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ブライアン・ブレイド / Brian Blade

Last-modified: 2016-11-29 (火) 10:34:14

完全な世界での音楽の主役はミュージシャンではなく音楽そのものなんだ。音楽が自ら語り始めたら、それを静かに受け止めるだけだと思うよ。(Jazz Life 12.1998)

 
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ブライアン・ブレイドはアメリカ在住のジャズ・ドラマー、作曲家。また、作品によってギターやヴォーカル、弾き語りも担当している。演奏スタイルはポリリズムやリズムの再分割など過去のドラマーたちが築き上げた技法をベースに、その技巧の跡を一切感じさせない優れたダイナミクスやニュアンスのコントロールが特徴。それにより表現される空間的かつオーガニックなサウンドは数多くのバンド・リーダーに求められている。またサイドマンとしての活動に加え、作品数的には多くないながらも、ジャズにフォーク・ミュージック、オルタナティブ・ロックの要素を加えた「ブライアン・ブレイド&フェロー・シップ」での活動でも知られている。

 
編集履歴
 

バイオグラフィー

1970年7月25日ルイジアナ州シェリーブポート生まれ。最初はヴァイオリンを演奏していたが、13歳の時バプテスト教会で兄のブレイディ・ブレイドに変わってドラムを叩き始める。

師事歴

大学在学中、ニコラス・ペイトンやケニー・ギャレットらと出会いプロの道に進む。

 

彼がデビュー以降現在まで活動を続けているフェローシップ・バンドは1988年頃、ロイオラ大学の同級生だったピアニスト、ジョン・カワードとのデュオから生まれた。1989年にニューオーリンズ大学在籍中のベーシスト、クリス・トーマスが参加しピアノ・トリオになる。その後1996年頃マイロン・ウォルデンやメルヴィン・バトラーと出会い、ピアノトリオ+2サックス+ギターという現在の形になる。

 

また1991〜2年頃、シンガーソングライター/プロデューサーのダニエル・ラノワと知り合っている。デュオで演奏している内に彼がプロデュースを手がけるボブ・ディランやマリアンヌ・フェイスフルのレコーディングにも参加。またジョニ・ミッチェルがブレイドを起用したのもラノワの紹介が切っ掛けである。

 

サイドマンでは90年代にはジョシュア・レッドマン・カルテット、ケニー・ギャレット・グループ、サム・ヤヘル・トリオなどに参加。サム・ヤヘルとのトリオはレッドマンがピーター・バーンスタインと交代で入った後、ソウル/ファンク系のグルーヴを追求するエラスティック・バンドに発展した。
2000年にはミッチェル作品の参加がきっかけで知り合ったウェイン・ショーターに声をかけられ、彼の新バンドに加入。ショーター、ブレイド、ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチによるこのカルテットで15年以上活動する。
また、00年代にはこれまで活動したミュージシャンに加えて、デヴィッド・ビニー、ウォルフガング・ムースピール、ロン・マイルズなどとも共演し、音楽性の幅を広げている。

 

2011年同郷の女性と結婚。2013年に居を故郷のシェリーブポートに移す。

作品

ブライアン・ブレイド&フェロー・シップ
1998 - Brian Blade Fellowship
2000 - Perceptual
2008 - Season Of Changes
2014 - Landmarks

 

ヴォーカル作品
2009 - Mama Rosa

発言

音楽観

完全な世界での音楽の主役はミュージシャンではなく音楽そのものなんだ。音楽が自ら語り始めたら、それを静かに受け止めるだけだと思うよ。[4]

 

「落とす」ことを無駄にしたくない


海に水滴が落ちると、そこから波紋がどこまでも広がっていくように、スティックを落としてところから振動が広がるわけだから、落とすことを無駄にしたくない。あるところに音を置いて、そこから波紋が広がっていくようにしたいんだ。偉大なドラマーはみんなそれができていると思うからね。ジェームス・ギャドソンやエルヴィン・ジョンズ、リヴォン・ヘルムといった人たちはみんな、落とすところにものすごい"意図"があった。彼らは自分の"意図"をものすごく的確に置いていくことができたんだ。そういうことを考えるとインスパイアされるよね。ポール・モチアンとか、他にもそういう人がたくさんいる。雪の結晶に同じものは2つないのと一緒で、他の誰とも違う精神が数えきれないほどある、なんて考えるにつけ、自分もそういうサウンドが出せればいいなと思うよね。[9]

 

