74-339

Last-modified: 2020-03-08 (日) 23:11:48

サラ「アクア姉様&ロリアクア、誕生日おめでとう!
   第18回サランン・レィディオー!」
ンン「おめでとうなのです」
サラ「チキチキに続いて2人同時だなんて、兄様も枯れ……ないわね!」
ンン「このくらいで枯れていたら、とっくに死んでいるのです」
サラ「久しぶりに、全員Eドリンク飲んでパーティーでもしようかしら?
   成人組は、うちの教団が造ったお酒もありで」
ンン「それは本気で死にかねないと思うのですが……どうにかしそうな気もしますです……」
サラ「ますます神気が強化されているものねぇ。
   チキからサクラまで、しばらくは誕生日が集中しているけれど、きっと全力で応え続けてくれるでしょう!」
ンン「そっち方面に突き進みそうな雑談はこれくらいにして、お便りコーナー行きますですよ」
サラ「はいはーい」

 
 

サラ「お便り1通目は、ラジオネーム『怪盗たんぽぽ奴隷』さんから!」

 

『〇月×日、あなたのお茶会のお菓子をいただきに参上します。ベルン署に通報しても無意味だよっ』

 

ンン「この日にお茶会セッティングすれば良いのですね?」
サラ「ふふふ……可愛い怪盗さんは、果たして盗んだ後に脱出できるかしらね?」
ンン「監禁の罪で通報しますですよ?」
サラ「大丈夫よ! ほんの2、3時間愛でるだけだから!」
ンン「セクハラも罪状追加なのです」
サラ「相方が手厳しいわ……」
ンン「家族を犯罪者にするわけにはいかないのです」
サラ「仕方がないから、お菓子を幼女社長に持たせて、どう頑張っても盗めないようにしましょう」
ンン「上限値の暴力はやめてあげるのですよ」
サラ「さあ! お菓子が欲しければ堂々と私の前に姿を見せると良いわ!」
ンン「何か変なノリになっていますです」

 

サラ「2通目ー」
ンン「ラジオネーム『グレートティーチャーB』さんからなのです」

 

『最近私の楽しみが猫スポット巡りなんだけど、良いところないかな? これまでバレンシアとガリアは行ったけど、他の猫とも仲良くなりたいな』

 

サラ「ガリアでの顛末は小耳に挟んだけれど……義姉様、はんぱないわ……」
ンン「何があったのです?」
サラ「獅子王の甥と素手で一騎討ちして、英雄と認められたらしいわよ。詳しくは74-308参照ね」
ンン「……ヤバいのです……」
サラ「訓練ガチ勢でやれそうな人いる?」
ンン「得物有りなら、多分、何とか……。素手はネフェニーお姉さんでも難しいのです。
   エフラムさんだったら、あるいは、ですか」
サラ「義姉様のモフモフにかける情熱スゴい」
ンン「小学生並みの感想……いえ、事実小学生なのですが」
サラ「そんな義姉様が行ったことない猫スポット、ねぇ……」
ンン「なかなかの難易度なのです」
サラ「うーん……マイキャッスルの義姉様がこの前、猫ブームに乗っかって猫カフェ開いてみよっかな、って言ってたから、開店前のモニターでもしてみる?」
ンン「相変わらず手広くやっているのです」
サラ「野良猫と飼い猫の違いはあるけど、猫好きな義姉様ならどっちの良さも分かるでしょ」
ンン「餌やりは、先に許可を取るのを忘れずに、ですよ」
サラ「義姉様なら、間違いなく食べさせたがるものね」

 

サラ「3通目行くわよー」
ンン「ラジオネーム『青の級長』さんです」

 

『いつも聞かせてもらっているよ、突然だが俺には恋人がいるが、彼女が俺を求めてくれていて、俺もそういう思いはある。
 だが俺も過去色々あって、少し面倒臭い性格だと我ながら自覚しているんだ、彼女にどう答えれば良いのだろうか?』

 

サラ「うちに来ている時は落ち着いているように見えたけど、色々大変なのねぇ」
ンン「アクアお姉さんに匹敵する力強さで、手合わせする時は、腕力が上の相手をいなす訓練になるのです」
サラ「……松の木装備した姉様に匹敵することに驚くべきか、あの怪力と比較される歌姫に驚くべきか、迷うわ……」
ンン「どちらも実力者、で良いのでは?」
サラ「女らしさ二の次な武人脳……」
ンン「何の話ですか」
サラ「それはともかくとして、お便りの内容についてね。……難しい問題だわ……」
ンン「意外です。愛があるなら気にするな、とか言うと思いましたですが」
サラ「大抵のことならそれで行くわ。
   でもこの場合、簡単には解決できないでしょ?」
ンン「……良く分かりませんです。
   簡単に治療できないことで、隠し通すこともできないなら、相手が受け入れてくれるかどうかだけが問題だと思うのですが」
サラ「正論ね。結局は、いつ、どこで、どうやって、隠したかった自分を見せるか、が全てだもの」
ンン「先延ばしにするより、早く伝えるべきなのでは?」
サラ「その踏ん切りがつかないから、こうしてお便りくれているのよ?」
ンン「相手の本当の気持ちなんて聞かないと分かりませんです」
サラ「まぁ……ねぇ……。受け入れてもらえないだろうから、で壁を作るのは悪手よね……」
ンン「経験談っぽいのです」
サラ「…………そうね。兄様に怖がられていた頃の私は、本当の自分を受け入れる人なんて、どこにもいないと思っていたわ。
   だからこそ、どんな痛い目にあっても気にしないリーフは、一緒にいて気楽だったのよ」
ンン「初めて聞く話なのです」
サラ「言い触らすことでもないもの。
   ……だけど、兄様は受け入れて、受け止めてくれた。
   姉妹のみんなも、友だちも、サラはサラだから、って言ってくれる。
   少し周りを見れば、私を認めてくれる人は、何人もいた。
   私はそんなみんなが大好きだし、傷付けたり侮ったりする相手は許さない。
   やりすぎて叱られることはあるけどね」

