10話>>397

Last-modified: 2009-07-23 (木) 11:38:10

397 :既にその名前は使われています:2009/07/21(火) 07:58:39 ID:N/nJ5xfK
昨日少しだけ書いた、俺がネトゲ中毒(FF11)にハマって
嫁に殺されかけた話でもこっそり聞いて欲しい。

俺はPS2版発売当日から、FF11をプレイしている。
リトライオンラインも乗り切り、最初は
一日2時間位のプレイで大丈夫だった。
嫁は、ゲームはするが1時間位でやめる派だったし
ネトゲよりもパズルゲーとかが好きだったので、
俺のプレイを時々、後ろから眺めながら家事をするのが
いつもの光景になっていた。

サポLVの辺りから、人同士の繋がりが出来てきて
到底2時間プレイでは、色々と上手くいかない状態になっていた。
どんどん広がる人脈に俺は酔って舞い上がった。
リアルではしがないスーパーの店員。
ルーチンワークで、四六時中人に頭を下げる仕事に
内心ストレスを感じていたのか、黒さん白さん
(黒と白を同時に上げていた)
とちやほやされる状態に、俺は至福を感じていた。
この頃から、俺のプレイ時間がどんどん延びていく。

 

 

398 :既にその名前は使われています:2009/07/21(火) 07:59:32 ID:N/nJ5xfK
ジュノに上京し、バタリアの虎やガルレージュ要塞で
レベル上げする頃には、既に俺のプレイ時間は
帰宅→PS2の電源on→飯の間だけ離席→就寝までFFの構図だった。
途中、7月の悪夢パッチがあったりはしたがささいな事
俺はすっかり廃人の仲間入りを果たしていた。
嫁との会話もかなり減り、生返事が多くなった。
嫁「ねえ」
俺「んー?」
嫁「話聞いてくれてる?」
俺「あー、今ちょっとリンク」
嫁「・・・そろそろ、私も働きたいんだけど」
俺「あー?」
という流れで、俺達は共働きになった。
その事を、一週間後の晩飯が遅い事で、俺はやっと気が付いた。

 

 

399 :既にその名前は使われています:2009/07/21(火) 08:00:02 ID:N/nJ5xfK
嫁も働きに出るようになった時点で
立ち上げたLSにはメンバー10人以上、NM類も追加されて
俺はNMを狩るようになった。
LS内で一番レベルが高く、当時としては小金をもっていたせいか
いつも俺と一緒に遊びたがるAという人が現れた。
使ってるキャラは♀、リアルは雑誌のモデルだと言っていた。
今となっては酷い嘘だが、当時の俺は雑誌モデルの若い女の子と
いつも一緒に遊べるという事に、また酔い始め
その子の為に前衛も上げはじめ、あっという間にLV50になった。
結婚している事は、初め言わなかった→意図的に隠すようになったから
俺とAはLS公認のカップルになっていった。

で、ここまで書いて俺は出勤してくる。
残りは戻ってきてから書くよ。

 

 

486 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:36:29 ID:DEWUoWRh
>>399の続き
俺とAはいつも一緒だった。
俺はナイトがメインになり、Aは白だった。
典型的な組み合わせになったが、
当時の俺は非常に舞い上がっており、
雑誌モデルの若い、つまり可愛い事が保障されてる
女の子が、いつでも俺さん俺さんと
慕ってくれる事に興奮していた。
スーパーの店員には、有給などあってないが如しなのだが
俺は遠慮なく有給を使ってまでゲームに入り浸るようになった。
その後に待ってる、チーフの嫌味など平日昼間に
Aとまったり過ごせる幸福の前では塵に等しかった。
その間も、嫁は黙々と家事と仕事を両立させていたようだった。
正直、この間の嫁との記憶はおぼろげで、俺が考えていた事と言えば
例えば俺が仕事をやめたとして、嫁の収入だけでやっていけるのかという
事位で、それ以外で嫁の事を考えた事などなかったと思う。

