72-506

Last-modified: 2019-07-08 (月) 00:13:13

前回:72-500 養子縁組み仮契約
今回:帰って来てからの後日談

 
 

ラーチェル『サラが行きそうな場所はどこですの!?』
サラ「ふぅん……。その行動パターンなら、ダーナ砦の隠し礼拝堂かしら? 入り方はーー」
ラーチェル『ふむ……ふむふむ……分かりましたわ! ご協力感謝いたします!』
サラ「がんばって『わたし』を社会復帰させてね、姉様」
ラーチェル『お任せくださいまし! 引っ張り出して差し上げますわ!』
エフラム『しかし……外に出ることを無理強いして良いものだろうか……?』
ラーチェル『大丈夫ですわ!』
サラ「ええ。ちょっと意地になっているだけだから、多少強めに行く方が正解よ」
ラーチェル『本人もこう言っていますもの!』
エフラム『……あいつもまさか、自分自身に心理状態を解説されているとは、思わんだろうな……』
ラーチェル『さー待っていなさい、サラ!ロストン魚料理の美味しさ、今日こそ教えて差し上げますわー!』
エフラム『すまんが、走り出したラーチェルを追うので、これで通信を切る』
サラ「そうね。ぐずぐずしているようなら、昨夜わたしがこちらの兄様にどんな風に愛されたかをーー」
エフラム『それは本当に勘弁してくれ。では、またな』
サラ「またね。姉様にも、よろしく伝えて」
エフラム『分かった』

 

ルーテ「通信終了。次に繋がる日時が分かり次第、またお知らせします」
サラ「お願いするわ。……あら?」
ラーチェル「…………お、遅かった、ですの……?」
ルーテ「そうですね。次の通信可能日時は、推定3週間以内です」
ラーチェル「むぅぅー……せっかく、お土産話を用意しましたのに……」
サラ「……じゃあ、わたしはもう帰るわ」
エイリーク「そうですね。私達も帰りましょう、ラーチェル」
ラーチェル「エイリーク!? 先に来ていましたの!?」
エイリーク「一緒に来ようと思ったら、あなたが『あの話の詳細を調べなければ!』って、飛び出して行ったんじゃないですか」
ラーチェル「く……! 仕方ありませんわ……! せっかく調べましたが、これは次回まで取っておきましょう……!」
エイリーク「私もその時まで、聞くのは楽しみに取っておきますね」
ラーチェル「ふふふ、傑作ですのよ! 楽しみにしてくださいまし! ……ところで」
エイリーク「私があちらの兄上やラーチェルと何を話したかは、内緒です」
ラーチェル「何ですって!? ひ、ひどいですわ……!」
エイリーク「これに懲りたら、時間は守りましょうね? あちらとお話しできるのが楽しみなのは、良く分かりますが」
ラーチェル「うぅぅぅー……」
エイリーク「しっかりして下さい。……それとも、あちらの兄上に気絶するまで愛された夜が忘れられず、気が急いているのでしょうか?」
ラーチェル「んなぁっ!?!? ななな……! そんなことありえませんわっ!!」
エイリーク「では尚更、判断はしっかりと、ですよ?」
ラーチェル「……分かりましたわぁ……」
エイリーク「それはそれとして、戻って来てからしばらく、こちらの兄上を見る度にモジモジしていたことを思い出したので、今夜はお仕置きです」
ラーチェル「それわたくしのせいなんですの!?」

 
 

ーー世界が千個で小千世界ーー
ーー小千が千個で中千世界ーー
ーー中千が千個で大千世界ーー
ーー大千これ即ち三千世界ーー
ーー世界は今日も巡り廻るーー
ーー時に重なり時に交わるーー

 

異界(トキ)をかける聖王女・完