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ダーシー・ジェイムズ・アーギュー / Darcy James Argue

Last-modified: 2016-11-25 (金) 15:13:34
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ダーシー・ジェイムズ・アーギューはカナダ生まれ、アメリカで活動するジャズ作曲家。ラージアンサンブル、「シークレット・ソサエティ」のバンドリーダーとして知られている。シークレット・ソサエティは2009年のデビュー以降、アルバムごとに「スチームパンク」、「過去・現在・未来が混在するブルックリン」、「陰謀論に沸くアメリカ」とコンセプチュアルなテーマのミステリアスで重厚な作品を制作している。2000年以降、あるいはマリア・シュナイダー以降に出現した作曲家で屈指の存在とみなされている。

 
編集履歴

バイオグラフィー

デビューまで

1975年、カナダのブリティッシュコロンビア州、バンクーバーに生まれる。
幼少の頃トランペットをはじめ、その後ピアノの演奏にきりかえる。高校ではジャズミュージシャンのソロの分析やジャズ・ハーモニーを勉強しはじめる。

好きな音楽家・作品

ケベック州、モントリオールのマギル大学に1993年から1998年まで在籍する。同校ではクラシックとジャズピアノを学ぶ。その後2000年にアメリカに移住し、ニューイングランド音楽院に入学。同校でボブ・ブルックマイヤーの教えを受ける。マギル時代にEメールでアーギューがブルックマイヤーに作品を見てもらうために送ったところ、ニューイングランド音楽院に来るよう誘われたことがきっかけだった。
当初、ジャズアンサンブルのリーダーとスモールグループを率いるジャズピアニストという二足の草鞋を履こうと考えていたが、ピアニストよりもジャズ作曲家としての自分のほうがパーソナルな表現ができることに気付き、ジャズ作曲家としての道を歩む決意をする。

師事歴

ラージアンサンブル結成まで

2002年にニューイングランド音楽院を卒業するが、ガールフレンドがまだボストン近郊の大学に在学していたため、1年間ボストンにとどまる。その1年間の間にも毎週火曜日にバスでニューヨークへ行き、ジャズ作曲家のためのワークショップに参加していた。そのワークショップではマリア・シュナイダーやジョン・ホーレンベックなど様々な作曲家がレクチャーしていた。

 

2003年にニューヨークのブルックリンに拠点を移す。ワークショップは引き続き2ヶ月に一度参加していたが、セッションの時間制約の都合で自作曲を披露するには自分のグループを持つしか無いと決意。友人のつてを使い、ニューヨーク中のミュージシャンに声をかけ、自分の音楽に興味を持ってくれるメンバーを探しだす。
2005年、18ピースのジャズアンサンブル、シークレット・ソサエティを結成。最初のギグは数多くのパンクバンドを輩出した名クラブCBGBでの演奏だった。バンドメンバーは流動的だったが、イングリッド・ジェンセン、ティム・ヘイガンス、ジョン・エリス、ライアン・ケバリー、ジョン・ウィカンなど10年代まで活動をともにするミュージシャンたちがレギュラーメンバーとして集っていた。

シークレット・ソサエティでの活動

2009年には「スチームパンク・ビッグバンド」を標榜した第1作『Infernal Machines』(2008年)をリリース、様々な賞を受賞する。

 

2011年11月にはビジュアル・アーティスト、Danijel Zezeljのアニメーション作品とのコラボレート・コンサートを行う。その内容はジャズオーケストラの演奏、映像作品、ライブペインティングを組み合わせたマルチメディア・パフォーマンスだった。2013年には第2作として、その時の演奏を再構成したトータルアルバム『Brooklyn Babylon』をリリースする(ただしストラヴィンスキーのバレエ音楽がそうであるように、視覚的な要素が無くてもそれ自体独立でサウンドする音楽に仕上げたと言っている)。

 

2016年、第3作として第二次世界大戦から9.11テロまでの世界の「陰謀」をテーマにしたトータルアルバム『The Real Enemy』をリリース。

 