 

 

487 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:38:11 ID:DEWUoWRh
>>486
また暫くして、嫁の祖父が危篤だという連絡が入った。
結構離れた所に住んでいたので、嫁は
俺に、車を出して欲しい、休みを取って一緒に行って欲しい
と頼んできたので、俺はJRの切符を取って一人で行けと言った。
俺「ただの危篤なら大丈夫じゃん」
嫁「何が大丈夫なの・・・・」
俺「今日は固定の日だから無理」
嫁「ゲームなんだね・・・」
唸るような音だけが今でも忘れられない。
嫁は結局一人で祖父の所に行った。
俺は、会社に有給を取り、ゆっくりとAと遊び、HNMを討伐した。
嫁が居ない家は静かだったが、心地よかった。
気が大きくなった、俺はAと携帯のメルアドを交換し、
はっきりとAが好きだと告白した。Aは快諾してくれた。
携帯番号は、教えるのを事務所に禁止されてるとの事で、
当時の俺は、Aは売れっ子モデルだという確信を強めた。
/emで、ルルデの庭のベッドルームで俺達はキスをした。
浮気、という感覚はなかった。

 

 

488 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:39:17 ID:DEWUoWRh
>>487
その後、俺とAは実装されたばかりのヴァナ婚をする事になった。
独身同士の健全な男女だと、LSメンバーは信じて疑わず
仲人も俺が私が、と名乗り出てくれ、理想的な結婚準備期間となった。
そして結婚式を予約し、日取りも決まり、リハーサルを行い、
本番を控えた前日、嫁の祖父が亡くなった。
両親の仕事の都合で、半分、祖父と祖母に育てられたという嫁は
目に見えて様子がおかしかった。
子供のように泣き出したり、急に黙って喪服を鞄に入れたり
数珠を探したり、そしてまた泣き出していた。
当時の俺は、よりによって前日にという思いで、相当立腹していた。
嫁は、当然俺も通夜と葬式に行くと思っていたが、丁度通夜が結婚式の日と被っていたので
葬式には間に合うように行く、と言った。
嫁は、激昂して叫び出した。基本的に余り感情を荒げる事のない嫁の
変わりように俺は怯んだが、Aと違って若い訳ではない女の更年期障害だと
片付けて、とにかく俺は忙しい、葬式には必ず間に合うように行くから
とりあえず一人で行ってくれ、と説得した。
ネトゲを殆ど知らない嫁は、俺がAと結婚するという事を知らない。
言わない方が、勿論良かったのだがこの時の俺はどうかしていた。

 

 

489 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:40:24 ID:DEWUoWRh
>>488
<大体の会話を再現>
俺「明日はAと俺の結婚式なんだよ!葬式には行くっていってるだろ!」
嫁「え?だれ、Aって何、結婚式って」
俺「AはAだよ、俺の大事な人なんだよ、いい加減聞き分けろよ」
嫁「まさか、ゲームなの?」
俺「FFはゲームじゃない、ゲームだけどそこには心があるんだよ!」
嫁「○○(俺の事)は、狂ってる!頭おかしい!ゲームと結婚?バカじゃないのきちがいきちがい!!」
俺「Aはゲームじゃない!ちゃんとした、れっきとした女性だよ!」
嫁「きちがい!お葬式来なくていい!」

 

 

490 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:41:13 ID:DEWUoWRh
>>489
流れ的にはこんな感じだったと思う。
嫁は、ネトゲそのもののシステムがいまいちわかっていなくて、
俺がゲームの中のキャラクター、NPCと擬似結婚すると解釈して
狂ってる、と表現したようだった。
Aは、ちゃんとリアルに実在する人なので擬似結婚とはまた違うのだろうが
当時の俺は俺で、Aを否定されたような気になり、じゃあ葬式もお前勝手にいけよ!
という事になり、嫁は暫く家を空けた。
俺は忌引休暇を取り、食料を大量に買い込み、電話は留守電にして
嫁がいない間、結婚式を含めて徹底的に遊び倒す事にした。
結婚式は滞りなく終了し、GMの司祭、結婚式参加者の前で
俺とAは晴れて夫婦になり、/emでハグしてキスしたりした。
俺の中で、Aと嫁の地位が完全に逆転した瞬間だった。
メールでも愛を囁き、本当に俺はAとリアルでも結婚した気分になっていた。

