ジャンル | 格闘ゲーム | #ref(): File not found: "Suto5.jpg" at page "Street Fighter V" |
対応機種 | PS4,スチーム | |
開発元 | カプコン ディンプス | |
発売日 | 2016年2月18日(PS4,PC) | |
稼働開始日 | 2019年3月14日 | |
遊んだ者 | ザクレイ?,ナカイド?,HIKARU | |
セロ | B | |
ESRB | T | |
ペギー | 12 | |
発売日 | 【PS4】2016年2月18日 【Win】2016年2月18日 | |
価格 | 【PS4】8,629円(通常版), 9,709円(HOT!パッケージ版) 【Win】7,990円 | |
判定 | なし | |
ポイント | 久々のシリーズ新作 対戦ツールに特化 未完成品商法 | |
様々なララ ストV/羽衣/トゥームレイダー |
概要
ストリートファイターシリーズ7年ぶりの新作。開発コンセプトに「リセット」を掲げ、複雑化していったストリートファイターIVをリセットし、これまでのシリーズの経験者が再び入ってこられるようなゲームを目標として製作された。しかし前述のストリートファイターIVが世に出た際掲げられた開発コンセプトが「原点回帰」だった事を考えると、結局大まかなベクトル的には対戦ツールとして高い評価を得ながらもスパ2Xとの世代交代に失敗し、開発コストの高さとあいまって総合的には大失敗してしまったIIIシリーズ地点から今作を見ると「退化」「後ろ向き」の方向へ進んでいるといえる向きもある。
ストリートファイターIVでWindows,PS3,Xbox360といったハードごとにコミュニティが分断されていたため,大会を開くときにデメリットとなったことからシリーズとしては初のクロスプラットフォーム対戦を実現している。
また、e-sports専用作品としての意味合いが強く、定期的に大会が開かれるなどの公式でのプッシュが盛んである。
初期段階で特定のモードが選択できない,最終的にアーケードモードが実装されなかったといったサービスに乏しい部分が大きい。
ゲームモード
- ストーリー
- キャラクターごとのストーリーを体験できるキャラクターストーリーモード,Ver1.04以降使用可能となる22名のキャラクターが総出演するゼネラルストーリーに分かれている
- アーケードモードに相当するものではなく、アーケードモードの実装は2018年1月18日のアップデート版である「ストリートファイターV アーケードエディション」まで待つことになる。
- VSモード
- 2人対戦をするモード
- サバイバルモード
- 難易度を選択できる体力持ち越しの勝ち抜き戦。一人倒すごとにバトルサービスを受けられ、体力回復などを受けることができる
- チュートリアルモード
- 条件を設定して操作練習ができるモード
- チャレンジモード
- 各キャラクターに用意されたコンボ課題をこなすトライアルと,本作のシステムや各キャラクターの特徴などを学べるデモンストレーションがある
- ネットワークモード
- 勝利ポイントをためて順位を競うランクマッチと、順位に関係ないカジュアルマッチの2種類のネットワーク対戦を行うことができる
- CFN(カプコン・ファイティング・ネットワーク).
- オンライン状態にある各プレイヤーの情報を検索できるモード。相手のプロフィールや対戦のリプレイも見ることができる
- ショップ
- 各モードで取得したゲーム内通貨を使って追加キャラクターやコスチュームを購入できる
また、発売後も定期的なアップデートが行われておりシーズン1(2016年)に6名、シーズン2(2017年)に6名のキャラクターが追加されており、2018年にも6名のキャラクターが追加予定である。
特徴
- 「リセット」を謳っただけあって、前作『ストリートファイターIV』の特徴的なシステムは一掃されている。
- インターフェース上の特徴として、体力ゲージのほかにEXゲージ、スタンゲージ、そして新システム・Vゲージが表示される。
- 今回のパワーゲージ「EXゲージ」は一本メーターを3分割した見た目。攻撃が接触すると双方増加し、ラウンドをまたいで持ち越す。
- 1マス消費で既存の必殺技が大きく強化されたEX必殺技を使え,ゲージ全消費で超必殺技・クリティカルアーツを使える。
- スタンゲージはストIII以来の可視化。攻撃を連続で受けると溜まり、最大になると一定時間操作不能状態で硬直してしまう。攻撃を受けない状態が続けば減少する。
- Vゲージは目玉要素となる「Vスキル」「Vトリガー」「Vリバーサル」に関わるゲージ。
- ダメージを受けるかVスキルまたは一部技でのカウンターを成功させないと増えず、ラウンド毎にリセットされてしまう。
