72-480

Last-modified: 2019-07-07 (日) 23:44:26

前回:72-476
今回:ルーテ先生による考察

ルーテ「以上のデータから、仮称・三傑異界の存在である、現在この場に居るラーチェルさんが、この世界、仮称・原作寄り異界のラーチェルさんと、精神または記憶が入れ替わった可能性が高い、ということになります」
エフラム「仮称、とはどういうことだ?」
ルーテ「どちらの世界が表で、どちらが裏か不明な以上、両方を異界と呼称するに当たって、区別するための仮の名称です」
エフラム「……表……裏……良く分からんな」
ラーチェル「呼び方などどうでもよろしいですわ! それより、こうなった原因は何ですの!?」
ルーテ「仮説に仮説を重ねることとなりますが……先日、こちら原作寄り異界のラーチェルさんが、三傑異界の観測結果をご覧になりました」
エフラム「……ああ、おかげで大変な目にあった」
ルーテ「その後、ラーチェルさんもご自身の妄想を超える大変な目にあったそうですが」
ラーチェル「もしかして、あの映像の……!? そ、そういうことは! 今は言わなくてよろしいですわ!」
ルーテ「失礼しました。場を和ませるジョークです」
ラーチェル「あなた冗談下手ですわね!?」
ルーテ「優秀な私の数少ない欠点の1つですね。こちらのラーチェルさんにも良く言われました」
ラーチェル「苦労しましたのね、こちらのわたくし……」
エフラム「話が逸れているぞ。結局、この状況の原因は何だ?」
ルーテ「はい。先に述べた通り仮説ではありますが、そちらに居る三傑異界のラーチェルさんが、こちら、原作寄り異界の観測結果をご覧になったことが、原因と思われます」
ラーチェル「映像を見たことが、ですの?」
エフラム「それなら、先日、俺もあちらの異界の映像を見たが……」
ルーテ「正確には、それぞれの異界の同一人物が、互いの存在を強く認識したことが、でしょうか」
エフラム「……やはり、良く分からん」
ラーチェル「わたくしもさっぱりですわ……」
ルーテ「加えて、その両者が同時に意識を失ったことで、異界間の混線と呼べる事象が発生し、互いの精神が入れ替わったというのが、現在の情報で立てられる推論です」
エフラム「結論が欲しい。どうすればこの状況は解決する?」
ラーチェル「そうですわ! わたくし、元の世界に戻りませんと!」
ルーテ「古典的でお約束な手法ですが、発生した際の状況再現が、最も可能性が高いでしょう」
ラーチェル「状況再現、というと……わたくしはこちらに来る前、エイリークの部屋で眠ったところでしたが……」
エフラム「………………こちらは……その……何だ……」
ラーチェル「……目が覚めた時の感覚で、何となく分かってはいましたけれど、その……」
ルーテ「なるほど。気絶するほどなさった直後、と」
エフラム「言うな!」
ラーチェル「言わないでくださいまし!」
ルーテ「つまり、向こうのラーチェルさんが眠っている時間帯に、気絶するほどなされば、戻れるかもしれません」
エフラム「……………………それは……」
ラーチェル「ど、どうしま、しょう……」
ルーテ「数日で勝手に戻る可能性も0ではありませんが、期待はしない方が良いと思います」
エフラム「………………むぅ……」
ラーチェル「むむむむむ……!」

次回、一方その頃の三傑異界サイド