 

 

491 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 01:42:34 ID:DEWUoWRh
嫁は一週間程帰ってこなかった。
俺は忌引休暇を使った後は、とりあえず出勤していた。
一親等であれば、親会社の名義か、スーパー名義で花が贈られるので
お返しに海苔でも渡さないとならないが、今回は嫁の祖父という事で
後になって俺が危惧した、海苔配りはなかった。
チーフや同僚に、大変だったなぁ、と言われ
適当に誤魔化した。大変どころか、大変幸せですとも言えなかった。
当時の俺の精神状態を言うと、嫁は物理的な配偶者、
Aは俺の魂の片割れという感じで、嫁のせいで俺はリアルではAと結ばれないのだと
そういう結論に達していた。

 

 

500 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:37:45 ID:pBbJjc4/
>>491
連投規制あけるの待ってたら眠ってしまった。
すまないorz

全く、ゲームにすら関係ない嫁の存在を、俺は敵として認識した。
ただし離婚はできない、有給はもう使い果たし来年度の分を待たなくてはならないし
現に、共働きにしたお陰で経済的にはかなり余裕が出来た。
新しいPCも買えたし、そのお陰で俺はPS2からPC版に移行できた。
事務所の許可が下りて、声も聞けるようになれば事務所を説得できる
そうすればAとリアルでも結ばれ、嫁とは別れられる
経済的にも、Aとリアル結婚すれば共働きなのは変わらないし
有給も使わなくなるだろうという事を考え出した。
一週間後、嫁が帰ってきた。酷くやつれていたが、俺には関係なかった。
ただ、たまった洗濯物を何とかして欲しかったので、それだけ言った。
嫁は凄い目で俺を睨んで、何か呟いて洗濯し始めた。
多分、この日に俺と嫁は何かを失ったんだろう。

 

 

501 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:39:21 ID:pBbJjc4/
>>500
数年時間が過ぎる。
俺は、大規模なHNMLSのリーダーになっていた。
Aは俺の妻で、俺を支え、メンバーの面倒も良く見てくれる、まさに良妻賢母だった。
リアルの嫁は、定期的に銀行口座に金を増やし、家事全般をやってくれる生き物であり
Aと俺が、決定的に結ばれない最終的な障害だと俺は思い込んでいた。
嫁は、仕事と家事に忙しく俺が家で何をしているのか、未だにわかっていなかった。
ただゲームに熱中しすぎているという事を、俺の父母に相談したりして
時折、俺は母に窘められていたが、気にしてはいなかった。
基本的に、ネトゲをやらない人がネトゲ人に説教するのは無理がある。
週の全てが裏空地上HNMリンバス猿エイン+アサルト(ナイズル含む)で埋まり、俺はAに
2人っきりで過ごす時間がとれないなぁなどとこぼしていた。
Aは、「あなたと一緒なら、平気」とけなげな事を言っていたので
俺達はLSメンバー達から、万年新婚夫婦と言われていた。悪い気はしなかった。

 

 

502 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:40:39 ID:pBbJjc4/
>>501
ある日、Aから打ち明けられた。「そろそろケー番教えてもいいよって、事務所から許可が貰えそう」
幸せの足音が聞こえてくるようだった。俺ははやる心を抑えて、Aに切り出した。
「事務所を説得できたら、俺達、リアルでも夫婦にならないか?」
少し迷って、Aは「ふつつかものですが・・・・」と言った。
俺は、身辺整理を始める頃だと思った。
まず、Aと2人だけの時間を増やすために既に装備の揃っているナイズルと空を取りやめた
空は金策として残しておいてもいいのだが、定期の予定に組み込む事はやめた。
裏も北方と新裏だけにし、地上HNMも不定期に変えた。
週の予定はかなり緩やかになったが、まだ装備の取れていないメンバーからは
当然不満の声がでたので、その辺りのフォローは俺とAが個別に2人で行った。

