72-487

Last-modified: 2019-07-07 (日) 23:51:31

前回:72-484 三傑異界エイリークと原作寄り異界ラーチェル
今回:原作寄り異界エフラムと三傑異界ラーチェル

 
 
 

ラーチェル「1週間が過ぎましたわ……」
エフラム「勝手に戻る様子は無い、か」
ラーチェル「ルーテさんから伺ったお話では、短ければ10日で、この『異界接近?』とやらが一時終息するので、それまでにデータを集めるそうですが……」
エフラム「終息後、次に『入れ替わり』が可能になるのは、いつか分からない、と……」
ラーチェル「早ければ数日。長ければ……不明……」
エフラム「現状、戻る手段は、あれだけか……」
ラーチェル「アレだけですわね……ソレさえすれば、ほぼ確実に戻るらしいですけれど……」
エフラム「…………どうにか、ならんだろうか……」
ラーチェル「……この世界に居たわたくしと、今ここに居るわたくしを、あくまで別人として扱う姿勢は、評価しますわ」
エフラム「当然だ。三傑異界とやらの俺の選択を否定する気は無いが、ここに居る俺が愛したのは、あいつ1人だ」
ラーチェル「わたくしに言ってどうしますの。どうせ、本人にはっきりと言葉で伝えることは少ないのではなくて?」
エフラム「……そうだな。言われてみれば、そうかもしれん」
ラーチェル「あちらのあなたは、奥様それぞれに対する愛の言葉を考えるように、なんて言われて、随分と頭を悩ませていたそうですわよ?」
エフラム「…………確か、20人以上、だったと思うんだが……?」
ラーチェル「当時はまだ少なかったはずですが……それでも、10人くらい、でしたわね」
エフラム「そちらの俺は、やり遂げたのか?」
ラーチェル「奥様全員が嬉しすぎて蕩けるくらいに」
エフラム「……なるほど。ならば、俺が俺に負ける訳にはいかんか」
ラーチェル「精々頑張ることですわ。それにしても……別邸が無い兄弟家に、違和感を感じてしまいますわね……」
エフラム「別邸?」
ラーチェル「あちらのエフラムとアイク義兄様、カムイさん、エイリーク、ヘクトルさん、リンさん、マルスさん、セリスさんは、4人から数十人と結婚され、敷地内にそれぞれ家を建てていましたわ。エフラムのところには、メイドも大勢」
エフラム「…………そういえば、確かに見慣れない建物が映っていた気がするな。あとメイドって何だメイドって」
ラーチェル「それから…………ア……アル……そう、アルムさんも、外に開拓村を作って、4人の奥様と暮らしているとか」
エフラム「アルムもか……」
ラーチェル「エリウッドさんは、フィオーラさんとニニアンさん」
エフラム「……死ぬんじゃないか? あいつ」
ラーチェル「量産型リカバーリング、なんて開発してもらったらしいですわ」
エフラム「そんなもの誰が……ルーテか」
ラーチェル「リオンも協力したそうですわね。それに、強力な健康ドリンクの開発販売でも儲けていますわよ」
エフラム「聞けば聞く程、想像を超えているな」
ラーチェル「わたくしからすると、こちらの世界も想像を超えていますけれど……。特に……」
エフラム「俺と、こちらの世界のラーチェル、か」
ラーチェル「ですわね。……経緯を聞いたら、ああ、わたくしやりそう、と思えるのが、非常に微妙な感じがしますわ」
エフラム「ことあるごとに杖で殴りかかって来られたからな……」
ラーチェル「そこからあなたに惚れるわたくしもわたくしですが、あなたも良く、そんな相手を選びましたわね」
エフラム「……言葉にするのは難しい……だが、後悔は無い」
ラーチェル「そうですか」
エフラム「そうだ」
ラーチェル「では、その難しい感情を言葉にして、帰ってきた『ラーチェル』に伝えるのが、あなたの課題ですわね」
エフラム「……そうだな。ああ、そうしよう」
ラーチェル「適当に応援いたしますわ」

 
 
 

何か、この2人のダラッとした会話、書いてて楽しい

 

次回、異界間通信