72-489

Last-modified: 2019-07-07 (日) 23:56:31

前回:72-487 原作寄り異界にて、三傑異界を語るラーチェル
今回:ラーチェルとラーチェルと原作寄り異界エフラムの通信

 
 
 

ルーテ「突然の呼び出しに応じて下さり、ありがとうございます」
ラーチェル「何か分かりましたの!?」
エフラム「落ち着かない気持ちは分かるが、まずは話を聞こう」
ルーテ「互いの異界について解析を進めた結果、間もなく、数分程度ですが、異界間で通信が可能となります」
エフラム「……それは、あちらも認識しているのか?」
ルーテ「あちらにはあちらの私がいます。問題ありません」
ラーチェル「……これ、ジョークではなくマジですわ」
エフラム「確信というか、疑う理由が無い、と思っている顔だな……」
ルーテ「では、回線を繋ぎますので、心の準備を」
ラーチェル「分かりましたわ!」
エフラム「頼む」
ルーテ「3……2……1……えい」

 

ラーチェル『繋がりましたの!? この声、あちらに届いていますの!?』
ルーテ『そのはずです』
ルーテ「問題ありません」
ルーテ『そのようですね、私』
ルーテ「計算通りです、私」
ラーチェル『あなた達!』
ラーチェル「ややこしいから黙っていてくださいます!?」
エフラム「お前達も、ややこしいぞ……」
ラーチェル『その声はエフラム! わたくしの声が聞こえたら返事を!』
エフラム「ああ。久しぶりだな、ラーチェル」
ラーチェル『ええ。まったく大変なことになりましたが、時間がありませんので、苦労話は後ですわ!』
エフラム「そうだな、本題に入ろう」
ラーチェル『単刀直入に言います! 今そこに居るわたくしは、精神は別のわたくしでも、肉体はその世界のわたくしです! よって浮気にはカウントしません!』
ラーチェル「ふぁっ!?」
エフラム「……いや、それは、しかし……」
ラーチェル『しかしもお菓子もありません! どうせ、期限が来る前に、浮気したことも異界のわたくしと強引に事に及んだことも、全て自分が責任を負えば、とか何とか考えていたのでしょう!?』
エフラム「……そうだ」
ラーチェル「え? そうなんですの!?」
ラーチェル『この……っ! バカッ!!』
エフラム「…………」

 

ラーチェル『わたくしを誰だと思っていますの!? あなたが選んだのは、このわたくし! このわたくしが選んだのは、あなたですのよ!』
エフラム「……ああ、まったく、その通りだな」
ラーチェル『何を全部1人で背負おうとしていますの! あなたの隣に居たのは、荷物を分かち合うこともできない女ですか!?』
エフラム「まさか。俺が知る中で、お前は誰よりも強い女性、誰よりも誇り高い人間だ」
ラーチェル『ぼっふおっ!?!?』
ラーチェル「ちょっとわたくし!? 不意打ちなのは分かりますが、締まりませんわよ!?」
ラーチェル『ととととととととととにかく!』
エフラム「……そうだな。俺も覚悟を決めた。……だが」
ラーチェル『そうですわね。……そちらのわたくし!』
ラーチェル「は、はい! 何ですの!?」
ラーチェル『わたくしの身体は貸して差し上げますが、エフラムは渡しませんわ!』
ラーチェル「渡されても困りますわ!? ああもう分かりました! わたくしも、自分の身体ではないからセーフ理論に乗って差し上げます! 他に考えが浮かびませんし!」
エフラム「……ラーチェル。今日が、入れ替わりから10日目だ」
ラーチェル『分かっています。わたくしも、こちらの世界で目覚めた場所で眠ります』
エフラム「分かった。……それと……」
ラーチェル『何ですの?』
エフラム「声が聞けて嬉しい。愛している」
ラーチェル『ぴゃひゅぃっ!?!?!』

 

ルーテ「……回線断絶。復旧は、しばらく不可能ですね」
エフラム「必要な話はできた。覚悟も決めた」
ラーチェル「…………本当に、大変なことになったものですわ」
エフラム「すまん」
ラーチェル「あなたが謝ってどうしますの。わたくしに謝罪するくらいなら、この異界のわたくしに囁く愛の言葉でも考えていなさいな」
エフラム「……そうだな。感謝する」
ラーチェル「お礼を言われても困りますが、受け取って差し上げますわ。ああ、それと」
エフラム「どうした?」
ラーチェル「戻った後、いつかまた通信が繋がったら、あなたの愛の言葉に、こちらのわたくしがどんな奇声を上げて驚いたか、教えてくださいまし」
エフラム「……はは……。ああ、また話ができたなら、その時に」
ラーチェル「ええ。思いっきりイジリ倒しますわよ」

 
 
 

書いているうちに、エフラムと1番相性良いのラーチェルじゃね? 疑惑が浮上中

 

次回、異界間通信後の三傑異界サイド