 

 

504 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:41:45 ID:pBbJjc4/
身辺整理はリアルにも及んだ。ここで、俺は一生に恐らく一度だろうという経験をする事になる。
もうAと結婚する事を確実視していた俺にとって、嫁は人間ですらなかった。
<大体の会話を再現>
俺「なあ、俺達もう駄目だと思わないか」
嫁「・・・・何それ」
俺「離婚した方が、お互いにとってベストなんじゃないか?」
嫁「それでずっとゲームするつもり?」
俺「ゲームじゃない!」

思わず、嫁を殴り飛ばしてしまった。小柄な嫁の身体は吹っ飛んだように見えた。
胸元を掴んで引き起こして俺は言った。俺とAの世界を否定する奴は絶対に許せなかった。

 

 

505 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:42:35 ID:pBbJjc4/
>>504
俺「俺とAは現実だ!(というような事を言ったと思う)」
嫁はぐったりしていた。殴られたのが効いたらしいので、俺はそのまま続けた。
ネトゲってのは、それぞれ生きた人間が操作するゲームで
限りなく現実に近いこと、俺はAという女性を心底愛してると言う事
Aはリアルにもちゃんと存在する女性で、メルアドも知ってるという事
以前の結婚式は、ゲーム内での俺とAの事前結婚式のようなもので
お前とは離婚して、俺はAと結婚したいという事
裁判等になったら、明らかに俺が不利になるような事を言い続けた。
言うだけ言って、俺は、そういう事だから近い内離婚するから、と言って
PCに向かった。そろそろサルベージの時間だったからだ。
嫁は最初、呆然とへたりこんでいたようだが、ふっと気配が消えたので
俺はもう意識の外に追いやった。

 

 

506 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:43:23 ID:pBbJjc4/
>>505
遺構の入り口まで移動していると、PCが人影を反射した。
いつもと違う雰囲気を感じて、振り向くと、そこには嫁がいた。
包丁と、ビニール紐っぽいものを持っていた。
嫁「我慢してしたのに・・・・」
多分、この声を俺は一生忘れないと思う
搾り出すような声だった。
呆然としている俺には包丁を振り下ろそうとする嫁が、とてもスローに見えた。
手が震えていて、包丁はそのまま俺の足元に落ちた。どこにも刺さらずフローリングに当たって倒れた。

 

 

508 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:44:05 ID:pBbJjc4/
>>506
嫁は包丁を落とした事に、音で気が付いたのか、おろおろして今度はビニール紐を
俺に巻き付けようとした。
嫁「ころすから、ころすから、大丈夫だから、もう殺す」
俺がやっと、我に帰って逃げようとすると嫁は追ってきた。大丈夫、殺すから、と繰り返した。
俺はやめろーとか言ったような気がするが、声になっていたかは覚えていない
ただ、やばい、これはかなりやばい、というのはわかった。
横目でちらっとみたPC画面には、緑の文字が沢山あった。
いつも5分前集合を心がけてる俺が、いない事を言ってるのかと思ったが
正直そんな場合ではなかった。
Aに連絡を、とも一瞬考えたが携帯は充電器に差したままだった。

 

 

509 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 06:44:57 ID:pBbJjc4/
>>508
嫁の目は明らかにイっちゃっていた。
というかその時は嫁の目しか見られなかった。
目を逸らしたら、本当に殺される・・・。
「だいじょうぶ、あんた殺して、私も死ぬから大丈夫だから」
ブルブル震える手で、俺の首に紐をかけようとするのと
俺も震えながら、体が硬直したまま見ていた。
すさまじい緊張と恐怖が、俺の身体を既に縛っていた。
殺される
という状況にも関わらず、俺は動けなかった。
ただ、心のどこかに、変な開放感を感じてもいた。
死にたくない、苦しいのはいやだ、Aとまだ結婚してない
FFでやり残した事もたくさんある、リーダーだから
色々決めなくちゃならない事も。
でも、ここで嫁に殺されれば、全部なしになる。
全部、なしになってくれる?