 

ンン「……急に茶化しにくいこと言い出さないでほしいのですよ」
サラ「自分でも、面倒な性格だって自覚しているもの。
   それが受け入れられた時の喜びも、私は知っているわ」
ンン「だから『青の級長』さんも、ですか?」
サラ「悩む気持ち、迷いや躊躇いは、分からなくもないわ。
   それでも……だからこそ、相手と、そして貴方自身のために、決断してほしいわね」
ンン「……こういう顔している時のサラは、もし手助けを求められたら、大体どうにかしますですね」
サラ「できる範囲でなら、だけど。
   誰にも邪魔されない状況がお望みなら、人払い程度で済むわ」
ンン「人払いを程度扱いする時点で……」
サラ「よゆーよゆー。ちょっと色々して封鎖するだけよ」
ンン「……そうですね。サラですから」
サラ「ええそうよ。私だもの」
ンン「まったく……嬉しそうにしていますですよ……」
サラ「どうしても不安なら、先に、どんな貴方でも受け入れるって信頼できる人と、じっくり話してみて。
   その上で、恋人のことも同じように『信頼』できると思えたら、きっと上手くいくわ」
ンン「私には応援くらいしかできませんですが、頑張ってほしいと思うのです」
サラ「あと、あんまり待たせすぎると、襲われるかもよ?」
ンン「台無しです!」

 

サラ「4通目よ!」
ンン「ラジオネーム……えっと……『昼休みに隠れてイチャつくのはともかく余韻を漂わせながら教室に戻ってくるの控えさせてくれマジで』さん……です」
サラ「無理よ!」
ンン「いやまあ無理ですけど、もう少し何か……」
サラ「無理なものは無理ね!」

『気になる娘が覇王のメイドだったと知り、彼女が覇王に向ける熱っぽい視線を見て、諦めていたんだ。
 なのに、その娘が知らない奴と楽しそうに買い物しているのを見かけた途端、後悔なのか嫉妬なのかも分からない感情が込み上げてきた。
 女々しいことは自分でも理解しているし、年下の女の子相手に聞くことでもないんだが、俺はどうすれば良いんだろうか』

 

サラ「ヘタレね!」
ンン「こら!」
サラ「他にどう呼べと!?」
ンン「オブラートって知っていますですか!?」
サラ「えっと……奥ゆかしい?」
ンン「……男性に対する評価としては、トドメな気がするのです」
サラ「柔らかく表現しても、結局ダメでしょう?」
ンン「かといって、初手で斬りに行くのは……むぅ……」
サラ「気になる相手を勝手に諦めて、遠くから見るだけで満足したつもりになって、結局は後悔するなんて、セクハラナンパよりはマシレベルよ」
ンン「だから多方面に喧嘩売るんじゃありませんです!」
サラ「ちなみに今の! これ書いてる人間にもダメージ入ったわ!」
ンン「なんでセルフ必殺してるのですか……」
サラ「まずは会話! 相手の嗜好を推察! それに合った話題の提供! 会話の中で相手の反応を見て話題の取捨選択!」
ンン「なんか、『魔法隊警備院』さんの時に比べて、厳しくありませんです?」
サラ「根暗が輪に入るのと気になる相手を振り向かせるのが、同じ訳がないでしょ?
   元のコミュ力的に、難易度は同じくらいかもしれないけど」
ンン「それはそうですが……」
サラ「私としては、メイド組であの娘だけこの手のネタ書かれるのが興味深いわね……やっぱり、常識人枠だから?」
ンン「……まあ、非常識な人より常識的な人、というのは、自然なのです」
サラ「と、我が家の非常識筆頭が申しております」
ンン「死なない程度にどつかれたいのですか?」

 
 

サラ「ではでは、本日の番組はここまでー」
ンン「アクアお姉さん、小さい方のアクア、誕生日おめでとうなのです」
サラ「3通目の時、ンンが『力強い』とか言ってごめんなさいね?」
ンン「え? 何か悪かったのです?」
サラ「本気で分かってないわ、この娘。
   それじゃ、またのお便り待ってるわ!」
ンン「え? ええ? えーと……ばいばい、なのです……?」
サラ「今日は雛祭りでもあるんだから、アクア姉様たちの後で、私たちも『お祭り』ね」
ンン「要するにいつも通りなのです……」