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Last-modified: 2020-02-01 (土) 12:56:43

独自解釈、設定あり

カスパル「先生、しつもーん!」
ベレス「ん、何かな、カスパル?」
カスパル「ああ、聞きたいんだけどよ、最近のアカネイア社の社長の離婚問題、やたら騒いでるけど何でだ? 離婚にそこまで意味があるのか?」
エーデルガルト「カスパル……あなたね、今は政経の時間でしょうが!」
カスパル「えー、でも株がとか騒いでる奴の話聞いたし、政治とか経済とかの意味あるんじゃねえの?」
ベレス「(それマルスの事かな?)確かにそうだね、じゃあ今日は騒動の概要を話そう。
    確かに政治とかの意味はあるし、貴族についての意味があるから聞いて損はないと思う」
フェルディナント「ふむ、それは気になるな」
ベレス「あくまで他の兄弟からの又聞きだと先に注意しておくね」

 

ベレス「まずアカネイア家はその名の通りアカネイア区の代々区長を勤める超名家、現社長夫人のニーナさんはそこのお嬢様なんだよ」
ヒューベルト「つまり現社長は入婿と言うわけですな」
ベレス「そういうこと、で話は遡るけどそのニーナさん、かつて恋人がいたんだ、彼は近隣の名家に仕える騎士だった」
ドロテア「あら、お姫さまと騎士の恋なんてロマンチックね」
リシテア「ですが今は現社長と結婚しています、それにその過去形な言い方……」
ベレス「その通り、しばらく後、彼は行方知れずになった。
    状況から事故に巻き込まれたとされているけど一説ではニーナさんを名家の男と結婚させたがった彼女の父、前社長が暗殺したのでないかとされている」
エーデルガルト「なんてこと……」
ベレス「本来なら時間をかけ彼女から騎士を忘れさせてから結婚させる予定だった、ところが急に状況が変わった」
ベルナデッタ「ど、どうしたんですか?」
ベレス「前社長が、急な病で亡くなったんだ、その結果アカネイア社の社長不在、アカネイア家の跡継ぎ問題が一気に噴出した」
ベルナデッタ「そ、それは大変ですね……」
ベレス「慌てたのは幹部や旧臣達、ニーナさんは恋人不明に心を痛めてるけど早く相手を見つけなければならない。
    だから彼らは相手としてオルレアン社社長の弟でやり手と評判のハーディンさんと結婚させた」
ドロテア「それってお嬢様の気持ちを完全に無視してよね、可哀想じゃないかしら?」
ベレス「それだけ焦ってたんだよね、でもハーディンさんがニーナさんに好意を持っているのを利用したこととニーナさんの思いを隠して結婚させたことは頂けないけど」
エーデルガルト「それは……」
ベレス「結婚したハーディンさんは社長として業績を上昇させアカネイア社は大企業の一角として磐石となったけどここからまた問題が起きた」
ペトラ「問題、ですか?」
ベレス「まず結婚後の夫婦生活だけどニーナさんが騎士への想いを理由にハーディンさんを拒んだ、所謂白い結婚だったんだ」
カスパル「白い結婚って何だ?」
ヒューベルト「下世話な話ですが、結婚後性生活をもたない夫婦態形の事です、転じて偽装結婚と言う意味にも使われたりしますな」
カスパル「へー」
ベルナデッタ「押し付けられたからと言え……旦那さん、可哀相です……」
ベレス「更に、業績が上がって余裕が出てきたアカネイア社幹部や貴族達が、ハーディンさんを侮り、蔑ろにし出したんだ」
エーデルガルト「はぁ!? 自分達で助けを求めて呼んだんじゃないの!?」
ベレス「これはマルス、アカネイアに詳しい弟の考察だけど、さっきも言ったけどアカネイア区は代々アカネイア家が区長を勤めてる。
    住人、特に長く続く貴族の場合アカネイア家とその家族を敬う伝統が長く続いてたわけ」
リシテア「歪んでますね……」
ベレス「彼らにとってハーディンさんは余所者だった上、悪いことに妻であり彼らの上であるニーナさんが彼を蔑ろにしてた。
    そのため貴族内でも蔑ろにして良いっていう風潮が広まったんじゃないかって考察だったよ」
エーデルガルト「可笑しいんじゃないのその人たち、これじゃある意味質の悪い宗教よ」
ベレス「とは言えこれは一考察だからね、興味があるなら調べてみると良いよ」

 

ベレス「で、彼の好意を利用しそんな状態が何年も続く、彼は心身ともに疲弊し後一押しがあったら闇落ちしてアトス並みのテロリストになったんじゃないかって話だよ」
フェルディナント「それは、恐ろしいな……」
ベレス「ところが先日突然に離婚を決意し発表した」
ドロテア「何故突然? 奥さんの好意が無くなったのかしら?」
ベレス「まず離婚への経緯は最近話題の白い妖精と関わりを持ったことで癒されて吹っ切ったみたい、これは義妹の友達の医療関係者から聞いた話だから確かみたいだよ。
    で、好意はあるけどだからこそ自分が離れて奥さんに幸せになってもらいたいと言ったみたい」
ペトラ「少し、格好、良い、思います」
ベレス「で、ここで慌て出したのはアカネイア旧臣達、ハーディンさんは社の業績の功労者だしニーナさんは一人娘だから跡継ぎ問題も再噴出。
    さらに元々ハーディンさんを慕ってやって来ていたオルレアン出身者や、実績からハーディンさんを慕っていた社員が半数以上流出することになったんだ」
エーデルガルト「散々好き勝手やって失いそうになったら大切さに気付くって……やっぱり旧い体制貴族は老害でしかないわ」
フェルディナント(貴族としてエーデルガルトを諌めるべきだろうがこの浅ましさには何も言えないな)
ベレス「後は義妹達のラジオであったりするからみんなも知ってるだろうし、今後のことだよね。
    まぁわかったと思うけど、この騒動で人材は大切、恩を仇で返せば多大な竹箆返しが来ると教訓が多くある」
エーデルガルト「そうね」
ベレス「みんなも今後家を継いだり仕事につくだろうけど、これらを教訓に色々頑張って貰いたいな。
    それにさっきも言ったけどこれは一考察だから、色々調べて多角的な面で見たりするのも大事だよ」

 

カーンカンカンカーンカーン

 

ベレス「丁度時間だね、じゃあ今日はここまで」
エーデルガルト「起立! 礼!」
黒鷲生徒『ありがとうございました!』
ベレス「うん、みんなもお疲れ様」