 

 

517 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:50:14 ID:pBbJjc4/
>>509
紐をかけた嫁が、ずるっと床に座り込んだ。
その拍子に紐もほどけて落ちた。
殺す、と言っていた嫁の目に涙が溢れて、
後はもう、わんわん泣き出し始めた。
泣きじゃくりながら、戻ってきて、戻ってきてと繰り返していた。
どこに戻るって言うんだ・・・と強張ったままの俺は考えた。
俺にとって、FFはリアルで、現実はリアルに付随する
食事・排泄・入浴の生理的欲求を満たす場で
生理的欲求を満たすために、現実での金が必要だから
俺は金策してる訳で・・・・でも死ねば、全部なしになる。
殺せる訳ない、それでも、好きなんだよ!
と嫁は泣き叫んで、床に落ちていた包丁を手探りで掴んだ。
俺は止められず、やはりぼうっと見ていた。
頭にもやがかかって、それが思考を妨害していた。
でも、嫁がその包丁で自分の腹を刺そうとした時、
やっと体と口が動いた。
嫁も叫んでた。唸るような声を出しながら包丁を刺そうとするのと
俺はタックルというか、ただの体当たりだと思うが、それで止めた
多分、やめろ、もちゃんと声になっていたと思う。

 

 

518 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:51:00 ID:pBbJjc4/
>>517
嫁はうわあああ、うわああああと泣いてる。
発狂してしまったように泣いてる。
俺は、開放感が宙ぶらりんになったままの状態で
とりあえず、紐と包丁を隠した。
俺を殺せないから、自分だけでも死のうと思ったんだろうか。
で、その頃には近所の人が俺達の叫び声とかに集まったり
警察を呼んだりしていて、自転車警官がドアホンを鳴らしたりしていた。
この辺はFF関係ないので、流れだけ、
俺と嫁は派出所にとりあえず移動させられた。
紐と包丁はその前に隠してあったので、
とても喋られる状態じゃない嫁に代わって、
俺が、夫婦喧嘩の延長でちょっと過激になった、というような事を話した。
嫁の顔にある殴られた跡については、こっぴどく叱られた。
他にDVがないかどうか、警察署?から女性の警官が来て
別室で嫁のボディチェックがあったらしい。
勿論、今日まで嫁を殴った事なんてなかったから、
説教うけて、あとは帰された。

 

 

519 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:51:43 ID:pBbJjc4/
>>518
家に帰ってくると、サルベージの開始予定時間から4時間も経過していた。
もうさすがに俺を待てなかったメンバーは、野良で補充を入れて行ったようだった。
そして失敗して途中排出食らったらしい。
嫁は一言ももうしゃべらず、小さくなっていた。
携帯を開く時、嫁がぴくっと動いたがそれだけだった。
Aからは、どうして来られないのか、とか具合が悪いのかとかメールが来ていたが
今は返事をする気分にはなれなかった。
FF(リアル)の付属品のはずの現実が、俺を打ちのめしていた。

 

 

520 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:54:06 ID:pBbJjc4/
>>519
<大体の会話再現>
俺「・・・何か飲むか」
嫁「・・・いらない」
俺「そうか」
嫁「あのさ」
俺「うん」
嫁「一緒に死ねば、楽になれると思ったけど、殺せる訳ないよね」
俺「・・・」
嫁「いいよ、離婚、離婚して、自由になろうか」
警官と話して落ち着いたのか、嫁はそう言い出した。
本当はウヒョー!やったー!の気分の筈なのに
俺は何故か気が晴れなかった。嫁は離婚の条件として、
Aという人と直に会って話がしたい、と言った。
俺と嫁、A、そして、俺とAを知る第三者がいれば第三者
いなければ、どちらかを知っている第三者の4人で話し合いたいと。

