ウェディングピーチ

Last-modified: 2023-10-23 (月) 10:42:36
発売元KSS
開発元シマダ企画
センターテック
発売日1995年9月25日
定価9,800円(税別)
プレイ人数1~3人
周辺機器マルチプレイヤー5対応(3人まで)
判定クソゲー
ポイントミニゲームが8+1というボリュームのなさで高すぎる値段
開始1時間未満でエンディング
ミニゲームの内容自体にも問題点あり
男キャラの扱いが悪い

概要

  • 少女漫画雑誌・ちゃおにて連載された漫画を原作とするアニメ『愛天使伝説ウェディングピーチ』のゲーム化作品の1作目。
  • 学園祭の最後にダンスパーティがあり、ミニゲームをして一番点数の高い人が憧れの柳葉センパイのダンスパートナーになれるという。柳葉センパイを巡って「ももこ(ウェディングピーチ)」「ゆり(エンジェルリリィ)」「ひなぎく(エンジェルデイジー)」の3人がミニゲームで熱いバトルを繰り広げる。
  • パッケージによると「あこがれの柳葉センパイのダンスパートナーになるために、8種類の楽しいゲームにチャレンジ!! ストーリーの終わりには秘密のファイナルステージもあるのよ。3人までいっしょにプレイできるから、おともだちと遊ぶとすごく楽しいよ!」

特徴

  • おはなしでは最初に1日にできるミニゲームの数を4,6,8つの中から選び、選んだ数字の数を終わらせたら、2日目に突入。全部で3日目まである。3日目のすべてのゲームが終了したらファイナルステージに突入。終わったらエンディング。
  • ミニゲームではファイナルステージ以外の好きなミニゲームで遊べる。
  • おまけモードは、他のゲームで言うところのオプション。

おはなしの問題点

  • 全く意味のないミニゲームの選択
    • ミニゲームで一番点数が低いプレイヤーが選べるという触れ込みだが、その実態はルーレットであり、目押しも難しい。
    • しかも1度やったゲームは選べない上に、ゲームの数を4つで選択したら4つしか選択肢がない。
    • 最初はじゃ魔ピーが選ぶので、最初のミニゲームで点数が低くて選べる状況になっても選択肢は3つだけ。選ぶことが出来るというより選ばされてるといった気分である。
  • 男キャラの扱いが悪い。
    • 重要人物の柳葉センパイや、説明書に載っていた同級生の風摩ようすけ、雨野たくろうのグラフィックがどう見ても観客とほぼ同等のクオリティ。初見では名前が出ない限り一目ではわからない。
      • 説明書では髪の毛の色は柳葉センパイが金、ようすけがこげ茶、雨野たくろうが紫なのだが、男キャラは全員茶色。似せる気0である。
      • というか、アニメでは雨野たくろうは茶色。説明書では紫。意味がわからない。
      • 説明書には雨野たくろうも紹介されているのだが、ゲーム中では一切語られることのないキャラ。何故説明書に載せた?
    • 柳葉センパイに台詞なし。雨野たくろうは台詞がない上、名前すら出てこない。というか、ゲームに出てきたのかすら分からない。
  • エンディングの内容が手抜き。
    • どのキャラが勝とうがプレイヤーが勝とうがどうしようがエンディングは一緒。つまり話を進めてミニゲームをしなくても、同じエンディングを迎えることが出来る。
    • 1位になった人はプレイヤーだろうがCPUだろうが結局柳葉センパイとは踊れない。センパイは他の女子と踊っているのである。がんばってミニゲームに勝って1番になった人に対し、この仕打ちはいくらなんでも酷すぎる……。
      • 実のところ、本作はアニメのとある一話をゲームにしたものであってアニメもこんなノリであり、柳葉センパイと踊れるというのも3人が勝手に決めたことなので仕方ないとも言える。だからこそ、アニメにない展開が見たかったとも言えるが。
    • アニメのとある一話をゲームにしたものであって、それを見ていた人なら展開が分かってしまうのである。

ミニゲームの説明(問題点も含む)

