多くの視聴者を爆笑の渦に巻き込んだ国会の茶番について説明していきます。
*【野党のつっこみどころ】 [#o61699f7] 伊丹が国会に招致されて野党からの質疑応答をされるわけだが、この時に野党が持ち出したのは「コダ村での犠牲者が151人も出ているのはどういうことか?」という意味不明なものである。 そもそも特地は戒厳令が敷かれており、情報は政府の「大本営発表」しかない状態であり、まずはこの状態そのものが大問題なのだ。 その完全情報統制状態の中で、コダ村の犠牲者が151人という情報を良く手に入れたものだと感心したが、そもそも野党が批判すべきなのは ''「完全情報統制状態」''の部分である。 この部分に対しては、野党も''そして何よりも各諸外国も全く文句一つない状態''。 特地が危険だから? いやそんな事はない。 その前のアルヌス戦の政府発表で、「自衛隊の犠牲者は0、異世界側の犠牲者は6万」などと発表しているのだ。 人類史のどこを探してもそんな戦闘は存在しないし、武器を持たない市民相手だったとしても幾人かの犠牲者は出るものだ。 つまり、この時点でこちらの世界の紛争地域よりはよほど安全だということが分かる。 こちらの世界の紛争地域であっても、マスメディアは報道のために入り込んでいるし、もちろん許可を受けた地域であっても、爆発や銃撃戦の音が後ろから聞こえる。 特地は紛争地域よりもよほど安全なのだからマスメディアや各国政府に公開すべきだろう。 炎龍がいるから? 炎龍は、いつどこからどこに現れるのか分からない状態である。 つまり自然災害に近い状態なのだ。 「日本は地震が多発しているから、マスメディアや国民は日本から退避しなければならない」 と言っているのと同じことである。 ありえない話だ。 #br これが「国会シーンが茶番」である最たる理由である。 一番重要で、一番つっこみの入れる事のできる「情報統制状態」というところに突っ込みを入れない。 逆に「被害が大きすぎるのでは?」という、どれだけでも反論の余地のあるところにしか突っ込みを入れない。 これを茶番といわずして何というのか。 要するに、作者がそこまで考えることができてないのだろう。
*【ロウリィ、レレィ、テュカは特地代表か?】 [#rf9f22fc] ロウリィ、レレィ、テュカは小説版と漫画版では日本円で給料を貰ってたことが説明されている。 #br ''小説版1巻 P431'' >ちなみに、買い物の代金はそれぞれ各自が負担している。 以前述べたように、レレイは日本政府から通訳などの業務のために雇われているし、 テュカは森を切り開く際にどの樹を切って良い、どの樹は駄目という指導をしたり、 水源捜索(水の確保は、非常に重要である)といったことで重要な役割を果たしている。 ロゥリィは、アルヌスの北の麓につくられた墓地で、祭祀をしたり、 宗教的禁忌などを避けるためのアドバイザーの役割をしている。 そんなこともあって、三人共特地では使い道のない日本円を結構貯めているのだ。 #br
''漫画版3巻 P97'' >梨紗「そういや三人共お金は? 日本円」 レレイ「大丈夫。私達仕事してるから。通訳」 テュカ「環境アドバイザー」 ロゥリィ「祭祀・宗教アドバイザー」 梨紗「もしかして私よりお金持ち?」
#br ''つまり、日本政府によって雇われた特地の人間が、国会という場に「特地側の人間の証人」として立ったことになる。'' ''当然彼女たちは、日本政府を擁護し、自衛隊を擁護し、伊丹を擁護するであろう。'' とんだ茶番である。
*【ロゥリィの主張と現実】 [#s4a86527] Web版
>「おいくつですか?」 >「961歳になるわ」 > 静まる議場…唖然とする女性議員。不老不死…?という声が漏れた。 > 女声による他の参考人の年齢も聞いてみて、というヤジが出たりした。 >「165歳」というテュカの答えに、ゾッとする男性議員と、ぐびっと唾を飲み込む女性議員。 >雪の結晶のような天然の美しさと永遠の若さ。テュカが圧倒的な存在感をもって放射するそれは女性達が追い求めるものであったからだ。 >それを体現したものが目の前にいる。 > ま、まさか…という思いを込めてレレイへと質問が及び、彼女が「15歳」と答えた時、議場にいた男性議員の間にはホッとした >雰囲気すら流れたほどである。美しさ=若さという等式が成立しているオールドタイプの男心というのは、斯くのごとく複雑なのである。 > ここで、レレイの解説が入った。 > レレイは、門の向こうにおいて「ヒト種」と呼ばれる種族であり、その寿命は60~70歳前後である。 向こうに住むものの多くはヒトである。 > それは、まさしく門のこちら側における人間と同じであり、議員連中をホッとさせ、同時にがっかりさせた。 > テュカは、不老長命のエルフ。しかもハイ・エルフと呼ばれる妖精種であり、その寿命はエルフを遙かに越えて永遠に近いという説もある。 > ロゥリィもヒトではなく、亜神である。肉の身体を持つ神である。やはり不老だが元来はヒトで、亜神へと昇神した時の年齢で外見が固定されている。通常1000年ほどで肉の身体を捨てて霊体の使徒に、そして真なる神となる。 >従って、寿命という概念はない。 > 福岡みずのは、内心で頭を抱えた。 > 先ほどの自身の言からすると、年長者に対する礼儀を示さなければならないのは福岡の側となってしまうからだ。 >だが日頃から政府に対して、高齢者に対する礼儀や、思いやりが欠けていると主張しているその口は、言葉を失っていた。 > 最後の最後に、民生党の窓過議員が立ち上がって、特にロゥリィを指さし「あなたのようないかがわしい存在を神とあがめるような世界は、人間性を破壊する」と発言して、門を閉鎖するべきだと主張したりしたが、ロゥリィ参考人は次のように答えている。 >「''自分に理解できないとか、合わないとか、気に入らないという理由で異なる文化を廃絶する姿勢は、結局差別に行き着く。'' > 『健全』とか『人間性』といった名目で文化を健全と退廃に分別することを大義名分にしたとしても、その一方を抑圧し廃絶しようとするなら、どこで線を引くかが必ず問題になる。 > 今日、中間で線を引いたつもりでも、一方が廃絶された明日には、それは端っことなる。 > また、その中間に線を引きたくなるだろう。また端っこになる。…やがて人の魂を抑圧する考え方に行き着くことになる。 > 行きすぎた清潔主義、健康主義は必ず極端化して、害悪に転じる」
非常に結構な主張だと思うが、宗教上の理由とやらで日本国内で武器を携帯し、国会にまで持って入り、あろう事か慰霊碑の墓前まで担いで持っていた彼女は 日本の文化、つまり「異なる文化を否定している」のではないだろうか? 自らの文化を認めろというのであれば、まずは日本の文化様式を理解して欲しいものだ。 ''郷に入りては郷に従え''である。
#br 文庫版1.接触編〈下〉P120~122
> 最後の最後に日暮議員が立ち上がった。 > そして、特にロゥリィを指さすと「生きながら神とあがめられ九百年の長きにわたって生きているという貴女に尋ねたい。私たちは自由を大切にしているが、行きすぎた自由によって不当に貶められる人を守るためにそれを制限しなければとも考えている。 >例えば、幼い女性を描いた物語や絵描といったものの、とある方面の内容についてです。 >それをどうしたら良いでしょう?」という質問をした。 > それは、異世界の価値観を知りたかったのか、それともその答えの内容から彼女の精神的な成熟度を測ろうとしているのかいずれかのようであった。 > ロゥリィ参考人は次のように答えている。 >「答えのない問いは、長年生きていても答えは出ないわあ。答えが出ないことがまさしく答えなのだから。それでもあえて応えるなら、自分に理解できないとか、合わないとか、気に入らない、あるいは誰かの権利が害されるのを防ぐため等の理由で、ある種の文化や芸術・表現方法を廃絶される姿勢は、結局差別に行き着くと知りなさい。 > 『健全』とか『人間性』といった名目で文化を健全と退廃に分別することを大義名分にしたとしても、その一方を抑圧し廃絶しようとするならぁ、どこで線を引くかが必ず問題になるのだから。 > 今日、中間で線を引いたつもりでも、一方が廃絶された明日には、それは端っことなるわぁ。 > また、その中間に線を引きたくなる。また端っこになる。……やがて人の魂を抑圧する考え方に行き着くことになる。行きすぎた清潔主義、健康主義は必ず極端化して、害悪に転じてしまうのよぉ」
問題は、
>自分に理解できないとか、合わないとか、気に入らない、あるいは誰かの権利が害されるのを防ぐため等の理由で、ある種の文化や芸術・表現方法を廃絶される姿勢は、結局差別に行き着くと知りなさい。
自称900歳オーバーのロゥリィのこの返答である。 表現の自由は明確に保障されるべきである、としている。 しかも「誰かの権利が害されたとしても保障されるべきだ」としている。 日本国憲法にある上記のような自由権という基本的人権に属しているものには、「公共の福祉に反しないかぎり」という制約がついている。 ''これは「誰かの権利が害される場合には制約されることもあり得る」という意味である。'' ''無制限に保障されるものではない。'' ちなみに、この表現の自由の中には「報道の自由」も含まれている。 ロゥリィはかなり広い意味で報道の自由をも容認しているようである。