 

 

521 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:55:33 ID:pBbJjc4/
で、話し合って納得したい。ゲームではなく
Aという人が実在する事、2人が結婚の意志をちゃんと固めてる事
2人の友人から祝福されている事が理解できれば
俺の幸せを願ってた嫁は、その幸せにする輪の中に自分がいなくても
もうきっと、身を引けるはずだと言った。
数ある離婚例の中でも、比較的円満な離婚の方法だと思ったが
その為には、AやLSメンバーに俺が既婚者だと言わなくてはならなかった。
サービス開始当初から、ずっとそれを隠していたので
嫁の提案は、酷くハードルが高かった。
この段階になると、何があってもAと結婚したい!という気持ちと
こう表現しにくい、もうどうにでもなれーという気持ちが
変な感じに混ざり合って、俺自身もどうしていいか判らなくなった。
ただ、けじめとして、この話し合いは必要だという事は流石にわかった。
腹を括るときが来たんだと思った。

 

 

524 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:56:42 ID:pBbJjc4/
>>521
Aにメールした。事務所の許可は取れたのか、と結婚前に話しておきたい事があるので
出来ればリアルで会いたい、と。
LSのサブリーダーにもメールした。お前と、Aと俺と、あともう一人でオフ会をしたい、
そこで、ちょっと大事な話もあるんだ、と。
サブリーダーからはすぐに返事が来た。ついに、Aと結婚決めたか、仲人は俺か俺なのか
毒男の俺かと言われたので、いや話し合いに同席して欲しいとだけ頼んだ。
Aからは、事務所の許可はまだとれない、リアルで会うのは怖いと言われた。
プロポーズを受け入れてくれたのに、リアルで会うのは怖いって・・・
と俺は焦り、結婚するなら決めなくちゃいけない事がある
けじめも付けなくちゃいけない事もある、と説得するも
答えはノー、最後は、そこまでしつこいとストーカーですよ、と言われた。
すっかり困ってしまって、俺は嫁にAは、リアルで会うの怖いって言ってると言うと
ネトゲを知らない嫁はやはり、訳がわからない、という顔をした。
「Aさんって人の、代理人でも良いよ」
と嫁側から助け舟がでて、その通りメールしてももう返事は来なかった。
相当Aを怒らせたのはわかったが、俺も困惑していた。

 

 

525 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:58:39 ID:pBbJjc4/
>>524
後は、あっという間に色々と片がついた。
Aはどうしてもリアルでは会えない、俺が気持ち悪くなったので
結婚もなし、当然携帯番号もなし、
サブリーダーとは、俺とサブリダでオフ会して俺が既婚者だと打ち明け
サブリダに、最低の浮気野郎じゃねーか!と縁切りされる、
嫁は離婚届を持って来て、さっさと自分の分を書き、あとは俺が書いて印鑑を押すだけになり
嫁の両親から激怒され、俺の両親からは二度と実家の敷居を跨がせないと言われた。
Aは鯖移転サービスでどこかへ消えた。メルアドは変更されていた。
まあ皆薄々感づいてるとは思うけど、俺が貢ぎまくった金品を全部もったまま。
この間、約一週間、まるでジェットコースターだった。
Aが消えた事で、LSの雰囲気も変わり皆、サブリダが立ち上げたLSに移っていった。
サブリダが俺の事をLSでカミングアウトしたせいもあるんだろう。
命の筈のFFで、自分のキャラと装備品と金以外何も残らなかった。
結婚の話も露と消え、人望を失い、リアルでも嫁に殺されかけるという目にあった。
でも、基本的にこれは俺の自業自得だろうと、やっとここで納得した。
嫁はあれから益々物を食べなくなり、食べてもすぐに吐いてしまうようだった。
着々と荷造りをして、2人が共同で買ったものは新しいものに買い換えないと
Aさんが困るから、と買いなおすべき品物をリスト化したりしてるのを
Aに逃げられたとは言えず、俺は黙って見るしかなかった。