ドラムのセッティングがシンプルなことを聞かれて


これは深い話でね。エルヴィン・ジョーンズが大好きなんだ。アート・ブレイキーの「キャラヴァン」も今も聴き続けている。あのふたりのセッティングのシンプルさを、思い出してほしい。しかし、出る音は芳醇にしてダイナミック。まるでオーケストラだ。それをぼくも目指している。べつに、大きなセッティングを使うドラマーを悪く言うつもりはないよ。すべての演奏家がその旅の途中にあると思うから。でも、ある時、自問したんだ。そのドラムが音を出しているのか。それとも、演奏している人が出しているのかと。[3]

 
  • 作曲はまず最初に歌詞を考えて、その歌詞を暗唱しながらイメージを膨らませ、曲にしていく。その後ある程度曲の形が出来ると歌詞をとっ払ってしまう。音よりも曲のイメージ(世界観のようなもの?)が先。[1]また、先にリズムを決めてから曲を完成させるような、純粋にリズム楽器の立場で曲を書いたことはない。[8]

影響源

好きなドラマー、音楽家
ポール・モチアン、ジョー・チェンバース、エルヴィン・ジョーンズ、ジョン・ボーナム、ストラヴィンスキー[1]
影響を受けたドラマー
エルヴィン・ジョーンズ、アート・テイラー、ポール・モチアン、ジョー・チェンバース、グレッグ・ハッチンソン[2]

 

ウェイン・ショーターについて


1996年のインタビュー
ある種のムードというか、世界を呼び起こすサウンドっていうのは本当に音楽において重要な事だと思うんだ。何か考える前に直接心に入ってくるような感じだよね。どのような曲の雰囲気に合うかを考えて作り出されるメロディ、カラー、コントラスト、そういう所でウェイン・ショーターには影響を受けている。[2]

同時代のミュージシャンについて

  • ジョン・カウハードは、最初に作曲のインスピレーションをくれた人。大学時代に曲を書いたことのないブレイドに作曲を勧め、励ましてくれた。[3]
     
  • デヴィッド・ビニーはとても偉大なソングライター、アルトサックス奏者。「常に自身を広げているし、作曲においてもチャレンジを忘れない」[7」
     
  • ロン・マイルズは1920年代の音楽からプリンスの最新アルバムまで様々な音楽にアンテナを張り巡らせ、吸収している独自性の高いミュージシャン。

評価

ジョニ・ミッチェル


誰かが私にブライアンのテープを送ってくるまでは、音楽界から引退する準備を整えていた。ブライアンと知り合って、彼とプレイすることで、音楽と人間に対して自信を取り戻すことができたの。[4]

 

大坂昌彦


ジェフ[・ティン・ワッツ]が90年代に次世代エルヴィンとして活躍したとするならば、2000年代にその役を担っているのはブライアン・ブレイドだろう。ジェフがエルヴィンのメトリックな部分を受け継いだとするならば、ブライアンはむしろリズムのゆらぎや雰囲気といった、有機的な部分を受け継いでいると言える。やはりブライアンもケニー・ギャレットをはじめ、ジョシュア・レッドマンやウェイン・ショーター等、多くのコンテンポラリー・プレイヤーの支持を受けている。ジェフがエルヴィンに比べてかなりヘヴィなのに対し、ブライアンはライト・タッチなのも面白い。[11]

 

小宮 勝昭


ブライアン・ブレイドのドラミングを見ていつも感じるのは、教則的ないわゆるキレイなフォームとは一線を画すということ。全く次元が違う。周りの音に神経を研ぎ澄ませ、ものすごいスピードで反応し、常に感情を注入してドラムを叩いているブライアン。身体の動きはしなやかで、大きく動いたり、止まったり、素早くプッシュしたり……。と思えばまるで機械じかけの人形のように身体を固めた動きをしてみたり……。おそらく、ドラムを、リズムを"刻む"という、よく言われる感覚など、全く持っていないのではないだろうか。ブライアンの周りにはリズムが、グルーヴが常に存在し、回転していて、その渦の中で自由に遊び、泳いでいるのではないだろうか。[6]

使用楽器

準備中

脚注

1 Jazz Life p10-11 2.2001
2 Jazz Life pp138-139 11.1996
3 Jazz Life pp16-17 6.2014
4 Jazz Life pp90 12.1998
5 Rhythm & Drum Magazine pp75-81 5.2014
6 Rhythm & Drum Magazine pp12-23 3.2012
7 Rhythm & Drum Magazine pp12-19 7.2011
8 Rhythm & Drum Magazine pp29-33 6.2008
9 Rhythm & Drum Magazine pp10-23 3.2006 Interview & Text: Katsuaki Komiya
10 Rhythm & Drum Magazine pp44-47 2.2001 Interview & Text: Rhythm & Drum Magazine
11 Rhythm & Drum Magazine pp14-23 10. 2002 Interview: Akira Sakamoto / Text: Rhythm & Drum Magazine