- 中パンチ+中キックで、固有の特殊技「Vスキル」が使える。成功するとVゲージを溜めることができる。
- レバー前+パンチまたはキック全押しで、Vゲージを一本分消費してガードキャンセル攻撃「Vリバーサル」を行う。スタンゲージが回復するが、リカバリアブルダメージになるためこれ自体ではKOにならない。
- Vゲージが最大の時に強パンチ+強キックで,一定時間キャラ固有の強力な能力「Vトリガー」が発動する。ヴァンパイアセイヴァーのダークフォースに近いパワーアップシステム。
- キャラクターごとに最大値が2~3マスになっており,ゲージが長いキャラはVリバーサルを使いやすく、短いキャラはVトリガーを使いやすくなっている。
キャラクター
- 使用キャラクターは発売時16人で、シーズン1で6人、シーズン2で6人追加された。2018年のシーズン3でもさらに6人追加される予定がある。また、ゼネラルストーリーで登場するCPU専用キャラクターも存在する
本作からの新登場キャラは太字表記。
初期から参戦 | リュウ 春麗 ナッシュ ベガ キャミィ バーディー ケン ネカリ バルログ レインボー・ミカ ラシード 神月かりん ザンギエフ ララ ダルシム F.A.N.G |
シーズン1追加 | アレックス ガイル いぶき バイソン ジュリ ユリアン |
シーズン2追加 | 豪鬼 コーリン エド アビゲイル メナト 是空 |
格闘ゲームとしての細かい仕様における特徴
- 強烈すぎる打撃と投げの2択
- Vゲージ関連が表であればこちらはゲームシステムの裏のテーマと言え、そして本作が賛否両論となっている主な要因である。
- 本作にはしゃがグラ*1が無いため、投げを防御する場合は必ず投げモーションを見せなければならない。
- 『ストIV』と同様投げの発生が早い・ダウン・ガード後の投げ無敵時間が短い事から、一定の条件を満たせば投げ抜け以外で回避不能な状況が成立する。ストIVの様な投げからのセットプレイはやりにくくなっているが、投げて起き上がった所をさらに投げるなどの攻めが通りやすく,「柔道」と揶揄される事も多い。
- 一方、打撃モーションに加え、投げスカモーション・バックステップなどに被カウンター判定があり、対応した技を当てればクラッシュカウンターとなり大ダメージコンボが望める設計となっている。
- このため、「打撃をガードしていても状況が良くなりにくい」「投げ抜けは読まれると非常に痛い」という本作では、一旦守勢に回った時にターン交代するのが困難であり、こうした「ターンを取った側の一方的な攻防」に重点が置かれている。
- 当初は複合入力による防御方法などが存在していたが、バージョンアップ時に削除されている事から、本作ではこの攻防を強調する調整を行っている。
- こうしたゲームバランスは「ブロッキングがない『ストIII3rd』」にも喩えられており、『ストIV』とは全く異質なものとなった。Vリバーサルという緊急回避はあるものの無制限ではなく、抑止力となるブロッキングがないため、攻めが強力となっているのである。ストIIIとの共通点として、リュウやケンの持つ(通常版)昇龍拳が1F全身無敵ではなくなっている(EX版で1F全身無敵となる)
- 「暴れ」がやりにくくなった
- ストリートファイターIVのときは、しゃがみ弱キックなどの小技を連打して必殺技につなぎ一気に体力を奪うというようなパターンが多かった。
- 対して今作は密着状態での小技連打も2回程度しかヒットせず、必殺技をガードされるとたいてい反撃されるスキができるため、連続技におけるヒット確認が重要になっている。
- 相打ちになった時に優先される設定ができた
- ストIIIと同様、お互いの攻撃が同時にぶつかった際は、より大きな強度の攻撃が優先されてヒットするようになっている。
このため、小技での牽制にもそれなりにリスクが生じるようになった。
- ストIIIと同様、お互いの攻撃が同時にぶつかった際は、より大きな強度の攻撃が優先されてヒットするようになっている。
- 先行入力の実装
- ストリートファイターIVではタイミング良く通常技を入力する「目押し」による連続技がコンボのメインとなっているため、少なからず操作面での敷居を上げていたのだが、
本作では先行入力が採用されているためコンボの難易度はある程度引き下げられた。
- ストリートファイターIVではタイミング良く通常技を入力する「目押し」による連続技がコンボのメインとなっているため、少なからず操作面での敷居を上げていたのだが、
- 『ストIV』から唯一存続した要素が「リカバリアブルダメージ」であるが、こちらも大小様々な仕様の違いが存在する。
- 本作ではVリバーサルのダメージや、中・強の通常攻撃やVスキル攻撃をガードした時点で、一時的なダメージを受ける(白いゲージを残して削られる)ようになっている。