 

 

527 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 07:59:52 ID:pBbJjc4/
俺自身のログインも激減した。
やる事も、一人では限られたからだ。
一ヶ月位ログインしない間に、嫁の飯がうまいこと、こんな状況でも
洗濯をちゃんとしてくれてる事、台所が綺麗な事、
こう言うのに気が付き始めて、俺は泣いた。
俺はFFが全てだった。人間関係も、恋愛感情も、俺の人間としての価値も
FFの中にあると思っていた。
でも、ちゃんとここにあった。
嫁が共働きを始めたのは、中古で良いから、ちょっと丈夫な持ち家が欲しくて
その頭金の為だった事を、俺の母と嫁の母から聞かされた。
長持ちする家なら、子供にも残せるからというのが理由だった。
6年以上、俺を支えてきた価値観が一ヶ月で崩れてしまった。
嫁と、俺達の両親に、Aと結婚する気はない(まあ逃げられたけど)事を
話すと、両方の父親に殴られて、俺を許してくれた。

 

 

530 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 08:01:58 ID:pBbJjc4/
今は、俺は別の鯖、別のキャラでのんびり遊んでいる。
時々、倉庫代わりに前のメインキャラを使うが基本的には
アイテムの移動にしか使ってない。
良い息抜きになっていると思う。
プレイ時間は一週間に3時間位だ。
嫁は、しばらくカウンセリングを受けていたが今は落ち着いている。
飯も食うようになって、夜中にうなされたりも減った。
Aの話は2人の間では、暗黙の了解で禁句になっている。
俺が遊んでいる間、嫁は隣で俺のプレイを見ている。
雑誌や本を読みながらだが、芋虫の正面顔が怖いとか
マンドラが大根みたいだとか、言っている。
結局、Aが本当にモデルで、リアルも♀だったのかは
わからなかった。わからないのに、嫁を傷つけてまで
Aとリアルも結婚しようとした俺の馬鹿な話はひとまず終わり。
あとは後日談的なものが少し。

 

 

533 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 08:09:01 ID:pBbJjc4/
サブリダとはその後、Aがいなくなった事と
嫁をよりを戻した事で、一応和解した。
でも、サブリダのLSに入るのは断った。
今は良い飲み友達になってる。
他のLSメンバーは、まあ、和解したり露骨に嫌がられたりと様々だな。

さっき、朝飯で投下中断した時に、嫁と一緒に朝飯食ってる。
長い期間、拒食状態が続いたから、嫁の飯のペースに付き合うと
大体一時間位かかるんだが、やはり2人で食べる飯はうまいよ
俺は未だに、スーパーの店員やってる。
毎日人に頭下げて、クレーム処理して、でも、家に帰れば嫁がいてくれる。
今思えば、俺は完全なネトゲ中毒者だった。
リアルと虚構を混同して、生きられる訳もない虚構の世界で、生きていけると勘違いしてた。
でも、今は違うと言える。

まあ、こんな感じで俺の話は終わり。
今日も仕事だw日を跨いでの長話に付き合ってくれてありがとう。
早く嫁とも笑い話にしたいけれど、それはまだ先の話になりそうだ。

 

 

535 :既にその名前は使われています:2009/07/22(水) 08:12:17 ID:pBbJjc4/
おっと1つ修正、
かつてのメインキャラと新キャラが同じ鯖に引越し
前の鯖に残ってるのは、LSメンバーなら皆知ってるセカンドキャラなので
時々元メインの財布を、新キャラが拝借しているという感じ
セカンドキャラは元の鯖に置きっぱなしだが
滅多に起動はしてない
サブリダと、和解してくれた一部のメンバー以外知り合いもいない場所だしね。