  • ピコピコじゃ魔ピー
    • もぐらたたきで出てきた場所をA,B,Y,Xボタンを使って叩く。じゃ魔ピーを叩いて点が入り、同級生の風摩ようすけを叩くと減点。あまり問題点はないのだが、プレイヤーとしてももこを選択していると髪の毛が邪魔になり、Xボタンで叩く場所が見づらい。
  • わいわいつり大会
    • Aボタンを押してえさを落として十字ボタンで金魚の口まで持っていってAボタンで吊り上げる。3つの色がありそれぞれもらえる点数は違う。1番マシな出来である。
  • 聖サムシングフォーを探せ
    • じゃ魔ピーが表示する絵を地面においてある花束をAボタンを押して拾って絵に描かれたアイテムを探すゲーム。ただの運ゲー。拾うとペナルティーになるアイテムや偽者はないため、絵を表示する必要性があまりない。
  • おじゃまなキャッチャー
    • UFOキャッチャーのゲーム。Aボタンで右側、Yボタンで左側に動くクレーンを動かしてぬいぐるみを拾う。A,Yを放してクレーンを降ろす。じゃ魔ぴーが動いてぬいぐるみを場所を変えて邪魔してくる。
    • 3種類のぬいぐるみがあるのだが点数はどれも同じ。つり大会の時は点数違ったのに……。
    • クレーンを降ろしたあとの待ち時間が約5秒と長くイライラする。
  • ペアエンジェル
    • 神経衰弱。交代にめくるのではなく3人同時に動いて床に置いてあるパネルをめくる。キャラが被ったりして邪魔で見づらい。CPUは普通に1発で当ててくることが多く、CPU戦では難易度が高い。
  • おじゃ魔どこじゃ
    • 3つのじゃ魔ピーの絵のうち、1つを覚えて最後にどこにあったか当てるゲーム。早く当てた方が点数は高い。
    • しかしプレイヤーが先に場所を当ててもCPUがプレイヤーと同じ場所を選択したらなぜかプレイヤーに得点が入らずCPUにだけ点が入る。逆にCPUが先に選択したのをそのあとにプレイヤーが選んでも同じ。
    • それもそのはず、どうやら3つのうち1つを選ぶのではなく、最初に出た3つのなかから自分の選択する枠に入ってる絵(1Pなら一番左の絵)を覚えろという意味で、それを他の誰よりも早く見つけなければいけないのである。
      • ややこしい仕様だが、説明書にもゲーム説明にも、そのことは一切説明がない。
  • ドキドキスロット
    • スロット。頭、体、足の3つに分かれた絵がくるくる回り、同じ色の絵を合わせてキャラクターの絵を完成させる。男より女の方が点数が高い。
    • ズボンに2種類の絵があり、男キャラ専用と女キャラ専用のズボンがあるのだがどっちがどの絵なのかわかりづらい。
      • しかも男キャラの下半身がスカートになっても点が入る。
      • 絵がわかりづらくても色で合ったかどうかも分かるようになっているのだが、色が違っても入ることがある。
      • 先ほど記述したとおり男キャラのグラがひどいため、男キャラの絵が合ったかどうかも分かりづらい。
    • ゲームではタイミングよくボタンを押して絵を止めると言ってるが回転が早く、落ち着いてやってる間にもCPUは(運次第だが)バンバン合わせてくるので、結局プレイヤーはボタン連打と運に頼るしかない。
  • じゃ魔ピーハント
    • じゃ魔ピーを撃って点数を稼ぐ射撃ゲーム。弾が遅くじゃ魔ピーの動きがだんだん早くなる。照準は他のキャラのものと被ることがあって見づらい。狙って撃っても、じゃ魔ぴーが動くため先読みするしかない。

その他の問題点

  • キャラゲーで使えるのが3人というのは少なすぎる。
    • おはなしは仕方ないとはいえ、せめてミニゲームモードでは他のキャラを使わせてくれてもよかったのでは?  せっかくのマルチプレイヤー5対応なのに。
  • ゲームを始めると、じゃ魔ピーが説明をしたあとにキャラを決めてその後におはなし、ミニゲーム、おまけを選ぶのだが、おまけやミニゲームを選んで戻ったあとに、またじゃ魔ピーの説明から始まるのでテンポが悪い。
  • オプションに相当するおまけモードで設定できるのは、変身のON,OFFのみという充実したオプション?ぶり。というかステレオ、モノラルの項目すらない
  • ミニゲームに問題だらけ、ボリュームがないのに「すごく楽しいよ」と自画自賛する,哀れなアホだ。

評価点

  • グラフィック面は比較的良好。
    • SDキャラクターは良く動き、見た目や表情、しぐさなどが可愛らしく、それを上手く生かしたOPの出来は素晴らしい。
    • 各日の開始時に挿入される1枚絵もゲームの雰囲気を上手く表していて良質。
  • メインキャラ3人の変身時に原作アニメの声優(氷上恭子氏、野上ゆかな氏、宮村優子氏)のサンプリングボイスが使用されている点。

総評

肝心のミニゲームに問題多数であり、それ以外の面でも粗が多すぎる出来。

友達と遊べばそれなりに楽しめるところがあるだろうが、それでも数々の問題点が目立ち、ソフトの金額に対するボリュームのなさから、楽しんだというよりも金の無駄だったという言葉が先に出てくることだろう。

ウェディングピーチのゲーム化第1弾なのだが、結果として先が思いやられる出だしとなってしまった。


余談

  • ゲーム外の要素だが、説明書が説明不足で13ページしかない上に、その薄い内容ですら一部は間違っている。
    • 説明書には、おまけでは音楽、効果音を聴いたりゲーム中のいろいろな設定を決めることができると書いてあるのだが、実際に設定できるのは上記のように変身のON,OFFのみ。
    • そしてパッケージには、ミニゲームに問題だらけでボリュームもないのに「すごく楽しいよ」と記述していたりする。嘘つけ。
  • 原作はTVアニメ,セラムンの脚本家やデザイナーが関わっており、姉妹作品として扱われることがある。
  • ウェディングピーチのゲーム作品は本作を含め4作品発売された。
    • 『ウェディングピーチ ~じゃ魔ピーパニック~』GBソフト。1995年12月8日
    • 『ウェディングピーチ (PC-98VX)』1996年3月15日
    • 『ウェディングピーチ ドキドキお色直し』PSソフト。1996年9月27日
    • 機種・ジャンルこそ違えど4作品ともKSS製である。