直撃した時点で回復分がなくなるので、ガードした状態で固められるだけでその後に崩された時に奪われるリードが積み重なる事を意味するようになった。 - 必殺技などをガードすると直接体力が減るが、今作ではクリティカルアーツでなければガード削りでKOされることはなくなっている。
- 本作ではVリバーサルのダメージや、中・強の通常攻撃やVスキル攻撃をガードした時点で、一時的なダメージを受ける(白いゲージを残して削られる)ようになっている。
バランス総評
- 総合的に見ると、何度もアップデートを繰り返したこともありゲームバランスは特に穴が無くまとまっている。そのため、対戦ゲームとしての出来は悪くない。
- 強い判定を持つ技を持ったキャラの場合にも、技を振ることによるリスクが設定されているだけあって、どちらかといえば攻めよりも読みあい重視のバランスとなっている。
- 過去のシリーズに何度か見られたお手軽な強キャラや対戦環境に食い込むことが難しい弱キャラの存在が目立ったケースが確認されていないことが、対戦面での作り込みを物語っている。
評価点
- Vゲージまわりを差し引けばシステムそのものはわかりやすくまとまっているため、初心者へのとっつきやすさは健在。
- 先行入力によって操作難易度が引き下げられたのがそれを後押ししているが、逆に言ってしまえば操作精度だけが直接的な勝ちに直結するようなものではなくなったにすぎない。最終的には技の相性などのキャラ知識、そして読み合いと経験による。
賛否両論点
- グラフィックがストリートファイターIVのようなアニメチックな表現であったのに対し、写実的というよりはアメコミチックなラインシェーダーの太い表現になっている
- このためリュウやケンなどのある程度落ち着いた年齢層のキャラはいいが、かりんやキャミイなどの若い年齢のキャラ全体的に顔の掘りが深い表現になっているため老けたような外見に見えるという弊害が生じている
問題点
- 発売時点で未完成品と誹られる部分があった
- 発売時点では「チャレンジモード」と「ショップ」が未実装であった
- のちにアップデートで追加されたが、初期の段階では項目があるにもかかわらず選択できないという状態であり、未完成品のまま売りつけたのかと初期の評価を大きく落とした
- CFNにも未実装の項目がいくつかあり、こちらも問題視された
- ストーリーモードが全体的に面白みに欠ける
- ストーリーモードはアドベンチャーゲームのようにテキストを読み上げていき、イベントとして戦闘が入るという形式になっている。これ自体はよくある話だが、テキストが起承転結の「起」の部分で終わってしまうキャラクターが多く、物語としての面白みに全体的に欠ける。
- また、ストーリーモードで対戦するCPUもほぼ棒立ちに近く、適当に攻撃しているだけで終わってしまう。プレイヤー側がVゲージMAX,EXゲージMAXの状態で始まるのも余計につまらなさに拍車をかけている。
- ネットワーク対戦での待ち時間が長い
- ネットワーク対戦ではキャラ選択→インターミッション→対戦開始となるのだが、このインターミッションがかなり長い。対戦のテンポを削いでいると批判された
- 一人連続対戦のいわゆるアーケードモードがない
- 通常の格闘ゲームにはあって当然の伝統的なモードが実装されていないことについては批判が多い。これは新しいキャラを使いたい場合などの練習相手に乏しいということを意味していた。
- CPUとの対戦はVSモードで相手の操作モードを「CPU」にすれば行うことができる。この場合はLvに応じてかなり立ち回りが変化するほどCPUの出来自体はよいため、アーケードモードがないことが特に惜しまれていた。
総評
総じてみると、ガチの対戦格闘ゲーマーが必要とされる部分は一通りそろっているが、ライトユーザーや一人で楽しむプレイヤーが楽しむ分にはゲームとしてサービスに乏しいといえる。
特に初期段階ではサバイバルモードぐらいしか一人で遊べるモードがなかったため、対戦ありきのみのソフトとなっていたことは確かである。
問題点として挙げられた部分の多くがアップデートで改善されておらず、対戦以外の部分がすべておざなりになっているといっても過言ではない。最もこれ(対戦重視)は元々のカプコンの作風であり、それが行く所まで行ってしまった事が、ストIIIシリーズの大失敗の原因でもある。その反省を踏まえた上で前述のように「原点回帰」のIVが世に出た事を考えると、結局大幅な開発スタッフのリストラがあったのにもかかわらず、前述のカプコンの格闘ゲームに対する固定観念はまさしく前述の如く昔のように「リセット」されてしまったという事なのだろうか。
ゲームの部分としてはほどよくまとまっているといえるため、サービスの有無が評価の下落につながった作品といえるだろう。