、そしてそれは、恐らく自分が関わる内容なのに、避けられる。

 

 まるで、自分に頼ることはできないと、頼りないと言われているようで、

 

 だから、

 

「っ! アイク……!? どうしたの……!?」
「どうかしたのは、そっちだろう」

 

 ちょっとした会話を、以前ならしばらく会話を続けた内容を、早々に切り上げて逃げるように背を向けた姉を、抱き寄せていた。
 逃がさないように。
 腕の中に閉じ込めるように。

 

「何があった」
「……なんでも……」
「何でもないのに避けることを、俺は姉さんにしたのか?」
「そんなこと……! そんなこと、ない、けど……」
 抱き寄せられ、こちらを見上げる彼女の瞳に、怯えを見た。
 そして理解する。
 自分こそが、怖がっていたのだと。
 強くなったと思って、守りたい者が増えたと思って、それでも。
 未だに、自分は彼女に拒絶されることが、それを目の当たりにすることが、どうしようもなく怖いのだ。

 

 だからこうして、自分に怯える彼女を見ただけで、心が砕けそうになる。

 

「…………すまなかった……俺が何をしたかも分かっていないのに謝るのは、間違っているだろうが……強引な真似をしたことは、謝らせてくれ……」
 信じられないくらい簡単に、絶望が胸を埋める。
「……俺以外の兄弟には、前と同じように接してくれると、助かる」
 これ以上は踏み込めないと、心が歩みを止める。
「悪かった……」

 

「アイク! ……違う! 違うの!」

 

 そして、手放そうとした彼女が、自ら抱き締めて言葉をくれるだけで、馬鹿みたいに救われるのだ。

 

「その……私が勝手に色々悩んだり悶々としたり何かゴチャゴチャになってただけで……えっと……」
「落ち着いてくれ。何があったかは、無理に聞かない」
「うぅー……本当にごめんね……アイクをあんな気持ちにさせるなんて……」
「……さっき、心を読んだのか?」
「読む気はなかったんだけど……ものすごく真っ黒になってて……死んじゃいそうだったわ……」
 死にはしない、と、思う、多分。
「とにかく、アイクは私の自慢の弟で、私はアイクの姉! それで良いのよね! うん!」

 

 そう、晴れやかな笑顔で告げる彼女に、見惚れる。
 ああ本当に、この人は、綺麗だ。

 

「そうだな……俺は、弟として姉さんを守ろう」
「そうね……そうよね! よーしスッキリしたわ! ごめんね色々! これからはいつも通りだから!」
「そうか……なら、良い」

 
 

 ミカヤは知った。自分とアイクが結ばれる可能性の世界を。彼に溺れるように愛され愛する自分の姿を。
 アイクは理解した。ミカヤに拒絶される恐怖を。自分の執着を。そして、彼女の美しさを、改めて知った。

 

 暁が陰り、この世界では解消されたはずの蒼く燃える情炎が、また燻り始める。

 

ミカヤ「全く……なんてもの見せるのよ……アイクとまともに話せなかったじゃないの」
ユンヌ「そんなこと言って、意外と喜んでたりして」
ミカヤ「あ、あのねえ……」
ユンヌ「じゃあもう一回脳内で再生させてあげるわ、ほい」
ミカヤ「ち、ちょっと……!」

 

ミカヤ『……っう! や! ああ! んぁ! あ! アイク……アイク……っ!」
アイク『……ぅ……お……姉さ……く……っ!』
ミカヤ『……っ! ああっ! あ! ……はあ……はあ……す……ご……もう何回目?』
アイク『悪い……俺はまだ姉さんが欲しい』
ミカヤ『しょうがないわね……でも待って、流石に休まないと辛いから……お姉ちゃんがお口と胸でしてあげる』

 

ミカヤ「ああああ! だから止めなさいって!」
ユンヌ「姉じゃなくて名前で呼んでって台詞入れた方がよかった?」
ミカヤ「知らないわよそんなの!」
ユンヌ「ミカヤが素直に体貸してくれればこんなことしなくて済むのになー」
ミカヤ「あなたねえ……」
ユンヌ「もう素の状態でアイクに迫っちゃおうかな……」
ミカヤ「……大丈夫?」
ユンヌ「何が?」
ミカヤ「だって……素の状態のユンヌだと……その……もし上手くいってもアイクのサイズを受け入れるのは辛いんじゃ……」
ユンヌ「な!? で、できるし! ファだってお嫁さんやれてるんだから準備すれば全然いける! 何かあっても神様パワーでどうにかするし!」
ミカヤ「大丈夫かしら……」
ユンヌ「だ、大丈夫だから!? ……ん? そう言うってことは実は結構しっかり見てたんじゃないの」
ミカヤ「あ、いや、それは……」
ユンヌ「よーしじゃあ今夜また見せてあげるわ」
ミカヤ「だ、だから止めなさいって言ってるでしょ!」

ミカヤ「あーもう……」
ニュクス「……何かあったの? 話なら聞くけど」
ミカヤ「いや……別に……」
ニュクス「……そう……そういうことにしておくわ」
ミカヤ「……そっちは相変わらずアイクとラブラブなんでしょ?」
ニュクス「そうね……何か急にのろけ話したくなったから、聞いていかない?」
ミカヤ「いつもじゃないの……まあ、聞くだけなら」