シークレット・ソサエティは結成以降現在までアメリカだけでなくブラジル、ヨーロッパ、カナダなどをツアーしている。またアーギューは各地のビッグバンドやオーケストラ、映画会社から作曲の委託を受けている。

作品

2009 - Infernal Machines
2013 - Brooklyn Babylon
2016 - Real Enemies

発言

音楽観

影響源

ギル・エヴァンスはアレンジャーとして大きな影響を受けた人物。特に曲にサムシングを取り入れ、それを(曲に即したものに)完全に変えてしまい、そのムード、カラー、テクスチャーに光を当てる能力に影響を受けた。最小のディテールだけで、アレンジメントの語り口として機能させることができるんだ(The smallest details serve the narrative of those arrangements)。そういった能力には非常に感銘を受けたね。(2008,AllAboutJazz)

 
  • チャールズ・ミンガスは最も初期の影響源と述べている。(2008,AllAboutJazz)
  • サド・ジョーンズはビッグバンドのアレンジや、それを豊かにする方法を学ぶ上でモデルにしたという。アーギューは彼を60年代のハービー・ハンコック的なハーモニーをビッグバンドの世界に取り入れた人物と評価する。(2008,AllAboutJazz)
  • 『Brooklyn Babylon』は4、50年代のプログレッシブ・ジャズ、初期のアメリカ・ポピュラー音楽、バルカン半島のフォーク・ミュージック、現代の様々なブルックリンの音楽を織り込んでる。ブルックリンの音楽の内訳としては、LCDサウンドシステムのようなダンス・パンク、ダーティー・プロジェクターズのようなインディー・ロック、ミッシー・マゾリのような現代音楽まで多岐にわたる。他にジャズでは過小評価されていると考える70年代的な要素を活用している。デューイ・レッドマンやレスター・ボウイのようなアヴァンギャルド・ジャズ、サド・ジョーンズ、ドン・エリスのような複雑なラージアンサンブル、ドナルド・バードやハービー・ハンコックのようなファンク的な要素がそれである。Brooklyn Babylon
  • 『Real Enemies』ではアルノルト・シェーンベルクの開発した十二音技法を取り入れている。ただし戦後の現代音楽の文脈に即したものではなく、映画音楽の作曲家が用いた十二音技法の曲も視野に入れている(『パララックス・ビュー』のマイケル・スモール、『大統領の陰謀』や『サブウェイ123 激突』のデヴィッド・シャイアなど)。またサン・ラや、ルイス・エンリケ・メヒア・ゴドイの革命歌、80年代のエレクトロ・ファンクのシンセサイザーのグルーヴの要素もあるという。Real Enemies
  • 『Real Enemies』制作中は十二音技法系の楽曲を聴き漁ったという。その中で好きなものはアーロン・コープランド『Inscape (1967)』、ストラヴィンスキー『Agon(1957)』だという。(2015,Jazz Speaks)

他のミュージシャンに対して

評価

出典

(2008)AllAboutJazz: Darcy James Argue: His Secret Society
(2009)jazz.com: IN CONVERSATION WITH DARCY JAMES ARGUE
(2009)Observer: The History of Jazz, by Darcy James Argue
(2010)burning ambulance: INTERVIEW: DARCY JAMES ARGUE
(2011)dcist: DCist Interview: Darcy James Argue
(2013)Washington City Paper: Bandleader Darcy James Argue on the Genesis of Brooklyn Babylon
(2013)The Boston Globe: Darcy James Argue has big plans for the big band
(2013)I CARE IF YOU LISTEN: 5 questions to Darcy James Argue (composer)
(2014)TimeOut: Winter Jazzfest: An interview with Darcy James Argue
(2014)The Arts Fuse: Fuse Jazz Review: Darcy James Argue’s Secret Society Lights Up the Future of Jazz at Newport 2014
(2015)Jazz Speaks: Real Enemies: Darcy James Argue Speaks
(2015)Virginia Tech News: Jazz, art, and storytelling fuse live onstage during two performances spearheaded by composer Darcy James Argue