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Last-modified: 2018-07-29 (日) 20:44:44

オロチ「よし……出てきたな、では見つからないように追跡を始めるぞ」
ニュクス「せっかくカゲロウの誕生日でアイクと二人で出かけるんだからそっとしておいてあげなさいよ……」
オロチ「邪魔はせん、わらわも今日のためにカゲロウから色々相談を受けたしな、ふむ……忍び装束でない気合の入った着物姿のカゲロウも久々に見るのう……
    気になるではないか。親友のことは」
ニュクス「まあ、それはそうだろうけど……なんで私まで……」
オロチ「呪術師仲間であろう? それに二人の方が万が一ばれたときに言い訳できるではないか」
ニュクス「呪術に関しては一方的に対抗意識を燃やされてるだけな気がするけど……もしかして私って保険のためだけに連れてこられたの?」
オロチ「細かいことは気にするでない。ほれ、行くぞ、今日は白夜を回った方がいいと勧めたからな、こんな面白そうなこと放っておけん」
ニュクス「……今面白そうなことって言わなかった?」

 

オロチ「この美術展にはカゲロウの作品が展示されているのじゃ、めでたいのう。夫婦で来るには実によいと思わんか、カゲロウも嬉しそうじゃ」
ニュクス「入口に前衛美術展って書いてあったけど……」
オロチ「夫の方……アイクも、頷いているがカゲロウの美的感覚が分かるんじゃろうか……それならいいんじゃが」
ニュクス「……カゲロウのセンスに関しては私も勉強が足りないから何とも言えないわ」

 

オロチ「いい料亭じゃろう? 今隣の部屋にカゲロウ達が来ているからな、こっそり様子を……」
ニュクス「流石に食事にそんな面白いことはないと思うけど」
オロチ「……あのアイクという男、ずいぶん食べるのう……ど、どこまで食べる気なんじゃ? 数えた方がいいのか?」
ニュクス「……そういえば、知らない人が見たら驚くかもしれなかったわね」

 

オロチ「さて、日も落ちたが……今日は河川敷で花火が見られるのじゃ、穴場を教えておいたので周りに人もいなく雰囲気十分であろう?」
ニュクス「まあ、確かにそうね」
オロチ「む、ずいぶん密着しだしたぞ……何をしているのじゃ……ええい暗くて見えん!」
ニュクス「ち、ちょっと……騒ぐと見つかるでしょ!?」

 
 

オロチ「で、すっかり夜も更けて……宿に入ったわけじゃが」
ニュクス「結局一日中こんな……それで、もう寝るの?」
オロチ「まあ待て……実は例によって隣にカゲロウたちがいるのじゃが……壁に少々細工をしていてな、隣の様子を伺えるようにしたのじゃ」
ニュクス「なんでそんな都合のいいことに……」
オロチ「それは、この部屋を取ってやったのがわらわじゃからな」
ニュクス「……あなたって面白いことのためなら労力を惜しまないタイプなのね、本当に邪魔だと思ったら止めるわよ」
オロチ「それは好きにせい、お、何やら動きが……」

 

カゲロウ「アイク……その……今日は……」
アイク「何も言うな、俺も……何だ」
カゲロウ「そ、そうだな……私も……」

 

オロチ「……始まったぞ……おお……あんな濃厚な接吻を……」
ニュクス「つい声出しちゃったりはやめなさいよ……」
オロチ「流石に互いに脱ぐのは慣れ……は? いやいやいや……あ、あんなに逞しいのは……カゲロウは……お、お前は特に大丈夫なのか?」
ニュクス「……最初は驚いたけど、今はアイクがいない生活は考えられないとだけ」
オロチ「そ、そうか……む……あ、あれがカゲロウが言っていた夫のためだけに研究したくのいちの夜伽の技……!?」
ニュクス「私……もう寝るから」
オロチ「おお……今度はあんな体勢であのように激しく……い、いつまで続けるつもりなんじゃ……?」

 
 

ニュクス「あら、絵日記を書いているの?」
カゲロウ「ああ……昨日の誕生日のだ。前日にオロチが色々相談に乗ってくれてな、良い日だった。良い友を持ったと思う」
ニュクス「……そうね……この絵は?」
カゲロウ「これか? これはな……アイクと二人で夜に花火を見た時の光景を描いてみた。我ながら自信作だ」
ニュクス(荒野で怪物が暴れているような絵に見えたってのは黙っていた方がいいかしら……)

 

カゲロウ「オロチ、この前は世話になったな、おかげでよい誕生日を二人で過ごせたぞ」
オロチ「あ、ああ…うむ…」
カゲロウ「…どうした?」
オロチ(カゲロウがあのような…豊かすぎる胸どころか口にすら収めるのに苦労しそうなものを…相談を受けたりしたが
    わらわの知らない領域を知っていそうだったり…よく分からなくなってきたのう)
カゲロウ「どうかしたか?急に黙り込んで」
オロチ「ああすまん、まだ胸が成長してるのかと気になってな」
カゲロウ「な…さ、さすがにまだ成長しているなんてことはないだろう…そう見えるか?まさかアイクが毎晩あんなにするから…?」
オロチ「相変わらず見ていて飽きんのう」
カゲロウ「…み、妙な冗談はよせ」

 

ミネルバ「お前の苦労。わかる。わかるぞ…胸に挟もうとしてみても先は顔を出すし、口に収めるも難儀する。顎が疲れるほどにな」
カゲロウ「いや、何を言っているのか…」

 

シグルーン「むしろ燃えます、もっと良くして差し上げたいと…愛の見せ所ですわ」
大人チキ「そうね、私もエフラムに何回してあげても、もっとしてあげたいって思うもの」
ノノ「お姉ちゃんたちのを見てファももつと覚えなきゃね」
ファ「うん!」
ンン「また教育を…」
カゲロウ「ふむ…私も精進が足りないか」
シグルーン「そういえば、先日のお誕生日はいかがでしたか?」
カゲロウ「ああ、アイクと二人きりで出かけるのも久々だったが、良い日になった。花火がまた綺麗でな…」
ファ「ファも花火みたーい!」
ノノ「ノノも!」
シグルーン「花火を見るなら適当なビルの屋上ならいつでも確保できますから、必要なときにご連絡を」
ファ「わーい!」
ノノ「さっすがー!」
サナキ「この有能さを今みたいにまともな方向にだけ向けてくれれば…」
ンン「心中お察しするのです」